会社で用いられる印鑑(法人印)には実印や角印、銀行印などさまざまな種類があり、各印鑑がどのような目的・効果をもつのか、しっかりと理解しておく必要があります。
特に登記手続を行う際には、印鑑のサイズや、押印が必要となる文書について法令で細かく定められているため、登記手続を行う前に法令の内容を把握しておかなければなりません。
そこで今回は、法人登記に必要な印鑑の種類や、印鑑のサイズ等に関する規定、押印が必要となる登記手続の種類について詳しく解説します。
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法人登記に必要な印鑑の種類はどのようなものがある?
ここでは、法人登記に必要な印鑑の種類や、サイズの規定、印面に刻印される内容について解説します。
法人登記に必要な印鑑はなに?
法人登記には、主に会社実印が必要です。会社実印とは、会社の実印として法務局に届け出た印鑑のことで、非常に重要な印鑑です。
会社実印は、法人登記のほかに重要な契約の締結時や、官公庁への届出などで用いられることもありますが、日常的に用いられることは少なく、会社内で厳重に保管されることが一般的です。
紛失してしまうと、改印手続きが必要となるほか、会社としての信用問題に発展するおそれもあるため、くれぐれも厳重に保管しておきましょう。
印鑑が『実印』としての効力をもつためには、まず法務局への届出が必要となり、通常は会社設立の登記時に併せて印鑑登録手続きを行います。そのうえで、印鑑を押印した書類と共に印鑑証明書を提出するといった形で『実印』を利用されます。
代表印を会社実印として用いる場合、次の図のように二重丸で作成されることが一般的で、外枠には会社名や屋号が、内枠には代表権をもつ役職名(株式会社では『代表取締役印』、合同会社では『代表者印』、信用金庫では『代表理事之印』など)が刻印されます。
会社実印にはサイズ規定があり、印面が1cmから3cmの正方形に収まる大きさでなければならず、一般に直径18mmまたは21mmのサイズが好まれて利用されています。
法人を設立したら、法人口座を解説することになるので、銀行印(角印)の準備も進めましょう
会社を経営するうえでは、会社実印のほかに、銀行印、会社印(角印)、ゴム印の計4種類の印鑑が作成・利用されます。
銀行印とは、法人名義での銀行口座の開設や、金融取引を行う際に用いられるものです。会社実印を銀行印として用いることも可能ですが、紛失・盗難などのリスクを考えると、やはり銀行印は別途用意するほうが望ましいでしょう。
会社印とは、一般的な契約書や見積書などに押印される印鑑のことで、一般的には四角形の枠内に会社名のみが刻印されており、その形状から『角印』と呼ばれます。これに対し、会社実印(代表印)は円形が多いことから『丸印』とも呼ばれる場合があります。
これらの印鑑は、『開業セット』などとして印鑑業者からセットで販売されていることもあります。いずれも会社経営に必要不可欠な印鑑となるため、できれば開業前に全て揃えておきましょう。
ゴム印は、個人で利用するスタンプ印(いわゆるシャチハタ)と同様に、より日常的・簡易的な業務に用いられる印鑑です。絶対に必要というわけではありませんが、あればスムーズに業務を進められます。ただし、ゴムは経年劣化するため、定期的なチェックが必要です。
印鑑の名称 | 印鑑の用途 |
---|
会社実印(代表者印) | 登記申請、重要な契約の締結、許認可の取得など |
銀行印 | 銀行口座の開設、ローン申請等の金融取引など |
会社員(角印) | 一般的な契約書・見積書・請求書など |
ゴム印 | 封筒への会社情報の記入、検収印代わりなど簡易的な作業 |
代表印と会社実印の違いはなに?
