役員変更登記とは?手続きや必要書類を解説

役員変更
投稿日:2026.07.17
役員変更登記とは?申請手続きや必要書類を解説

会社の役員には任期が決まっており、定期的に交代や改選、重任して役員を継続するなど何らかの登記申請手続きが必要になります。これらを総称して「役員変更」と呼びます。

この記事をご覧になっている方にも、ちょうど会社で役員変更を控えている方は多いのではないでしょうか?役員変更は会社における手続きの中でも比較的頻度が高いですが、不慣れな方からみれば書類の作成から申請までどうしたらいいかわからないものです。

本記事では役員変更の基礎知識から手続き方法、変更後の登記申請手続きまで解説します。また自分で役員変更登記を済ませたい方向けに、インターネットで簡単に登記書類を作成できるサービスについてもご紹介します。

目次

役員変更登記のまとめ表

本記事の内容をコンパクトに整理した早見表です。

項目

内容

申請期限

役員変更から2週間以内(遅れた場合の過料は最大100万円)

登録免許税

1万円 (資本金1億円超の会社は3万円)

書類作成費用

自分で作成:無料〜 / GVA法人登記:15,000円(管轄内税抜) / 司法書士:4〜5万円

主な必要書類(役員就任登記の場合)

役員変更登記申請書、株主総会議事録、株主リスト、就任承諾書、印鑑証明書、本人の確認ができる書類(住民票の写し、免許証やマイナンバーカードのコピー)、委任状(代理人申請の場合)

申請先

本店住所の管轄法務局

注意点

役員変更の種類によっては必要書類が異なることに注意。

役員変更の手続きとは?

株式会社の設立登記をすると、この会社の登記簿が法務局により作成され、 一社ごとの会社の基本情報が管理されるようになります。 この基本情報には例えば「商号」や「本店」「資本金」「役員の氏名」などがあります。これらは株式会社であれば必ず登記される事項です。

必ず登記される事項の一つに「役員の氏名・状況」があります。取締役や監査役などの役員氏名や住所、その役員がいつ就任や辞任などで変更が生じたのか記載されます。

もし新しい役員の就任や今の役員の重任、辞任、任期満了に伴う退任、解任、死亡など、 会社の役員の状況に変更が生じた場合、登記簿に記録されている役員を変更する手続きが必要になります。この手続きを総称して「役員変更(登記)」と呼びます。

役員変更(交代や改選)が発生するタイミング

新しい役員の就任や、今の役員の辞任、解任、死亡などにより発生するほか、 定款で定められた任期が満了することによって変更が生じます。

任期が到来した場合、株主総会で役員を改めて選任し、変更の登記をしなければなりません。役員の顔ぶれは変わらないとしても、任期満了の時点で改めて役員を選びなおすという手続きが必要になります。(任期満了して間を置かずに就任することを重任といいます。)

同じ人が長く役員を続けている場合、 任期が経過していることに気付かず手続きを忘れてしまうこともありますので、注意が必要です!なお、GVA 法人登記なら役員任期管理機能も用意しておりますので、任期満了のタイミングでメールで通知を受け取り、そのまま登記書類の作成をすることも可能です。

みなし解散に注意

株式会社が何の変更登記もしないまま12年以上経過すると、 既に事業を廃止している実体のない会社ではないかと見られてしまい、法務局登記官の職権により解散の登記がされてしまいます。これをみなし解散といいます。役員任期が2〜3年程度であれば途中で気づきやすいですが、任期を最長の10年にしている場合など、任期満了に気づかず懈怠となり、みなし解散になってしまう可能性が高まります。

実際には事業を続けているにもかかわらずみなし解散の登記がされてしまうと、 会社継続の登記が必要になり、時間も費用もかかってしまいますし、みなし解散から3年経過すると会社継続の登記もできなくなり、会社を清算するほかなくなってしまいます。役員変更の登記を正しく行っていればみなし解散に該当することは防げますので、注意しておきましょう。

役員変更の種類とは?

