株式会社の役員重任ガイド~役員(取締役・監査役)重任から登記申請までの手続きを解説

役員変更
投稿日:2024.01.29
株式会社の役員重任ガイド~役員(取締役・監査役)重任の手続きや登記申請を解説

この記事では株式会社の役員重任の基礎や、役員の重任決定から役員重任登記申請までの必要な手続きを解説しています。

役員重任は多岐に渡る知識が必要ですが、自社の形態を理解していればわかりやすく単純な作業となります。本記事では、自社の役員が重任する場合にはどのような手続きが必要か、手続きの順番や期限、注意事項などをまとめました。

役員重任は、役員変更の登記の中でも発生する頻度が高く、必要書類も多岐に渡ります。必要書類が簡単に作成できるネットサービスも紹介していますので参考にしてください。

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目次

株式会社の役員重任とは?

株式会社の役員重任とは、会社の役員(取締役・会計参与・監査役・代表取締役など)が任期満了によって退任し、同日に開催される定時株主総会で再び役員に就任することをいいます。厳密には定時株主総会の終了によって役員を退任し、同じ定時株主総会での決議により再び役員に就任することになります。

株式会社の役員の就任・再任・重任・留任の違いとは?

役員の就任・再任・重任と聞くと違いは何なのか混乱してしまいそうなので説明します。役員の就任とは、役員の役職に就くことをいいます。

役員の再任とは、一度就いたことのある役職に再び就くことをいいます。再任は複数回就くことを指しますので、就任期間に間が空いている場合も含んで呼ばれることもあります。

役員の重任とは、役員再任の中で就任期間が連続している場合を指します。任期満了によって退任した役員が、退任日に開催された定時株主総会によって再び役員に就任した場合が役員重任にあたります。

似た言葉で「留任」があります。これは退任や辞任、重任といった手続きを経ることなくそのまま役職を続けることを指します。

任期満了日と再選日が異なる場合は重任ではない

先ほどお話したとおり、任期満了日と再選の日が異なる場合は役員重任ではなく、退任した上での就任となります。厳密には定時株主総会の終了によって役員を退任し、退任日より後に開催された株主総会による決議によって就任(再任)した場合を指します。選任懈怠後に再び役員に就任(再任)する場合などがこれにあたります。

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役員選任懈怠(せんにんけたい)とは?

役員が任期満了を迎えた場合は、定時株主総会でその役員を重任(再任)するか、その役員を退任させるか、又はその役員を退任させて別の者を役員に就任させるかの選任決議をしなければなりませんが、この選任手続きを怠り放置しておくことを選任懈怠(せんにんけたい)と言います。

選任懈怠が起きた役員を再任させた場合は退任日と再任日が異なりますので、役員重任ではなく、役員退任・役員就任となります。就任期間に間が空いていない場合は役員重任登記をすればよく、役員退任と役員就任の登記を個別にする必要はありませんが、選任懈怠後の就任(再任)の場合は、役員退任登記と役員就任登記が必要となります。また、選任懈怠と似た登記懈怠があります。

選任懈怠が発覚した場合の対処方法

選任懈怠が発覚した場合は、速やかに役員の選任手続きを行い役員変更登記を行う必要があります。対処方法は以下の通りです。

臨時株主総会を開催して取締役の選任について決議をする

通常であれば定時株主総会で役員選任決議をとりますが、直近で定時株主総会の開催予定がない場合は、出来る限り早く手続きを済ませるために臨時株主総会を開催します。

変更登記の申請

  • 取締役の退任登記

 取締役の退任日は任期満了にかかる定時株主総会の開催日となります。

  • 取締役の就任登記

 新たな役員の就任日は臨時株主総会で選任され、就任を承諾した日となります。

先ほどもお話しましたが、任期満了により退任した役員を期間を空けずに再任させた場合は、本来であれば「役員の重任」による役員変更登記手続きとなりますが、選任懈怠の場合は就任期間に間が空いているので「役員退任」と「役員就任」の2つの役員変更手続きが必要となります。

この場合、役員退任登記の役員退任日は「任期満了年の定時株主総会の開催日」、役員就任登記の役員就任日は「臨時株主総会で選任され、就任を承諾した日」となる為、空白期間が空いてしまうことになります。業務上問題が発生する可能性がありますので、役員の任期管理には十分な注意が必要です。