代表印と会社実印は『会社実印(代表者印)』と併記されることも多く、混乱する方も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、多くの法人では代表印を会社実印として印鑑登録しているため、代表印と会社実印は同じ印鑑であることが一般的です。
それでもなお、『代表印』と『会社実印』というふたつの言葉があるのは、例外的に、代表印が会社実印となっていないケースがあるからです。
例えば、会社組織のあり方として、代表者を2名置く場合があります(代表取締役社長と、代表取締役副社長など)。このとき、それぞれの代表印を会社実印として登録することも可能です。しかし、社長が知らないうちに、副社長が会社実印を用いて契約を交わすなどの事故が生じる可能性があることから、あえて社長の代表印のみを会社実印として登録し、副社長の代表印は会社実印としての登録を行わないという選択も考えられます。
例外的にではありますが、このように代表印と会社実印が同一ではないというケースもあるため、状況に応じて『代表印』と『会社実印』という言葉を使い分けるようにしましょう。
法人登記に代表者印(会社実印)が使われる実例
登記手続にあたっては、会社実印のほか、役員や発起人個人の実印が必要なるケースなどもあります。
そこで以下から、主な登記手続きに必要な印鑑の種類をまとめて紹介します。
会社の設立登記に必要な印鑑
書類名 | 必要な印鑑 | 備考 |
---|
設立登記申請書 | 会社実印 | |
定款 | 発起人個人の実印 | 定款作成時に必要 |
発起人の決定書 | 印鑑について規定なし | |
設立時取締役の就任承諾書 | 取締役個人の実印 | 取締役設置会社の場合には印鑑について規定なし |
設立時代表取締役の就任承諾書 | 代表取締役個人の実印 | 取締役非設置会社の場合には印鑑について規定なし |
設立時代表取締役の選定決議書 | 取締役の認印 | 設立時取締役が設立時代表取締役を選定する場合に必要 |
設立時監査役の就任承諾書 | 印鑑についての規定なし | |
本店所在地決議書 | 印鑑についての規定なし | |
資本金払込証明書 | 印鑑についての規定なし | |
印鑑届出書 | 会社実印 代表取締役個人の実印 | 会社実印を印鑑登録する際に必要 |
印鑑カード交付申請書 | 会社実印 | |
委任状 | 会社実印 | 代理人が申請する場合に必要 |
会社設立時に印鑑の押印が必要な書類と印鑑の種類は、上の表の通りです。なお、現物出資を行う場合や、会計参与がいる場合など、さらに別の書類と印鑑が必要となる場合があります。
役員変更登記(例:取締役の就任)
書類名 | 必要な印鑑 | 備考 |
---|
役員変更の登記申請書 | 会社実印 | 代理人が申請する場合には代理人の認印 |
株主総会議事録 | 印鑑について規定なし | |
株主リスト | 印鑑について規定なし | |
就任承諾書 | 印鑑について規定なし | |
委任状 | 会社実印 | |
こちらは、取締役会設置会社に新規の取締役が就任する際に必要な書類の一覧です。会社役員に変更が生じたら、2週間以内に登記申請をしなければならないため(参照:会社法915条1項 – e-gov法令検索)、これらの書類はあらかじめ用意しておきましょう。
実は変更登記手続において、実印の押印が求められる書類は登記申請書だけであり、その他の添付書類については法令の定めがありません。もっとも、責任の所在を明らかにするため、文書作成者の個人実印または認印を押印することが一般的です(株主総会議事録の場合、議長の実印または認印、もしくは会社実印)。
変更登記に必要な書類は、会社形態や役員変更の態様によって変わるため、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【参照:役員変更(就任・重任・新任)登記に必要な印鑑をまとめて解説】
本店移転登記
書類名 | 必要な印鑑 | 備考 |
---|
本店移転登記申請書(旧管轄用) | 会社実印 | 旧管轄法務局に提出 |
本店移転登記申請書(新管轄用) | 会社実印 | 新管轄法務局に提出 |
株主総会議事録 | 印鑑について規定なし | 定款変更が必要になった場合に添付 |
株主リスト | 印鑑について規定なし | 株主総会議事録が必要な場合に添付 |
取締役会議事録 | 出席役員の認印 | 取締役会設置会社の場合 |
取締役決定書 | 取締役の認印 | 取締役会非設置会社の場合 |
委任状(旧管轄用) | 会社実印 | 代理人に手続きを依頼する場合。旧管轄法務局に提出 |
委任状(新管轄用) | 会社実印 | 代理人に手続きを依頼する場合。新管轄法務局に提出 |
印鑑届出書 | 会社実印 代表取締役の印鑑 | 印鑑を新しくする場合(改印)には代表取締役の実印、従来の印鑑を引き続き使う場合には代表取締役の認印 |
本店所在地を変更する場合、必要な書類は管轄内移転(同じ法務局管轄地内での移転)か管轄外移転(別の法務局管轄地への移転)かで異なります。今回は、新宿区から渋谷区への移転など、管轄外移転の場合に必要な書類を紹介します。
変更登記申請自体に必要な印鑑は、基本的に会社実印のみとなりますが、役員変更の場合と同様に添付書類について押印を求められる箇所があるため気をつけましょう。
管轄外移転の場合には定款変更も必要となるため、株主総会議事録や株主リストの添付が必要です。これらの書類には、法令上の押印義務はありませんが、責任の所在を明らかにするために文書作成者の実印または認印を押印することが一般的です。
本店移転登記に必要な書類については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
【参照:本店移転登記申請の必要書類を解説】
法人登記には会社実印や役員の実印が必要!必要書類を確認しましょう
今回は、会社で用いられる印鑑の種類や、法人登記に必要な印鑑について解説しました。
会社では主に会社実印(代表印・丸印)、銀行印、会社印(角印)、ゴム印という計4種類の印鑑が利用されています。会社実印は代表印と兼用していることが多く、主に重要な取引のほか登記の際に必要となります。ただし、会社実印は紛失・盗難時のリスクが大きいため、厳重に管理しなければなりません。
法人登記の際には、基本的には会社実印と、手続きに関係する役員それぞれの実印または認印が必要です。どのような手続きを行うかによって必要書類・印鑑の種類が大きく異なるため、手続きの前にあらかじめ確認しておきましょう。
会社設立後の手続きについては、例えば役員変更では変更後2週間以内など登記に期間制限が設けられていることもあり、スムーズに手続きを進めなければなりません。そのため、登記手続きは司法書士などの専門家に依頼するか、自分でカンタンに申請できるGVA 法人登記などのサービスの利用をオススメします。
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