本店移転や商号変更などの手続きでは、変更登記申請に加えて異動届の提出が必要です。
本記事では、どんな登記変更で異動届の提出が必要になるかや、提出する場合の書き方について解説します。
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異動届は、会社が本店住所や商号（社名）などを変更した際に、異動前の税務署に届け出る書類です。e-Taxからオンラインで提出するか、書面に記載して所定の税務署などに提出します。
異動届の提出は株式会社、有限会社、合同会社など、会社の種類を問わず必要です。無視したり提出を怠ってしまったりすると後にデメリットが生じる可能性があります。異動届の提出が必要な登記変更が決まったら、忘れずに異動届提出の準備をしましょう。
なお、異動届以外にも、年金事務所や労働基準監督署、ハローワーク、金融機関などへ届出が必要になる場合もありますのでご注意ください。
異動届の提出が必要な変更登記の種類は以下の通りです。該当する登記申請の予定がある場合は、税理士などに依頼するか、自分で届出するか検討しておきましょう。なお、下記の登記種類の他にも「事業年度の変更」など、登記申請は伴わないが異動届の提出が必要な手続きもありますのでご注意ください。
異動届は税金関連の手続きですが、提出先（税務署、都道府県税、市区町村税）によって3つの種類があります。必要な書類の種類と提出方法について解説します。
税務関連の申請書は、書面またはe-Taxから提出できます。本記事では書面で提出する記入例について解説します。
書面で提出する場合の申請書のテンプレートは国税庁のホームページからダウンロード可能です。
書面で提出する場合は、書類を印刷し、必要な情報を記入した後、提出先の税務署に提出しましょう。
税務署への異動届の記入例
異動届の提出に加えて、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」を所轄税務署長に対して届け出る必要があります。
給与の支払者が国内で給与等の支払事務を取り扱う事務所を開設、移転、または廃止する際に、税務署に届け出を行います。
届出は、e-Taxもしくは書面で税務署に直接提出することも可能です。
申請書様式は国税庁のホームページからダウンロードできます。
「給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出」の記入例
異動に伴い、法人住民税や法人事業税に関する届出を都道府県税事務所に速やかに提出する必要があります。
同一都道府県内の移転の場合は移転後の都道府県税事務所に、別の都道府県への移転の場合は移転前と移転後両方の都道府県税事務所に「異動届出書」、「法人異動事項申告書」などの提出が必要です。各都道府県によって提出書類が変わってくるため、提出先の都道府県税事務所にご確認ください。
東京都の場合は東京都主税局のホームページから異動届出書をダウンロードし、都税事務所に提出します。（上記ダウンロードURL内の2ページ目が対象です）
都道府県税事務所への異動届出書の記入例は上記①税務署への異動届の記入例を参照ください。
市区町村への異動届として、法人住民税に関する書類の提出も必要です。
本店移転の際、法人住民税に関する書類は市区町村へ提出する必要があります。異動が生じた場合、速やかに各役所に提出します。
本店移転により他の市区町村に移る場合、移転前と移転後の両方の役所に提出が必要ですが、東京23区内の場合は届出の必要がありません。なお、異動事項の確認のため、登記事項証明書や定款の写しの確認が求められることもあります。
東京都の場合、東京都主税局のホームページから異動届出書（3ページ目）をダウンロードし、記入して提出します。
市区町村への異動届出書の記入例は上記①税務署への異動届の記入例を参照ください。
異動届の他に、会社が従業員の住民税の特別徴収を行っている場合、本店移転や商号変更に伴い、特別徴収義務者所在地変更届出書の提出が必要です。
特別徴収義務者所在地変更届出書は、各市区町村のホームページからダウンロードし、移転前の役所に提出します。東京都新宿区の場合は新宿区のホームページからダウンロード可能です。
特別徴収義務者所在地変更届出書の記入例
この記事では登記変更に伴う異動届の書き方について説明してきました。異動届は正確な情報の記入はもちろん、必要に応じて、登記簿謄本や定款の写しの確認が必要になる場合があります。
なお、税務上の異動届の他にも提出する書類があります。以下の記事なども参考にしながら確実な手続き、提出を行ってください。
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