資本金の額が会社に与える影響とは?金額によるメリット・デメリットを解説

募集株式の発行
投稿日:2023.11.01
資本金の額が会社に与える影響とは?金額によるメリット・デメリットを解説

会社の運営資金である資本金について、その金額の大小により会社には様々な影響があります。この記事では、資本金の額が会社に与える影響、金額によるメリット・デメリットなどを解説します。

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資本金とは

資本金とは、会社の設立または株式発行を行う際に会社に払い込まれる資金のことで、会社が事業を運営するための元手となるものです。

資本金の額は、基本的に会社の任意で決定することができます。株式会社の場合には、設立または株式の発行時に、株主となる者が当該株式会社に対して払込みをした全額が資本金となるのが原則です。

例外として、その払込額のうち2分の1を超えない範囲までは、資本金とせずに資本準備金として計上することができます。

資本金の額が会社に与える影響

会社が事業活動を行う上で適用になる税制や法律の中に、資本金の額を基準とした規定が複数あります。

たとえば、資本金の額の大小によって会社の税金の額が異なることがあります。税金をはじめとして、資本金の額は会社に様々な影響を与えることとなりますが、主な影響について以下で具体的に説明します。

(1) 設立可能な金額

会社は、資本金が1円でも設立することができます。過去には、株式会社の設立には最低1,000万円が必要な時代もありましたが、会社法の施行により、現在では資本金1円だけで会社の設立が可能です。

(2) 消費税の納税義務

新たに設立された法人については、設立1期目および2期目は、消費税の納税義務の免除が適用されます。しかし、その事業年度の開始の日における資本金が、1,000万円以上の法人は、消費税の納税義務は免除されません。

(3) 法人税の税率

法人税の税率は、資本金1億円を超える場合と1億円以下の場合で異なります。株式会社などの普通法人では、資本金1億円を超える場合は23.20%です。

一方、資本金1億円以下の場合は、資本金800万円を超える部分は同様に23.20%ですが、資本金800万円以下の部分は軽減されており、15%もしくは19%が適用されます。このように、資本金が大きくなればなるほど法人税の税率が高くなります。

(4) 外形標準課税の適用

資本金が1億円を超える法人は、外形標準課税という法人事業税が適用されます。

外形標準課税は、事業年度の所得だけではなく、報酬、利子及び賃借料などの事業による付加価値や、資本金などの事業規模といった客観的な基準に基づいて課税されるものです。

そのため、赤字で課税所得がマイナスの法人であっても、外形標準課税は課税されます。

(5) 税金の電子申告の義務化

資本金1億円を超える会社等については、税金の電子申告が義務化されています。対象となる税金は、法人税、法人事業税、消費税等です。原則として、書面の提出は受け付けられません。そのため、書面を提出したとしても電子申告をしなければ、無申告扱いとされてしまいます。

また。資本金1億円という基準については事業年度開始時点での資本金の額で判定するため、事業年度の途中で資本金を減額したとしても、事業年度の開始時点で1億円を超えていれば、その事業年度は電子申告が必要となります。

(6) 中小企業基本法の適用

中小企業基本法では、中小企業者の範囲について、資本金の額の大小と、社員数が多い、もしくは少ないといった基準により、業種ごとに規定しています。

製造業の場合には、資本金の額が3億円以下又は社員数が300人以下の場合に、中小企業者と区分されます。なお、社員数がさらに少なく20人以下の場合は、小規模企業者と区分されます。

(7) 大会社に対する規制

資本金が5億円以上の場合には、会社法上の大会社と区分されます。この大会社は、会社を取り巻く利害関係者の保護のために各種の規制があります。主なものは以下のとおりです。

・会計監査人による監査を受ける義務がある。
・公開会社の場合には、監査役会を設置する義務がある。
・取締役又は取締役会において業務の適正を確保するための体制である、内部統制システムを整備・運用する義務がある。
・貸借対照表だけではなく、損益計算書についても公告する義務がある。
・有価証券報告書の提出会社については、連結計算書類の作成義務がある。

資本金の額が大きいことによるメリット

資本金は株主により払い込まれる資金であり、会社経営の元手として、返済義務がないことが特徴です。資本金の額は、大企業や中小企業といった会社の区分にも使用され、会社の規模を示す基準にもなっています。

資本金の額が大きいことは実際に会社の経営に使用できる資金が確保され、投資家や取引先等の利害関係者に対して信用力を示すことができる場合があり、会社経営上はメリットがあると考えられます。

資本金の額が大きいことによるデメリット

資本金が大きいことは会社の信頼性や安定性といった点でメリットがありますが、資本金が大きくなると、それに応じて、各種の規制がかかるようになります。

前述のとおり、資本金の額を基準とした税制が複数あります。設立間もない会社で、資本金1,000万円以上の場合には消費税が課税されるため、資本金が1,000万円未満の場合に比べて税金負担が大きくなります。

また、資本金が1億円を超えると、外形標準課税という税金が課税されます。こちらは、課税所得がゼロもしくはマイナスであっても課税される税金であるため、資本金が1億円以下の場合に比べて税金負担が大きくなります。

資本金が5億円以上になると、会社法上の大会社となり、会計監査人すなわち公認会計士や監査法人による会計監査が義務付けられ、相応の時間や費用がかかるようになります。

また、内部統制の整備、運用が必要となったり、損益計算書の公告や連結計算書類の作成が必要となったりと、各種規制に対応する時間や費用もかかる点には注意が必要です。

まとめ

資本金の額は会社が任意で決めることができますが、その額の大小により会社には様々な影響があります。

資本金が大きくなることによりメリットがある一方で、税金面などでのデメリットも生じます。資本金の額によるメリットやデメリットを十分に理解した上で、資本金の額を決定することが重要です。

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