募集株式の発行(増資)とは?基礎知識から手続きの流れ、増資後の登記までを解説します

募集株式の発行 投稿日:2020.09.02

募集株式の発行

資金が必要なときにたいていの方が思い浮かべるのは「融資」だと思います。

確かに中小企業から大手企業まで規模を選ばずにできる資金調達手段としては最も有力な方法で、対応できる金融機関もたくさんあります。融資は金利の違いや返済期間などの違いはありますが、比較的シンプルな方法といえるでしょう。

もう一つポピュラーな手段が「増資」です。

増資では、一般的に会社の株式を新たに発行し、それを株主となる人もしくは既存の株主がが引き受ける(購入する)ことで資金調達が行われます。そして増資を目的として新しい株式を発行することを「募集株式の発行」と呼びます。

つまり、増資して会社の資本金を増やすために引き受けてもらうための株式を発行する
ということなります。

増資は、融資と違い

  • 会社の所有関係が変わる
  • 株価の算定や機関決定の方法など手続きが複雑


といった違いがありますが、大きなメリットもあるのです。

本記事では、募集株式の発行による増資について、準備から実行、増資後の登記手続きまでを紹介します。融資と増資、それぞれのメリット・デメリットを理解し、機動的な資金調達をできるようにしましょう。


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そもそも増資とは?融資とは何が違うのでしょうか?

「増資」と「融資」は、両方とも企業における資金調達の方法です。

同じ目的、そしてたった一文字違いの単語ですがいくつかの点で明確な違いがあります。

①資金調達のコストが異なる

融資におけるコストは金利ですが、増資においては配当やキャピタルゲインと、その資金を調達するのにかかるコストが異なります。金利に比べると少し難しいかもしれません。

②会社の所有者に変化がある

融資はお金の貸し借りだけの関係性です。返済が終われば関係は終わります。増資では、資金拠出の代わりに会社の権利の一部を引き渡すことで、会社のオーナー(の1人)になります。株式を持っている間は会社との関係はずっと続きます。

③納税額への影響

増資をすると会社の資本金額が上がります。資本金が上がると、消費税や外形標準課税などで免税措置が異なってきます。

④株主総会や登記などの事務作業の有無

融資であればその手続は金融機関側で行うことが多くなりますが、増資では新たに発行する株式数や1株あたりの金額算定、増資完了後の登記申請など会社側での事務コストが多くなります。

これらの違いの他にも、増資はメリット・デメリットが明確になりやすいという特徴があります。

増資のメリット

  • 定期的なキャッシュフローがない段階でも資金調達できる
  • 調達先とお金の貸し借り以上の強固な関係が築くことで信用度が上がる
  • 会社の味方が増える


増資のデメリット

  • 経営者(オーナー)の株式比率が減少し権利が希薄化する
  • 金利よりも資金調達コストが高くなる可能性
  • 一度株主になったら関係性を変えることは難しい


ここで触れた融資と増資の違いやメリット・デメリットの詳細については以下の記事でまとめました。こちらを読んで理解を深めていただければと思います。



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増資のことをなぜ「募集株式の発行」と呼ぶのでしょうか?

増資はなんとなくわかる。もっと出資してもらうイメージですよね。
ただなぜそれを「募集株式の発行」と呼ぶのかわからない・・・

そんな方は意外に多いのではないでしょうか?

「募集株式の発行」は株式を新たに発行し、その株式を出資者に割り当てることと引き換えに資金を確保する、資本増加のための方法の1つです。増資 = 資本金を増やすには、既存の株主間で売り買いするだけでは増えません。

新たに株式を発行することで、増やした分を引き受ける(購入してもらう)誰かが必要になります。そのため「増資すること」は「募集する株式を増やすこと」と同義とされているのです。

増資では株主総会の決議などが必要になり、融資に比べると手続きが複雑になります。
募集株式の発行が会社の中でどうやって行われているか、こちらの記事でまとめました。

増資には3つの実現方法があります

実際に増資をすることになった場合、具体的には3つの方法から選択することになります。

①株主割当増資

既存の株主に対してそれぞれの持分比率に応じて株式を新たに発行し出資してもらう方法です。事業が成長しており、株主の状況に不都合がなければ比較的スピーディかつ確実に増資ができる方法です。

②第三者割当増資

特定の第三者に新たに株式を発行して出資を受ける方法です。全体の株式数が増え、その一部を新たな第三者が保有することになりますので、既存株主からみると持分比率が下がりますが、特定の相手に対して機動的な資金調達ができる方法です(もちろん、特定の第三者の合意だけではできず、既存株主との調整は必要になります。)

