株式会社の役員とは取締役・監査役・会計参与のことを指しますが、一般的に役員というと取締役をイメージする方が多いのではないでしょうか。監査役・会計参与が役員に含まれることを知っていたとしても、取締役のオマケ的な感覚を持たれている方もいるかもしれません(もちろん監査役・会計参与にはしっかりと役割があります)。
それ故、インターネット上にある役員関係の記事は取締役についての内容のものが多く、監査役や会計参与について詳しく解説している記事を探すのには、案外苦労するかもしれません。
本記事は、監査役について調べたい方の為に、監査役に限定し、さらに監査役の退任に焦点を当てて解説しています。
また、「取締役の退任」について調べたい方は、下記の記事で解説していますのでご確認下さい。
株式会社の役員退任ガイド~役員退任の基礎知識から役員退任登記までの必要手続きを徹底解説します
自分で監査役退任・監査役辞任登記をするなら司法書士監修のGVA 法人登記が便利です
必要情報をフォームに入力するだけでかんたん書類作成
費用と時間を抑えて変更登記申請したい方におススメです
【各リンクからお進みください】
①会員登録前に利用方法を確認できる無料体験実施中
②GVA 法人登記の料金案内(専門家に依頼する場合と比較できます)
③オンラインサービスを利用して登記手続きを検討されている方はこちら
監査役とは
監査役は株主総会で選任され、取締役および会計参与の職務の執行を監査する役割があります。一般的には会社の規模を問わずに計算書類等の監査を行う会計監査と、取締役の職務の執行を監査する業務監査の役割があります。
具体的な監査内容
- 取締役が職務を執行するにあたり、忠実に義務を遂行し、法令や定款に違反する不当な行為を行っていないか
- 取締役会・株主総会の決議に則り職務を執行しているか
- 会社法が定める計算関係書類等の内容が、適正に処理されているか
監査の過程で不当だと判断した場合は、主に以下の任務を遂行します。
- 取締役会(設置していない場合は取締役)への報告
- 株主総会への報告
- 違法行為の差し止め請求
- 損害賠償請求のための会社訴訟提起
監査役の辞任・退任についてはこちらの記事でも解説しています
関連記事:監査役の任期途中の辞任・退任手続きについて解説します
関連記事:株式会社の監査役退任登記申請ガイド~監査役退任までの流れ、退任登記の必要書類・費用を徹底解説
監査役の任期
まずは監査役の任期についてですが、以下のように期間が定められています。
※期間の違いを覚えれるように、取締役・会計参与の任期も記載しています。
- 取締役:原則として2年
- 監査役:原則として4年
- 会計参与:原則として2年
原則として、選任後、上記の期間内に終了する最終事業年度に関する定時株主総会の終結の時までですが、取締役・監査役及び会計参与の任期については、非公開会社の場合、10年まで任期を伸長することができます。
ここで一つ注意が必要なのですが、役員の任期が切れた場合、定時株主総会にて「任期満了による退任」か「次期継続(重任)」の判断をする必要がありますが、「うっかり任期満了日を忘れていて手続きを怠ってしまった」という話しをよく聞きます。特に任期を10年に伸長している場合は、各役員の任期満了日がいつなのかをしっかりと管理しておくよう注意しまし
ょう。
監査役の退任事由を解説します
監査役の主な退任事由は以下の通りです。
- 任期満了
- 任期途中の辞任
- 欠格事由に該当した場合(資格喪失)
- 任期短縮による定款変更時
- 解任
- 死亡
任期満了
監査役は、任期を満了し重任(再任)しない場合は退任となります。ここで一つ注意が必要なのですが、監査役が任期満了により退任する場合は、必要な監査役の人数が欠けないよう、退任と同時に新しく監査役を選任する必要があります。人数が欠けている場合は退任登記と就任登記は同時に申請する必要があり、退任のみの登記申請は受理されません。(監査役の設置を廃止する場合を除く)
また、通常の任期満了には通常の任期満了以外にも、監査役廃止による任期満了や会計限定監査から業務監査に変更したことによる任期満了があります。
監査役を廃止した場合、監査役廃止による定款変更が効力を生じた段階で任期満了となり、監査権限を会計限定監査から業務監査に拡大した場合も、定款変更が効力を生じた段階で任期満了により退任となります。
任期途中の辞任
監査役は委任契約の元で職務にあたり、委任の規定に従うことから、原則株主総会の決議を必要とせずにいつでも辞任することができます。辞任の効力は会社に意思表示をした段階で発生します。日付を指定して辞任する旨を意思表示した場合は、指定された日になった段階で辞任の効力が発生します。
ただし、辞任により監査役の必要人数が欠けた場合、新たに選任された監査役が就任するまでの間、当該監査役は監査役の権利義務を有します。これを「権利義務監査役」といいます。
