会社の本店移転や役員変更、目的変更などの手続きをしようとしたとき、「登記申請書は法務局のサイトからダウンロードできるらしいけど、スマホでもいけるのか」と気になった方も多いのではないでしょうか。パソコンが手元にない、外出先で急いで確認したい、といった場面では特に気になるポイントです。
結論からいうと、スマホから登記申請書をダウンロードすること自体は可能です。ただし、実際に「スマホだけで申請書を完成させる」となると、いくつか壁があります。この記事では、法務局サイトからのダウンロード方法、登記の種類ごとの申請書、自分で作成する際に注意すべき点、そしてスマホからでも書類作成を完結させたい場合の選択肢まで解説します。
法務局の登記申請書はスマホでダウンロードできる?本店移転・役員変更・目的変更の入手方法と注意点
結論:ダウンロードはスマホでも可能。ただし「完成」までは工夫が必要
法務局の公式サイト(houmukyoku.moj.go.jp)では、商業・法人登記の申請書様式がWord形式とPDF形式で公開されています。このページ自体はスマホのブラウザからも問題なくアクセスでき、ファイルのダウンロードも可能です。
ただし、ダウンロードした後の作業を考えると、スマホだけで完結させるのは正直なところ簡単ではありません。
- Wordファイルはスマホの標準アプリでは正確な編集がしづらく、レイアウトが崩れることもある
- PDFファイルは基本的に閲覧用で、手書きで記入したうえで印刷する必要がある
- 印刷環境がない場合は、コンビニのネットプリント機能などを別途使う必要がある
つまり「取得(ダウンロード)」はスマホで完結しても、「作成・記入・印刷」の工程になるとパソコンや印刷環境が必要になる場面が多い、というのが実情です。
法務局サイトから登記申請書をダウンロードする手順
スマホで法務局のサイトから登記申請書を探す場合、大まかな流れは以下のとおりです。
- 検索エンジンで「法務局 商業・法人登記 申請書様式」などと検索する
- 検索結果からURLの末尾が「go.jp」になっている法務局の公式ページを開く
- 「商業・法人登記の申請書様式」のページ内で、該当する登記の種類(本店移転、役員変更、目的変更など)の項目を探す
- Word形式またはPDF形式のリンクをタップしてダウンロードする
法務局のサイトは登記の区分ごとに申請書が細かく分かれているため、目的の書式にたどり着くまでにやや迷いやすい構成になっています。スマホの小さい画面だと該当箇所を探すのに時間がかかることもあるため、あらかじめどの申請書が必要かを把握しておくとスムーズです。
【類型別】ダウンロードできる主な登記申請書
法務局のサイトでは、変更登記の内容ごとに申請書のひな形が用意されています。代表的な3つの類型を紹介します。
本店移転登記申請書
会社の本店を移転した際に必要な申請書です。移転前後で管轄する法務局が同じ「管轄内移転」と、異なる「管轄外移転」で申請書の様式が分かれており、管轄外移転の場合は旧・新それぞれの法務局宛の申請書が必要になります。添付書類として、定款変更を伴う場合は株主総会議事録や株主リストが必要になるケースもあります。
役員変更登記申請書
取締役や代表取締役、監査役の新任・辞任・重任・退任・死亡があった場合に必要です。役員の任期満了に伴う「重任」なのか、任期途中の「辞任」「解任」なのかによって添付書類(株主総会議事録、就任承諾書など)が変わるため、様式を選ぶ際には自社のケースがどれに当てはまるかを確認する必要があります。
目的変更登記申請書
会社の事業目的を追加・変更する際に必要な申請書です。定款に定めた目的を変更するため、事前に株主総会での決議と定款変更が必要になります。新規事業を始める際や、許認可の取得にあわせて目的を追加するケースでよく利用されます。
登記の種類 | 主な申請書 | 主な添付書類 | 登録免許税(株式会社・目安) |
|---|---|---|---|
本店移転登記(管轄内移転) | 株式会社変更登記申請書(本店移転・管轄内) | 株主総会議事録(定款変更がある場合)、取締役会議事録/取締役決定書、委任状 | 3万円 |
本店移転登記(管轄外移転) | 株式会社変更登記申請書(本店移転・管轄外)※旧・新法務局提出分2通 | 株主総会議事録、株主リスト、取締役会議事録/取締役決定書、印鑑届書、委任状 | 6万円(旧・新それぞれ3万円) |
役員変更登記 | 株式会社変更登記申請書(役員変更) | 株主総会議事録、株主リスト、就任承諾書、印鑑証明書(新任・重任時)、委任状 | 3万円(資本金1億円以下は1万円) |
目的変更登記 | 株式会社変更登記申請書(目的の変更) | 株主総会議事録、株主リスト、委任状 | 3万円 |
