株式会社の役員退任ガイド~役員(取締役・監査役)退任から登記申請までの手続きを解説

役員変更
投稿日:2024.09.25
株式会社の役員退任ガイド~役員(取締役・監査役)退任から登記申請までの手続きを解説

この記事では株式会社の役員(取締役・監査役・会計参与)退任の基礎、役員の退任が決定してから役員退任登記申請までの必要な手続きを徹底解説しています。役員変更は多岐に渡る知識が必要ですので、本記事を参考にしていただければと思います。

自社の役員が退任する場合、退任させる場合にはどのような手続きが必要か、手続きの順番や期限、注意事項などを記載していますので、ぜひ参考にして下さい。また、役員退任の説明にあたり、役員新任(就任)役員重任(再任)にも簡単に触れていますのでお読みいただければと思います。

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目次

株式会社の役員(取締役や監査役など)退任とは

株式会社の役員退任とは、株主総会の決議により就任した役員が任務を退くことを指します。任期を終えてやめるときの任期満了、本人の意思でやめるときの役員辞任、会社の都合によってやめる場合の役員解任、本人が死亡した場合の役員死亡などが含まれます。本人の意思や会社の都合に関わらず、役員の任務を退くことを役員退任と言います。また、会社の解散なども役員退任の理由として挙げられます。

関連記事:株式会社の役員退任ガイド~役員(取締役・監査役)退任から登記申請までの手続きを解説

役員(取締役や監査役など)退任の種類

以下の4つが役員退任の種類です。それでは一つずつ見ていきましょう。

  • 任期満了による退任
  • 辞任
  • 解任
  • 死亡

<役員の任期>

役員の任期はそれぞれの役職により定められています。

  • 取締役 原則として2年
  • 会計参与 原則として2年
  • 監査役 原則として4年
  • 会計監査人 原則として1年

任期は原則として、選任後上記の期間以内に終了する最終事業年度に関する定時株主総会の終結の時までとなります。簡単に言うと、任期内の最後の事業年度の定時株主総会が終わるまでまでとなります。

ただし、取締役、監査及び会計参与の任期については、非公開会社の場合10年まで任期を伸長することができます。

役員(取締役や監査役など)の辞任とは

役員の辞任とは、役員自らの意思で取締役の職務から退くことを言います。取締役と会社との関係は民法上の委任に関する規定に従うとされているので、取締役を辞めたいときはいつでも辞任することができます。会社から辞任を認めないと言われた場合でも、会社の承諾は不要でいつでも辞任することができます。

ただし、会社に不利な時期に辞任した取締役は損害賠償義務があるとされていますので注意が必要です。

また、取締役を辞任したことにより法律もしくは定款で定めている定員が欠ける場合は、新しい取締役が就任するまでは取締役としての権利義務を負うことになり、役員辞任の登記申請をすることもできません。辞任により取締役の人数が欠ける場合には新たな取締役を速やかに選任してもらう必要があります。

関連記事⇒取締役(役員)の辞任登記手続き・辞任届など必要書類を解説

役員(取締役や監査役など)の解任とは

取締役の解任とは、役員の意思を問わず、会社側の意思で一方的に取締役の地位をはく奪することを指します。例えば取締役が不正な行為を行っている場合や職務怠慢などがある場合は、任期満了前であっても取締役の職務から退かせることができます。役員の同意がない場合でも効力が認められます。

関連記事:取締役を解任する手続き方法を解説!

<取締役の解任方法>

取締役を解任する為には、原則として株主総会の決議が必要となります。50%を上回る議決権を有する株主が出席し、出席した株主の過半数が取締役の解任に賛成すれば、取締役を解任させることができます。ただし、解任には正当な理由が必要であり、正当理由なく解任すると、会社側が損害賠償の責任を負うことになります。

役員(取締役や監査役など)の死亡とは

取締役の死亡とは、取締役が任期中に死亡したことを指します。取締役が死亡した場合は管轄の法務局へ取締役死亡による変更登記申請が必要となります。

それぞれの役員退任の種類の内容を把握しておきましょう

以上が役員退任の種類(任期満了・辞任・解任・死亡)の説明となります。それぞれの退任が発生した段階で新たな役員の選任や法務局へ役員変更登記の申請が必要になります。新たな役員の選任や役員変更登記を怠った場合は「懈怠」となりますのでご注意下さい

役員新任(就任)と役員重任(再任)について

役員新任(就任)と役員重任(再任)についても簡単に説明をします。役員新任(就任)とはこれまで役員の職務についていない者が新たに就任することを指します。役員重任(再任)とはこれまで役員の職務についていた者が継続して役員の職務に就くことを指します。