役員変更にはいくかの種類があります。代表的なものを解説します。どの役員変更についても変更が生じてから2週間が期限となり、その期間内に重任登記をする必要があります。

役員の新任(就任)

社員からの役員昇格や社外取締役・監査役の招聘など新しい役員の就任もしくは追加することを新任といいます。「就任する」という場合もあります。株主総会の決議が必要です。

役員の辞任

辞任取締役など役員の任期中に何らかの理由で自らの意思により辞任する場合を指します。実務上は辞任届の提出をもって辞任とすることが一般的です。辞任では決議の手続きは不要です。

役員の重任

役員の任期満了後、引き続き役員に就任することを重任といいます。役員の任期は会社ごとに定款という書類に規定されており、事業年度の末日が役員の任期満了である場合、その3ヶ月以内に開催される株主総会で重任を決議します。

役員の退任

役員が任期満了後、重任せずにやめることを退任といいます。役員は任期が規定された上で会社と委任契約を結んでいるため、原則的には任期満了をもって退任となります。

なお、重任と似ている「再任」という名称がありますが、再任は、過去に役員を退任した人が再び役員に就任することさすため、少し意味合いが異なります。ちなみに、再任をする場合も登記が必要です。

役員(取締役・監査役)の重任・再任の違いについては、以下の記事で解説しています。
関連記事:役員(取締役・監査役)の重任・再任の違いや登記手続きを解説

役員の退任と辞任の違い

上述のように、役員の任期中に自らの意思で辞めることを辞任といい、 任期が満了して役員ではなくなることを退任といいます。 任期が満了するか、その前に自分の意志で退くかのタイミングで意味合いが変わってきます。
ちなみに登記簿にも、登記原因として、自ら辞めた場合は「辞任」、任期満了の場合は「退任」と記録されるため、対外的にも確認することが可能です。

役員の解任

役員の任期中に、会社が株主総会の決議によって強制的にその地位を失わせることを解任といいます。取締役の解任は株主総会の普通決議で行うことができ、辞任のように本人の意思は必要ありません。ただし、解任に正当な理由がない場合、解任された役員から会社に対して損害賠償を請求されるリスクがあります(会社法339条2項)。実務上は、解任の理由や経緯を株主総会議事録に明確に記載しておくことが重要です。

役員解任登記の必要書類や手続きの詳細については、以下の記事もご参考ください。
関連記事:株式会社の役員解任登記とは?自分でやるための必要書類、費用を解説

役員の死亡

役員が在任中に死亡した場合、その瞬間に役員としての地位を失い、法律上「退任」として扱われます。死亡による退任は本人の意思表示を伴わないため、株主総会の決議や辞任届は不要ですが、死亡の事実を証明する書類(死亡診断書の写しや戸籍謄本など)の添付が必要です。

登記の期限は、死亡の事実が発生した日(死亡日)から2週間以内です。相続や後任役員の選任など、他の手続きと並行して進める必要があるため、通常の役員変更よりも対応に時間がかかりやすい点に注意しましょう。

役員死亡登記の詳しい流れや必要書類については、以下の記事で解説しています。
関連記事:役員死亡登記を自分で申請する方法とは?必要書類や議事録のひな型を紹介

役員の住所変更・氏名変更

役員自身の交代を伴わない場合でも、登記簿に記載されている代表取締役の住所や役員の氏名に変更が生じた場合は、役員変更登記の一種として届出が必要です。たとえば代表取締役の引っ越しによる住所変更や、結婚・離婚などに伴う氏名変更が該当します。

これらは役員の入れ替わりがないため見落とされがちですが、登記事項に変更が生じた日から2週間以内に申請しないと、他の役員変更と同様に過料の対象となります。住所変更・氏名変更の手続きについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:代表取締役が転居する際の住所変更登記における注意点 / 旧姓のまま登記できる?代表取締役・取締役などの役員氏名変更を解説

役員変更の種類ごとの効力発生日

役員変更登記の期限は「変更が生じた日から2週間以内」ですが、この起算日(=効力発生日)は変更の種類によって異なります。
起算日を誤ると、実際には期限内に申請したつもりでも過料の対象になってしまうことがあるため、正確に把握しておきましょう。

変更の種類

効力発生日(登記期限の起算日)

新任(就任)

株主総会で選任され、本人が就任を承諾した日

辞任

辞任の意思表示が会社に到達した日

重任

任期満了後の株主総会で再任が決議された日(総会終結時)