自分で登記申請書を作成する際によくある注意点・失敗
法務局からダウンロードした申請書を自分で作成する場合、以下のような点でつまずきやすくなります。
- 最新の様式か確認していない:法務局の様式は改訂されることがあり、古いバージョンを使うと差し戻しの原因になります
- 手書きの訂正ルールを知らない:記入ミスがあった場合、修正液や塗りつぶしは認められず、誤字を二重線で消して訂正印を押す必要があります
- 添付書類との記載内容の不一致:申請書の内容が株主総会議事録や定款の内容と食い違っていると、補正(訂正指示)の対象になります
- 管轄法務局を間違える:本店移転の場合、旧・新のどちらの法務局に何を提出するかを誤ると受理されません
- 登録免許税の計算ミス:区分ごとに必要な登録免許税の額が異なるため、複数の変更を同時に行う場合は計算を誤りやすくなります
書類に不備があると、法務局とのやり取りが発生し、想定より時間がかかってしまうことも珍しくありません。
「自分で(法務局ダウンロード)」「司法書士」「GVA 法人登記」の比較
登記申請書を自分で用意する方法のほかに、司法書士に依頼する方法、オンラインサービスを使って自分で作成する方法があります。それぞれの特徴を比較しました。
比較項目 | 自分で(法務局ダウンロード) | 司法書士 | GVA 法人登記 |
|---|---|---|---|
書類作成費用 | 無料(登録免許税は別途必要) | 平均4〜5万円程度(報酬) | 12,000円〜15,000円(税別) |
登録免許税 | 別途必要 | 別途必要 | 別途必要 |
書類作成の手間 | 申請書探し・記入・添付書類の準備をすべて自分で行う | 打ち合わせ・書類の受け渡しが必要 | 画面の案内に沿って入力するだけ |
必要な専門知識 | 登記の種類・添付書類の知識が必要 | 専門家に任せられるため不要 | 専門知識がなくても迷わず作成可能 |
ミス・補正のリスク | 比較的高い(様式間違い・記載ミスに気づきにくい) | 低い(専門家がチェック) | 入力内容をもとに自動作成するため低い |
法務局に行く必要 | 窓口提出の場合は必要(郵送も可) | 司法書士が代行することが多い | 郵送申請サポートで行く必要なし |
申請までのスピード | 情報収集に時間がかかりやすい | 専門家のスケジュール次第 | 最短7分で書類作成可能 |
こんな人におすすめ | 時間に余裕があり、費用を抑えたい人 | 手続き全体を任せて安心を優先したい人 | スマホからでも手軽に、費用を抑えて自分で済ませたい人 |
スマホからでも書類作成を完結させたいなら「GVA 法人登記」
「スマホで申請書をダウンロードしたい」という方の多くは、パソコンを開く手間をかけずに手続きを進めたい、というのが本音ではないでしょうか。その場合、法務局の様式をダウンロードして自分で記入するよりも、スマホからそのまま書類作成が完結するオンラインサービスを使う方法があります。
GVA 法人登記は、画面の案内に沿って必要な情報を入力するだけで、本店移転や役員変更、目的変更などの登記書類を自動作成できるサービスです。スマホからの利用にも対応しており、パソコンを開かなくても手続きを進められます。
この記事の冒頭で触れた「スマホだと印刷環境がない」という悩みについても、GVA 法人登記の「かんたん郵送パック」(¥8,980)を利用すれば、作成した書類をあらかじめ印刷・製本したうえで、法務局宛の郵送用封筒と一緒に自宅へ届けてもらえます。あとは届いた書類に押印してポストに投函するだけなので、自分で印刷する必要も、法務局の窓口に行く必要もありません。
書類作成費用の目安は以下のとおりです(税別)。
- 本店移転登記:12,000円〜
- 目的変更登記:12,000円〜
- 役員変更登記:15,000円〜
司法書士に依頼する場合の相場(本店移転で平均47,000円前後)と比べても費用を抑えやすく、書類作成の知識がなくても迷わず必要書類をそろえられる点が特長です。
まとめ
法務局の登記申請書は、スマホからでもダウンロードすること自体は可能です。ただし、Word・PDF形式の様式をスマホだけで正確に記入・印刷まで完了させるのは手間がかかり、訂正ルールや添付書類の不一致といった失敗も起こりやすくなります。
手軽さを重視するなら、スマホからそのまま書類作成が完結するGVA 法人登記のようなサービスを活用するのも一つの方法です。自分の状況に合った方法で、無理なく登記手続きを進めましょう。
執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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