商業・法人登記は、会社の設立や変更、廃止などについて、法務局の職員(登記官)による審査を経て、コンピューターに登録し一般公開することで、会社の信用維持と安心した取引の実施を目的とした制度です。
登記を申請する際には、登録免許税を納付しなければなりません。登録免許税の額はどのように決められるのでしょうか、登録免許税に優遇措置などによる減税制度はあるのでしょうか。
この記事では、商業・法人登記にかかる登録免許税の額の一覧を紹介し、節約するためのコツについて解説します。登記申請を予定している方や登録免許税について知りたい方は、この記事を参考にしてください。
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商業・法人登記における登録免許税とは?
商業・法人登記における登録免許税とは、会社などの登記申請の際に納める税金のことです。登記の種類や内容によって、税額の計算方法は異なります。
登記申請の手続きに対して納める税金
登記とは、会社や不動産、船舶、航空機などの権利関係を公示するための制度で、登記を申請する際に、登録免許税が課税されます。登録免許税は登記の種類や内容によって税額は異なり、登記事由に応じた税額を納付します。
商業・法人登記の場合では、会社の設立登記や役員変更登記、合併登記などがあり、申請件数や資本金の額によっても納付すべき金額は異なります。
登記の申請には、書面申請とオンライン申請があり、書面申請では収入印紙を貼付し、オンライン申請の場合は、ATMや電子納付(インターネットバンキング)で納税します。
登記の事由ごとに登録免許税の金額・計算方法が決まっている
商業・法人登記における登録免許税の課税根拠は、「登録免許税法別表第一の二十四(会社又は外国会社の商業登記)」に規定されています(下記参照)。
出典:e-Gov法令検索「登録免許税法」
この表には、イロハなどで区分(※)されており、登録事由ごとに登録免許税の額や計算方法は異なります。また、同じ区分内の登記については、その税額が同じとなります。
たとえば、区分イの「株式会社の設立登記」は、資本金の額に応じて税額(資本金額の0.7%)が決まります。一方、区分カの「役員変更登記」は、申請件数に応じて一定額の税額(1件につき30,000円)が決まります。
同じ区分内の登記申請であれば一括申請することで登録免許税が節約できる
登録免許税法別表第一の区分(イロハなど)が同じであれば、一括して登記申請でき、登録免許税を節約できます。
たとえば、区分ツに該当する登記事由(登記事項の変更)は、一括申請すれば、一件の申請として扱われるため、登録免許税は3万円で済みます。商号変更と目的変更のように、同時に申請できる場合は、まとめて申請することで節約できます。
<区分ツに該当する登記事由一覧>
- 商号の変更
- 目的の変更
- 公告をする方法の変更
- 発行可能株式総数の変更
- 株券を発行する旨の定めの設定・廃止
- 株式の譲渡制限に関する規定の設定・変更・廃止
- 株式の併合・分割・無償割当て・消却
- 単元株式数の設定・変更・廃止
- 資本金の額の減少
- 新株予約権の消却・消滅・放棄・行使期間満了
- 監査役設置会社の定め設定・廃止
- 会計参与設置会社の定め設定・廃止
- 会計監査人設置会社の定め設定・廃止
- 吸収分割会社の変更登記
- 新設分割会社の変更登記
登記事項の変更以外にも、区分カに該当する役員変更登記について、複数の役員変更を一括で申請すれば、登録免許税は1件分のみを支払うだけです。
たとえば、役員の辞任、就任、重任が同時に発生するなら、まとめて申請して、費用を抑えることができます。
商業・法人登記の主な登録免許税の一覧
商業・法人登記における登録免許税は、登記の事由ごとに金額や計算方法が決められています。登記を申請する際には、登記事由を確認すれば、登録免許税の額がわかります。
主要な変更登記の登録免許税を把握しておく
会社設立後は、変更登記が発生する可能性があります。商業・法人登記における主要な変更登記には、次のようなものがあります。
- 資本金額の変更登記(区分ニ・ヘ・チ)
- 組織変更・会社種類変更登記(区分ホ)
- 商号変更や目的変更登記(区分ツ)
- 本店移転登記(区分ヲ)
- 役員変更登記(区分カ)
前述したように、複数の登記をまとめて申請することで節約できますが、登録免許税の節約を目的として登録内容を決めるのは現実的ではありません。ただ、事前におもな登記の登録免許税を把握しておけば、同時申請できる機会を逃さず、登記申請できるでしょう。
参考までに、登録免許税法の別表一の二十四(一)に規定されている登録免許税額をまとめておきます。区分によっては最低額が定められていたり、内容によって納税額が変わったりします。
たとえば、区分ホの「新設合併、組織変更、種類変更による株式会社又は合同会社の設立登記」では、資本金額の0.15%と規定されていますが、3万円未満の場合は3万円となります。また、合併等直前の資本金額を超える部分については、資本金額の0.7%になります。
<登録免許税法の別表一の二十四(一) 登録免許税額一覧>
区分 | 登記事由 | 登録免許税額 |
イ | 株式会社の設立の登記(ホ及びトを除く) | 資本金額の0.7% ※最低150,000円 |
ロ | 合名会社、合資会社、一般社団法人、一般財団法人の設立登記 | 1件につき60,000円 |
ハ | 合同会社の設立の登記(ホ及びトを除く) | 資本金額の0.7% ※最低60,000円 |
