株式会社の監査役を廃止する方法|取締役会廃止との関係と役員変更登記の手続き

役員変更
投稿日:2026.06.01
株式会社の監査役を廃止する方法|取締役会廃止との関係と役員変更登記の手続き

「会社の規模縮小に伴って業務を効率化したい」「取締役会を廃止するタイミングで、監査役も置かない組織にしたい」とお考えの経営者や法務担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、株式会社が監査役を廃止するための条件や、「取締役会廃止」との深い関係、具体的な登記手続きの流れについて分かりやすく解説します。

そもそも監査役はいつでも廃止できる?(廃止の条件)

結論から言うと、どんな会社でも自由に監査役を廃止できるわけではありません。監査役を廃止するためには、会社法上の「機関設計のルール」をクリアする必要があります。

監査役を廃止できる会社の条件

  • 非公開会社(株式の譲渡制限がある会社)であること
  • 取締役会を設置していない(または同時に廃止する)こと


⚠️ 注意ポイント 会社法上、「取締役会を設置している会社」は、原則として監査役(またはそれに代わる委員会など)を置かなければならないと定められています。そのため、「取締役会は残したまま、監査役だけを廃止する」ということは原則できません。

「取締役会廃止」と「監査役廃止」の密接な関係

中小企業や同族経営の会社では、「取締役会の廃止」と「監査役の廃止」をセットで同時に行うケースが非常に多く見られます。

同時によく行われる理由

取締役会を廃止して「取締役1名のみ」などのシンプルな組織にする場合、監査役を置く義務がなくなります。これにより、以下のメリットが生まれます。

  • 役員の任期管理の手間が減る
  • 役員報酬や、定期的な改選(登記)のコストを削減できる
  • 意思決定のスピードが向上する


もし現在の御社が取締役会設置会社であるなら、「監査役の廃止」だけでなく「取締役会の廃止」も同時に手続きを進める必要があるか、事前に確認しておきましょう。

監査役廃止の手続きと必要な「登記」の流れ

監査役を廃止するためには、定款の変更と、法務局への「役員変更登記(監査役設置会社の定款の定め廃止、および監査役の退任)」の手続きが必要です。
一般的な手続きの流れは以下の通りです。
【ステップ 1】 取締役会(または取締役の過半数)で株主総会の招集を決定
 ▼
【ステップ 2】 株主総会の開催(定款変更の特別決議)
 ▼
【ステップ 3】 法務局へ変更登記の申請(変更から2週間以内)

株主総会での決議内容

監査役を廃止するには、株主総会の特別決議(議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成)によって、以下の定款変更を行います。

  1. 「当会社に監査役を置く」という旨の規定(監査役設置会社の定め)を削除する
  2. (必要に応じて)取締役の人数や任期に関する規定を変更する

登記申請時の必要書類(一例)

  • 株式会社変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • (取締役会も廃止する場合は、それに応じた議事録など)

登録免許税(実費)

  • 監査役の廃止(設置規定の廃止+退任):計 30,000円
  • (取締役会も同時に廃止する場合):さらに 30,000円(合計 60,000円)


オンラインで簡単に登記書類が作成できる「GVA 法人登記」ですが、現在「監査役の廃止登記(監査役設置会社の定款の定め廃止登記)」は対応しておりません。

役員変更や本店移転など、多くの主要な登記には対応しておりますが、今回の「監査役の廃止」を伴う登記申請を行う場合は、恐れ入りますがご自身で書類を作成して法務局へ申請いただくか、司法書士などの専門家へご依頼いただきますようお願いいたします。

監査役を廃止する為の最終確認

株式会社の監査役を廃止するには、自社が「非公開会社」であることや、「取締役会を廃止している(または同時に廃止する)」ことが条件となります。

会社の体制をスリム化して経営の機動力を高める絶好の機会ですが、定款の変更や法務局への登記申請など、法律に則った正確な手続きが必要です。実務を進める際は、事前に必要書類や法務局への確認を行い、スムーズな組織再編を目指しましょう。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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