これから創業される方の中には、合同会社の設立をお考えの方も多いと思います。
合同会社の設立では、必ず定款で本店を決め、これを登記する必要がありますが、中には「会社の本店はどこにしたらよいのだろう?」、「自宅やレンタルオフィスでも大丈夫?」など疑問をお持ちの方も少なくないと思います。
合同会社の本店は簡単に決められますが、だからといってこれをいい加減に決めてしまうとその後の手続きや事業に支障をきたすこともあるため、必要なポイントを理解して決定する必要があります。
この記事では、合同会社の本店を決める際の手続きやポイント、注意すべき点について解説します。
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合同会社の本店所在地とは?
会社における本店とは、「その会社の営業の拠点となる場所」をいいます。この本店がどこなのかは取引的にも重要な事項となるため、定款で定めるだけでなく登記申請も必要となります。
本店所在地は「会社の住所」
会社の本店とは、事業者が事業を行う主たる場所をいい、会社法第4条では「会社の住所は、その本店の所在地にあるものとする」と定められています。
会社設立後はここが営業の拠点となりますが、対外的な取引の安全を図る必要上、定款と登記の両方でこれを定めることが法律で定められています。(会社法第576条3号・914条3号)なお、本店の所在地は、会社の登記事項証明書に記載され、以降、これが会社の正式な住所となります。
しかし、本店は必ずしも店舗や事務所でなければならないわけではなく、自宅やレンタルオフィス、バーチャルオフィスなどであっても構いません。ですが、本店と定め、登記をするには、その場所を利用する権限(所有権や賃借権)があることが前提となるため、自分で所有しているか賃貸契約を締結していることが必要となります。
本店所在地に変更が生じたら登記申請が必要
合同会社の本店に所在地に変更(移転)が生じたときには、以下の手続きを行う必要があります。
<定款の変更手続き>
合同会社の本店を変更するときには、定款の変更が必要となる場合がありますが、その際には、原則として、総社員の同意による決議をする必要があります(会社法第637条)。ただし、定款に別段の定めがある場合には、それに従った手続きにより決議を行います。
<変更登記の変更手続き>
本店に変更を生じたときには、変更を生じた日から2週間以内に登記申請書や必要な資料(同意書や決定書等)を作成し、管轄の法務局に「本店移転登記申請書」を提出します。登記の完了後は移転後の本店への書き換えができているので、登記手続きが完了したら、必ず新しい登記事項証明書を取得しておきましょう。
<役所等への届出>
本店の変更登記手続きの完了後は、税務署や役所への届出も必要となります。また、何らかの許認可を受けている場合には、許認可に関する変更手続きが必要となるため、こちらについても忘れずに手続きを行うようにします。
合同会社の本店所在地におけるルール
合同会社の本店を決める際にはいくつかの守るべきルールがあり、これが守られていないと手続きに支障を生じたり、やり直しとなってしまうことがあります。
定款における住所記載のルール
会社の本店は、定款に絶対に記載しなければならない事項(絶対的記載事項)とされていますが、その決め方にはいくつかの方法があります。
① 最小行政区画までを記載する
「当会社は、本店を東京都新宿区に置く」
本店の記載を最小行政区画までにとどめておく方法です。最小行政区画とは、原則として市町村が単位となりますが、東京については例外的に特別区(23区)が最小行政区画となります。
② 番地までを記載する
「当会社は、本店を東京都新宿区西新宿七丁目10番2号に置く」
本店の記載を番地まで記載する方法です。
なお、定款で住所を細かく決めた場合には近隣への移転(例えば、西新宿七丁目10番2号から西新宿七丁目10番5号への移転)であっても、定款の変更が必要となります。しかし、最小行政区画までの記載の場合には、同じ区画内の移転であれば変更の必要がありません。
登記申請する本店所在地の記載ルール
本店を登記する場合には、番地までを記載するのが原則ですが、その際にマンション・ビル名、部屋番号を記載するかどうかは任意とされています。しかし、この場合、同じ建物内で部屋の変更をしただけで変更登記が必要となってしまうため、注意が必要です。
なお、どの程度までの記載にするかについては、ビル名や部屋番号を登記しなくとも、郵便物が届くかどうかを判断の目安とすると良いでしょう。仮に、建物内に集合ポストがあり、個別に住居者の氏名がわかる場合には番地までの記載でもよいですが、そうでない場合には郵便物が届かなくなる可能性があるため、部屋番号まで登記するべきといえます。
① 番地までを記載する
「当会社は、本店を東京都新宿区西新宿七丁目10番2号に置く」
② 部屋番号まで記載する
「当会社は、本店を東京都新宿区西新宿七丁目10番2号○○ビル102に置く」
合同会社の本店所在地を決める際の注意点
