頻度はそれほど高くないですが、何らかの理由で人の氏名が変わる機会があります。会社の役員の氏名は登記簿謄本の記載事項ですので、名前が変わった際には役員の氏名・苗字変更登記が必要になります。旧姓のまま変更登記をしないと登記懈怠になってしまいますので注意が必要です。(旧姓併記もできる場合も紹介しています。)
本記事では、役員の氏名変更に関する基礎知識から変更の手続き、登記申請の方法まで紹介します。特に、登記申請を予定されている方には、ネットで登記書類を作成できるサービスも紹介していますのでぜひご覧ください。
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役員(代表取締役・取締役・監査役)の氏名変更の登記とは?
株式会社の登記簿謄本(登記事項証明書)には、「商号欄」「目的欄」「資本金欄」などいくつかの欄があります。そのうちの一つに「役員に関する事項欄」があります。
「取締役」「監査役」についてはその氏名、「代表取締役」についてはその住所・氏名が記録されます。役員が新たに就任するとき、任期満了で再任(重任)するときなどに新たに役員の情報が追加されます。また、それぞれの会社の定款では役員の任期が定められていることが一般的であり、その任期ごとに再選による変更登記をしなければなりません。したがって、株式会社では一定期間ごとに必ず「役員に関する事項欄」に変更が加えられていくことになります。
そのほかに「役員に関する事項欄」に変更登記がされる場合として、役員の住所や氏名の変更があった際にも変更登記をします。住所変更は代表者の住所が移転した場合等です。氏名変更は、役員が婚姻・離婚・養子縁組・離縁により、姓の変更があった場合になされる変更登記を指します。
代表や取締役は旧姓(以前の名字)のまま登記はできない
婚姻した場合でも、旧姓(以前の名字・苗字)のまま登記し続けても差し支えないように思えるかもしれませんが、戸籍上の氏名を登記することになっているため、氏名変更の登記をする必要があります。また、婚姻による氏名変更の場合に限りますが、旧姓との併記を希望する旨の申し出をすることにより、婚姻後の氏名と旧姓を併記することができます。日本では、現在の法律上では夫婦別姓が認められておらず、必ず夫婦のどちらかが姓を変更することになります。
会社役員として経営に携わる人が姓を変更する場合には、業務上さまざまな支障が生ずることもあるため、婚姻による氏名変更の場合に限り、平成27年2月27日より旧姓併記の登記が認められるようになりました。
つまり、ビジネスネームとして旧姓を使っている場合は旧姓のみで登記はできないが、併記は可能ということになります。
本記事では、このような氏名変更登記について具体的に説明していきます。
役員(代表取締役・取締役・監査役)の氏名変更の流れ
氏名変更が生じる場合としては、婚姻・離婚・養子縁組・離縁が考えられます。
氏名変更登記は、その事実が生じてから2週間以内に会社の本店所在地を管轄する法務局に変更登記を申請しなければなりません。
事実の発生とは、婚姻の場合は婚姻届の提出日が婚姻の効力発生となりますから、ここから2週間以内となります。では、婚姻届の提出日は2週間に入るのでしょうか。この場合の2週間の数え方は「初日不算入」となっておりますから、婚姻届提出日の翌日から2週間以内に登記申請をしなければなりません。もし、申請が2週間を過ぎてしまった場合は、後日裁判所から過料の請求が来る場合があります。「場合がある」というのは、基本的には2週間超えると過料の対象にはなりますが、多少であれば請求が来ないなどのケースもあるようです。個別の事情もありますし、裁判所の判断ですからいつまで過ぎても大丈夫というものではありませんので、2週間以内というルールは守るようにしましょう。
次に、婚姻により姓が変更した場合において、旧姓との併記を希望する旨の申し出方法について解説します。
まず、この「婚姻前の氏を記録する旨の申し出」ができる場合として、
- 設立登記申請の際
- 清算人の登記申請の際
- 役員又は清算人の就任による変更登記申請の際
- 役員及び清算人の氏の変更登記申請の際
の場合のみと規定されています。
すなわち、すでに役員として登記されている取締役が旧姓も併記したいということで、「婚姻前の氏を記録する旨の申し出」のみはできないことになります。
実際の登記記録がどのようにされるか見てみましょう。以下は上記4の氏の変更登記と同時に「婚姻前の氏を記録する旨の申し出」がされた場合を例にした場合の例です。
(法務局ホームページからダウンロードできる申請書様式から引用しています)

申請書内ではこのように記載されます。( )内が旧姓の表記です。このように表記することにより、旧姓でビジネスをしていた取締役が、婚姻後に姓が変更しても登記簿上は併記してあるため、同一人物であることが確認できます。
仮に、すでに婚姻後の姓で登記されている取締役が以前の旧姓での氏名の併記を希望する場合には、任期満了による再任(重任)により登記される時まで待って、その際に同時に「婚姻前の氏を記録する旨の申し出」をするか、今すぐに併記したい場合には、一度辞任してから再任の登記をする際に申し出るかのいずれかということになります。
役員(代表取締役・取締役・監査役)の氏名変更の登記申請に必要な書類
氏名変更の登記を申請する場合には、それを証明する戸籍謄本などの公的書類が必要と考えられるところですが、商業登記法ではこれを求めていません。
通常は、変更登記申請には、その変更を証明する資料の提出を求められますが、商業登記法上、氏名変更の際には提出する旨の規定がありません。したがって、仮に婚姻により姓が変わった日すなわち婚姻日を間違えて登記申請してもそのまま登記されてしまうことになります。
ただし、氏名変更登記の際に唯一その公的資料を求められるものがあります。それが上述した「婚姻前の氏を記録する旨の申し出」をする場合です。この場合には、戸籍等の婚姻の事実や旧姓を証明できる公的書類の提出を要する旨が規定されています。
役員(代表取締役・取締役・監査役)の氏名変更の登記申請書の記入例
ここで、実際の登記申請書の記載方法についてみていきましょう。通常の氏名変更では以下のように、変更登記申請書に赤字部分の記載をします。

なお、「婚姻前の氏を記録する旨の申し出」をする場合には以下のように記載します。婚姻前の氏を証明する書面が必要になります。

役員氏名変更の登記申請にかかる費用
氏名変更の登記申請を司法書士に依頼する場合には、登録免許税として10,000円(資本金が1億円以下の場合)または30,000円(資本金が1億円を超える場合)と報酬として、約10,000円~15,000円程度の費用(金額は事務所により異なります)が必要となります、それに、送料や完了謄本取得実費代として数千円を合わせた額が支払額となることが多いです。
氏名変更登記は、添付書類や作成資料が必要ないため、ご自身でできる登記ですので上記の記載方法を参考に申請してみられるのもよいかと思います。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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