履歴事項全部証明書(商業登記簿謄本)の取り方や記載内容をまとめて解説!

商業登記の基礎知識
投稿日:2024.02.27
履歴事項全部証明書(商業登記簿謄本)の取り方や記載内容をまとめて解説!

会社を経営している方や管理部門で働いている方なら「登記簿謄本」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。なかには、これから初めて登記簿謄本を取得する方もいるかと思います。

本記事ではそんな方のうち、会社に関する手続きをされる方向けに、会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の基礎知識、用語の説明から取得、閲覧方法、変更が生じたときの登記申請方法まで徹底解説します。



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目次

【最短1分】ネットで会社の履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の交付請求ができます

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商業登記簿謄本とは?

商業登記簿謄本とは、法務局で発行できる書類の一つで、企業や個人事業主が商売を行う際に、法律で義務付けられている書類のことです。
そこには、会社名や個人事業主の名前、住所、業務内容、設立日などが記載されています。これは、他の人や企業が信頼性を確認したり、契約を結んだりする際に重要な情報源となります。

ちなみに、似た名前の登記簿謄本(登記事項証明書)もありますが、どちらも正式に登記が行われたことを証明するものに変わりはないので同義語ととらえていただいて問題ございません。

履歴事項全部証明書とは?

履歴事項全部証明書も商業登記簿謄本と同じく会社の住所や代表者名や業務内容など基本情報が記載されています。
こちらも商業登記簿謄本と本質的に同じものになります。

商業登記簿謄本と履歴事項全部証明書の違いは?

前述のとおり、商業登記簿謄本も履歴事項全部証明書も同じという認識で問題ありません。

かつて、登記情報は紙で保管されていました。その紙ベースの書類を登記簿謄本(現:登記事項証明書)と呼んでいました。

ネットやテクノロジーの発達から登記情報もデータベースで保管されるようになりました。その中に過去の履歴をすべて見ることができるため履歴事項全部証明書と呼ばれています。

商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)とは?

「登記」には、商業・法人登記と不動産登記の2種類が主にあります。取引や財産の証明のために権利状況を公示することが目的で、その性質上、誰でも申請すれば閲覧できるようになっており、円滑で安全な取引実現のための仕組みとして役立っています。

こちらは会社の登記簿謄本(登記情報)のサンプルです。(弊社GVA TECH株式会社のもの)実際には数ページにわたって記載されます。


商業・法人登記における「登記簿」は会社の基本的な情報が記載(登記)されている元の情報で、「登記簿謄本」とは、この登記情報が記載されている書類になります。昔は紙の帳簿に登記が記載されており、その写しを登記簿謄本と呼んでいたことから現在も登記簿謄本と呼んでいますが正式には「登記事項証明書」という書類です。

※現在は登記情報はデジタルデータ化されており、必要なときに紙に出力して閲覧しているのですが、昔の名残もあり登記簿謄本といった言葉が使われています。

登記簿謄本の種類(履歴事項、現在事項、閉鎖事項)

登記簿謄本(登記事項証明書)にはいくつかの種類があります。

  • 履歴事項証明書
  • 現在事項証明書
  • 閉鎖事項証明書


このうち、履歴事項証明書は、現在の登記情報に加え、過去に変更された登記情報も記載されたものです。

ビジネス上の手続きでは、全ての登記事項が記載された履歴事項全部証明書を求められることが多いため、「履歴事項全部証明書」のことを「登記簿謄本」ということもあります。

つまり「会社の登記簿謄本を提出してください」と言われたら「登記事項証明書」の中の「履歴事項全部証明書」を用意しておけば間違いありません。

登記事項証明書の種類についてはこちらの記事で詳しく解説していますので参考ください。
関連記事:会社の登記簿とは? なぜ会社の登記簿は必要なのか?

履歴事項全部証明書(登記簿謄本)にはどんな情報が記載されているのでしょうか?

