有限会社の本店移転登記とは?申請方法と必要書類を解説

本店移転
投稿日:2024.08.19
有限会社の本店移転登記とは?申請方法と必要書類を解説

2006年の会社法施行によりそれまで存在していた有限会社は株式会社の一類型である特例有限会社として存続することになりました。

現在では特例有限会社を新たに作ることはできませんが、それまでの有限会社は存続しています。では、こうした有限会社の本店を移転した場合には登記手続き等はどのようになるのでしょうか。

本記事では有限会社の本店移転登記の手続きについて解説します。

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有限会社の本店移転登記とは?

有限会社の本店移転とは、有限会社のオフィス移転のことを指します。一般的には「本社」と呼ばれることが多いですが、登記上では本社のことを「本店」と呼びます。
本店移転が発生した場合、移転日から2週間以内に本店移転登記の申請をする必要があります。

法人の住所移転のことを「本店移転」という

本店移転とは法人の住所移転のことをいいます。有限会社の本店所在地は、株式会社や、合同会社などの持分会社と同様に登記事項であり登記事項証明書に記載されています。そのため住所移転を行った場合には登記の変更手続きが必要となります。

また、本店所在地は会社設立時に作成する定款に記載している場合が多く、定款への記載の状況によっては住所移転に伴って定款変更手続きも必要となる場合があります。

有限会社の場合、本店所在地を代表者の自宅住所にしている場合もあり、こうした場合には転居する際に会社の本店所在地の変更のための手続きも必要となるので注意が必要です。

本店住所を変更したら登記申請が必要

前述の通り、会社の本店所在地は登記事項となっており、登記事項や定款の記載事項となっているためその変更にあたっては様々な手続きが必要です(会社法(以下法)第911条第3項第3号、第914条第3号)。

定款変更が必要な場合、株式会社や有限会社の場合には株主総会による決議が必要です(第466条)。なお、合同会社の場合には総社員の同意が必要になります(第637条)。決議を証する書類として、株式会社や有限会社の場合には株主総会議事録の作成、合同会社の場合には総社員の同意を証する書面として同意書を作成する必要があります。

定款変更の要否は、定款内にどの範囲までの住所を記載しているかと移転先がどこかによって変わります。

例えば、定款の定めが「当会社は、本店を東京都港区に置く。」といった住所の最小行政区画までを記載する方法です。この場合には移転先が港区内である場合には定款変更は不要となります。

これに対して、「当会社は、本店を東京都港区麻布台1丁目1番地に置く。」といったように具体的な番地まで記載する方法を取っている場合には、本店所在地を変更する際には必ず定款変更が必要となります。

また、移転先が移転前の法務局の管轄外の場合には登録免許税が必要になります。このように手続き面や登録免許税の要否が異なるため、移転先がどこになるかは注意しておきましょう。

有限会社の本店移転登記申請の流れ

では、有限会社の本店移転登記はどのような流れで行われるのでしょうか。ここからは本店移転登記申請の流れについて解説します。

有限会社の本店移転登記手続きは大きく分けて、①社内での本店移転決定の手続きと②書類を作成し、法務局に登記申請する外部の手続きの2ステップに分かれます。

①社内での本店移転決定の手続き

前述の通り、本店移転を行う場合には定款変更が必要な場合があります。有限会社も株式会社と同様に株主総会の特別決議によって定款変更を行います。株主総会を開催し、登記の添付書類として必要な株主総会議事録の作成を行う事になります。

なお、有限会社は2006年の会社法以前は社員総会によって定款変更を行っていましたが、会社法制定以降は有限会社は特例有限会社となり株式会社の一類型となりました。そのため、株式会社と同様に株主総会の特別決議によって定款変更を行うこととなっています。

②書類を作成し、法務局に登記申請

株主総会及び株主総会議事録の作成が完了したら次は登記申請です。登記申請は、登記申請書を作成し、登記申請書や議事録などの必要書類を添付して法務局に申請します。

本店移転登記には以下の書類が必要になります。

  • 登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 取締役決定書
  • 株主リスト
  • 委任状(司法書士に委任する場合)


申請書や添付書類の書式(テンプレート)や記入例は法務局webサイトで公開されています。以下でリンクをご紹介しますのでこれを参考にしながら作成すると良いでしょう。

・管轄内移転の場合
記載例はこちらを参考にしましょう。(記載例の入っていないものはこちら

・管轄外移転の場合
記載例はこちらを参考にしましょう。(記載例の入っていないものはこちら
*印鑑届書の提出も必要になります。(ひな形はこちら

先ほども少し触れましたが、本店の移転先が法務局の管轄内か管轄外かに応じて手続きや費用(登録免許税額)が異なるため注意が必要です。

移転先が現在の法務局の管轄内の場合はその法務局に必要書類などをそれぞれ1通提出します。この場合には費用は登録免許税3万円となり、3万円分の収入印紙を貼り付けて提出します。

他方で移転先が現在の法務局の管轄外である場合には、もとの法務局と移転先管轄の法務局へ2通の申請書を作成する必要があります。この場合には登録免許税が2ヶ所分必要となるため、費用は倍の合計6万円必要になります。なお、2カ所の手続きが必要となりますが提出先はもとの法務局宛てに2通提出すれば大丈夫です。

