非上場企業における第三者割当増資の株価の決め方

募集株式の発行
投稿日:2024.11.21
非上場企業における第三者割当増資の株価の決め方

非上場企業が資金調達で採用する代表的な手法が、第三者割当増資です。この第三者割当増資を実行する際の株価の決め方には、複数の方法があります。

この記事では、非上場企業における第三者割当増資の株価の決め方について、具体的な方法や留意事項などをご説明します。

自分で変更登記をするなら司法書士監修のGVA 法人登記が便利です

必要情報をフォームに入力するだけでかんたん書類作成
費用と時間を抑えて変更登記申請したい方におススメです

【各リンクからお進みください】
①会員登録前に利用方法を確認できる無料体験実施中
②GVA 法人登記の料金案内(専門家に依頼する場合と比較できます)
③オンラインサービスを利用して登記手続きを検討されている方はこちら

第三者割当増資とは


企業の資金調達には複数の手法がありますが、その一つに第三者割当増資があります。

株主割当による増資では、既存の株主に対して持株割合に応じて株式が均等に割り当てられることとなりますが、その一方で、第三者割当増資は、企業が特定の第三者のみに対して株式を発行することによって資金を調達する方法です。

この第三者割当増資は、株式を割り当てる特定の第三者との関係が強化されるという特徴があります。

たとえば、非上場企業において、経営者の後継者に対して株式を割り当てることにより、その後継者の持株割合を高め、事業承継を円滑に行えるように活用されるケースもあります。

株価の決め方


第三者割当増資を実施する際には、原則として株主総会の決議により、発行する株式の内容を決める必要があります。

発行する株式の内容として、主に以下の事項を決議します。

・発行株式の数
・1株当たりの払込金額、増加する資本金の額
・払込期日

上記のとおり、第三者割当増資においては、1株当たりの払込金額、すなわち、株価を決める必要があります。

その株価の決め方には複数の方法がありますが、代表的な方法は以下の3つです。

(1) コスト・アプローチ
(2) インカム・アプローチ
(3) マーケット・アプローチ

それぞれの方法について、以下で詳しくご説明します。

コスト・アプローチ


コスト・アプローチとは、企業の純資産を基準に株価を決める方法です。純資産を基準とするため、ネットアセット・アプローチと呼ばれることもあります。

コスト・アプローチの方法


(1) 簿価純資産法
企業の貸借対照表における資産及び負債を適正な簿価で計上した際の純資産の額を基準に、株価を算定する方法。

(2) 時価純資産法
企業の貸借対照表における資産及び負債を時価で評価替えした際の純資産の額を基準に、株価を算定する方法。

コスト・アプローチの長所・短所


(1) 長所
コスト・アプローチは、貸借対照表の純資産に基づいて、一定の時価評価等の修正を行うため、会計記帳が適切に行われており、時価の情報を入手し易い状況であれば、客観性があり優れている方法と言えます。

(2) 短所
コスト・アプローチは、ある一時点の純資産に基づいて評価を行うため、のれんや無形資産が計算上適切に考慮されない場合には、企業の将来における超過収益力やブランド価値が株価に反映されないという欠点があります。

インカム・アプローチ

インカム・アプローチとは、企業が将来において獲得するキャッシュ・フローや利益を基準に株価を決める方法です。

インカム・アプローチの方法


(1) DCF法
企業が将来獲得すると予想されるフリー・キャッシュ・フローを株主資本と負債の加重平均資本コストで現在価値に割り引くことにより事業価値を算定し、これに非事業資産を加算した企業価値から負債価値を控除して株主価値及び株価を算定する方法。