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株式会社の役員の任期

選任懈怠に陥ってしまうことがないように、株式会社の役員のそれぞれの任期を確認しておきましょう。役員の任期はそれぞれの役職により定められています。

<役員の任期>

  • 取締役 原則として2年
  • 会計参与 原則として2年
  • 監査役 原則として4年

任期は原則として、選任後上記の期間以内に終了する最終事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとなります。

ただし、取締役、監査及び会計参与の任期については、非公開会社の場合10年まで任期を伸長することができます。

役員任期管理にGVA 法人登記が便利です

弊社が運営しているGVA 法人登記では、役員の任期管理機能をご提供しています。会員登録を済ませ役員の任期を登録しておくことで、任期満了日が近くなった時点でメールにてご連絡致します。役員任期管理機能は無料でご利用頂けますので選任懈怠を防ぐ為にぜひご利用いただければと思います。

選任懈怠・登記懈怠は場合によっては会社に不利益をもたらす場合もありますので、「定時株主総会が近づいたら役員任期確認」「役員に変更が生じたら2週間以内に変更登記申請」と覚えておきましょう。

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役員変更


役員が重任した場合は登記変更申請が必要です

先ほどからお話している通り、役員が重任した場合には変更登記申請が必要となります。変更登記申請は書類に不備がある場合は申請が受理されない可能性があります。場合によってはその場で修正できずに再度法務局へ足を運ぶ必要もありますので、提出書類は事前に確認しておきましょう。

提出書類は会社の形態や定款の内容により異なりますので、下記を参考にして下さい。

<役員重任による変更登記申請の必要書類>

①取締役会設置会社で役員全員を重任させる場合

  • 変更登記申請書:(登記の事由は取締役、代表取締役および監査役の変更)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、役員を選任する旨を記載する)
  • 株主リスト:(会社実印を押印)
  • 取締役会議事録:(代表取締役を選定した旨を記載、代表取締役は会社実印・その他役員は認印を押印)
  • 就任承諾書:(重任する役員の就任承諾書。認印を押印。なお、株主総会や取締役会に出席し、席上で就任承諾した旨を議事録に記載している場合は省略可)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


②取締役会設置会社で役員を一部重任させる場合※代表取締役は重任

  • 変更登記申請書:(登記の事由は取締役、代表取締役および監査役の変更)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、新役員を含み選任する役員を記載する)
  • 株主リスト:(会社実印を押印)
  • 取締役会議事録:(代表取締役を選定した旨を記載、代表取締役は会社実印・その他役員は認印を押印)
  • 就任承諾書:(重任・就任する役員の就任承諾書。認印を押印)
  • 本人確認書類:(新たに就任する役員の住民票、運転免許証・マイナンバーカードのコピーなど)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


③取締役会非設置会社で役員全員を重任させる場合(代表取締役の選定方法が「株主総会の決議」)

  • 変更登記申請書:(会社実印を押印)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、役員を選任する旨を記載する。代表取締役は会社実印を押印)
  • 株主リスト:(会社実印を押印)
  • 就任承諾書:(重任する役員の就任承諾書。認印を押印。なお、株主総会に出席し、席上で就任承諾した旨を議事録に記載している場合は省略可)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


④取締役会非設置会社で役員全員を重任させる場合(代表取締役の選定方法が「取締役の互選」)

  • 変更登記申請書:(会社実印を押印)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、役員を選任する旨を記載する)
  • 株主リスト:(会社の実印を押印)
  • 定款:(選定方法が「取締役の互選」であることを証明)
  • 取締役の互選書:(代表取締役は実印、取締役は認印)
  • 就任承諾書:(重任する役員の就任承諾書。認印を押印。なお、株主総会議事録や取締役決定書に出席の上、席上で就任承諾した旨を記載している場合は省略可)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


⑤取締役会非設置会社で役員全員を重任させる場合(代表取締役の選定方法が「定款」)

  • 変更登記申請書:(会社実印を押印)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、役員を選任する旨、代表取締役に関する定款変更を決議した旨を記載。代表取締役は会社実印を押印)
  • 株主リスト:(会社の実印を押印)
  • 就任承諾書:(取締役の就任承諾書、押印は認印)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