合同会社の本店所在地を決める際には、場所の記載をどこまでにするかということだけでなく、以下のことにも注意する必要があります。
移転先住所の管轄内外による違い
本店を移転する場合には、その移転先に応じて異なった登録免許税が必要となります。
移転先が現在の法務局と同じ管轄内の場所である場合には3万円の登録免許税がかかります(例えば、新宿区内から新宿区内への移転)。これに対して、移転先が現在の法務局と別の管轄の場所である場合には6万円の登録免許税が必要となります。(例えば、新宿区内から台東区内への移転) また、登記にかかる時間についても、管轄内での本店移転については約1週間~10日程度であるのに対し、管轄外の移転の場合には2~3週間程度の時間が必要となる場合もあります。
なお、定款で本店を最小行政区画まで記載している場合は、同じ区画内の移転であれば定款変更手続きが不要ということにも留意しましょう。
このように本店の決め方によって費用や手続きに差が生じるため、とくにこだわりがないのであればあまり所在地を細かく決めないことをおすすめします。
同じ住所で同じ商号の会社の登記はできない
会社の本店は「同じ住所で同じ商号を登記すること」が禁じられています。これを「同一本店同一商号の禁止」(商業登記法第27条)といいます。
具体的に「どの程度までなら住所が同一と判断されるのか?」については、以前はかなり厳しく判断されていましたが、現在は制限が緩和され同じビルであっても同じ号室の部屋でなければ同一本店にあたらないものとされています。(例:「東京都新宿区西新宿七丁目10番2号○○ビル102」と「東京都新宿区西新宿七丁目10番2号○○ビル103」は同一本店にあたらない)
そのため、この点についてあまり神経質になる必要はありませんが、大きなビルや部屋数の多いマンションなどに入室する場合には、一応確認しておきましょう。
自宅を本店所在地にする場合の注意点
自宅を本店にする場合には、賃貸契約書の中で使用の目的が「居宅」ではなく、「事務所」となっているかに注意が必要です。
もし、居宅となっている場合には、そのままでは事務所として利用できないため、改めて大家さんから事務所使用の許可を得る必要があります。また、そもそも、法人での利用が禁止されている場合もあるので、注意してください。
本店が自宅となっている場合、行う業種と自宅の規模・立地などに不自然な点があるようなケース(1DKのアパートなのに広いスペースが必要なる事業を行う場合など)では融資審査や許認可申請などの悪影響となる可能性があります。
なお、会社のホームページや名刺などには本店を記載しますが、自宅が本店となっている場合は、これによりプライバシーが守れなくなる、来客を招いての対応ができにくくなる、取引先からの評価が下がる可能性がある等のデメリットも考慮すべきといえます(なお、会社の登記事項証明書には代表社員の住所が記載されるため、これを見れば本店が自宅となっていることがわかります)。
バーチャルオフィスを本店所在地にする場合の注意点
最近ではリアルな店舗ではなく、名義だけのバーチャルオフィスを利用する方も増えていますが、この場合には次のようなリスクが考えられます。
- バーチャルオフィスとわかると、取引先等からの信用を失う可能性がある。
- 自社での来客対応ができない、しにくい。
- 一部の許認可(宅地建物取引士など)については、一定の事務所要件があるため、その場合には許認可を取得できなくなる
なお、名刺やホームページにバーチャルオフィスと記載されていなくとも、住所の記載や地図検索などにより、バーチャルオフィスとわかってしまう可能性があります。
レンタルオフィスやコワーキングスペースを本店所在地にする場合の注意点
レンタルオフィスやコワーキングスペースはバーチャルオフィスと異なり、リアルな空間を利用することができますが、これらについても次のようなリスクが考えられます。
- 一部のレンタルオフィスやコワーキングスペースでは、本店登記が認められていないケースがある。
- 一部の許認可(労働者派遣事業の広さ20㎡以上など)については、要件を満たすことかできない場合がある。
そのため、これらを利用する場合には、必要な要件を満たす物件であるかどうかについて、事前に確認する必要があります。
合同会社の本店は、メリット・デメリットを考えて決定しよう
合同会社は株式会社と比較して、簡単な手続き・割安な費用で設立できるというメリットがあります。しかし、本店の決定は慎重に行わないと、頻繁に定款変更をしなければならなかったり、移転の際に余計な手続きや税金を支払う要因となってしまいます。
また、安易に自宅を本店にすると、賃貸契約の変更が必要となったり、銀行からの借り入れで不利となる可能性もあります。とくに、バーチャルオフィス等の利用については、「来客対応ができない」、「信用低下につながる」などのデメリットもあるため、これらについても十分に検討した上で決定するようにしましょう。
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