CEOと代表取締役の違いとは?役割・スキル・使い分け方を徹底比較

商業登記の基礎知識
投稿日:2025.07.23
CEOと代表取締役の違いとは?役割・スキル・使い分け方を徹底比較

企業の役職でよく耳にする「CEO」と「代表取締役」。どちらも会社のトップを表す言葉として使われることが多いですが、実はその意味合いや役割には明確な違いがあります。特に、海外企業との取引やスタートアップの増加により「CEO」の肩書きを採用する企業も増えており、代表取締役と混同されやすいのが現状です。

本記事ではCEOと代表取締役の違いについて、それぞれの定義や役割、求められるスキルの違いまで詳しく解説します。経営者の方だけでなく、経営企画や管理部門などで役職に関わる方にも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。

CEOとは経営戦略の最高責任者

CEOとは企業の経営戦略において最も責任と権限のある役職を表す肩書きです。ここではCEOの正式な意味や、日本企業でCEOの導入が進んでいる背景について解説します。

CEOの正式名称と定義

CEOは「Chief Executive Officer」の略で、日本語では「最高経営責任者」と訳されます。その名の通り、企業の経営戦略全般に関する最終的な意思決定と責任を負う最高位の役職です。

ただし、CEOは会社法などの法律で定められた役職ではありません。CEOは企業が独自に定める任意の肩書きであり、企業によっては設置していなかったり、代表取締役が兼任していたりすることもあります。

日本企業でCEOが増えている背景

近年、日本企業においてもCEOの肩書きを導入する企業が増えています。その背景には、主に以下の要因が挙げられます。

・グローバル化への対応
  海外企業との取引や提携が増える中で、国際的なビジネスシーンで通用する役職名としてCEOが浸
 透しています。

・スタートアップ企業の影響
  新しいビジネスモデルを展開するスタートアップ企業が、柔軟な組織体制を構築する上で、CEOと
 いう肩書きを積極的に採用しています。

・ブランディング目的
 社内外に対して経営の意思決定を担う人物を明確にし、企業のブランドイメージや信頼性を高める
 目的で導入されるケースも少なくありません。

CEOは単なる呼称にとどまらず、企業の方向性や成長戦略を体現する肩書きとして、今後日本でもさらに浸透していくことが予想されます。

CEOと代表取締役の主な違い

CEOと代表取締役はどちらも企業のトップに位置する役職ですが、役割や実務には明確な違いがあります。

CEOは企業の肩書、代表取締役は法律上の役職

CEOと代表取締役の最も大きな違いは、その法的根拠にあります。

区分

CEO

代表取締役

定義

Chief Executive Officer

(最高経営責任者)

会社法で定められた「会社の代表権を持つ取締役」

法的根拠

なし

(企業が任意に定める肩書き)

あり

(会社法で定義された正式な役職)

権限・責任

企業によって異なる

契約・登記など法的な対外手続きに責任を持つ

設置の義務

義務なし

株式会社には1名以上の設置が義務付けられている

CEOは企業のブランド戦略やグローバル対応を目的として導入されることが多く、経営のリーダーとしての象徴的な意味合いを持ちます。代表取締役は実際に会社を代表する法的責任者として明確に位置づけられています。

CEOと代表取締役の実務の違い

実務上もCEOと代表取締役では担当する業務の重点が異なります。CEOは企業全体の経営戦略を策定し、中長期的なビジョンの実現に向けた意思決定を担います。たとえば、事業ポートフォリオの見直しや新規事業の立ち上げ、組織改革など、企業の方向性を定める経営判断が主な役割です。

一方、代表取締役は日々の業務執行に責任を持ちます。契約の締結や登記手続き、株主総会の招集など、会社を対外的に代表し、法的な責任を負う立場です。法務・財務・労務などの実務にも代表取締役が深く関与することが多く、組織運営の実行部分を担います。

多くの企業ではCEOが代表取締役を兼任しているため、両者の業務が明確に分かれていないケースもあります。

CEOと代表取締役の使い分けの違い

CEOと代表取締役は名刺や会社案内、ウェブサイトなどでの表記もそれぞれの使い分けによって異なります。CEOは企業戦略を主導する「経営のリーダー」としてのイメージを打ち出す際に使用されます。特に、革新性やグローバル展開を強調したい企業で積極的に用いられます。

代表取締役は「会社の代表者」として、法的な責任や信頼性を明確にしたい場面で使われます。契約書や登記書類など、法的な効力を持つ書類には必ず代表取締役の記載が必要です。