⑥取締役会非設置会社で役員の一部を重任させる場合(代表取締役の選定方法が「株主総会の決議」)※代表取締役は重任

  • 変更登記申請書:(会社実印を押印)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、新役員を含み選任する役員を記載する。代表取締役は会社実印を押印)
  • 株主リスト:(会社実印を押印)
  • 就任承諾書:(重任・就任する役員の就任承諾書。新たに就任する取締役は個人実印、重任する取締役及び新たに就任する監査役は認印を押印)
  • 印鑑証明書:(新たに就任する取締役の印鑑証明書)
  • 本人確認書類:(新たに就任する監査役の住民票、運転免許証・マイナンバーカードのコピーなど)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


⑦取締役会非設置会社で役員の一部を重任させる場合(代表取締役の選定方法が「取締役の互選」)※代表取締役は重任

  • 変更登記申請書:(会社実印を押印)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、新役員を含み選任する役員を記載する)
  • 株主リスト:(会社実印を押印)
  • 定款:(選定方法が「取締役の互選」であることを証明)
  • 取締役の互選書:(代表取締役は実印、取締役は認印)
  • 就任承諾書:(重任・就任する役員の就任承諾書。新たに就任する取締役は個人実印、重任する取締役及び新たに就任する監査役は認印を押印)
  • 印鑑証明書:(新たに就任する取締役の印鑑証明書)
  • 本人確認書類:(新たに就任する監査役の住民票、運転免許証・マイナンバーカードのコピーなど)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


⑧取締役会非設置会社で役員の一部を重任させる場合(代表取締役の選定方法が「定款」)※代表取締役は重任

  • 変更登記申請書:(会社実印を押印)
  • 株主総会議事録:(任期満了により退任する旨、新役員を含み選任する役員、代表取締役に関する定款変更を決議した旨を記載を記載する。代表取締役は会社実印を押印)
  • 株主リスト:(会社実印を押印)
  • 就任承諾書:(重任・就任する役員の就任承諾書。新たに就任する取締役は個人実印、重任する取締役及び新たに就任する監査役は認印を押印)
  • 印鑑証明書:(新たに就任する取締役の印鑑証明書)
  • 本人確認書類:(新たに就任する監査役の住民票、運転免許証・マイナンバーカードのコピーなど)
  • 委任状(代理人に依頼する場合のみ)


変更登記申請書の書き方については状況により異なりますので法務局の記載例をご確認下さい。

役員変更の変更登記申請書様式(法務局)

登記懈怠(とうきけたい)とは?

登記懈怠は役員の重任(再任)や新任(就任)があったにも関わらず、役員変更登記を怠っていることを指します。

登記懈怠には過料の制裁があるので注意が必要

登記事項に変更があった場合は、変更が生じた日から2週間以内に変更登記申請しなければならないと「会社法第915条第1項」により定められています。役員は登記事項なのでこれに該当します。

2週間を経過した後に登記申請を行った場合でも、申請自体は不備がなければ問題なく受理されますが、期限を過ぎてから登記申請をすると登記懈怠(とうきけたい)となり、代表者個人が100万円以下の過料の制裁を受ける可能性があります(会社法第976条1号)。過料の制裁を受けた場合でも数万から十万円程度の場合が多いようですが、無駄な費用を発生させないためにも、選任懈怠・登記懈怠は十分に注意しましょう。

GVA 法人登記なら、役員重任登記に必要な書類を10,000円で作成、法務局に行かずに申請できます

役員が重任する場合、これまでの役員が次の任期も継続することになるため、役員変更登記は必要ないと勘違いされることがありますが、重任する場合でも役員重任登記の必要がありますのでご注意ください。

また、任期が切れていた場合、役員重任の手続きはできませんのでご注意ください。この場合は一度役員退任手続き後、再度役員就任の手続きが必要になります。

役員変更登記は手続きに必要な書類が多く、準備しなければならない書類を確認するだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分10,000円で手続きに必要な書類をそろえることができます。また、事前に株主リストを手元に準備しておくことで、スムーズに書類の作成ができます。

GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。
※GVA 法人登記では役員退任のみの書類作成は行っていませんのでご了承ください。

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GVA 法人登記が対応している登記種類

・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。




GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(役員重任の場合)

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 取締役決会議事録
  • 取締役決定書
  • 登記申請書
  • 定款


※役員就任・退任・辞任で作成される処理が異なります。上記は役員重任の場合です。

さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

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さいごに

今回は役員重任の基礎知識から役員重任登記までの手続きのお話でした。役員任期管理を怠った結果、選任懈怠に陥る会社も多いようですので、役員の任期は必ず確認しましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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