(2) 配当還元法
株主が企業から得るキャッシュ・フローである配当金の将来予想額に基づいて株主価値を算定し、株価を算定する方法。

(3) 収益還元法
将来に予想される会計上の利益を一定の割引率で割り引くことによって企業価値を算定し、負債価値を控除して株主価値及び株価を算定する方法。

インカム・アプローチの長所・短所


(1) 長所
インカム・アプローチは、企業が将来獲得することが期待されるキャッシュ・フロー又は利益に基づいて評価します。

そのため、企業の純資産価値だけではなく、超過収益力を示すのれんや、貸借対照表に計上されない無形資産や知的財産等の価値を含めた価値となる点で優れています。

(2) 短所
インカム・アプローチでは、企業が将来獲得するキャッシュ・フローや利益の予測や、それを現在価値に割り引くための割引率の算定の必要があります。

しかし、その算定には不確実性が伴い、その判断材料となる事業計画等の将来情報には恣意性が介入しやすい特徴があり、客観性が問題となることがあります。

マーケット・アプローチ

マーケット・アプロ―チとは、企業と類似する上場企業の市場価格や類似する企業の財務情報等を基準に株価を決める方法です。

マーケット・アプローチの方法


(1) 市場株価法
株式市場に上場している企業の株価を基準に株価を算定する方法。

(2) 類似企業比較法
類似する上場企業の財務諸表等から比較倍率を算定して、それを基に対象企業の株価を算定する方法。

(3) 類似業種比準法
国税庁が定めた財産評価基本通達に規定する方法で、類似業種の税務上定められた利益や純資産を基に対象企業の株価を算定する方法。

マーケット・アプローチの長所・短所


(1) 長所
マーケット・アプローチは、第三者間や市場価格で取引されている株式を基にした相対的な評価方法として市場における取引環境を反映する場合には一定の客観性があると言えます。

(2) 短所
マーケット・アプローチは、対象の企業が他の企業と異なる成長ステージにある場合や、類似する上場企業や同業種の企業がない場合には評価が困難です。

役員変更や本堤店などの会社の変更登記は自分で申請できます

会社の登記簿謄本に記載される事項の変更手続きには本店移転や役員変更など様々な種類がありますが、社内での決議に加えて、登記申請の手続きが必要という特徴があります。GVA 法人登記などのサービスを利用すれば、Webサイトから必要な情報を入力することで変更登記の申請に必要な書類を自動作成し、自分で申請できます。

非上場企業における株価の決め方

株価の算定方法には前述のとおり3つの方法がありますが、それぞれ一長一短です。3つの方法のうち常に1つの方法が最も適切であるということはなく、個々の企業における状況を考慮して、最善の方法を採用することとなります。

実務上は、複数の方法により株価を算定して、それらの中央値または平均値を採用したり、最低値から最高値までのレンジを採用したりすることがあります。

非上場企業においては、株式市場で公開される価格がないことから、マーケット・アプローチの市場株価法は採用できません。

また、非上場企業では、将来キャッシュ・フローや資産・負債の時価等の情報が容易には手に入らないこともあるため、コスト・アプロ―チの「簿価純資産法」やインカム・アプローチの「収益還元法」が採用し易い方法と考えられます。

株価決定時の留意事項

第三者割当増資における株価により増加する資本金の金額が決定されます。また、株価は割当先の株主やそれ以外の既存の株主の持株割合にも影響があります。

そのため、第三者割当増資の株価を決める際には、特定の株主のみが有利になるといった事態を避け、各利害関係者が納得して合意できる水準に決めることが重要なポイントとなります。

GVA 法人登記なら、増資(募集株式の発行)の登記書類を自分で作成、法務局に行かずに申請できます

株式会社の増資の登記は、本店移転などに比べると手間がかかる印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?資本金額や株式数に変化が生じたりと、専門知識が求められることもあります。

とはいえ、士業など専門家にお願いするとしてもやりとりに意外に手間がかかるもの・・・でも社内では自分(=代表者や役員)が対応するしかない、という方も多いのではないでしょうか?

GVA 法人登記なら、申請する登記に合わせた変更情報を入力すれば手続きに必要な書類を最短7分、12,000円(税別)で自動作成。法務局に行かずに申請できます。通常の増資に加え、DES(債務や貸付金の株式化)にも対応しています。

書類作成だけでなく、印刷や製本、登記反映後の登記簿謄本(登記事項証明書)の取得をサポートするオプションプランも充実。申請に必要な収入印紙もセットで購入できるので、増資額が大きい場合の印紙購入があっても安心です。


募集株式の発行についての詳細はこちら


ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。


GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(募集株式の発行の場合)

  • 登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 払込証明書
  • 取締役会議事録
  • 総数引受契約書
  • 資本金の額の計上を証する書面
  • 会計帳簿(DESの場合)


さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。

【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!

【クーポン利用手順】
GVA 法人登記サービスの会員登録(無料)
②会員登録後、書類購入時に【 Ug3JNAS7sB 】を入力ください。




\増資の登記するなら/

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。

サービス詳細を見る