清算人とは?職務や選任登記について解説

商業登記の基礎知識
投稿日:2024.07.31
清算人とは?職務や選任登記について解説

様々な理由から会社の廃業を決定し、解散手続きを行なう場合があります。こうした解散手続では、債権回収や負債の弁済といった清算手続を行なう必要があり、手続きに当たっては清算人の選任が必要となります。

しかし、清算人とはどのような存在なのか登記などは必要なのか疑問に思われる方も多いでしょう。本記事では清算人とは?職務や選任登記について解説します。

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清算人とは?

そもそも清算人とはどのような存在なのでしょうか。またどのような職務・役割を持つ人なのでしょうか。

会社が解散した後に清算業務を行う

清算人とは会社が解散した後に清算業務の執行を行なう者のことをいいます。廃業を決定し、株主総会決議で決議した場合やみなし解散で会社が解散した後の会社は、株式会社の場合には「清算株式会社」、持分会社の場合には「清算持分会社」となります。
※なお、本記事では清算株式会社を対象に解説します。

会社を終了させるためには株主総会の解散決議だけでなく、残務処理や財産処理、債権者への弁済といった業務が残ります。こうした業務は解散決議により従来の取締役は退任となるため、代わって清算人がこれらの業務を行う事になります。

なお、清算と破産は言葉は似ていますが、破産手続きの開始決定で解散となる会社では、清算人ではなく破産管財人が清算を含む業務を行います。そのため清算人の有無という点で異なります。

清算人は選任方法や登記申請などが法律で定められている

こうした清算業務を行なう者を清算人と呼び、選任方法や報酬の決定方法、登記申請等について細かく法律で定められています。

清算となる会社は最低1名は清算人を置く必要があります。また、定款の定めによっては清算人会を置く必要があります。監査役会を置いている会社は必ず清算人会が必要になるので注意しましょう。

清算人は株主総会決議により選任されますが、清算人が決まったら取締役等と同様に氏名等を登記する必要があります。ここで、清算する会社の取締役が清算人になることは「法定清算人」と呼ばれ、株主総会の決議により清算人を選任しない場合には取締役が清算人になることになります。この場合には代表取締役は代表清算人となり、氏名だけで無く住所も登記されることになります。

みなし解散における清算人

みなし解散とは12年以上登記を怠っている会社を対象に、解散したものとみなされる制度のことをいいます。

こうした12年以上登記申請を行っていない休眠会社がみなし解散となった場合には、法人格が完全に消滅するわけではありません。清算会社として法人格が残るため、そのまま清算して事業を継続しない場合は清算人による清算の手続きが必要になります。みなし解散になったからとそのまま放置しておけばいいわけでないので注意しましょう。

清算人の職務・役割

このような清算人の職務や役割はどのようなものなのでしょうか。ここでは清算人の職務・役割について解説します。

大きく分けて3つの職務が会社法で定められている

清算人の職務として会社法上、清算の結了に向けて、業務や契約関係を終了し、支払い義務や請求の権利を終了させて、残った財産を処分するという3つの職務が定められています。

なお、これらの職務について清算人は忠実義務を負い、任務を怠った場合には任務懈怠責任を負うことになっています。

現務の結了

現務の結了とは、現在行っている業務を完了し、解除、解約などして終了させることをいいます。

具体的には他社との契約に基づく業務や在庫の整理、従業員との雇用契約を終了させる行為などが該当します。現務の結了を行なう際には新規の取り組み開始などはせず、現在行なっている業務を完了させることに集中します。

現務の結了を並行して財産目録や貸借対照表を作成し、株主総会の承認を受けることになります。

債務の弁済と債権の取立て

債務の弁済は、自社の債務の債権者に対する個別催告・公告を行い、公告期間の債権者からの申し出をもとに弁済を行います。もし、このタイミングで債務を支払いきれない場合は清算ではなく、破産手続開始の申立が必要になります。

債権の取り立ては、直接請求することはもちろん、保有する債権によっては債権譲渡したり、請求や訴訟を行った上で回収を図ることになります。

残余財産の分配

前述した現務の結了、債務の弁済と債権の取立てを行ない、最終的に残った財産があれば株主に金銭で分配を行ないます。

分配が完了したら決算報告を作成し、株主総会の承認を受けます。株主総会の承認を受けたらその会社の法人格が消滅します。株主総会の承認後、清算結了の登記申請を行い、登記をすることで清算の手続きが完了します。

清算人の選任方法と登記申請

では清算人はどのように選任するのでしょうか。ここでは選任方法や登記申請について解説します。

清算人には誰がなる?