役員選任懈怠について

役員が任期満了を迎えた場合は、定時株主総会でその役員を重任(再任)するか、別の者を役員に新任(就任)させるかをしなければなりませんが、この手続きを怠り放置しておくことを選任懈怠と言います。

選任懈怠と似ているものに「登記懈怠」があります。登記懈怠は株主総会で役員の重任(再任)や新任(就任)があったにも関わらず、役員変更登記を怠っていることを指します。

役員選任懈怠が発覚した場合の対処方法

選任懈怠が発覚した場合は、速やかに役員の選任手続きを行って役員変更登記を行う必要があります。対処方法は以下の通りです。

1.臨時株主総会を開催して取締役の選任について決議をする

通常であれば定時株主総会で決議をとりますが、出来る限り早く手続きを済ませるために臨時株主総会を開催します。

2.変更登記の申請

  • 取締役の退任登記

取締役の退任日は任期満了にかかる定時株主総会の開催日となります。

  • 取締役の就任登記

新たな役員の就任日は臨時株主総会の開催日となります。

選任懈怠の対象となる役員を再任させようと思っていた場合は、本来であれば「役員の重任」による役員変更登記手続きとなりますが、選任懈怠の場合は「役員退任」と「役員就任」の役員変更手続きとなります。

この場合、役員退任登記の役員退任日は「任期満了にかかる定時株主総会の開催日」、役員就任登記の役員就任日は「臨時株主総会の開催日」となる為、空白期間が空いてしまうことになります。業務上問題が発生する可能性がありますので、役員の任期管理には十分な注意が必要です。

役員の任期管理にはGVA 法人登記が便利です

弊社が運営しているGVA 法人登記では、役員の任期管理機能をご提供しています。会員登録を済ませ、役員の任期や選任年月日、事業年度を入力するだけで、任期を計算し、任期満了日が近くなった時点でメールにてご連絡いたします。役員任期管理機能は無料でご利用頂けますので、選任懈怠を防ぐ為にぜひご利用いただければと思います。
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役員が退任した場合は登記変更申請が必要です

役員が退任した場合は役員変更登記の手続きが必要です。任期満了による退任、辞任による退任、解任による退任、死亡による退任によって必要書類がことなりますのでご注意下さい。

<任期満了による役員退任登記の必要書類>

  • 変更登記申請書
  • 定款
  • 定時株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)

<辞任による役員退任登記の必要書類>

  • 変更登記申請書
  • 辞任届
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)

<解任による役員退任登記の必要書類>

  • 変更登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)


<死亡による役員退任登記の必要書類>

  • 変更登記申請書
  • 死亡届
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)

変更登記申請書の書き方については状況により異なりますので法務局の記載例をご確認下さい。

役員変更の変更登記申請書様式(法務局)

「登記懈怠」には注意が必要です

会社法では会社の登記事項に変更が生じた場合(今回の場合は役員変更)、変更が生じた日(役員が選任され、その就任を承諾した日)から2週間以内に登記変更をしなければならないと定められています(会社法第915条第1項)。

2週間を過ぎた場合でも変更登記申請は通常通り受理されますが、期限を過ぎてから登記申請をすると登記懈怠(とうきけたい)となり、代表者個人が100万円以下の過料の制裁を受ける可能性がありますので注意が必要です(会社法第976条1号)。
登記懈怠について詳しくはこちら

GVA 法人登記なら、役員変更登記に必要な書類を10,000円で作成、法務局に行かずに申請できます

役員の就任・重任・退任・辞任が発生した場合は、役員変更登記の申請が必要です。決議後(辞任の場合は辞任の意思が会社に到達した時点から)2週間以内に申請をしなければなりませので、予め役員変更登記の申請方法を準備しておくと良いでしょう。

役員変更登記は手続きに必要な書類が多く、準備しなければならない書類を確認するだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分10,000円で手続きに必要な書類をそろえることができます。また、事前に株主リストを手元に準備しておくことで、スムーズに書類の作成ができます。

GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。
※GVA 法人登記では役員退任のみの書類作成は行っていませんのでご了承ください。

役員変更登記についての詳細はこちら



GVA 法人登記が対応している登記種類

・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。



GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(役員就任の場合)

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 取締役会議事録
  • 取締役決定書
  • 登記申請書
  • 定款
  • 印鑑届書


※役員就任・重任・退任・辞任で作成される処理が異なります。上記は役員就任の場合です。

さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

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さいごに

今回は役員退任の基礎知識から役員変更登記までの手続きのお話でした。小規模な会社では選任懈怠や登記懈怠などに陥っている場合が多いようです。役員の任期をしっかりと把握し、期限までに役員の選任、役員変更登記を済ませましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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