取締役(役員)退任・辞任登記の必要書類と手続き

役員変更
投稿日:2024.07.16
取締役(役員)の辞任・退任登記の必要書類と手続き

株式会社や有限会社の役員(取締役・監査役)の退任(退職)には、任期満了による退任、任期の途中の辞任、解任、死亡など(本記事ではまとめて退任として紹介)様々な理由がありますが、退任する際には必ず役員変更登記申請が必要になります。

本記事ではおもに「取締役」退任時の必要書類のテンプレートを画像付きで解説しています。監査役についてはこちらの記事をご参考ください。
※なお役員変更において「退任」は「任期満了での退任」を示しますが、本記事では役員の地位を外れる(退職する)ことを総称して紹介します。

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目次

取締役(役員)の辞任とは?

取締役の辞任とは、任期期間中に取締役(役員)を辞めることを指します。

主な辞任理由としては、業績不振、経営陣との対立、個人的な事情などが挙げられます。辞任に関する手続きは、会社法で定められており、辞任届の提出や辞任後の登記申請が必要になります。辞任は、就任や任期満了による退任と異なり、基本的には本人の意思表示(=辞任届)のみでできるという違いがあります。

取締役など役員が退任したら登記申請が必要

冒頭でも触れましたが、役員(取締役・監査役)が退任した場合は必ず役員退任の登記手続きが必要です。理由は、取締役等は、会社の役員は定款の絶対的記載事項であり、登記簿謄本の記載事項になっているためです。慣習的に「役員の退職手続き」という場合もありますが、正しくは退任となります。

特に気を付けなければならないのが、役員の任期が満了しているのに気づかないことによる変更登記申請忘れです。変更登記を怠ると代表者個人が100万円以下の過料の制裁を受ける可能性があります(会社法第976条1号)ので、十分に注意ください。

辞任と退任の違い

役員の「辞任」と「退任」は同じ意味のようにも見えますが、実は異なります。

「役員の辞任(例:取締役辞任、監査役辞任)」とは、その役員が自らの意思でその会社の役員の立場から退くことを指し、「役員の退任」とは、その役員が任期満了時に役員の立場から退くことを指します。

役員を辞任する時には「辞任届」を書きます。辞任の意思表示があれば足りますが、登記申請や証拠の効果を考えると書面で辞任届を用意するのが好ましいでしょう。
一方役員を退任する時には、退任する旨を記載した株主総会議事録を作成するため届出の必要ありません。

取締役の辞任、退任後の後任者がいる場合、セットで役員変更(就任)登記が必要になります。辞任、退任と必要書類の内容が変わり、就任承諾書等が必要になることを認識しておきましょう。

関連記事:【就任承諾書 解説】取締役、代表取締役および監査役の就任承諾書の書き方・テンプレートを紹介

退任には株主総会での決議が必要な場合がある

役員が退任した際には株主総会での決議が必要な場合があります。任期満了、辞任、解任、死亡により手続きが異なりますのでご確認ください。(取締役会設置会社は、取締役会で決議)

※取締役会で決議する場合、取締役会議事録が必要です。取締役会議事録の書き方は以下の記事で紹介しています。

関連記事:取締役回議事録の記載例について解説

  • 任期満了による退任の場合 :任期満了により退任した旨を記載した株主総会議事録が必要です
  • 辞任の場合:辞任自体の株主総会決議は不要(登記申請は必要)で、新たに役員を就任させる場合のみ株主総会議事録が必要です
  • 解任の場合:解任を決議した旨を記載した株主総会議事録が必要です
  • 死亡の場合:新たに役員を就任させる場合のみ株主総会議事録が必要です


原則、辞任・死亡の場合は後任として新たな役員を就任させない場合は株主総会議事録は必要ありませんが、役員を解任させる場合は会社の体制を変更する行為であるため、会社法により株主総会による決議が必要と定められています。
※代表取締役の場合は、代表取締役の選定方法によって代表取締役から辞任する場合に株主総会決議が必要となる場合があります。

