資本金増資の手続きから、募集株式発行の登記申請まで解説

募集株式の発行
投稿日:2024.11.08
募集株式の発行(資本金増資)の手続きから登記申請方法まで解説

「増資」は株式会社の資金調達方法としては融資と並ぶ代表的な方法です。会社によっては頻度が高かったり、スピード優先のため「必要な手続を自分でできないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

本記事では、株式会社における募集株式の発行(資本金額の増資)手続き(募集事項の決定から登記申請まで)を自分でする方法について、第三者割当増資を例に具体的に解説します。

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会社が増資(資本金の増加)をする理由

増資とは会社の資本金を増加させることです。資本金とは「株主が出資した金額」のことで、事業を運営していく上で必要な運転資金等のことです。

資本金は主に、会社が新株を発行し、その株式を購入する際に、株式引受人が金銭などの財産を払込した時に増加しますが、このような資金調達の方法を「募集株式の発行(新株発行)」と言います。他にも資本金が増える場合はありますが、一般的に増資といえば「募集株式の発行(新株発行)」を指すことが多いです。

会社が資金調達をする場合、銀行などから借り入れて事業融資を受ける方法が多いですが、募集株式の発行(新株発行)も資金調達の方法として広く用いられています。募集株式の発行(新株発行)で調達した金銭は、返済する必要がない、という点で、他の資金調達とは明確に異なります。また、資金調達して資本金があると取引先との信用力を上げることにもつながります。

株主へ金銭的な返済をする必要はありませんが、一方で、この新株を持った新たな株主は、会社の利益が上がれば配当金を受けたり、会社の経営に対して発言権を持ったりすることができます。

募集株式の発行(新株発行)をすることは、返済の義務の無い資金の調達が可能な反面、外部株主による会社への関与も大きくなることから、まずはしっかりとした資金調達のプランが必要です。したがって、募集株式の発行(新株発行)による増資は、事業成長における最も重要な経営判断の一つと言えます。

資金調達をして資本金を増資したら登記申請が必要です

募集株式の発行により新たに株式を発行する場合、増資後2週間以内に必ず登記申請が必要になります。

申請方法は以下の通りです。

  1. 株主総会で増資の決議を行う
  2. 増資の申し込みを受け付ける
  3. 株式の割当てを決定する
  4. 出資者が出資金を払い込む
  5. 新株が発行され、増資の登記をする


登記申請書類は、法務局のサイトでダウンロードできます。
登録免許税は、資本金が1億円以下の場合は1万円、1億円を超える場合は3万円です。

第三者割当増資に必要な手続き

増資(新株発行)にはいくつかの種類があります。一般的には、①株主割当増資、②第三者割当増資、③公募増資、のどれかに当てはまるでしょう。
この中で最も多い第三者割当増資を対象にすると、以下の手続きが必要になります。

  1. 募集事項の決議
  2. 募集株式の引受けの申込み
  3. 割当の決議
  4. 出資の履行(出資金の払込)
  5. 増資の登記申請
  6. その他の書類の更新


増資(新株発行)の場合、自社だけでなく出資に応じる第三者や、既存の株主など登場人物が多く影響範囲が大きいのが特徴です。増資(新株発行)の経験がある企業であれば自社だけで完結できる可能性もありますが、経験がない場合は専門家に依頼したり外部サービスの活用もおすすめします。

上記の、増資(新株発行)の各手続きについての詳細はこちらの記事もご参考ください。
関連記事:第三者割当増資の登記申請ガイド〜基礎知識から必要書類、費用までを詳しく解説します

剰余金・準備金の資本組み入れによる増資の詳細は以下の記事内で解説しています。
関連記事:剰余金・準備金の資本組入れとは?メリット・デメリットから手続き、登記申請方法を解説

増資をしたら募集株式の発行の登記申請が必要です

会社(法人)の登記事項に変更があった場合は、一定期間以内に変更登記申請を行う必要があります。法人である会社とは本来実体のないものですから、取引などの重要な局面において会社の実在性が分からなければ、スムーズな取引ができません。

また、トラブルが生じた場合に、会社の所在や役員が誰なのかが不確かであれば、取引の安全性を確保することもできません。そのため、何かしら会社の実在性を明確にする必要があります。

そこで、会社(法人)登記の制度として、会社の取引上重要な事項を公示することによって、会社の信用維持を図り、混乱が生じることを未然に防止するのです。

会社(法人)登記については、法律によって明確に、変更があった場合は一定の期限内に登記申請を行うことを、義務付けています。

募集株式の発行(増資)の登記申請をせずに放置すると?