また、自分で申請する場合にはオンライン申請も可能ですが電子証明書を準備する必要があるため、そのための期間や費用が必要になる点は確認しておきましょう。

代表者の住所を本店住所にしている場合

有限会社の場合ありがちなのが、代表者の住所を本店にしているケースです。この場合には、本店移転をするということは代表者の住所移転になります。

代表取締役の住所も登記事項(法第911条第3項第14号)となっているため、こうしたケースでは本店移転登記に加えて、代表者住所の変更も登記申請が別途必要となります。

なお、代表者住所変更登記の登録免許税は資本金1億円超の場合は3万円、それ以外の場合には1万円となります。

登記申請には2週間の期限がある

登記申請は変更を生じた日から2週間以内に登記を行う必要があります(法第915条第1項)。この登記を怠ると、100万円以下の過料が科される可能性があります(法第976条第1号)。実際には高額の過料がなされるケースはまれですが、リスクとなりえるため、期間制限に間に合うように添付書類や申請書を作成して登記申請を行いましょう。

本店移転の登記申請後に必要な手続き

本店移転登記が完了したら、最後に残った手続きを完了させましょう。後述するように提出先や申請先が複数となるため、あらかじめ確認しておき必要書類を集めておくとスムーズです。

有限会社の本店移転登記に必要な手続き

オフィス移転のような有限会社の本店移転登記手続きをするためには前述のように定款変更のための株主総会と議事録の作成が必要となるケースがあります。定款変更が不要な場合には、本店移転をすることについて、取締役の過半数による決定を行うか、株主総会による決定を行う事で本店移転が可能です。

公的機関(税務署・年金事務所など)への届出

本店移転登記が終わったら本店所在地を変更したことについて以下の手続きが必要になります。

・税務署への届出(国税)
「異動事項に関する届出」と「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」の2種類を提出します。管轄外移転の場合には、移転前の税務署と移転後の管轄の税務署のそれぞれに提出が必要なので注意しましょう。

・都道府県税事務所への届出(都道府県税)
「事業開始等申告書」の提出をする必要があります。期限は特に定まっていませんが移転後速やかに行う事となっているので押えておきましょう。本店移転が都道府県をまたぐ場合には移転前の都道府県税事務所と移転後の都道府県税事務所の2カ所に提出する必要があるため、移転先の住所に注意しましょう。

・市区町村への届出(市区町村税)
「法人の設立(設置)変更等申告書」を提出する必要があります。期限は特に定まっていませんが移転後速やかに、提出することとなっています。添付書類として登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピーが必要になるため準備しておきましょう。

・年金事務所への届出(健康保険・厚生年金)
管轄の年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険適用事業所名称/所在地変更(訂正)届」届出が必要です。
本店の移転先が管轄内・管轄外かにより記入内容や手続きに違いがあるため、詳しくは
日本年金機構のHP等を参考にしましょう。

・労働基準監督署への届出(労働保険)
移転後の本店所在地を管轄する労働基準監督署へ「労働保険名称・所在地等変更届
」の提出が必要です。提出先は管轄の労働基準監督署へ確認しましょう。この後ハローワークへの届出の際に「労働保険名称・所在地等変更届」の控えが必要となるため先にこちらの手続きを行っておきましょう。

・公共事業安定所(ハローワーク)への届出(雇用保険)
移転後の管轄の公共事業安定所へ「雇用保険事業主事業所各種変更届」の提出が必要です。また添付書類として登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピーと労働保険名称・所在地等変更届の控えが必要になります。

・その他、金融機関や取引先や印鑑届など
金融機関では登録口座の住所変更が必要となります。また、書類送付先が代わるため取引先への連絡も必要になります。
それ以外にも印鑑届の住所等の変更の手続きが必要になるため、忘れないようにしておきましょう。

移転後は速やかに登記申請を行いましょう

特例有限会社は現在では株式会社の一類型として取扱われているため、本店移転登記手続きにおいては基本的には株式会社と同様の手続きとなります。移転から2週間以内に登記手続きが必要になります。本記事を参考にスムーズな手続きを行いましょう。

【最短7分】有限会社の本店移転登記の書類を自分で作成、法務局に行かずに申請できます

オフィス移転で必要になる登記変更は、自分でやるにしても書類作成方法など調べる対象が多岐にわたります。

とはいえ士業など専門家にお願いするとしても、依頼する司法書士事務所の選定やりとりには意外に手間がかかるもの・・・でも社内では自分(=代表者や役員)が対応するしかない、という方も多いのではないでしょうか?

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株式、合同、有限会社それぞれの本店移転に対応。書類作成だけでなく、印刷や製本、登録免許税の納付に必要な収入印紙の同時購入、登記反映後の登記簿謄本(登記事項証明書)の取得をサポートするオプションプランも充実。申請に必要な収入印紙もセットで購入できます。

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GVA 法人登記が対応している登記種類

・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。



GVA 法人登記で作成できる合同会社の本店移転登記に必要な書類

※手続き状況により、一部作成されない書類もございます

  • 総社員の同意書
  • 業務執行社員の決定書
  • 登記申請書(管轄外本店移転の場合は、管轄外提出分も同時に作成)
  • 印鑑届書


さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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