役員(取締役)退任登記申請の必要書類

役員(取締役)退任登記申請に必要な書類は以下の通りです。任期満了、辞任、解任、死亡により異なりますのでご確認ください。
役員(監査役)の退任登記の必要書類については別記事で紹介しております。

任期満了で役員(取締役・監査役)が退任する場合の必要書類

  • 変更登記申請書
  • 定時株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 委任状(当事者本人の代理人が申請を行う場合のみ)

変更登記申請書

<記載項目>
会社法人等番号:分かる場合のみ記載
商号:会社名を記載
本店:会社住所を記載
登記の事由:「取締役の変更」と記載
登記すべき事項:下記の通り記載
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「住所」〇県〇市〇町〇丁目〇番〇号
「氏名」〇〇〇〇
「原因年月日」令和〇年〇月〇日退任
登録免許税:資本金が1億円以下の場合は金10,000円、1億円を超える場合は30,000円
添付書類:定時株主総会議事録
株主リスト
委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)

申請日:申請日を記載してください
会社本店住所と会社名を記載してください
代表取締役住所の住所と氏名を記載し、会社実印を押印してください(法務局へ登録している印鑑)
代理人の住所と氏名を記載し、認印を押印してください(代理人に依頼した場合のみ。代理人に依頼した場合は代表取締役の押印は必要ありません)
〇〇法務局 御中(提出する法務局名を記載してください)

下記の画像が実際の変更登記申請書の例です。
下記の例は株主総会議事録と株主リストを添付書類とし、代理人に申請を依頼した場合です。※添付書類は本記事を参考に、十分にご注意下さい。




定時株主総会議事録(任期満了により退任した旨を記載したもの)

※全員が重任した場合の例


株主総会議事録





株主リスト






委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)



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任期中に役員(取締役・監査役)が辞任する場合の必要書類(辞任届などが必要です)

  • 変更登記申請書
  • 辞任届(慣習的に「退任届」と呼ぶこともありますが任期中の辞任の場合「辞任届」となります)
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)

役員辞任の変更登記申請書

<記載項目>
会社法人等番号:分かる場合のみ記載
商号:会社名を記載
本店:会社住所を記載
登記の事由:「取締役の変更」と記載
登記すべき事項:下記の通り記載
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」〇〇〇〇
「原因年月日」令和〇年〇月〇日辞任

登録免許税:資本金が1億円以下の場合は金10,000円、1億円を超える場合は30,000円
添付書類:辞任届(辞任の意思表示をする書面)
委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)
申請日:申請日を記載してください
会社本店住所と会社名を記載してください
代表取締役住所の住所と氏名を記載し、会社実印を押印してください(法務局へ登録している印鑑)
代理人の住所と氏名を記載し、認印を押印してください(代理人に依頼した場合のみ。代理人に依頼した場合は代表取締役の押印は必要ありません)
〇〇法務局 御中(提出する管轄の法務局名を記載してください)


下記の画像が実際の変更登記申請書の例です。
下記の例は株主総会議事録と株主リストを添付書類とし、代理人に申請を依頼した場合です。※添付書類は本記事を参考に、十分にご注意下さい。





役員(取締役)の辞任届


辞任届



委任状(代理人申請を行う場合のみ)


辞任届


役員(取締役・監査役)を解任する場合の必要書類

  • 変更登記申請書
  • 臨時株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)

変更登記申請書

<記載項目>
会社法人等番号:分かる場合のみ記載
商号:会社名を記載
本店:会社住所を記載
登記の事由:「取締役の変更」と記載
登記すべき事項:下記の通り記載
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「住所」〇県〇市〇町〇丁目〇番〇号
「氏名」〇〇〇〇
「原因年月日」令和〇年〇月〇日解任
登録免許税:資本金が1億円以下の場合は金10,000円、1億円を超える場合は30,000円
添付書類:臨時株主総会議事録
株主リスト
委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)