欠格事由に該当した場合(資格喪失)
- 監査役が成年被後見人もしくは被保佐人になった場合、監査役の地位を失い退任します。欠格事由による退任の場合は株主総会での決議は不要です。
- 会社法、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律、金融商品取引法、民事再生法、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律、会社再生法、破産法など規定に違反し、刑に処せられた者
- 上記に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられた者(刑の執行猶予中の者を除く。)
任期短縮による定款変更時
株主総会により役員の任期短縮の決議が可決され定款が変更された場合、新たに定められた任期がすでに満了している場合、株主総会終結の時点で退任となります。
ただし、任期短縮に正当な理由がある場合を除き、会社法第339条2項の類推適用により、当該監査役は退任することによって生じた損害の賠償を請求することができるようですので、任期を短縮する場合は慎重や判断が必要となります。
解任
株主総会の特別決議により解任することが可能です。こちらも正当な理由がなく解任した場合、当該監査役は損害賠償を請求することができます。
死亡
監査役死亡により定款で定めている監査役の人数が欠けた場合、新たな監査役を選任するか、監査役の人数を減らす、または監査役廃止の為の決議をし、定款を変更する必要があります。なお、監査役が死亡した場合は死亡日が変更日となります。
監査役が退任した場合は2週間以内に役員変更登記が必要です
監査役が退任した場合は役員変更登記が必要です。役員変更登記には期限があり、2週間以内に申請する必要があります。
2週間を過ぎてからも役員変更登記の申請は可能で、書類に不備がなければ通常どおり受理されますが、期限を過ぎてからの申請は「登記懈怠」となり、代表者個人が過料(100万円以下)の制裁を受けてしまう可能性がありますので注意が必要です。
登記申請期限の起算日について
2週間以内に変更登記申請が必要となりますが、それでは2週間をカウントする初日はいつのなるのでしょうか?答えは、初日不算入の原則により「変更が生じた日」の翌日が起算日となります。監査役が退任した場合は、監査役の退任日の翌日が起算日となります。
ただし、「その期間が午前0時から始まる場合は、初日算入」となります。
例えば、株主総会の終結により就任・退任した場合は翌日が起算日となりますが、株主総会の翌日を就任・退任日とした場合は初日が起算日となります。
監査役退任登記に必要な登録免許税
監査役退任登記申請には登録免許税の納付が必要です。金額は以下の通りです。
- 資本金が1億円を超える会社の場合:3万円
- 資本金が1億円未満の場合:1万円
監査役退任による変更登記の必要書類
監査役退任による変更登記の必要書類は退任理由によりことなります。株主総会議事録の必要・不必要、退任理由を証明する書類の準備などが必要になりますのでご確認ください。
任期満了による退任登記の必要書類
- 変更登記申請書
- 定款(株主総会議事録に任期満了により退任する旨の記載がない場合)
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 委任状(代理人申請を行う場合)
辞任による退任登記の必要書類
- 変更登記申請書
- 辞任届
- 委任状(代理人申請を行う場合)
欠格事由に該当時の退任登記の必要書類
- 変更登記申請書
- 欠格事由に該当したことを証明する書類
- 成年後見登記に関する登記事項証明書
- 後見開始の審判書謄本
- 判決書謄本 など
- 委任状(代理人申請を行う場合)
解任による退任登記の必要書類
- 変更登記申請書
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 委任状(代理人申請を行う場合)
死亡による退任登記の必要書類
- 変更登記申請書
- 死亡届
- 委任状(代理人申請を行う場合)
監査役の変更登記申請書およびその他書類の見本
必要書類の見本を紹介します
変更登記申請書
株主リスト
辞任届
委任状(役員退任の例)
監査役退任登記申請を行うには3つの方法があります
監査役退任登記申請の方法には主に3つの方法があります。それぞれの申請方法のメリット・デメリットを紹介しますので、自分に合った申請方法をご確認ください。
1.自分で書類の作成から申請までを行う
費用を極力掛けずに申請をする場合は、自分で書類の作成から申請までを済ませることができます。ただし、書類を作成する為には登記についての正しい知識が必要となり、登記申請の経験が無い方には大きな手間が掛かるのがデメリットです。書類を全て揃えるのには大変な時間が掛かりますので、オススメしない方法です。
2.司法書士に依頼する
