この記事にたどり着いた方は、会社の増資を検討されている方や、今後検討している方などが多いと思います。募集株式の発行について簡潔に説明していますので、是非お役立てください。また、募集株式の発行(増資)をした場合は変更登記申請が必要になりますが、専門家に依頼しなければならないような難しい手続きではありません。低価格で変更登記申請をする為のwebサービスも紹介していますので、合わせてご確認ください。
会社法における会社の資金調達方法の一つが新株発行です。新株発行は会社にとっては有力な資金調達の方法となりますが、他方で既存株主にとっては発行済みの株式数が増加することによって相対的に自身の持つ議決権の割合が希釈されてしまうというリスクもあります。
そのため、会社法において株主総会や取締役会で行うべき決議や手続きが定められており、これに違反した場合には新株発行無効の訴え(会社法(以下「法」)第828条第1項第2号)などの法的リスクを負うことになります。そこで、今回は募集株式の発行における募集事項の決定と割当ての決定をする機関について分かりやすく解説します。
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募集株式の発行とは
1.1新株発行の目的
新株発行には会社法上、第三者割当(法第199条)と既存の株主に新株を割り当てる株主割当(法第202条)があります。第三者割当の場合においては広く一般の投資家から株主となろうとする者を集めることで会社は広い範囲から投資を募ることができます。
そのため新株発行は冒頭でも説明したとおり、株主となろうとする者(引受人)に株式を引き受けさせる対価として金銭の支払いなどを受けることにより、会社は負債を負うことなく資金を調達することができるため、資金調達の手段として利用されます。
1.2新株発行の効果
新株発行がされ、払い込みがなされると、引受人は株主となります。新株発行がなされることにより会社の資本金の額や発行済株式総数が増加します。
これらの事項は登記事項(法第911条第3項第5号、同条項第9号)のため、新株発行を行った後は登記手続きが必要となりますので、本記事を参考にスムーズに発行手続きを進めた上で登記手続きを進めましょう。
募集株式発行を行った場合の登記手続きについてはこちらの記事をご参考ください。
募集株式の発行手続き(取締役会や株主総会など)
募集株式発行は、会社にとっては資金調達ができるというメリットがありますが、他方で払込金額が市場の価格などと比較して著しく低いと株式が持つ価値が毀損される可能性があるほか、発行済み株式の総数の増加による支配権の低下など既存株主の利益が害される可能性もあります。
そのため、会社法では新株発行の手続きについて会社の制度設計ごとに異なる手続きが定められています。
なお、新株発行は有利発行と呼ばれる既存株主の保護が要請される場合と、通常の場合で手続きの内容が異なりますが、有利発行についてはこちらの記事で詳しく解説します。
2.1公開会社の場合
公開会社とは、発行する株式の全部または一部について株式の譲渡に会社の承認を要する旨の定款の定めを設けていない会社のことをいいます(法第2条第5号)。公開会社における募集株式発行の手続きは以下の手続きが必要となります。
なお「公開会社」と聞くと上場会社をイメージされることもありますが、厳密には異なります。同様に「非公開会社」は株式の譲渡制限がある会社のことで、非上場会社というわけではありません。
1.募集事項の決定
以下の募集事項について公開会社の場合は、定款で株主総会決議により決定する旨を定めている場合を除き(法第295条第2項)、取締役会により決定します(法第201条第1項、第199条)。
- 募集株式の数
- 払込金額または算定方法
- 払込期日
- 増加する資本金及び資本準備金に関する事項
その他、出資の目的について金銭としない場合、つまり株式の対価を不動産など金銭以外のものとする場合には、その財産の内容と価額について定める必要があります。
2.募集事項の通知または公告
取締役会決議で募集事項を決定した場合には、募集事項について払込期日の2週間前までに株主へ通知または公告を行う必要があります(法第201条第3項、第4項)。これを行わないと新株発行の差止事由(法第210条第1号)となる可能性があります。
なお、開示の方法については金融証券取引法上の開示が行われれば、会社法上の公示として取り扱われるものとされています(法第201条第5項、会社法施行規則第40条)。
3.募集事項の通知
募集株式の申込をしようとて株式を引き受けようとする者から申し込みをしようとする者に対し、会社は以下の事項等について通知を行います(法第203条第1項各号)。
- 会社の商号
- 募集事項
- 払込みの取扱いの場所
- その他法務省令で定める事項
4.募集株式の申込み
上記③の通知を受け、申込みを行う者は以下の事項について記載した書面を会社に交付します(法第203条第2項)。
- 申込者の氏名または名称と住所
- 引き受けしようとする募集株式の数
5.募集株式の割当ての決定および通知
会社は上記④により申し込みを行った申込者の中から、募集株式の割当てを受ける者およびその数を定め、払込期日の前日までに通知します(法第204条第1項)。
なお、申込者の中から誰に割り当てるか、割り当てる数については会社が原則として自由に決めることができます。
割当ての決定は公開会社においては代表取締役などにより決定するのが原則です。なお、割当てを行う株式が譲渡制限株式である場合には、取締役会決議により決定されます(法第204条第2項)。
6.出資金の払込み
上記⑤の決定が行われると、その決定に従い申込者が割り当てられた数に応じた払込みを行い株主となります。
2.2非公開会社(取締役会設置会社)の場合
これに対し、非公開会社の場合で取締役会設置会社の場合には以下のような手続きとなります。
1.募集事項の決定
非公開会社においては募集事項を決定するのは、株主総会による委任がある場合を除き株主総会の特別決議により決定します(法第199条第2項、第309条第2項第5号)。
取締役会設置会社の場合には、株主総会の特別決議による委任がある場合には取締役会による決定が可能です(法第200条第1項)。
2.募集事項の通知~募集株式の申込み
3.募集株式の割当ての決定および通知
非公開会社でかつ取締役会設置会社の場合の割当ての決定については原則として取締役会決議によります(法第204条第2項本文)。
なお、定款で定めがある場合にはその定めに従います(法第204条第2項ただし書)。そのため、株主総会によるほか、代表取締役による決定なども可能となります。
募集株式の割当てを受ける者およびその数を定めたら、払込期日の前日までに通知します。
4,出資金の払込み
以上の手続きを経て、その決定に従い申込者が割り当てられた数に応じた払込みを行い株主となります。
2.3非公開会社(取締役会非設置会社)の場合
非公開会社でかつ取締役会非設置会社の場合には、手続きは以下のとおりとなります。
1.募集事項の決定
取締役会設置会社の場合と同様に原則として株主総会の特別決議により決定されます。株主総会の特別決議による委任がある場合には、取締役により募集事項を決定することができます(法第200条第1項)。
2.募集事項の通知~募集株式の申込み
3.募集株式の割当ての決定および通知
取締役会非設置会社では、割当の決定についても原則として株主総会の特別決議によります(法第204条第2項)。定款で定めがある場合には取締役による決定が可能となります(法第204条第2項ただし書)。
募集株式の割当てを受ける者およびその数を定めたら、払込期日の前日までに通知します。
4.出資金の払込み
以上の手続きを経て、その決定に従い申込者が割り当てられた数に応じた払込みを行い株主となります。
まとめ
募集株式発行の手続きについて解説してきましたが、まとめると以下のようになります。
このように、募集株式発行の手続きは会社の機関設計ごとに株主総会決議による場合と、取締役や取締役会によって行う場合などが詳細に定められています。
本記事を参考に適法な新株発行を行い、資金調達にご活用ください。
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