株主総会の決議を経て取締役の選任が完了した後には取締役の就任・重任などの登記変更手続きが待っています。役員変更登記の申請の際には様々な添付書類が必要となりますが、その際に必要な添付書類の一つが取締役就任承諾書です。
しかし、就任承諾書といってもどのような内容を記載すればよいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本記事では代表を含む取締役・監査役の就任承諾書について、書き方やひな形、不要だったり省略できるケースについても解説します。
株主総会の決議を経て取締役の選任が完了した後には取締役の就任・重任などの登記変更手続きが待っています。役員変更登記の申請の際には様々な添付書類が必要となりますが、その際に必要な添付書類の一つが取締役就任承諾書です。
しかし、就任承諾書といってもどのような内容を記載すればよいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、本記事では代表を含む取締役・監査役の就任承諾書について、書き方やひな形、不要だったり省略できるケースについても解説します。
就任承諾書とは、役員として選任された方が、実際にその役職に就くことを承諾した意思を示す文書です。取締役や監査役などの役員と会社は、会社法上委任の関係に立ちます(会社法第330条)。
委任契約も契約一般の民法上の原則に従い、申し込みの意思表示とそれに対する承諾によって契約が成立します。したがって、役員が会社との間で有効に委任契約が成立したことを証するために、就任承諾書が作成されるのです。
前述の通り就任承諾書は、役員候補者が役員として就任する際に作成されます。役員の選任は株主総会決議(第341条)によってなされますが、株主総会で決議するのは選任であり、会社との委任関係の成立のためには、候補者の承諾が必要になります。
そして、役員の氏名は会社の登記事項です(第911条第3項第13号、同条項第14号、同条項第16号、同条項第17号)。
そのため、株主総会を経て役員として選任され、就任したことを登記する際に、添付書類として就任承諾書が必要となるのです。
就任承諾書は常に必要な訳ではありません。実務上は次のような方法で就任承諾書の添付を省略する場合もあります。
その方法は、株主総会議事録で候補者が就任承諾を行ったことを明示する方法です。
株主総会を開催したときは議事録を作成することが会社法上義務となっています(第318条第1項)。
その際に、議事録で役員として選任された候補者が席上で就任を承諾した旨を記載することで、議事録で承諾の意思表示が示されているため、就任承諾書は必要ありません。
なお、この場合には登記申請書に「就任承諾書は、株主総会議事録の記載を援用する。」と記載する必要があります。
登記申請に必要な議事録のテンプレートはこちら(GVA 法人議事録 公式ホームページ)
就任承諾書には、役員となる候補者の誰が、いつ、どこで、どういった役職に就任することを承諾したのかを記載する必要があります。そこで、具体的な内容と就任承諾書のひな形(テンプレート)と作成上の注意点を解説いたします。
なお、取締役の就任承諾書の書き方について、厳密に定められたルールはありません。選任された株主総会の日付や、就任する役員の種類、社名などの情報、本人の氏名や住所、押印があれば添付書類として有効ですが、一般的には下記で紹介するようなひな形をベースにすることがほとんどです。
就任承諾書のテンプレートは、以下からダウンロードできます。
就任承諾書は登記申請の際の添付書類です。
必要に応じて、法務局が準備している添付書類の記載例も参考にしてください。
記載すべき事項は、以下のとおりです。
代表取締役の選定方法は取締役会設置会社の場合には取締役会決議によるほか、定款の定めがある場合には株主総会決議にて選定することができます(第362条第3項、第295条第2項)。
一方で取締役会非設置会社の場合には、代表取締役は取締役の互選、定款または株主総会決議のいずれかの方法で選定することができます(第349条第3項)。
このうち、取締役会非設置会社の場合で、定款と株主総会決議による場合には、取締役の地位と代表取締役の地位は一体とされておりますので、取締役に関する就任承諾書のみで、代表取締役としての就任承諾書は不要とされています。
取締役会決議で代表取締役を選定する場合や定款の定めによる取締役の互選による選定の場合には、取締役に関する就任承諾書だけでなく、代表取締役としての就任承諾書も必要となります。
取締役就任承諾書については、取締役が複数選任されている場合には、選任された取締役1名ごとに作成する必要がある点に注意が必要です。
また、就任する会社が取締役会設置会社でない場合には、取締役として新任のときは市町村に登録した印鑑を押印し、印鑑証明書を添付する必要があります。なお、取締役就任にあたっての印鑑証明書には有効期限がありませんが、実務上は3ヶ月以内発行のもの、など定めていることもありますのでできるだけ新しいものにしましょう。
監査役については、株主総会決議により選任されるため、前述の就任承諾書に記載すべき事項と同様に①〜⑤の記載をした就任承諾書を作成することになります。
役員変更手続きは、株主総会の開催や取締役会の開催など会議体の開催が行われたことで安心し、その後の登記手続きが後手後手になりがちです。
役員変更登記をスムーズに行うため、就任承諾書については本記事などを参考に適切な作成を進めていきましょう。
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