ニ | 株式会社又は合同会社の増資の登記(ヘ及びチを除く) | 増加資本金額の0.7% ※最低30,000円 |
ホ | 新設合併、組織変更、種類変更による株式会社又は合同会社の設立登記 | 資本金額の0.15% 合併等直前の資本金額を超える部分は0.7% ※最低30,000円 |
ヘ | 吸収合併による株式会社又は合同会社の増資登記 | 増加資本金額の0.15% 吸収合併直前の資本金額を超える部分は0.7% ※最低30,000円 |
ト | 新設分割による株式会社又は合同会社の設立登記 | 資本金額の0.7% ※30,000円 |
チ | 吸収分割による株式会社又は合同会社の増資登記 | 増加資本金額の0.7% ※最低30,000円 |
リ | 相互会社の設立(新設合併又は組織変更による設立を含む)の登記 | 1件につき300,000円 |
ヌ | 新株予約権の発行による変更登記 | 1件につき90,000円 |
ル | 支店又は従たる事務所の設置登記 | 1箇所につき60,000円 |
ヲ | 本店、主たる事務所、支店又は従たる事務所の移転登記 | 1箇所につき30,000円 |
ワ | 取締役会、監査役会、監査等委員会、指名委員会等又は理事会に関する事項の変更登記 | 1件につき30,000円 |
カ | 役員に関する事項の変更登記 | 1件につき30,000円 資本金1億円以下の会社又は一般社団・財団法人は10,000円 |
ヨ | 支配人の選任又は代理権消滅の登記 | 1件につき30,000円 |
タ | 役員等の職務執行停止、職務代行者選任等の登記 | 1件につき30,000円 |
レ | 会社、相互会社又は一般社団・財団法人の解散登記 | 1件につき30,000円 |
ソ | 会社等の継続、合併無効判決確定時の回復、設立無効・取消しの登記 | 1件につき30,000円 |
ツ | 登記事項の変更、消滅又は廃止の登記(イからソを除く) | 1件につき30,000円 |
ネ | 登記の更正 | 1件につき20,000円 |
ナ | 登記の抹消 | 1件につき20,000円 |
主要な変更登記の登録免許税の一覧
前章で、おもな変更登記について解説し、商業・法人登記における登録免許税を一覧でまとめました。ここでは、変更登記の登録免許税の一覧からピックアップして紹介し、理解を深めます。
■ 資本金額の変更登記(区分ニ・ヘ・チ)
区分 | 登記事由 | 登録免許税額 |
ニ | 株式会社又は合同会社の増資登記(ヘ及びチを除く) | 増加資本金額の0.7% ただし、最低30,000円 |
ヘ | 吸収合併による株式会社又は合同会社の増資登記 | 増加資本金額の0.15%(吸収合併直前の資本金額を超える部分は0.7%) ただし、最低30,000円 |
チ | 吸収分割による株式会社又は合同会社の増資登記 | 増加資本金額の0.7% ただし、最低30,000円 |
■ 組織変更・会社種類変更登記(区分ホ)
株式会社から合同会社への種類変更と、取締役会廃止への組織変更を同時に行う場合などで同時申請できる可能性があります。
区分 | 登記事由 | 登録免許税額 |
ホ | 新設合併、組織変更、種類変更による株式会社又は合同会社の設立登記 | 資本金額の0.15%(合併等直前の資本金額を超える部分は0.7%) ただし、最低30,000円 |
■ 商号変更や目的変更登記(区分ツ)
事業の多角化に伴い、商号変更と目的変更を同時に行う場合などで同時申請できる可能性があります。
区分 | 登記事由 | 登録免許税額 |
ツ | 登記事項の変更、消滅又は廃止の登記 | 1件につき30,000円 |
■ 本店移転登記(区分ヲ)
本店移転に伴い、複数の支店の移転登記を同時に行う場合などで同時申請できる可能性があります。
区分 | 登記事由 | 登録免許税額 |
ヲ | 本店、主たる事務所、支店又は従たる事務所の移転登記 | 1箇所につき30,000円 |
■ 役員変更登記(区分カ)
定時株主総会後、複数の取締役の退任と新任取締役の就任登記を同時に行う場合などで同時申請できる可能性があります。
区分 | 登記事由 | 登録免許税額 |
カ | 役員変更登記 | 1件につき30,000円(資本金1億円以下の会社又は一般社団・財団法人は10,000円) |
ここで紹介した変更登記は、会社の成長に伴って利用する可能性のあるものばかりです。同時申請できる可能性がありますので、把握しておくといいでしょう。
変更登記の登録免許税を把握して、同時申請で節約しよう
商業・法人登記にはさまざまな種類があり、登記の事由によって登録免許税が決まります。登記申請する際には、登記の種類や内容に応じた登録免許税を納付しなければなりません。
登録免許税は、登録事由ごとに区分されていて、同区分の登記を複数申請しなければならないケースでは、同時申請することで、節約できる可能性があります。少なくとも、変更登記の区分や登録免許税の額を把握しておけば、申請する際に役立つでしょう。
あくまでも登記の申請が必要なときに、同時申請できるなら検討するようにし、節約が主目的にならないよう注意しながら、登記申請に必要な書類の準備や手続きを行いましょう。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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