2006年の会社法施行により、新たに有限会社を設立することはできなくなりました。しかし、それ以前に設立された有限会社は「特例有限会社」という株式会社の一種として存続しています。(従来と同じく有限会社という呼称も認められています)
会社の運営において、役員の就任、辞任、死亡などによる変更は必ず発生します。特例有限会社も任期がないなど違いはありますが、基本的には株式会社と同様に、役員に変更があった場合には法務局で役員変更の登記手続きを行う必要があります。
この記事では、特例有限会社の役員変更登記について、株式会社との違いや役員変更の種類、手続きの流れ、必要書類などについて解説します。
特例有限会社の役員変更登記とは?手続きや自分で申請するための必要書類を解説

- 特例有限会社の役員の特徴
- 役員の任期
- 役員の重任登記の有無
- 役員の員数
- 取締役会・監査役会
- 代表取締役
- 有限会社の役員変更の種類
- 就任
- 辞任
- 死亡
- 解任
- 氏名・住所変更
- 任期満了による退任・重任
- 特例有限会社の役員変更の決議手続き
- 役員の選任
- 代表取締役の選定
- 役員変更の登記申請
- 登記申請に必要な登録免許税
- 特例有限会社の役員変更登記の必要書類・議事録
- 役員変更登記の必要書類・議事録のひな形
- GVA 法人登記なら登記種類に合わせて必要書類を自動作成できます
- 頻度が少ないだけに確実に登記申請できる体制を
- GVA 法人登記なら、役員変更登記に必要な書類を12,000円で作成、法務局に行かずに申請できます
- GVA 法人登記が対応している登記種類
- ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます
- GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(役員就任の場合)
- GVA 法人登記なら書類を郵送するだけで法務局に行かずに登記申請できます
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特例有限会社の役員の特徴
まず、特例有限会社の役員に関するルールについて、株式会社と異なる点を確認しましょう。
役員の任期
特例有限会社では原則として、取締役や監査役といった役員に任期はありません。定款で特に任期を定めていない限り、役員はずっとその地位に留まることができます。これはかつての有限会社法の名残ともいえます。なお、株式会社の取締役の任期は原則2年(非公開会社で定款に定めれば最長10年まで伸長可)、監査役の任期は原則4年(同様に最長10年まで伸長可)です。
役員の重任登記の有無
上述のとおり特例有限会社では役員に任期がないため、株式会社のように任期満了に伴う重任の登記手続きは原則として不要になります。
役員の員数
特例有限会社では取締役は1名以上いれば問題ありません。株式会社のように最低3名の取締役が必要といった制限(取締役会設置会社の場合)はありません。また、監査役の設置は任意です。なお、株式会社では原則として取締役1名以上(取締役会非設置会社の場合)。取締役会を設置する場合は3名以上の取締役が必要です。
取締役会・監査役会
特例有限会社では取締役会を設置することはできません。また、監査役の設置は任意であり、監査役会を設置することもできません。
代表取締役
特例有限会社では、定款に定めがない限り、各取締役が会社を代表する権限を持ちます。ただし、定款で特定の取締役を代表取締役に定めることや、株主総会の決議、または取締役の互選によって代表取締役を定めることも可能です。
有限会社の役員変更の種類
特例有限会社で発生する可能性のある役員変更の種類は、主に以下の通りです。株式会社と共通する部分も多いですが、任期の有無による違いがいくつかあります。
就任
新たに会社の取締役や監査役に就く場合です。例えば、事業拡大に伴い新たな取締役を迎えるケースや、既存の役員が退任したため後任者を選任するケースなどが該当します。株主総会での選任決議と、就任する本人の承諾が必要です。
辞任
役員が自らの意思で役員の地位から退く場合です。健康上の理由、個人的な事情、他の事業への注力などが理由として挙げられます。 辞任する役員は、会社に対して辞任の意思表明として辞任届を提出することが一般的です。
死亡
役員が亡くなった場合、その時点で役員の地位を失います。この場合、相続人が手続きを行うのではなく、会社が役員の死亡による変更登記を行います。登記申請には 死亡の事実を証明する書類が必要となります。
解任
株主総会の決議によって、役員の任を強制的に解くことをいいます。役員としての不正行為や、著しい能力不足などが理由となることがあります。
氏名・住所変更
役員の氏名(結婚や養子縁組などによる改姓)や住所が変わった場合です。有限会社では代表取締役以外の取締役も住所の登記が必要なことに注意しましょう。
任期満了による退任・重任
前述の通り、特例有限会社の役員には原則として任期がありません。そのため、株式会社で一般的な「任期満了による退任」や、それに伴う「重任」という概念は基本的に発生しませんが、定款で役員の任期を定めることは可能であり、その場合は退任や重任が発生します。
特例有限会社の役員変更の決議手続き
有限会社の役員変更ではおもに以下の決議が必要になります。なお、辞任や死亡の場合は後任の選任などない場合は決議は必要ありませんが、登記申請は必要になります。
役員の選任
株主総会の普通決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数の賛成)で選任します。
代表取締役の選定
定款の定めに従います。例えば、「取締役の互選により代表取締役を定める」とあれば、取締役同士の話し合い(互選)で決定し、定款に定めがない場合は、株主総会の決議で定めることもできます。なお、取締役が1名しかいない場合は、原則として選定に関わらずその取締役が会社を代表することになります。