会社法では、会社登記事項の内容に変更が生じた場合、その変更日から2週間以内に登記申請をしなければならない、と定められています。(非公開会社も当然登記手続きをしなければなりません)

この2週間の期限を過ぎた場合を「登記懈怠(とうきけたい)」といい、その後に登記申請をした場合、代表者個人に対して100万円以下の過料の制裁が課される可能性があります。

過料は前科がつくことはありませんが、法人ではなく代表者個人の財産で支払う必要があります。これは、会社の実体を会社の代表者すなわち経営側が正しく登記簿に反映させる義務を負っているためです。資本金に変更があった場合にも当然に変更登記を行う義務があります。

なお、2週間を過ぎて申請した場合に制裁が課されるかどうかは、審査する裁判所の裁量となっているのが実情です。しかし、期限を過ぎた手続きですのでいつ科されてもおかしくありません。したがって、登記懈怠には十分注意が必要です。
ちなみに、2週間を経過した後でも登記申請は問題なく法務局で受理されます。

つまり、手続きが遅れればそれだけ登記懈怠になる可能性が増し、過料の負担が大きくなるだけですので、増資(資本金の増加)を行った場合は申請義務期間内に登記手続きは済ませるように注意点を心がけ、既に懈怠している場合は早めに手続きを済ませてしまいましょう。

募集株式の発行(増資)の流れ(増資の決定〜払込まで)

一般的に増資の手続きでは、株主総会等により募集株式の内容を決定し、株式引受人が出資金を払い込む手続きが必要となります。
募集株式を発行するまでの会社の手続きとしては、株主総会の決議で払込期間が確定し、増資の決定から金銭の払込みまでいくつかのフローが必要になります。こちらについては、以下の記事内で詳細を解説しています。

➀「発行する募集株式の内容」を決定するための決議
➁「発行された株式の引受人へ株式をどれくらい割当するかの決議

➀「発行する募集株式の内容」を決定するための決議

募集株式の内容の決定では以下の内容が決定事項となっています。

・今回新たに発行する株式の数
・1株当たりの払込金額、増加する資本金の額
・払込期日等

この決定は原則として株主総会※の決議によって行います。
※公開会社では取締役会の決議によることが原則となります。

➁発行された株式の引受人へ株式を割当てるための決議

発行する株式の内容が決まったら、株式引受人を確定させる手続きとなりますが、この割当手続きにも方法が以下の2通りあります。

・不特定多数の出資希望者から株式引受の申込を募り、その申込者の中から株式をどれだけ割り当てるかを決定する方法
・特定の出資希望者と個別に引受ける株式の契約を結ぶ方法

実際、上場の前の知名度の低い段階では、不特定多数の出資希望者から株式引受の申込を募る方法は実用性に乏しく、大抵の募集株式の運用では、特定の出資希望者と協議を重ね、引き受ける株式を個別に確定させることが多いでしょう。

この引受人の決定は取締役会(取締役会非設置会社の場合は株主総会)の決議によって行います。このようにして、株式引受人を確定させる手続きを「割当決議」と言います。
ちなみに、定款の変更や新株予約権の設定などの決議は、「特別決議」と呼ばれます。

割当決議を経た後は、株式引受人は払込期日に金銭等の払込を完了させる必要があります。これを済ませることにより、晴れて会社の株主となり、議決権等の権利を行使することが可能となります。




募集株式の発行



募集株式の発行(増資)時に行う登記手続きの流れ

募集株式の発行(増資)の効力が発生したら、次は増資の登記申請となります。登記申請は、会社の本店所在地を管轄する法務局で行う必要があります。管轄を間違えると申請は却下されますので、法務局の管轄には注意しましょう。

管轄は、例えば本店が新宿区内なら新宿出張所、渋谷区内であれば渋谷出張所、といったように明確に分けられていますので、まずは適切な管轄を調べる必要があります。

会社登記の申請では、登記申請書を管轄の法務局に提出する方法によって行います。この登記申請書には、募集株式により増加した「資本金の額」及び「発行済株式の総数」の他、会社の商号(社名)や本店(住所)など必要事項を記載します。

また、登記申請では、上記の登記申請書に合わせて、「資本金の額」及び「発行済株式の総数」に変更があったことを証明できる書類を一緒に提出する必要があり、これらを添付書類と言います。

添付書類には、主なものとして以下のものが挙げられます。

  • 募集株式の発行内容を決議した株主総会議事録
  • 株式の割当を行った取締役会議事録(取締役会非設置会社の場合は株主総会議事録)
  • 特定の出資者と交わした株式引受契約書


添付書類が不足していたり、書類の内容に不備があった場合、法務局より補正の指示を受けることになります。これに対応しないと手続きを進行してもらえませんので、しっかりと適切な書類を準備する必要があります。

これらを合わせて法務局に提出し、登記完了を待ちます。完了したら登記事項証明書を取得し、正しく増加内容が反映されていれば、登記手続きは無事終了となります。

募集株式の発行(増資)の登記申請手続きは自分でできる?