退任(任期満了)

原則として定時株主総会の終結時

解任

解任を決議した株主総会の日

死亡

死亡した日

住所変更・氏名変更

住民票上の異動日、戸籍上の変更日など

役員変更(新任・辞任・重任・退任)の登記申請の流れ

会社の機関設計によっても異なりますが、役員変更の登記は概ね以下のステップで行われます。

①取締役会・株主総会での決議

取締役、監査役の選任には株主総会決議が必要になります。 代表取締役は、取締役会設置会社であれば取締役会決議、 取締役会非設置会社であれば株主総会決議または定款の定めによる取締役の互選というように、その会社によって法令や定款で定められた機関で選定する必要があります。

②法務局へ登記申請

そして株主総会議事録や取締役会議事録、就任承諾書、株主リスト、印鑑証明書、本人確認証明書等、定款の謄本(写し)、専門家に依頼する場合は委任状など変更登記の内容に応じて必要な書類を添付し、登記申請書を作成し所定の金額の印紙貼付をし、本店所在地を管轄する法務局に申請する必要があります。

③関係者への告知や挨拶状送付

役員変更は対外的にも重要な意思決定になります。取引先・関係者への告知や挨拶状送付、Webサイトへの反映なども忘れずに行いましょう。

会社の機関設計によって必要な手続きが異なります

役員の中でも、代表取締役の選定方法は、会社がどのような機関設計を採用しているかによって異なります。

  • 取締役会設置会社:代表取締役の選定は取締役会の決議によって行います。株主総会では取締役の選任のみを決議し、その中から代表取締役を取締役会で選ぶという2段階の手続きになります。
  • 取締役会非設置会社:代表取締役の選定方法は、株主総会の決議による方法と、定款の定めに基づく取締役の互選による方法の2通りがあります。定款に互選の定めがある場合は、取締役間の互選書を作成し、株主総会を経ずに代表取締役を選定することも可能です。


また、必要書類にも違いが生じます。取締役会設置会社では取締役会議事録が必要になる一方、非設置会社で互選による場合は株主総会議事録に代えて取締役の互選書を添付します。自社がどちらの機関設計を採用しているかは、定款や登記簿謄本で事前に確認しておきましょう。

3種類の登記申請の方法

管轄の法務局への登記申請のための提出方法は以下の3つから選ぶことができます。費用や労力・時間に応じて選択しましょう。

  • 窓口(書面)提出:法務局へ直接持参する方法です。書類の綴じ方や印影、収入印紙の貼付漏れなど、その場で簡易的な確認を受けられるメリットがあります。
  • 郵送(書面)提出:書留郵便などで法務局へ送付する方法です。管轄の法務局が遠方にある場合や、平日に法務局へ出向く時間が取りにくい場合に適しています。
  • オンライン申請:法務局の「登記・供託オンライン申請システム」(申請用総合ソフト)を利用する方法です。法務局へ行く必要がなく、登録免許税の電子納付や、完了後の登記簿謄本のオンライン請求までスムーズに行えますが、専用ソフトや電子証明書などの事前準備が必要です。


役員変更登記のオンライン申請の詳しい手順については、以下の記事もご参考ください。
関連記事:役員変更登記をオンライン申請する方法


他にも、重任や退任、辞任など役員変更の種類ごとの登記申請や書類の記載例については以下の記事でも詳しく解説していますのでご参考ください。

関連記事:

役員変更登記(新任・辞任・重任・退任)の必要書類

商業登記(法人登記)においては役員(取締役や監査役)に変更があった場合、変更があった日から2週間以内に役員変更の登記手続きを行う必要があります。登記手続きは管轄の法務局(登記所)に登記申請書と必要書類を持参もしくは郵送で提出します。

必要書類の内容に不備があれば訂正や再手続きが必要ですから、 再度調べ直したり、法務局へ出向く必要があったりと、 想像以上に煩雑な作業と費用が発生します。

役員新任登記に必要な書類

  • 役員変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書
  • 本人の確認ができる書類(住民票の写し、免許証やマイナンバーカードのコピー)
  • 委任状(代理人である司法書士が申請する場合)