③公募増資

新たな株主を特定せずに、広く募る方法です。①や②に比較すると、会社や製品に知名度が必要だったり、資金調達までの時間や新たな株主対応コストが増えますが、大きく資金調達できる可能性もある方法です。

これら3つの方法はどの会社も自由に選べるわけではなく、会社規模や株主構成、株主数、上場しているかどうかなどで決まります。

以下の記事では3つの方法についての詳細やメリット・デメリットをまとめました。自社が取れる方法の中からベストのものを選択するための参考にしてください。



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増資が完了したら忘れずに登記申請をしましょう

融資と増資の違いの一つが「完了後に登記申請が必要なこと」です。

こちらの記事では、なぜ増資 = 募集株式の発行、では変更時に登記申請が必要なのか?登記簿内のどの箇所が変更されるのか、について詳しく解説しています。

増資の登記の登録免許税は、増資する額によって異なります

登記申請をする際には「登録免許税」という税金の納付が必要です。これは登記申請時に収入印紙を貼付するかたちで行います。

この登録免許税は、登記の種類ごとに金額が異なりますがほとんどが一定の金額です。

しかし、増資の場合のみ「資本金が増えた額」に応じてかかる金額が異なります。
さすがに登録免許税をケチって増資額を変えることはないと思いますが、これからかかる費用を見積もりやすくするためにもぜひ知っておきたい知識です。

急遽、増資が決まったので、とにかく手続きや登記の方法が知りたい

登記申請書


「急遽、増資が決まった」というケースは意外によくあります。急な資金需要がある場合はもちろんですが、急成長中の企業がスピーディに事業展開をする上で機動的な資金調達は必須になるからです。

この場合、すでにどの方法で増資するかや、誰が株式を引き受けるか、資本金額の変動についてもセットで検討が進んでいることが多いでしょう。

つまり「もう決まっているからなるべく手続きを早く済ませたい」という状況です。

増資をするにあたって会社の中でどんな手続きが必要か、から増資完了後の登記申請や法定資料についてまとめました。「とにかく増資することになった」という方はまずこちらの記事をお読みいただくのもおすすめです。



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「募集株式の発行」で増資したら登記申請が必要です

募集株式の発行による増資が完了したら登記簿に反映するための登記申請を行います。

会社がいくつの株式を発行しており、資本金がいくらなのかは登記簿に記載されます。関係者に会社の状態を示すことで取引や許認可などをスムーズにするために法律で定められており、増資完了後2週間以内の申請が必要です。
(ちなみに融資による資金調達では登記の必要はありません)

登記申請書に、募集株式により増加した「資本金の額」及び「発行済株式の総数」の他、会社の基礎情報など必要事項を記載し、添付書類として「資本金の額」及び「発行済株式の総数」に変更があったことを証明できる書類を一緒に提出します。

法務局に提出した申請が受理され、登記簿に反映されることで、増資に関する全ての手続が完了となります。

「募集株式の発行による増資」を登記申請する3つの方法

登記申請には、申請書類や添付書類の様式や項目には厳密なルールがあります。記載方法や書類を間違えるとやり直しとなり時間がかかってしまうため念入りな準備が必要です。。

①自力で申請方法を調べる

書籍やネットで登記申請方法を調べ、必要な書類を作成し郵送もしくは持参して法務局に申請します。未経験者にとっては苦痛の伴う作業となるでしょう。
なお、法務省が提供するオンラインサービスもありますが、確実な書類を独力で準備するのは難しく、修正や法務局への訪問が必要になる場合もあります。

②司法書士にまるごと依頼する

最も一般的な方法です。司法書士に依頼し、数万円~程度の報酬とひきかえに必要書類を準備してもらいます。知識がなくても丸投げできるのがメリットですが、見積もりを取ったり打ち合わせの時間が必要です。

③ネットで登記書類作成できるサービスを使う

AI-CON登記のようなサービスのWebサイトに会員登録し、登記内容を入力すると申請書類やその他の必要書類を一括で自動作成できます。その後は印刷、押印して郵送するだけです。スピードが早く、夜や週末など作業タイミングを選ばず、費用も安くすみます。



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おわりに

株式分割の登記申請は、他の申請と比べて数字を扱うことが多く、専門性の高い領域です。できるだけ効率化できる方法で、ミスの可能性を減らし、スピーディに登記申請できるようにしましょう。

執筆者:AI-CON登記 編集部(GVA TECH株式会社)

AI-CON登記のマーケティングやコンテンツ作成を担当しています。GVA TECH株式会社では、オンライン登記書類作成サービス「AI-CON登記」や契約書チェック支援支援「AI-CON」などのリーガルテックサービスを提供しています。

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