お金が掛かりますが、これが一番楽で簡単な方法です。司法書士は登記の専門家なので、司法書士へ依頼すれば書類の作成から申請まで任せることができます。自分のリソース(時間)を使わなくて良いことが最大のメリットですが、専門家報酬の支払いが発生する、何回かのやり取りが必要になり、申請までに時間が掛かる場合があるなどのデメリットもあります。
申請期限まで時間があり、予算に余裕がある方は司法書士に丸投げしてしまうことも一つの手ですが、司法書士へ依頼するよりも時間を掛けずに費用を抑えて簡単に登記書類の作成・申請を済ませる方法があります。それは、次に紹介するオンラインサービスを活用する方法です。
3.オンラインサービスを利用する
最近は色々なオンラインサービスが登場していますが、変更登記申請をサポートしているオンラインサービスがあることをご存知でしょうか?司法書士へ依頼する場合に比べ費用を抑えることができ、時間を掛けずに申請を済ませることができますので、費用を抑えて時間を掛けずに登記申請をしたい方はぜひご利用ください。
オンラインサービスを利用するならGVA 法人登記が便利
GVA 法人登記はGVA TECH株式会社が2019年にサービスを開始した、司法書士監修の変更登記オンライン支援サービスです。登記の知識がない方でも最短7分程で書類の作成が可能で、法務局への郵送申請もサポートしています。費用を抑えて時間を掛けずに変更登記申請をしたいと言う方はぜひご利用下さい。
GVA 法人登記なら、役員変更登記に必要な書類を10,000円で作成、法務局に行かずに申請できます
役員の就任・重任・退任・辞任が発生した場合は、役員変更登記の申請が必要です。決議後(辞任の場合は辞任の意思が会社に到達した時点から)2週間以内に申請をしなければなりませので、予め役員変更登記の申請方法を準備しておくと良いでしょう。
役員変更登記は手続きに必要な書類が多く、準備しなければならない書類を確認するだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分10,000円で手続きに必要な書類をそろえることができます。また、事前に株主リストを手元に準備しておくことで、スムーズに書類の作成ができます。
GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。
※GVA 法人登記では役員退任のみの書類作成は行っていませんのでご了承ください。
役員変更登記についての詳細はこちら
GVA 法人登記が対応している登記種類
・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション
ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます
登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。
本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。
GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(役員就任の場合)
- 株主総会議事録
- 株主リスト
- 就任承諾書
- 取締役会議事録
- 取締役決定書
- 登記申請書
- 定款
- 印鑑届書
※役員就任・重任・退任・辞任で作成される処理が異なります。上記は役員就任の場合です。
さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。
GVA 法人登記なら書類を郵送するだけで法務局に行かずに登記申請できます
オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。
【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!
【クーポン利用手順】
①GVA 法人登記サービスの会員登録(無料)
②会員登録後、書類購入時に【 Ug3JNAS7sB 】を入力ください。
\役員変更登記するなら/
まとめ
今回は監査役の退任について、徹底解説をさせていただきました。取締役と監査役の違いは職務上の役割はもちろんのこと、任期なども違うので注意が必要です。また、文中でも触れましたが役員の任期は必ず把握しておくようにしましょう。GVA 法人登記では役員任期管理機能が無料でご利用いただけけますので、そちらの方もご確認いただければと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。
執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。
GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。