婚姻や養子縁組をすると、姓(苗字)が変わることがあります。
会社の代表者や役員の氏名は、登記や役所など様々なところに登録・記載されているので、会社の代表者や役員の氏名が変わったときにはその変更を反映するための手続きが必要になることが想像できます。
本記事では、会社、特に有限会社の代表者・役員の氏名が変更となった場合にどのような手続きが必要になるのか解説していきます。
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有限会社の代表者・役員の氏名変更とは?
まず、有限会社における代表者・役員とその氏名変更の位置づけについて確認しましょう。なお、以下で説明するとおり、本記事では旧有限会社ではなく特例有限会社を対象としています。
有限会社は新会社法以降「特例有限会社」となっている
有限会社という名称を聞いたことがある方は多いかもしれませんが、現在は有限会社という形態の会社は厳密には存在しません。
2006年の会社法施行に伴って有限会社法が廃止され、有限会社という会社形態がなくなり新たに有限会社を設立することはできなくなりました。
その時点ですでに存在していた有限会社については、株式会社に移行することも選択することができましたが、商号中に有限会社という文言を残しながら会社法施行後も存続できることになりました。その場合の有限会社を特例有限会社といいます。
特例有限会社は、一部有限会社としての性質を持ちながら会社法上の株式会社として取り扱われます。
旧有限会社は現在は存在しない会社形態ですので、本記事でいう「有限会社」は、いずれも旧有限会社ではなく特例有限会社を指しています。
特例有限会社の代表や役員とは
特例有限会社は、株式会社と機関設計においていくつか異なる点があります。
まず、株主総会と取締役が必須の機関である点は両者に共通しています。また、株式会社と同様に、特例有限会社では代表取締役を置くことは任意となっています。代表取締役を置いていない場合、取締役が1名であっても複数であっても、各取締役がそれぞれ会社を代表することになります。
監査役を設置することもできる点も株式会社と同様です。
他方で、特例有限会社では、取締役会、監査役会、会計監査人などは設置できない点は株式会社と異なります。
特例有限会社の役員の氏名は登記に記載される
会社の登記には、その会社の役員の情報が記載されます。特例有限会社の場合では、取締役と監査役の氏名が記載されます。
登記事項に変更があった場合は、それを登記に反映するために変更登記をしなければなりません。
そのため、例えば取締役や監査役が婚姻、養子縁組などで氏名が変わったときも、変更登記が必要となります。その場合、変更があったときから2週間以内に登記が必要です(会社法第915条第1項)。
期限内に登記をしなかった場合、100万円以下の過料の制裁がなされる可能性があります。2週間を経過したからといって直ちに制裁があるわけではありませんが、変更があったときからなるべく早く登記をする必要があります。
なお、登記上の氏名は戸籍上の氏名と一致していなければなりません。ただし、平成27年以降は、旧姓との併記が可能となりました。ビジネスネームとして旧姓を使うことは多くあると思います。その場合、旧姓のみで登記をすることはできませんが、戸籍上の姓と旧姓を併記することができる点は覚えておきましょう。
また、株式会社では、役員のうち、代表取締役についてのみ、その氏名に加えて住所も登記に記載されます。他方で、特例有限会社では、代表取締役だけでなく、取締役と監査役についても住所が記載されます。
そのため、特例有限会社では、氏名だけでなく、取締役と監査役の住所が変更となった場合にも変更登記が必要である点に注意しましょう。
有限会社の代表・役員の氏名変更登記申請の流れ
上記のとおり、有限会社の代表者や役員の氏名に変更があった場合は変更登記申請をする必要があります。変更登記申請の流れについて確認しておきましょう。
変更登記の申請書類を作成し、法務局に申請する
通常、会社の変更登記をする場合、その変更を証する書面を登記申請書に添付することが求められます。
しかし、役員の氏名変更については、株主や役員間の同意・決議や戸籍謄本、住民票などの添付は求められていません。そのため、役員の氏名変更登記に必要なのは、登記申請書のみです。
ただし、旧姓を併記する場合には、戸籍謄本等の婚姻の事実や旧姓を証明できる公的書類の添付が必要になります。
また、添付が不要な場合であっても、登記申請書を作成する際は、住民票などの書類を確認して変更となった正確な日付を把握しておくことがよいでしょう。なお、司法書士などに登記手続を委任する場合には、委任状の添付が必要です。
登記申請書については、法務局のWEBサイトで書式(テンプレート)をダウンロードすることができるので参考にしましょう。
登記申請に必要な登録免許税
氏名変更の登記申請の登録免許税は、資本金が1億円以下の場合には1万円、資本金が1億円を超える場合には3万円となっています。
有限会社の代表者・役員の氏名変更の登記申請後に必要な手続き
最後に、代表者・役員の氏名変更の登記申請後に必要な手続きについて確認しておきましょう。
おもな手続き・届け出
- 税務署・都道府県税事務所への届出(国是、都道府県税)
代表者の氏名変更があったときには、税務署と都道府県税事務所への異動の届出が必要になります。
都道府県によって提出期限は異なりますが、なるべく早く提出するようにしましょう。
代表者の氏名変更があったときには、会社の本店所在地を管轄する市区町村への異動の届出も必要になります。
こちらも市区町村によって提出期限は異なりますが、なるべく早く提出するようにしましょう。
代表者の氏名が変更となった場合、会社の事業所の所在地を管轄する年金事務所に健康保険・厚生年金保険事業所関係変更届を提出する必要があります。
労働保険の観点では、代表者の氏名に変更があった場合、変更があった日の翌日から10日以内に名称、所在地変更届を事業所を管轄する労働基準監督署に提出する必要があります。
- 公共事業安定所(ハローワーク)への届出(雇用保険)
法人である特例有限会社の場合、代表者の氏名変更があっても、雇用保険の手続きは必要ありません。
許認可を受けている場合、その許認可によって異なりますが、代表者や役員の氏名に変更があった場合には届出が必要な場合があります。
自社で受けている許認可について、代表者や役員の氏名に変更があった場合に必要な手続きを確認しておきましょう。
取引している金融機関によって異なりますが、一般に、代表者の氏名が変更となった場合、金融機関に届出が必要になります。
氏名変更の登記申請以外にも届出が必要なことに注意
本記事では特例有限会社の代表者・役員の氏名変更に際して必要な手続きを確認しました。
役員が交代となる場合に登記が必要であることはよく理解されていると思いますが、婚姻や養子縁組などで氏名が変わっただけだと、登記が必要であることを見落としがちです。
会社法上の登記申請を怠ると過料の制裁があるので忘れないよう対応しましょう。
また、特に代表者について氏名の変更があった場合には、税金や社会保険、許認可に関してそれぞれ届出が必要になる場合があります。
代表者・役員の氏名が変更となった場合には、必要な手続きを漏らさず対応できるよう各種届出の要否について確認をしておきましょう。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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