役員変更登記(就任・重任)を忘れて放置してしまった場合の対処方法

役員変更
投稿日:2020.09.07
役員変更登記(就任・重任)を忘れて放置してしまった場合の対処方法

株式会社の役員(取締役や監査役)には任期が設定されています。通常は2年(監査役は4年)、会社の形態により最長で10年までで、役員任期が到来する場合は定時株主総会において、役員改選の決議をし、登記申請を行います。

この役員変更、毎年は交代や改選が発生しない会社もあるので役員変更の手続きをせずに放置してしてしまうことも可能性としてはあるのです。

役員の必要人数を欠くにもかかわらず、選任の手続きをしていないことを「選任懈怠(せんにんけたい)」と呼びます。
選任はしたが登記申請を怠ってしまった場合「登記懈怠(とうきけたい)」と呼びます。
どちらの手続きも、すべての株式会社に必要な義務で、当然これら懈怠が発覚したら速やかに選任および登記申請が必要です。

本記事ではそれら手続きの順番について解説します。また、なるべく手間や費用をかけずに登記申請したい方向けに、ネットで登記書類を作成できるサービスも紹介しています。申請する登記が決まっており、なるべく早く申請したい場合におすすめです。

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役員変更(就任や重任)の登記を懈怠することによるリスク

役員変更(とくに就任や重任)の登記を懈怠してしまうことによる罰則の他に、どのような悪影響があるのでしょうか?

以下のようなことが考えられます。

  • 特定業種の許認可や補助金の申請時に、申請した内容と登記簿の役員が異なり、申請が受理されない
  • 対外的に役員を名乗り役員として振る舞っているが、登記簿上は反映されておらず、信用を失ってしまう
  • 前任の役員の退任や辞任の登記をする必要があるが、役員の新任登記を懈怠しまうと所定の役員の人数を満たすことができず、前任の役員の退任や辞任登記もすることができない。


「たかだか登記簿に反映されてないだけでしょ」と思われがちですが、外部からは登記簿がその会社を知る重要な情報になるだけに、最新の情報が反映されていないことは大きな問題につながる可能性があるのです。

登記懈怠による罰則・ペナルティ

登記懈怠になってしまうと、代表者個人が100万円以下の過料(かりょう)に処せられるという罰則が、会社法第976条で定められています。
100万円以下となっていますが、登記種類や期限をどれだけ過ぎたかによる明確な基準はありません。

数年間登記申請を放置していても過料に科されない場合もあれば、1年未満でも過料が科される場合まで、様々なケースがあるようです。つまり「このくらいなら大丈夫」という基準がないのです。突然高額の過料が科されてしまわないよう、登記申請が必要な変更が生じたら確実に登記申請しておきましょう。

また、役員は必ず任期(非公開会社の場合は上限10年)が設定されており、任期を迎えるタイミングで重任や退任、退任する役員の後任の役員候補の選任・選定が必要になります。任期を長く設定していると、登記申請のタイミングを失念しやすくなります。決算や株主総会のタイミングで登記申請忘れがないかなどチェックするようにしましょう。

なお、2週間を過ぎてしまっても登記申請が却下されるということはありません。過ぎてしまうこと自体も問題ですが、懈怠が発覚したらすみやかに登記申請しましょう。

(もし懈怠に気づいたら)臨時株主総会を開催する

懈怠に気づいたタイミングで、なるべく早く臨時株主総会を開催して懈怠している役員の選任決議をします。通常、任期満了に伴う役員選任の決議は定時株主総会で行いますが、定時株主総会で決議ができなかった場合は、後日改めて臨時株主総会を開催し、決議します。

役員変更の登記申請を行う

臨時株主総会で選任決議を行ったら、その後速やかに登記申請します。
当初の任期を過ぎてしまっているため2つの変更登記を同時に行います。

①当初の任期満了日での退任登記
②懈怠に気づいた後に開催した臨時株主総会での就任登記

任期満了した役員がそのまま役員を続ける場合は重任登記のみ足りますが、任期満了と選任決議の期間が空いてしまった場合は①と②の両方が必要です。再任されなかった役員は①のみを行います。

どちらにしても①のタイミングで当初の任期を満了した際の定時株主総会議事録など、退任を証明する必要があります。定時株主総会すら開催していない場合は別の資料が必要になる場合があります。

懈怠となっているからには定時株主総会すら開催していない可能性も高いでしょう。わからない場合は放置せずにすぐに法務局に相談しましょう。

選任や登記を懈怠すれば過料やみなし解散のリスクも

選任懈怠や登記懈怠は気付き次第手続きをすれば済むというものではありません。

会社法では100万円以下の過料という制裁金が科されること、長期間の登記をしていないと休眠会社とみなされ、法務局の職権で解散登記(みなし解散、と呼びます)の対象になる可能性もあります。

対外的な信用にも大きく影響しますので、忘れずに任期管理や役員変更登記ができる体制を作りましょう。


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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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