非上場企業における第三者割当増資の株価の決め方

募集株式の発行
投稿日:2022.08.09
非上場企業における第三者割当増資の株価の決め方

非上場企業が資金調達で採用する代表的な手法が、第三者割当増資です。この第三者割当増資を実行する際の株価の決め方には、複数の方法があります。

この記事では、非上場企業における第三者割当増資の株価の決め方について、具体的な方法や留意事項などをご説明します。

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第三者割当増資とは


企業の資金調達には複数の手法がありますが、その一つに第三者割当増資があります。

株主割当による増資では、既存の株主に対して持株割合に応じて株式が均等に割り当てられることとなりますが、その一方で、第三者割当増資は、企業が特定の第三者のみに対して株式を発行することによって資金を調達する方法です。

この第三者割当増資は、株式を割り当てる特定の第三者との関係が強化されるという特徴があります。

たとえば、非上場企業において、経営者の後継者に対して株式を割り当てることにより、その後継者の持株割合を高め、事業承継を円滑に行えるように活用されるケースもあります。

株価の決め方


第三者割当増資を実施する際には、原則として株主総会の決議により、発行する株式の内容を決める必要があります。

発行する株式の内容として、主に以下の事項を決議します。

・発行株式の数
・1株当たりの払込金額、増加する資本金の額
・払込期日

上記のとおり、第三者割当増資においては、1株当たりの払込金額、すなわち、株価を決める必要があります。

その株価の決め方には複数の方法がありますが、代表的な方法は以下の3つです。

(1) コスト・アプローチ
(2) インカム・アプローチ
(3) マーケット・アプローチ

それぞれの方法について、以下で詳しくご説明します。

コスト・アプローチ


コスト・アプローチとは、企業の純資産を基準に株価を決める方法です。純資産を基準とするため、ネットアセット・アプローチと呼ばれることもあります。

コスト・アプローチの方法


(1) 簿価純資産法
企業の貸借対照表における資産及び負債を適正な簿価で計上した際の純資産の額を基準に、株価を算定する方法。

(2) 時価純資産法
企業の貸借対照表における資産及び負債を時価で評価替えした際の純資産の額を基準に、株価を算定する方法。

コスト・アプローチの長所・短所


(1) 長所
コスト・アプローチは、貸借対照表の純資産に基づいて、一定の時価評価等の修正を行うため、会計記帳が適切に行われており、時価の情報を入手し易い状況であれば、客観性があり優れている方法と言えます。

(2) 短所
コスト・アプローチは、ある一時点の純資産に基づいて評価を行うため、のれんや無形資産が計算上適切に考慮されない場合には、企業の将来における超過収益力やブランド価値が株価に反映されないという欠点があります。

インカム・アプローチ

インカム・アプローチとは、企業が将来において獲得するキャッシュ・フローや利益を基準に株価を決める方法です。

インカム・アプローチの方法


(1) DCF法
企業が将来獲得すると予想されるフリー・キャッシュ・フローを株主資本と負債の加重平均資本コストで現在価値に割り引くことにより事業価値を算定し、これに非事業資産を加算した企業価値から負債価値を控除して株主価値及び株価を算定する方法。

(2) 配当還元法
株主が企業から得るキャッシュ・フローである配当金の将来予想額に基づいて株主価値を算定し、株価を算定する方法。

(3) 収益還元法
将来に予想される会計上の利益を一定の割引率で割り引くことによって企業価値を算定し、負債価値を控除して株主価値及び株価を算定する方法。

インカム・アプローチの長所・短所


(1) 長所
インカム・アプローチは、企業が将来獲得することが期待されるキャッシュ・フロー又は利益に基づいて評価します。

そのため、企業の純資産価値だけではなく、超過収益力を示すのれんや、貸借対照表に計上されない無形資産や知的財産等の価値を含めた価値となる点で優れています。

(2) 短所
インカム・アプローチでは、企業が将来獲得するキャッシュ・フローや利益の予測や、それを現在価値に割り引くための割引率の算定の必要があります。

しかし、その算定には不確実性が伴い、その判断材料となる事業計画等の将来情報には恣意性が介入しやすい特徴があり、客観性が問題となることがあります。

マーケット・アプローチ

マーケット・アプロ―チとは、企業と類似する上場企業の市場価格や類似する企業の財務情報等を基準に株価を決める方法です。

マーケット・アプローチの方法


(1) 市場株価法
株式市場に上場している企業の株価を基準に株価を算定する方法。

(2) 類似企業比較法
類似する上場企業の財務諸表等から比較倍率を算定して、それを基に対象企業の株価を算定する方法。

(3) 類似業種比準法
国税庁が定めた財産評価基本通達に規定する方法で、類似業種の税務上定められた利益や純資産を基に対象企業の株価を算定する方法。

マーケット・アプローチの長所・短所


(1) 長所
マーケット・アプローチは、第三者間や市場価格で取引されている株式を基にした相対的な評価方法として市場における取引環境を反映する場合には一定の客観性があると言えます。

(2) 短所
マーケット・アプローチは、対象の企業が他の企業と異なる成長ステージにある場合や、類似する上場企業や同業種の企業がない場合には評価が困難です。

非上場企業における株価の決め方

株価の算定方法には前述のとおり3つの方法がありますが、それぞれ一長一短です。3つの方法のうち常に1つの方法が最も適切であるということはなく、個々の企業における状況を考慮して、最善の方法を採用することとなります。

実務上は、複数の方法により株価を算定して、それらの中央値または平均値を採用したり、最低値から最高値までのレンジを採用したりすることがあります。

非上場企業においては、株式市場で公開される価格がないことから、マーケット・アプローチの市場株価法は採用できません。

また、非上場企業では、将来キャッシュ・フローや資産・負債の時価等の情報が容易には手に入らないこともあるため、コスト・アプロ―チの「簿価純資産法」やインカム・アプローチの「収益還元法」が採用し易い方法と考えられます。

株価決定時の留意事項

第三者割当増資における株価により増加する資本金の金額が決定されます。また、株価は割当先の株主やそれ以外の既存の株主の持株割合にも影響があります。

そのため、第三者割当増資の株価を決める際には、特定の株主のみが有利になるといった事態を避け、各利害関係者が納得して合意できる水準に決めることが重要なポイントとなります。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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