みなさんの中には、会社の登記手続きというと「形式通りの書類を作って申請すれば簡単にできる」とお考えの方も少なくないのではないでしょうか?
しかし、会社の登記申請をする際にはしっかりとその中身を理解しておかないと思わぬトラブルの元となるだけでなく、その後の融資などにも悪影響を及ぼします。
この記事では、会社設立時の登記すべき事項を決める際の注意点や、融資に通りやすくするポイントなどについて解説いたします。
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「登記すべき事項」とは?
会社設立時の「登記すべき事項」は、株式会社については会社法第911条第3項により、合同会社については会社法第914条により、それぞれ定められています。
「登記すべき事項」は、「必ず登記が必要な事項」と「定めがある場合に限り登記が必要な事項」に分けられています。
株式会社の登記すべき事項
① 必ず登記が必要な事項
必ず登記が必要な事項としては、以下のものがあります。
・ 目的
・ 商号
・ 本店の所在場所(支店がある場合には支店の所在場所)
・ 資本金の額
・ 発行可能株式総数
・ 発行済株式の総数(種類株式発行会社の場合はその種類及び種類ごとの数)
・ 取締役の氏名
・ 代表取締役の氏名および住所
・ 公告をする方法
② 定めがある場合に限り登記が必要な事項
定款などで定めた場合に限り、登記が必要な事項の代表的なものとしては、以下のようなものがあります。
・ 株式の譲渡制限に関する定め
・ 発行する株式の内容
・ 株券発行会社である旨
・ 単元株式数
・ 株主名簿管理人の設置
・ 取締役会設置会社である旨
・ 監査役設置会社である旨および監査役の氏名など
・ 会計参与設置会社である旨および会計参与の氏名など
・ 監査役会設置会社である旨
・ 会計監査人設置会社である旨
・ 監査等委員会設置会社である旨
・ 指名委員会等設置会社である旨
・ 特別取締役による議決の定め
・ 取締役等の責任免除の定め
・ 非業務執行取締役等の責任限定契約の定め
・ 新株予約権の数や内容
・ 貸借対照表の公告を電磁記録で行う場合は、そのURL
・ 存続期間または解散事由の定め
合同会社の登記すべき事項
① 必ず登記が必要な事項
必ず登記が必要な事項としては、以下のものがあります。
・ 目的
・ 商号
・ 本店の所在場所(支店がある場合には支店の所在場所)
・ 資本金の額
・ 業務執行社員の氏名または名称
・ 代表社員の氏名または名称及び住所
・ 公告をする方法
② 定めがある場合に限り登記が必要な事項
定款などで定めた場合に限り、登記が必要な事項としては、以下のようなものがあります。
・ 存続期間または解散事由についての定め
・ 代表社員が法人である場合は職務執行者の氏名及び住所
登記すべき事項についての注意点
登記すべき事項の提出やその内容に変更等があった場合には、次の点に注意して行う必要があります。
登記すべき事項の提出方法
登記すべき事項の提出は、以下のいずれかにより行います。
① CD-Rによる提出
登記すべき事項をCD-Rなど電磁記録媒体に書き込んだものを法務局に提出します。
この場合には、そのCD-Rそのものが申請書類の一部となるため、別途、紙に印刷したものを提出する必要はありません。
② オンラインによる提出
法務省の「登記・供託オンライン申請システム」が利用できる方については、登記すべき事項の提出をオンラインで行うことができます。この時、電子署名は必要ありませんが、別途書面で登記申請をする必要があります。
③ 紙による提出
登記すべき事項は、①②のほかに紙に記載して提出することも可能です。
この場合には、登記申請書の「登記すべき事項」の箇所に直接、その内容を記載するほか、項目が多いときは、登記すべき事項の内容だけを記載したA4の別紙をつけて提出することも可能です。
登記事項を追加・変更した場合
会社設立後、登記事項を追加、変更する場合は、その事由が生じたときから2週間以内に法務局へ変更登記の申請を行う必要があります。
なお、変更登記の申請をする場合には、変更の内容に応じた登録免許税が必要となる他、手続きを専門家に依頼する場合には手数料がかかります。
また、変更登記手続き中は、その登記処理が終わるまで法務局で登記事項証明書を取得することができなくなる(登記記録がロックされる)ため、登記事項証明書が必要となる届出や取引をする場合には、登記が完了してからこれを取得する必要があります。
融資に失敗しないための登記記録の決め方
登記申請書に記載された「登記すべき事項」は、そのまま登記記録として記録され、会社の設立時だけでなくその後の会社の経営に大きく影響します。とくに以下の項目については、その記録により融資に大きな影響を生じる可能性があるため、これらを決定するときには以下の点に気をつけてください。
会社の本店所在場所について
創業者や中小企業が利用しやすい融資制度として信用保証協会の保証のついた「制度融資」がありますが、この制度融資は、自治体ごとに設計・運用が行われています。
たとえば、東京都と埼玉県とでは、融資の種類や条件がまったく異なりますし、また、都内であっても新宿区と渋谷区とではその内容が違います。
このように制度融資は各都道府県や市町村ごとに行われていますが、どこの制度が利用できるかは、その企業の本店所在地により決まります。例えば、新宿区で開業する場合には、「東京都」または「新宿区」のどちらかの制度融資を利用することができますが、埼玉県や渋谷区の制度融資を利用することはできません。
このように本店がどこにあるかにより、利用できる制度融資が決まってしまうため、とくに自宅と事務所の両方を使って開業する場合には、どちらを本店にするかにより利用できる制度融資が異なってしまいます。
事業目的について
会社の事業目的には、それが入っていると金融機関からの融資が受けにくくなってしまうものがあります。このような事業を「融資対象外業種」といいます。
代表的なものとしては「風俗営業」、「パチンコ」、「ラブホテル」、「金融業」などがあり、金融機関ではこのような事業目的の会社に対して融資はできないことになっています。
なお、実際にそのような営業を行わない場合でも、登記をしているだけで融資の対象外となってしまうこともあるため、不要ならばはじめから目的に入れないようにしましょう。
役員について
金融機関では、融資の審査の際には役員についての個人情報の調査を行いますが、この調査の対象となるのは代表取締役だけではありません。取締役や監査役なども調査の対象となります。
そのため、名義を借りる程度の軽い気持ちで役員になってもらうと、その人に個人情報に関する問題や反社会的な勢力との関係などがある場合には、それが原因で融資が否決となってしまいます。そのため、役員を選任するときには、これらの問題がない人にお願いするようにしてください。
まとめ
最近では、会社設立の際の資本金に関する制約がなく、また、設立登記に関する情報も豊富に出回っているため、簡単に会社の設立手続きができるようになりました。
そのため、登記すべき事項についても、あらかじめ用意されたひな形を利用する方がほとんどとなっています。しかし、会社の登記すべき事項は、登記の時だけでなく、その後の取引や融資にも影響するため、これをいい加減に決めてしまうと失敗や大きなトラブルの元となります。
とくに許認可を必要とする事業をされる方については、事業目的の表現や内容によっては、許可申請の際に問題となることもあるため、過去の事例を確認するなど十分に調査してから決定するようにしてください。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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