代表取締役の互選書は、取締役会非設置会社で代表取締役を選定する際に必要な重要書類です。実務では「どんな項目を記載すべきか」「印鑑は実印のみか」「登記申請に必要な添付書類は何か」のような疑問を抱えている人もいらっしゃるでしょう。
この記事では、代表取締役の互選書の基本的な知識から作成のポイント、必要書類の準備、登記申請時の注意点まで、スムーズに代表取締役を選定するために、実務の情報を詳しく解説します。
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代表取締役選定に関する互選書とは?
代表取締役の互選は、取締役会非設置会社における代表取締役の選定方法のひとつです。取締役会非設置会社における代表取締役の選定方法と、その決定を証明する互選書について解説します。
取締役の互選とは
会社の代表取締役を選定する方法には、株主総会での決議による選定、取締役会での決議による選定、定款に直接代表取締役を定める方法、取締役の互選による選定などがあります。
代表取締役をどのような方法で選定するかは、会社の定款で定める必要があります。定款には「取締役の互選により代表取締役を選定する」のような形で規定されます。
これらの選定方法は会社の形態によっても異なってきます。たとえば、取締役会設置会社の場合は原則として取締役会での選定となりますが、取締役会非設置会社の場合は、さまざまな選定方法から定款で定めることができます。
代表取締役の互選書とは
代表取締役の互選書は、取締役会を設置していない会社(取締役会非設置会社)において、取締役間の協議で代表取締役を選定した際に作成する書類です。この書類は、取締役間の決定を証明する「取締役決定書」の一種として位置づけられています。
定款には通常、「取締役が2名以上ある場合は、そのうち1名を取締役の互選で代表取締役に選定する」のような形で規定されます。このような規定に基づいて代表取締役を選定する際、その決定過程を証明する書類が必要となります。
取締役会非設置会社では、取締役間での決定事項を正式に記録するため、取締役決定書を作成します。代表取締役の選定に関する取締役決定書が「代表取締役の互選書」とよばれるものです。この互選書は単なる社内文書ではなく、法務局での代表取締役変更登記申請時に必要な添付書類として重要な役割を果たします。
代表取締役を取締役の互選で決定するメリット
代表取締役を互選で決定する方法には、会社運営上の重要なメリットがあります。
最も大きなメリットは、手続きの簡略化です。株主総会を開催する場合、株主の人数などによっては、招集通知の発送や会場の手配、当日の議事進行など、さまざまな準備と時間が必要です。一方、互選による決定では、取締役間での協議のみで代表取締役を選定できるため、手続きがシンプルです。
また、代表取締役を定款に直接定める方法と比べても、互選には大きな利点があります。定款に直接記載する場合、代表取締役を変更する度に定款変更をしなければならず、やはり株主総会の開催など複雑な手続きが発生します。これに対し、互選による方法では、定款自体は変更せずに代表取締役を選定できます。
このように、互選による代表取締役の選定は、会社の意思決定を迅速かつ柔軟に行えることから、特に小規模な会社での運営に適した方法といえます。
以下にて各選定方法の特徴やメリット・デメリットをまとめています。
<表1:代表取締役選定方法の概要と手続き>
選定方法 | 概要 | 手続き上の特徴 | おもな必要な書類 |
株主総会での決議 | 株主総会で、代表取締役を選定する方法 | • 株主総会の開催が必要 • 招集通知の発送が必要 • 定足数の確認が必要 | • 株主総会議事録 • 株主リスト • 印鑑証明書 など |
取締役会での決議 | 取締役会で取締役のなかから代表取締役を選定する方法 | • 取締役会の開催が必要 • 取締役、監査役全員への通知が必要 • 定足数の確認が必要 • 過半数の出席が必要 | • 取締役会議事録 • 就任承諾書 • 印鑑証明書 など |
取締役間の互選 | 取締役の協議により代表取締役を選定する方法 | • 取締役間の合意が必要 • 互選書の作成が必要 | • 互選書 • 就任承諾書 • 印鑑証明書 など |
<表2:代表取締役選定方法の比較>
選定方法 | メリット | デメリット | 適している会社 |
株主総会での決議 | • 株主の意思を直接反映できる | • 株主が多いと手続きに時間がかかる • 機動的な選定が難しい場合がある | • 株主重視の会社 • 株主が少数の会社 |
取締役会での決議 | • 迅速な意思決定が可能 | • 株主の直接的関与が少ない • 取締役会の運営コスト | • 取締役会設置会社 |
取締役間の互選 | • 迅速な意思決定が可能 | • 株主の直接的関与が少ない | • 株主総会の開催が難しい会社 |
中小企業や同族会社などでは、取締役間の互選による代表取締役の選定も選択肢となります。
代表取締役選定に関する互選書に記載される内容
互選書に必要な記載項目と押印に関する注意点、登記申請時の必要書類をまとめました。
互選書の記載項目
代表取締役選定における互選書には、以下の重要な記載項目が必要です。それぞれの項目について詳しく解説していきます。
1. 開催日:「令和○年○月○日」
2. 決議方法の記載:「取締役全員の一致をもって、次の事項につき決定した」
3. 決議事項と選定された代表取締役と住所:「代表取締役○○○○」「○県○市○町○丁目○番○号」
4. 就任を承諾した旨:「なお、被選定者は、その就任を承諾した」
5. 作成日と会社名:「令和○年○月○日 ○○株式会社」
6. 取締役の署名欄:「代表取締役 ○○○○ ㊞ 取締役 ○○○○ ㊞ 同 ○○○○ ㊞」
これらの項目は、互選書が法的な効力を持つために必要不可欠な要素です。特に登記申請の添付書類として使用する場合は、記載漏れや誤りがないよう注意が必要です。
互選書に使用する印鑑の注意点
互選書に押印する印鑑は、以下の2つの方法から選択できます。
1. 代表取締役の登録印鑑を使用する場合
- 代表取締役は法務局に届け出ている印鑑(登録印鑑)を押印
2. 実印を使用する場合
- 代表取締役が登録印鑑を使用しない場合は、取締役全員が実印を押印
代表取締役の印鑑の選択によって、他の取締役の印鑑の要件が変わってきます。代表取締役が登録印鑑を使用する場合なら、ほかの取締役は認印での押印が可能で、手続きが簡略化できるため、実務上はこちらの方法が多く採用されています。
互選で代表取締役を決定した場合の必要書類
互選で代表取締役を決定した際の、登記申請時の必要書類をまとめます。次の書類の準備をしておきましょう。
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代表取締役の互選は効率的な方法だけに慎重に行いましょう
代表取締役の互選は、取締役会非設置会社において株主総会や定款変更を必要とせず、取締役間の協議だけで代表取締役を選定できる効率的な方法です。
互選による選定を行う際は、まず定款に互選に関する規定があることを確認し、そのうえで取締役間の決定を証明する互選書を作成します。
押印については、代表取締役の登録印鑑を使用する方法と、全取締役の実印を使用する方法があり、前者の方が手続きを簡略化できます。また、前任の代表取締役の辞任を伴う場合は、互選書の他にも辞任届や株主総会議事録、株主リストなど、複数の書類が必要となるため、十分な準備と確認が重要です。
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ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます
登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。
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GVA 法人登記で作成できる変更登記書類
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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