役員辞任登記に必要な書類

  • 役員変更登記申請書
  • 辞任届
  • 委任状(代理人である司法書士が申請する場合)


役員重任登記に必要な書類

  • 役員変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 定款(株主総会議事録の記載から任期満了が確認できない場合)
  • 就任承諾書
  • 委任状(代理人である司法書士が申請する場合)


役員退任登記に必要な書類

  • 役員変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 定款(株主総会議事録の記載から任期満了が確認できない場合)
  • 委任状(代理人である司法書士が申請する場合)


関連記事:役員変更の登記申請の必要書類・ひな形を解説

上記のとおり、役員変更登記ではさまざまな書類が必要になります。自社が申請すべき登記内容に合わせて正確な書類準備をするのは経験がない方にとってはハードルの高い作業です。GVA 法人登記なら、役員変更の種類を選択し、変更情報を入力すれば、必要な書類だけを作成できるので、一から調べたりするコストや手間を軽減できます。

役員変更の各種変更登記申請書のテンプレートを無料でダウンロードできます

役員変更の各種変更登記申請書のテンプレートは、以下からダウンロードできます。


役員変更の変更登記申請書のテンプレート(ひな形)を用意しました。
GVA 法人登記を利用する方法もありますが、まずは自力で変更登記申請を検討している方や、必要書類を確認したい方はぜひご利用ください。

※状況により内容を変更してご利用ください
関連記事:役員変更の登記申請書や必要書類のひな形(テンプレート)

役員変更登記にかかる費用

役員変更登記をするのに必ずかかるのが登録免許税です。書面に収入印紙を貼付して納付します。
金額は、資本金1億円以内の会社は10,000円、資本金1億円超の会社は30,000円です。

その他に司法書士などの専門家に依頼すると上記金額に加えて数万円、GVA 法人登記などのオンラインサービスを利用すれば1万円で必要書類の作成ができます。もちろん、自力で書類を全て作成するのであればこれらの費用はかかりません。

役員変更登記にかかる費用についてくわしくは以下の記事も参考にしてください。
関連記事:役員変更登記の登録免許税・かかる費用の一覧


変更登記うっかりチェッカー

役員変更登記に関するよくある質問

Q. 役員変更登記は自分で申請できますか?

A. 可能です。法務局が配布している申請書様式やひな形を利用すれば、専門家に依頼せず自分で書類を作成・申請することもできます。ただし、記載内容に不備があると法務局から補正を求められ、再度足を運ぶ手間が生じることがあります。オンラインで案内に沿って書類作成ができるGVA 法人登記のようなサービスを使うことで、こうした手間を軽減できます。

Q. 役員が同じ顔ぶれのまま任期満了を迎えた場合も登記は必要ですか?

A. 必要です。これを重任登記といいますが、役員の入れ替わりがなくても、任期満了のタイミングで改めて選任し直す手続きとして登記が求められます。うっかり忘れやすい手続きのため注意しましょう。

Q. 役員変更登記を放置するとどうなりますか?

A. 会社法上、登記を怠ると100万円以下の過料が科される可能性があります(会社法976条1号)。また、12年以上役員変更などの登記が行われていない会社は、事業を廃止しているとみなされ、法務局の職権により解散登記がされてしまう「みなし解散」のリスクもあります。


Q. 役員が退任して役員の人数が法定の最低人数を下回ってしまった場合はどうなりますか?

A. 後任の役員が就任するまでの間、退任した役員が「権利義務取締役」として引き続き取締役としての権利義務を負うことになります。ただし、この状態は一時的な措置であり、速やかに後任を選任し、変更登記を行う必要があります。

役員変更登記の必要書類を自分で作成するならGVA 法人登記

増資の登記の必要書類は自分で作成することも可能ですが、自社に合わせて正確な情報を入力する労力や、法務局に提出後に修正(補正)を求められる可能性があり、経験のない方にとっては難しい作業です。
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GVA 法人登記で役員変更の必要書類を自分で作成されたお客様の声

葬儀関連のサービスを提供されている株式会社りぷら様はGVA 法人登記を利用して役員変更(辞任)登記の必要書類を自分で作成されています。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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