募集株式の発行(増資)の登記申請を自分で行う場合、専門家に依頼する場合にかかる料金の心配などはありませんが、インターネットなどで申請方法や手順を調べる必要があります。株式や資本金をはじめとした会社の仕組みについての一般的な理解がなければ、困難を極めるのは間違いないでしょう。さらに、初めて資本金を増加する増資登記をするのであれば、必要書類の用意だけでもかなりの時間をとられ、かつ複雑な作業に戸惑うことは必至です。もちろん人によりますが、登記手続きに不慣れな人が自力で進めた場合、1週間以上かかることもあります。

登記申請は、必要な書類一式を揃え、管轄する法務局の審査を受け、不備なく通す必要があります。

  • 申請書はどのように記載すればいいのか
  • 収入印紙はいくらなのか
  • どこの法務局に提出するのか
  • 申請書以外に必要な書類は何か
  • どの書類に何の押印が必要か


など、これらの申請方法や手順はインターネットで調べることはもちろん可能ですが、資本金を増加する増資に関する登記手続きだけでも正確な知識を身に付けるのはとても時間がかかります。さらに、時間をかけて調べても法務局の補正指示があれば、その都度法務局に自分で出向いて直す必要があります。

つまり、登記手続きに関する知識は、司法書士以外の職業の方で、本業で役に立つことはほとんどありません。したがって、どういうタイミングでどのような手順で登記手続きが必要か、会社が増資したときこういうタイミングだ、といったことを把握していれば、それ以上に詳しくなる必要はないと言えます。

自力で登記申請を行うことは法律上可能とは言っても、登記申請に必要以上の手間や時間が取られ、本業に支障がでてしまっては本末転倒です。これらを踏まえた上で、登記申請をどのようにすすめるべきかを検討する必要があります。



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増資の登記申請を自分で行うメリットとデメリット

メリット

  • 費用を削減できる

自分で登記申請をする場合、司法書士や弁護士に支払う報酬金額(手数料)は発生しませんので、費用を抑えることができます。
法務局に提出する申請書の内容自体に、質や量を求められることはありませんので、ルールに基づいて正しく申請書を作成できていれば、費用を抑えることができるというのが最大のメリットです。

デメリット

  • 登記申請に必要な書類の作成および手続きに時間を割く必要がある

インターネットで1から調べるなど、人によっては増資(資本金の増加)の登記手続きに1週間程時間を割かれることもあるでしょう。まずは現在の登記情報を正確に把握するために、登記事項証明書(手数料600円)の取得などの準備が必要となる場合があり、登記申請に必要な書類は複数ありますし、記載内容も決まったフォーマットがあるわけではありません。法務局とのやり取りや、手続きの流れを把握するだけでも想像以上に複雑な作業となります。

  • 法務局に出向くケースもある

法務局の審査は厳しいため、司法書士でも書類の不備で補正を受けることがあります。補正とは法務局による書類審査上で不備があった場合の通知です。補正通知があった場合は、内容によっては法務局に出向いて書類の内容を訂正する必要が出てきます。法務局は意図的に駅から離れて設置されているため、管轄によっては半日作業となります。

  • 登記手続きについて詳しく調べても本業には役立たない

登記申請は専門性を極めており、経営者自身が登記申請を行ったとしても、その後の本業ではほとんど使わない知識ばかりです。大きな時間的コストを払って自分で登記手続きを学習して実行する費用対効果としては、微妙かもしれません。

  • 費用削減できるといっても頻繁に必要な手続きではない

会社登記の変更は頻繁に必要な手続きではありません。そもそも会社の基本的なことが登記されているので、変更されないのが基本です。


上記からわかるように、費用を抑える代わりに発生する手間をどうするか?ということがポイントです。従来は、この手間の大きさや、自分で本当にできるのか?という不安を考えると、法務局への申請書作成や手続きをまるごと司法書士にお願いする、というのは合理的な方法と言えます。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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