法定準備金とは?種類や資本金との違いを解説

募集株式の発行
投稿日:2024.08.06
法定準備金とは?種類や資本金との違いを解説

株式会社では法定準備金を積み立てることが必要とされています。法定準備金は資本準備金と利益準備金の2種類があり、それぞれ共通点や相違点があります。この記事では、法定準備金の内容や種類、資金金との違いなどを解説します。

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法定準備金とは

法定準備金には、資本準備金と利益準備金の2種類があります。

会社の貸借対照表では、資本金と同じように、いずれも純資産の部における株主資本の構成要素として表示されることとなります。

それぞれの法定準備金について、以下で順を追って説明します。

(1) 資本準備金

資本準備金は、株主からの払込に基づき計上される準備金であり、資本剰余金の一つです。

株式会社の設立又は株式の発行時に、株主となる者が当該株式会社に対して払込みをした額が資本金となるのが原則です。

例外として、その払込額のうち2分の1を超えない範囲までは、資本金ではなく資本準備金として計上することができます。

たとえば、設立又は株式発行時の払込額が100万円の場合、以下のように、資本準備金として計上する金額を0円~50万円の範囲で決定することができます。



また、株式会社は、剰余金の配当を行う場合に、法定準備金が資本金の4分の1に達するまで、配当により減少する剰余金の10分の1の額を、資本準備金又は利益準備金として計上することが求められています。

これは、法定準備金を確保しない限り配当を認めないこととし、企業経営に伴う会社財産の変動を抑制して、債権者を保護するという趣旨で、この場合に資本準備金が積立てられることがあります。

そのほか、減資・合併時に差益が生じる場合はその差益が資本準備金に計上されることもあります。また、株式交換や株式移転においても資本準備金が変動する場合があります。

以上のとおり、資本準備金は、株主との資本取引等に伴い積み立てられる準備金です。

(2) 利益準備金

利益準備金は、会社経営により獲得した利益を基に積み立てられる準備金であり、利益剰余金の一つです。

株式会社は、剰余金の配当を行う場合に、法定準備金が資本金の4分の1に達するまで、配当により減少する剰余金の10分の1の額を、資本準備金又は利益準備金として計上することが求められ、この場合に利益剰余金が積み立てられることがあります。

そのほか、株主総会の決議に基づき、その他利益剰余金の額を減少して利益準備金の額を増加させることができます。その他利益剰余金とは任意積立金や繰越利益剰余金のことです。

以上のとおり、利益準備金は、会社が獲得した利益を基に積み立てられる準備金です。

法定準備金の取り崩し

法定準備金の取り崩しとは、法定準備金を減少させることです。法定準備金は、(1)資本の欠損填補、および(2)資本への組み入れに使用されて取り崩されます。

これは、資本に相当する会社財産に加えて、法定準備金に相当する財産を適切に確保して、企業経営に伴う会社財産の変動を抑制するためです。

それぞれについて以下で説明します。

(1) 資本の欠損填補

会社が赤字となり、過去に獲得した利益による剰余金がマイナスとなるケースがあります。

この場合、この利益の剰余金のマイナスを埋めるために、法定準備金を使用し、法定準備金を剰余金に振り替えます。資本準備金はその他資本剰余金に振り替えて、利益準備金はその他利益剰余金に振り替えます。

法定準備金を資本の欠損填補にあてることは損失処理であるため、会社法の計算書類の承認手続として、株主総会の決議を得る必要があります。

また、債権者を保護するという趣旨から、定時株主総会における欠損額を超えない準備金の取り崩しを除き、債権者には資本準備金の減少について異議を述べることが認められています。

(2) 資本への組み入れ

準備金については、資本金に組み入れることが認められており、この場合株主総会の普通決議および債権者保護手続が必要となります。ただし、減少する準備金を全て資本金に組み入れる場合などには、債権者保護手続は不要です。

資本準備金と資本金との違い

株主が出資した金額のうち資本金に計上された額を資本金、資本金に計上されなかった額を資本準備金といいます。

会社の貸借対照表では、資本準備金も資本金も、純資産の部における株主資本の構成要素として表示されます。

いずれも株主資本という点では共通しており、会社経営や債権者のために、会社はその株主資本を維持する必要があります。

そのため、株主資本を減少させる際には法定の手続きが求められ、特に資本金を減少させるためには株主総会における特別決議という厳格な手続きにより決定されることとなります。

一方で、資本剰余金の減少には資本金の減少ほどの厳格な手続きは求められず、株主総会の普通決議で足ります。

利益準備金と任意積立金との違い

利益準備金も任意積立金も、純資産の部の株主資本のうち、利益剰余金を構成しています。

利益準備金が会社法で積み立てが要求される準備金であるのに対して、任意積立金は株主総会の決議に基づき、会社が任意で積み立てることができるもので、両者は異なります。

まとめ

法定準備金は会社の資本維持という点から計上が必要となる準備金です。その源泉により資本準備金と利益準備金の2種類に区分され、計上の手続きも異なります。

会社における法定準備金の趣旨を踏まえた上で、両者の違いや資本金との違いなどを理解することが重要です。


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