これら決議後は株主総会議事録や取締役の互選書などを作成し、登記申請時に添付します。
役員変更の登記申請
役員変更の効力が発生した日から2週間以内に、後述する必要書類を用意し、本店所在地を管轄する法務局に申請します。オンライン申請もしくは、法務局の窓口に持参か郵送して提出します。
登記申請に必要な登録免許税
役員変更登記を申請する際には、登録免許税を納付する必要があります。特例有限会社の場合、資本金の額が1億円以下の会社であれば、役員変更登記1件につき1万円(1億円超では3万円)です。
登録免許税は収入印紙を購入して登記申請書に貼付するか、オンライン申請では電子納付が可能です。
特例有限会社の役員変更登記の必要書類・議事録
役員変更の登記申請は以下の書類が必要になります。申請する登記の種類により異なるので注意しましょう。
・変更登記申請書
登記申請時に必ず必要な書類です。
・株主総会議事録
役員の選任や解任、代表取締役の選定など、株主総会で決議した場合に必要です。
辞任や死亡、住所や氏名変更など、議事録が不要な登記もあります。
・株主リスト
株主総会で決議を行った際の株主の氏名(名称)、住所、株式数、議決権数を記載し
た書面です。株主総会議事録提出時に必要です。
・委任状
司法書士などの代理人に登記申請を依頼する場合
・その他の書類
役員選任の場合は就任承諾書や印鑑証明書、辞任の場合は辞任届などの書類が必要
です。
役員変更登記の必要書類・議事録のひな形
法務局のWebサイトにて、特例有限会社の役員変更登記のひな形がダウンロードできます。記載例を参考に、自分が申請する登記の内容に書き換えるなどして使用してください。
記載例(PDF)|ひな形(Word形式)
以下は変更登記申請書ひな形のスクリーンショットです。ファイル内には各種議事録などの必要書類も含まれています。
GVA 法人登記なら登記種類に合わせて必要書類を自動作成できます
法人登記クラウドのGVA 法人登記なら、役員変更する手続きを選んで必要事項を入力することで、役員変更の種類ごとに必要な書類を自動作成し、自分で法務局に申請できます。郵送や収入印紙購入をサポートするオプションプランも充実しているので、自分で登記申請際のさまざまな手間を解決できます。
役員変更だけでなく、本店移転や目的変更、商号変更にも対応しており、複数の登記を組み合わせての申請も可能です。
頻度が少ないだけに確実に登記申請できる体制を
特例有限会社の役員変更登記は、株式会社とは異なる特徴があるものの、会社運営において非常に重要な手続きです。特に、登記申請は変更が生じた日から2週間以内という期限が定められており、これを怠ると代表者個人が100万円以下の過料に処せられる可能性があります。
特例有限会社は、株式会社に比較すると登記申請頻度が少なく、すべき登記を失念してしまう可能性もあります。本記事で紹介したひな形を活用するか、もし不安がある場合は司法書士などの専門家に相談し、確実に登記申請できるよう準備いただければ幸いです。
GVA 法人登記なら、役員変更登記に必要な書類を12,000円で作成、法務局に行かずに申請できます
役員の就任・重任・退任・辞任が発生した場合は、役員変更登記の申請が必要です。決議後(辞任の場合は辞任の意思が会社に到達した時点から)2週間以内に申請をしなければなりませので、予め役員変更登記の申請方法を準備しておくと良いでしょう。
役員変更登記は手続きに必要な書類が多く、準備しなければならない書類を確認するだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分12,000円で手続きに必要な書類をそろえることができます。また、事前に株主リストを手元に準備しておくことで、スムーズに書類の作成ができます。
GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。
※GVA 法人登記では役員退任のみの書類作成は行っていませんのでご了承ください。
役員変更登記についての詳細はこちら
GVA 法人登記が対応している登記種類
・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション
ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます
登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。
本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。
GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(役員就任の場合)
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 就任承諾書
- 取締役会議事録
- 取締役決定書
- 登記申請書
- 定款
- 印鑑届書
※役員就任・重任・退任・辞任で作成される処理が異なります。上記は役員就任の場合です。
さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。
GVA 法人登記なら書類を郵送するだけで法務局に行かずに登記申請できます
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①GVA 法人登記サービスの会員登録(無料)
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。
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