社外的な立場や信頼性を演出する上で、それぞれの役職が持つニュアンスを理解し、適切に使い分けることが重要です。

CEOと代表取締役に求められる役割とスキルの違い

CEOと代表取締役はそれぞれ異なる役割を担うため、求められるスキルや資質も異なります。

CEOは全体戦略、代表取締役は契約や登記

CEOの役割は企業全体の方向性を決定する経営の舵取りです。市場の変化を読み解き、新たなビジネスチャンスを見出し、組織全体を牽引していく意思決定力が求められます。

代表取締役は会社を代表する者として、契約や登記など会社法に基づいた法的責任を全うすることが主な役割です。会社の信用を維持し、法的なリスクを回避するための適切な判断が求められます。

CEOと代表取締役に必要なスキル

CEOと代表取締役に必要なスキルの違いは以下の表の通りです。

役職

求められるスキル

CEO

ビジョン構築力: 会社の将来像を描き、社員を鼓舞する力
コミュニケーション力: 社内外の関係者と円滑な関係を築く力
リーダーシップ: 組織をまとめ、目標達成に導く力
戦略的思考力: 複雑な問題を分析し、最適な解決策を導き出す力

代表取締役

法務知識: 会社法や関連法規に関する知識
財務知識: 会社の資金繰りや財務状況を理解する力
意思決定の責任感: 会社の代表として重大な判断を下す責任感と覚悟

CEOと代表取締役の違いと役職ごとの比較表

CEOや代表取締役のほか、企業でよく見かける役職には、それぞれ異なる法的根拠や業務内容、権限があります。ここでは、主要な役職を横並びで比較し、その違いを明確に整理しました。

役職

CEO

代表取締役

社長

取締役

執行役員

法的根拠

任意

(企業が独自に定める肩書き)

会社法上の役職

慣習的

(法律上の定義なし)

会社法上の役職

任意

(企業が独自に定める肩書き)

業務内容

経営戦略の立案

組織改革

全体統括

契約締結

登記手続きなど法的代表行為

会社全体の統括

実質的な最終責任

業務執行の意思決定

代表取締役の監督

部門ごとの業務執行を担う

権限

経営に関する最終意思決定

(企業による)

会社を代表して法的行為を行う

CEOまたは代表取締役が兼任することが多い

取締役会の議決権を持つ

部門ごとの業務執行権限

対外的印象

戦略的リーダー

企業の顔

法的な代表者、信頼性・責任の象徴

トップとしての象徴的存在

経営陣の一員

現場と経営の橋渡し

専門領域の責任者

同じ経営層と呼ばれる立場でも、役職ごとに果たす役割や責任は大きく異なります。それぞれの立ち位置を理解することで、社内外における肩書きの意味合いを正しく捉えられます。

CEOと代表取締役以外の役職の違い

CEOや代表取締役以外にも、企業の経営を支える重要な役職が存在します。

COO:最高執行責任者

COOは「Chief Operating Officer」の略で、「最高執行責任者」と訳されます。CEOが描いた経営戦略に基づき、日々の業務が円滑に進むよう現場全体のマネジメントを担う役職です。CEOが未来を描くのに対し、COOは現在を動かす役割と言えます。

CFO:最高財務責任者

CFOは「Chief Financial Officer」の略で、「最高財務責任者」と訳されます。会計、資金調達、財務戦略といった企業の財務全般を統括する役職です。企業の資金の流れを管理し、健全な経営を維持するために不可欠な存在です。

CTO:最高技術責任者

CTOは「Chief Technology Officer」の略で、「最高技術責任者」と訳されます。製品開発や技術革新の中核を担う役職で、企業の競争力を高めるための技術戦略を立案・実行します。

法人登記をするのはCEOではなく代表取締役

CEOは企業が独自に定める肩書きであり、法的に定義された役職ではありません。そのため、法務局への登記申請や登記に関する一切の手続きは、会社法で定められた「代表取締役」が行います。

たとえば、履歴事項全部証明書(登記簿謄本)に「CEO」といった肩書きが記載されることはありません。登記上に記載されるのは、代表取締役の氏名、就任日、退任日など、法的な効力を持つ情報のみです。

社内で「CEO」という肩書きを使っていたとしても、登記や契約などの法的な手続きでは「代表取締役」としての情報を記載・提出する必要があります。

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CEOと代表取締役の違いを理解して経営の基礎力を高めよう

CEOと代表取締役はいずれも企業のトップとして重要な役職ですが、法的な性質や実務上の役割は大きく異なります。CEOは企業のビジョンや経営戦略を担う象徴的なリーダーであり、代表取締役は法的責任を持って会社を対外的に代表する正式な役職です。

役職の正確な理解は組織の中での自身の立ち位置を明確にし、社内外の信頼構築にもつながります。実際に代表取締役の変更や重任といった手続きを行う際には、書類のミスや手続きの遅れが企業運営に影響を及ぼす可能性もあります。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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