申請日:申請日を記載してください
会社本店住所と会社名を記載してください
代表取締役住所の住所と氏名を記載し、会社実印を押印してください(法務局へ登録している印鑑)
代理人の住所と氏名を記載し、認印を押印してください(代理人に依頼した場合のみ。代理人に依頼した場合は代表取締役の押印は必要ありません)
〇〇法務局 御中(提出する法務局名を記載してください)

下記の画像が実際の変更登記申請書の例です。
下記の例は株主総会議事録と株主リストを添付書類とし、代理人に申請を依頼した場合です。Wordで作成できます。※登記申請書は、法務省の定める書式にしたがって作成する必要があるため、添付書類は本記事を参考に、十分にご注意下さい。


臨時株主総会議事録(解任した旨を記載したもの)


臨時株主総会議事録(役員解任)

株主リスト



委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)


委任状

役員(取締役・監査役)が死亡した場合の必要書類

  • 変更登記申請書
  • 死亡届
  • 委任状(代理人申請を行う場合のみ)


変更登記申請書

<記載項目の解説>
会社法人等番号:分かる場合のみ記載
商号:会社名を記載
本店:会社住所を記載
登記の事由:「取締役の変更」と記載
登記すべき事項:下記の通り記載
「役員に関する事項」
「資格」取締役
「氏名」〇〇〇〇
「原因年月日」令和〇年〇月〇日死亡

登録免許税:資本金が1億円以下の場合は金10,000円、1億円を超える場合は30,000円
添付書類:死亡届
委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)
申請日:申請日を記載してください
会社本店住所と会社名を記載してください
代表取締役住所の住所と氏名を記載し、会社実印を押印してください(法務局へ登録している印鑑)
代理人の住所と氏名を記載し、認印を押印してください(代理人に依頼した場合のみ。代理人に依頼した場合は代表取締役の押印は必要ありません)
〇〇法務局 御中(提出する法務局名を記載してください)

下記の画像が実際の変更登記申請書の例です。
下記の例は株主総会議事録と株主リストを添付書類とし、代理人に申請を依頼した場合です。※添付書類は本記事を参考に、十分にご注意下さい。


死亡届


死亡届


委任状(代理人に申請を依頼する場合のみ)


委任状

役員退任登記の登録免許税

役員退任登記申請時に納付が必要な登録免許税額は、資本金の額が1億円以下の場合は10,000円、資本金の額が1億円を超える場合は30,000円です。納付方法は変更登記申請書に収入印紙を貼付する方法が一般的ですが、金融機関で納付し、その領収書を貼付することも可能です。

GVA 法人登記なら、役員変更登記に必要な書類を10,000円で作成、法務局に行かずに申請できます

役員の就任・重任・退任・辞任が発生した場合は、役員変更登記の申請が必要です。決議後(辞任の場合は辞任の意思が会社に到達した時点から)2週間以内に申請をしなければなりませので、予め役員変更登記の申請方法を準備しておくと良いでしょう。

役員変更登記は手続きに必要な書類が多く、準備しなければならない書類を確認するだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分10,000円で手続きに必要な書類をそろえることができます。また、事前に株主リストを手元に準備しておくことで、スムーズに書類の作成ができます。

GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。
※GVA 法人登記では役員退任のみの書類作成は行っていませんのでご了承ください。

役員変更登記についての詳細はこちら



GVA 法人登記が対応している登記種類

・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。



GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(役員就任の場合)

  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 就任承諾書
  • 取締役会議事録
  • 取締役決定書
  • 登記申請書
  • 定款
  • 印鑑届書


※役員就任・重任・退任・辞任で作成される処理が異なります。上記は役員就任の場合です。

さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

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さいごに

今回は役員(取締役)退任のみの必要書類の解説でしたが、退任に伴い新たな役員を就任させる場合は役員就任登記も必要になります。下記の関連記事でもご案内しておりますので参考にしてください。最後までお読みいただきありがとうございました。

関連記事:役員就任(新任)の登記申請における必要書類を解説します

本記事の内容は動画でも解説しています



執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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