会社の種類によっても異なりますが、どんな会社でも共通の項目として7種類の「区」という単位で情報が記載されています。

①商号区

その会社を特定するのに必要な事項が記載される。「商号」とあるが会社名だけでなく本店住所や会社の成立年月日、会社の公告方法など、その会社を特定するための情報が含まれます。

②目的区

その会社の事業の目的が記載されます。他の区では一つの区内に複数の登記事項が含まれますが、目的区は1つだけです。会社の事業内容が記載されており、新規事業を開始する際などに変更することがあります。

③支配人区

その会社の支配人に関する氏名や住所、支配人を置いている営業所などの事項が記載されます。支配人は「マネージャー」「支配人」「支店長」といった役職でかつ会社から大きな権限を与えられている人を指すことが一般的です。
※会社法で支配人は「会社に代わってその事業に関する一切の裁判上または裁判外の行為をなす権限を有する者」と定められています。

④支店区

その会社の支店に関する事項が記載されます。もちろんですが、支店がない会社の場合は記載されません。支店の登記簿は、本店と支店の登記を管轄している両方の法務局で確認できます。

⑤会社履歴区

その会社の現在までの変遷が記載されます。今までに会社間で合併や分割を経てきた会社の変遷がわかる区です。

⑥会社状態区

その会社の現在の機関設計、解散しているかなど会社の状態に関する多様な情報が記録されています。
この区を確認する機会として多いのが、取締役会設置会社、監査役設置会社などその会社がどんな機関設計をしているか確認する場合です。

⑦登記記録区

その会社の登記簿の履歴についての事項が記載されます。
設立時(登記が生じたタイミング)や登記を閉鎖、復活した時期や事由について記載されています。

履歴事項全部証明書(登記簿謄本)はどんなときに必要なのでしょうか?

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の内容は好き勝手に変更することはできません。会社に生じた変更を証明する書類を揃え、法律で規定された手続き(登記申請)を経て情報が反映されます。

つまり、国よりその会社の状況を公示する効果があるため、国や自治体への申請時や、新しい取引の開始時や金融機関からの融資時などに提出を求められることがあります。

オフィスの契約時

オフィスの賃貸契約時に会社の代表者や資本金などを確認するために提出が求められる場合があります。

許認可の申請

特定の許認可が必要な業種の事業を行う際に提出が必要になる場合があります。

登記を申請するとき

登記申請の際に、現在の登記内容を確認するために必要になります。なくても登記申請は可能ですが、ミス無く登記申請書を作成するためにも用意したほうがいいでしょう。

決算申告のとき

本来は必要でありませんが、顧問税理士などに決算時に会社の資本金などを確認するために用意が必要になることがあります

融資や補助金の申請

金融機関から融資を受けるときや、補助金申請の際に提出を求められることがあります。申請している内容と会社の状況に齟齬がないか、融資の目的と会社の事業内容に齟齬がないかなどを確認します。

外部から出資を受ける際に

外部から出資を受けたり、M&Aの対象となったときデューデリジェンスの一環として提出が求められることがあります。

上記の通り、会社において大きな変更が生じる際や重要な手続きを行う際に必要になります。必要になったときに最新の状態になっていないことが発覚してもすぐに変更はできないので、常に最新の状態にしておくことが重要です。

履歴事項全部証明書(登記簿謄本)を閲覧・取得するには?

会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)は誰でも閲覧できるようになっており、所定の手数料を支払うことで誰でも取得できます。意外に思われるかもしれませんが、その会社の社員や株主でなくても、知りたい会社の登記を、その会社に知られることなく取得できます。

代表的な3つの方法を紹介します。

①法務局の窓口で交付請求

基本的に会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)はどこの法務局でも取得可能です。
都道府県にいくつか法務局があるので、最寄りの法務局を検索してみてください。
各都道府県の法務局

法務局は平日の8:30-17:15のみ開いています。(土日祝日及び年末年始はお休みです)
窓口交付であれば即日に交付を受けることが可能なので、急いでいるときは窓口交付おすすめです。

請求する際には、交付申請書に必要事項を記載の上、法務局の窓口で提出をします。
法務局に備え付けてありますが、下記法務局のHPからもダウンロードすることが可能です。
登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式

また、法務局によっては証明書発行請求機が置いてある法務局もあるので、発行請求機を利用して請求することもできます。
発行請求機の方が待ち時間が少ないうえに、申請書を書く必要がありません。
証明書発行請求機による登記事項証明書等の請求の流れ(法務省)

操作方法が分からない場合は、法務局の職員に確認をしてみてください。

②郵送請求

上記交付申請書をダウンロードし、必要事項を記載の上、必要な分の収入印紙を貼付けて法務局に送ります。
郵送する際には、「申請書交付在中」と封筒に書き、上記申請書と返信先住所を記載した返信用封筒を同封して最寄りの法務局宛に送ります。
数日後に法務局より郵送されてきます。

