会長とは?定義や社長・CEOとの違いまで解説

商業登記の基礎知識
投稿日:2025.07.15
会長とは?定義や社長・CEOとの違いまで解説

会社経営や様々な組織運営において、当たり前のように使われる「会長」という肩書。しかし、その法的な位置づけや権限について、正確に理解されている方は意外と少ないのではないでしょうか。単にリーダー的な人にカジュアルな敬称として「会長」と呼ぶこともありますし、会社においては「社長」や「CEO」との違い、そして「代表取締役」という肩書が付くか否かで、その役割は大きく変わります。

本記事では、「会長」という言葉の広義の意味から、株式会社における具体的な役割、権限の違いまでを分かりやすく解説します。

「会長」は広義には会の責任者を指す

まず、最も広い意味での「会長」は、文字通り「会」の「長」、つまり何らかの集まりにおける責任者やトップを指す言葉です。これは法律で定められた用語ではなく、慣習的に使われている呼称です。

具体的には、以下のような様々な「会」で用いられます。

株式会社や団体など:株式会社○○、一般社団法人△△、○○協会

政治の世界:自由民主党内の派閥である「△△会(麻生派)」など

地域や学校の集まり:町内会、PTA、同窓会

任意団体:有志で作る「○○愛好会」など

これらの例からも分かるように、「会長」が持つニュアンスは様々です。創業者や実質的なオーナーが会長として組織のトップに君臨し、絶大な影響力を持つ場合もあれば、第一線を退いた前任者が就く「名誉職」としての意味合いが強い場合もあります。

また、特定の役職についていない大企業の創業者などに対し、敬意を込めて「会長」と呼ぶケースも見られます。このように、「会長」は使われる場面によってその立場や権限の重みが大きく異なる、非常に柔軟な言葉といえます。

株式会社における会長

一般的に「会長」という言葉がビジネスシーンで使われる場合、その多くは株式会社における役職を指します。しかし、会社法には「会長」の職務や権限を定めた規定は一切ありません。あくまで会社が任意に定める「役職名」の一つです。

したがって、その権限や役割を理解するためには、「社長」や「CEO」といった他の役職との関係性、そして何より「取締役」「代表取締役」という会社法上の地位があるかが重要です。

会長と社長の関係

一般的に、多くの企業では社長が会社の業務執行における最高責任者として日々の経営を担い、会長は一歩引いた立場から大局的な助言を行ったり、財界活動などの対外的な役割を担ったりするケースが多く見られます。創業者や社長経験者が会長に就任し、後継者である新社長を支える、あるいは監督するという形式です。

ただしこれはあくまで一般的な傾向に過ぎず、どちらの権限が上かは、会社の内部規程や、後述する「代表取締役」の肩書をどちらが持っているかによって決まります。

会長とCEOの違い

CEOは「最高経営責任者」の略称で、米国型のコーポレートガバナンスで用いられる役職名です。会社の経営方針を決定し、その執行を統括するトップであり、日本の「社長」がこれに近い役割を担うことが多いです。最近は日本の会社でも肩書の一つとして「CEO」をつけるケースも増えています。

会長とCEOが併存する場合、一般的にはCEOが業務執行のトップ、会長は取締役会の議長として、経営の監督機能を担うことが多いですが、これも会社の設計によって異なります。

最も重要なポイントは「代表取締役」の有無

会長の権限を法的に理解する上で、以下の3つのケースの区別が重要です。

1. 肩書が「会長」のみの場合(取締役ではない) 
 この場合、会社法上の役員(取締役、監査役など)ではありません。したがって、会社の業務を執
 行する法的権限も、それに関する法的な責任も負いません。あくまで会社内での内部的な役職であ
 り、その影響力は個人の実績や人脈といった事実上のものに限られます。いわゆる「名誉職」や
 「相談役」に近い立場です。


2. 「取締役会長」の場合 
 「取締役」は、会社の業務執行に関する意思決定を行う取締役会のメンバーです。取締役会長は、取
 締役として会社の経営方針を決める議決に参加する権限と、会社に対する善管注意義務などの法的
 な責任を負います。ただし、会社を代表して契約などを行う権限まではありません。


3.「代表取締役会長」の場合 
 「代表取締役」は、取締役の中から選ばれ、会社を代表して業務を執行し、対外的に契約などを締結
 する権限を持つ、会社法上の最高責任者です。会長がこの「代表取締役」の肩書を持つ場合、その
 会社における法律上のトップは会長であると言えます。社長が別に存在しても、その社長が代表取
 締役でなければ、法的な代表権は会長が持ちます。

このように、単に「会長」という名称だけでなく、法的な裏付けである「取締役」「代表取締役」の肩書があるかどうかで、その権限と責任は全く異なります。

会長と似た役割の役職

会長以外にも、組織のトップを示す様々な呼称があります。いくつかピックアップしてそれぞれ解説します。

総裁(そうさい)

政党(例:自由民主党総裁)や、日本銀行のような大規模な公的機関の長に使われることが多い呼称です。一企業というよりは、より公的で規模の大きな組織のトップというニュアンスを持ちます。

団長(だんちょう)

スポーツの選手団や弁護団、応援団など、特定の目的のために組織された「集団(団)」のリーダーを指します。恒久的な組織のトップというよりは、特定のプロジェクトや期間における一時的なグループの長という意味合いで使われることが多いようです。

代表(だいひょう)

「代表取締役」や「代表社員」のように法的な地位を示す場合もあれば、NPO法人や任意団体などで単に「組織を代表する者」として使われる場合もあります。「会長」よりも、組織の顔として外部との交渉や窓口機能を担う実務的な意味合いが強い傾向があります。

理事長(りじちょう)

一般社団法人、一般財団法人、学校法人、医療法人、NPO法人といった、株式会社以外の法人格を持つ組織で使われる代表者の肩書です。「理事」で構成される「理事会」のトップであり、その法人を代表する法的な権限を持ちます。株式会社における「代表取締役」に相当する立場です。慣習的な呼称である「会長」と違い、「理事長」は法律や定款に基づいて定められた、特定の法人における最高責任者を指します。

以上のように、「会長」は非常に多義的な言葉です。その立場を正しく理解するためには、言葉の響きだけでなく、その組織の規程や、特に株式会社においては「代表取締役」という法的な肩書の有無を確認することが決め手になります。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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