株式会社では、清算人は株式総会決議により選任された者、定款で定める者、取締役、裁判所が選任した者のいずれかが対象になります。裁判所の解散命令によって解散するケースでは、裁判所が選任します。裁判所が選任する場合には弁護士が清算人となるケースが多いです。

通常の清算においては、あらかじめ定款で清算人を定めているケースは少なく、実務上は解散決議とあわせて清算人を決議するか、取締役がなるケースのどちらかが多いです。なお、誰が清算人になるかは、会社の規模や状況によっても異なります。

取締役が清算人になるケースは法定清算人と呼ばれ、中でも代表取締役は「代表清算人」となり、氏名だけでなく住所も登記事項になります。

清算人選任(就任)の登記申請

清算人が決まったら、役員と同じように登記申請することで登記事項証明書に記載されます。清算人選任の登記は解散もしくは清算人が選任されてから2週間以内に登記することが必要となります。

清算人の登記における登記事項は、①清算人の氏名②代表清算人を定めた場合は氏名と住所③清算人会設置会社である場合はその旨が登記事項となります。

清算人の投棄で注意が必要なのが、清算人選任だけでなく、清算が結了したタイミングでも清算結了から2週間以内に清算結了の登記申請が必要となる点です。選任だけで登記は足りると考えがちなので注意しておきましょう。

なお、清算人の登記申請に必要な費用である登録免許税額は39,000円となります。

清算人選任(就任)の登記申請における必要書類

清算人選任の登記申請における必要書類は以下の通りです。

登記申請書

登記申請に当たっては登記申請書が必要になります。登記申請書のテンプレートは決まったものはありませんが、法務局のWebサイトで書式が掲載されているため、そちらを用いるとよいでしょう。

以下は清算人が複数いる場合の解散を例にしたテンプレート(記載例あり)です。清算人が複数いる場合には代表清算人を置く事ができます。また、法定清算人の場合には代表取締役だった者が当然に代表清算人となります。

また清算人が3名以上いる場合で定款に定めがある場合には清算人会を置くことができます。この場合には登記の事由に清算人会設置会社の定めの設定も併せて記載する必要がるため押さえておきましょう。あくまでも清算人会の設置は任意的なものなので清算人が3名以上いる場合には設置しなければならないといった性質のものではありません。

定款

清算人選任登記のためには定款も必要です。定款で清算人が定められている場合には、その者が清算人となりますし、定款に定めのない場合には取締役が法定清算人となるか株主総会決議によって選任された者が清算人となるため、定款を確認する必要があるためです。

株主総会議事録

株主総会の決議に基づき解散する場合には、株主総会議事録を添付する必要があります。

株主リスト

株主リストとは、登記申請時に株主総会の決議を要する場合に法務局に対して株主総会決議で議決権を行使する株主を証するためのリストです。

清算人会議事録

清算人会で代表清算人を選定した場合には清算人会議事録の添付が必要となります。

清算人および代表清算人の就任承諾書

清算人が定款で定められた場合や株主総会決議で定められた場合には、清算人として就任したことについての就任承諾書が必要となります。
代表清算人の場合には定款に定めによる清算人の互選や清算人会で選定された場合には就任承諾書が必要となります。

委任状(司法書士などに登記申請を委任する場合)

司法書士などに登記手続きを委任する場合には委任状が必要となります。

清算人を選任したときと清算結了時は登記を忘れずに

会社が業務を終了し、解散するにあたっては解散決議だけでなく残務処理のために清算人の選任が必要となります。株主総会の決議や定款による選任や法定清算人のいずれの場合でも清算人選任の場合には登記が必要となります。登記しないと過料が科されるリスクもあるので注意しましょう。

また、清算人選任のときだけでなく清算結了のときにも登記が必要となります。登記が必要になるタイミングが2回あるので注意しましょう。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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