③オンラインでの請求

法務局の窓口や郵送での請求以外にオンライン上で請求も可能です。
オンライン上で会社の登記簿謄本を請求した場合は、指定した法務局の窓口で交付を受けることができる他、指定した送付先に郵送請求することも可能です。
郵送の場合にもこちらから返信用封筒などを送る必要もありません。
オンライン上で郵送請求をした場合は、到着まで2、3日ほどかかりますが、急いでなければおすすめです。

オンライン上で登記簿謄本を請求する場合は、「登記・供託オンライン申請システム」から交付請求することができます。
登記・供託オンライン申請システム

こちらを利用する場合は手数料はネットバンキングから納付することができます。

履歴事項全部証明書(登記簿謄本)取得にかかる手数料

会社の登記事項証明書を取得する際の手数料は下記の通りです(令和3年1月現在)。

  • 法務局の窓口で登記事項証明書の交付を請求する場合 600円
  • オンラインで請求し、証明書を郵送にて受け取る場合 500円
  • オンラインで請求し、証明書を法務局で受け取る場合 480円

※全て1通の手数料です

オンラインを使わない窓口請求や郵送請求は600円と固定ですが、オンラインでの請求の場合は、法務局で交付を受けるか、郵送で送ってもらうかによって少しだけ値段が変わります。

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履歴事項全部証明書(登記簿謄本)に変更が生じたときの手続き

履歴事全部証明書は、会社のこれまでの変更を履歴として記録している書類なので、書類自体を直接変更することはできません。記載されているそれぞれの項目に変更が生じたときは登記申請することで変更内容が反映されることになります。

変更する内容にもより手続きは異なりますがおおむね以下の手続きが必要です。

  1. 株主総会決議など社内で必要な決定の手続きを行う
  2. 手続きしたことや変更が発生した証明となる書類を準備する
  3. 登記申請書類を作成し、必要書類を添付して登記申請する


登記申請後、書類内容に不備等がなければ通常1週間から2週間程で申請をした変更内容が登記簿謄本に反映され、新しい登記簿謄本が取得できるようになります。

会社変更登記の3つの申請方法

会社変更登記の申請にはおもに3つの方法があります。

①司法書士に依頼する

もっともポピュラーな方法です。司法書士に報酬を支払って申請書類作成から法務局への申請まで代行してもらいます。

司法書士という専門家が直接対応してくれるので、安心感があり丸投げできるので自分の時間を使うこともありません。

その反面、専門家報酬として費用が発生したり、見積もりや対面での打ち合わせが必要になります。商業登記の中でも、シンプルな登記を申請する場合は「これだけなら司法書士に依頼せず自分でできないかな」と考える方もいるようです。

また、司法書士にも得意・不得意がありますので、会社の登記の経験が豊富な司法書士に依頼することをおすすめします。
以下のページでは報酬や依頼のしかた、会社の登記に強い司法書士の見分け方まで具体的に解説しています。

関連記事:司法書士に依頼して登記申請する

②自分で調べて申請する

経験がある方や、難易度の高くない登記であれば自分で調べながら必要書類を準備することも可能です。

自分で申請する場合もいくつかの方法がありますが、どれも書類の記載内容や添付する書類には厳密なルールが定められており、少しでも間違えると修正のやりとりが必要になってしまうのがネックです。申請方法を調べ自力で作成するコストと、身につくスキルを踏まえるとかなりハードルの高い方法です。

関連記事:自分で登記を申請する

また、以下のページでは、それでも自分で申請したいという人向けにおすすめの法務局Webサイトの見方についてまとめましたので参考にしてみてください。

関連記事:自分で登記申請する場合に参考になるサイトとは?

③オンラインの登記書類作成支援サービスを使う

最近増えてきた方法で、サービス提供するWebサイトに会員登録し、変更したい内容を入力すると自動で申請書類や添付書類を生成してくれるサービスです。あらかじめ郵送しやすいフォーマットになっていますので、印刷して押印して法務局に郵送すれば申請は完了です。

自分のペースで使えるので、夜中や週末に作業できたり、価格設定がシンプルなのが特徴です。弊社で運営するGVA 法人登記もこのタイプのサービスです。


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執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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