会社の定款変更を自分でやるための手続きと必要書類、費用を解説

株式会社の基礎知識
投稿日:2024.02.20
定款変更を自分でやる際の手順と必要書類、費用を解説

定款(ていかん)は、会社設立時に必ず作成されますが、一度作成をして終わりというものではありません。
会社が事業を続けていくと、本店住所の変更や商号変更による社名変更、事業拡大による目的の変更追加など定款の記載事項にさまざまな手続きが必要になります。

定款は、ただ記載内容を書き換えれば良いというわけではなく、変更するには一定の変更手続きが必要で、内容によっては費用が発生します。
本記事では、定款変更手続きの手順や必要書類、費用などについて解説していますので、定款変更手続きを自分で行おうと考えている方は、ぜひ参考にしてください。



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会社の定款変更の登記を自分で申請することは可能です

定款変更の対象となる記載事項は多岐にわたりますが、登記申請が必要な変更を自分で申請することは十分可能です。また、中には登記申請の不要な定款変更もありますが、株主総会議事録の作成など行えば自分で対応できます。実務上では「定款変更 = 事業目的変更」と扱われることもありますが、この場合も同様です。

自分で申請する方法として代表的なのが、本記事で解説する、法務省のオンライン申請システムを利用する方法です。
また、それよりも手軽にできる方法としては、GVA 法人登記などのサービスを利用してネット上で登記書類を作成し、法務局に郵送する方法もあります。

次章以降にて、会社の定款変更を自分で行う方法について詳しく解説します。

定款(ていかん)とは

定款は、読み方を「ていかん」といい、会社に関する根本規則を定めた書類です。会社の憲法と呼ばれることもあります。

会社設立時に定款作成した後から、関わりのある方はあまりいないかもしれません。

定款の取得申請方法は?

定款の認証をした公証役場に定款の謄本の申請をすれば、原始定款を入手することが可能です(原本ではありません)。

定款と電子定款の違い

起業時に作成する定款には紙の定款と電子定款があります。紙で定款を作成する場合は、公証人の認証を受ける際に収入印紙(4万円分)を貼付する必要があります。 一方、電子定款の場合は収入印紙を貼り付ける必要がありませんので、会社設立にかかる費用を節約することができます。

定款の記載事項

定款の記載事項には、次の3つがあります。

・絶対的記載事項
こちらは、定款に必ず記載しなければならない項目です。主に以下の6つが挙げられます。

  • 商号(会社名)
  • 本店の所在地
  • 目的
  • 発行可能株式総数
  • 資本金の額または準備金の額
  • 発起人(代表取締役、取締役、会計参与等)の氏名又は名称及び住所


・相対的記載事項
こちらは、定款に記載しなくてもよい項目ですが、記載した場合に効力が発生する事項です。主に以下が挙げられます。

  • 株式の種類や株数
  • 株式の払い込み金額
  • 取締役会の設置
  • 監査役会の設置
  • 株主総会の設置
  • 株主名簿の管理人


など

・任意的記載事項
定款に記載してもよい事項ですが、相対的記載事項とは違い、記載しなくても効力が発生する事項です。以下に事項が挙げられます。

  • 事業年度
  • 株主総会の記載規定
  • 株式の譲渡制限
  • 代表取締役の選任方法
  • 取締役・監査役会の決議の条件
  • 剰余金の配当
  • 役員報酬に関する事項


など


会社設立時に作成された定款は、原始定款と呼ばれ、会社設立後に変更された現行定款とは区別されます。

定款変更が必要になるケースは?

定款を変更するケースとして、代表的なのは以下の事項が挙げられます。


  • 商号の変更
  • 本店所在地の移転
  • 役員(代表取締役・取締役・監査役)の変更
  • 代表取締役の住所の変更
  • 事業の目的の変更



上記の事項が変更になった際は、登記変更手続きが必要です。

  • 商号(会社名)を変更した場合:商号変更登記
  • 本店所在地を移転した場合:本店移転登記
  • 役員(代表取締役・取締役・監査役)を変更した場合:役員変更登記
  • 代表取締役の住所が変更になった場合:代表取締役の住所変更登記
  • 事業の目的を変更した場合:目的変更登記



会社法では会社の登記事項に変更が生じた場合、2週間以内に登記変更をしなければならないと「会社法第915条第1項」により定められています。
2週間を経過した後に登記申請を行っても、それを理由に断れることはなく申請自体は問題なく受理されます。
ただし、期限を過ぎてから登記申請をすると登記懈怠(とうきけたい)となり、代表者個人が100万円以下の過料の制裁を受ける可能性があります(会社法第976条1号)。


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定款変更手続きは自分でできる?

定款変更は自分ですることができますが、株主総会による特別決議、株主総会議事録の作成、変更内容(本店移転や事業目的の追加など)に応じて変更登記申請などの手続きが必要になります。また、定款変更時は、会社設立時に作成した原始定款を直接変更することはできず、変更した内容を反映した新たな定款を作成し、原始定款と一緒に保管をします。

自分で定款変更する手順

株主総会特別決議

株主総会の決議には、普通決議と特別決議、特殊決議の3種類があり、定款変更には原則、特別決議が必要です。

普通決議は、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の過半数の賛成をもって決議を行いますが、定款は会社の根本規則であるため、変更にはより慎重を期す必要があります。

そのため、定款変更には議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成をもって決議を行う特別決議を必要としています。

また、株式会社が発行する株式の全部に譲渡制限を設ける旨の定款変更を行う場合などには、議決権を行使できる株主の半数以上であって、当該株主の議決権の3分の2以上の賛成をもって決議を行う特殊決議が必要となる場合もあります。

株主総会議事録の作成

開催された株主総会は、議事録を作成する必要があり、次の事項を議事録に記載します。

  • 開催日時及び場所
  • 議事の経過の要領及びその結果
  • 述べられた意見
  • 出席した取締役等の氏名
  • 株主総会の議長の氏名
  • 議事録作成者の氏名


法律上は株主総会議事録への押印義務はありませんが、多くの会社では議事録の真正担保のために、議長や出席取締役が記名押印を行っています。

また、株主総会議事録は、本店では10年間保存しなければならず、支店においては5年間保存する必要があります。

変更登記申請

商号変更や目的変更など絶対的記載事項だけでなく、相対的記載事項や任意的記載事項であっても定款の変更内容によっては、登記申請が必要となる場合があります。

登記申請が必要となる定款変更の場合には、原則として株主総会の翌日から2週間以内に管轄法務局へ手続きを行う必要があります。

期限を過ぎても登記申請は受理されますが、登記義務を怠った登記懈怠として、過料の制裁を受ける可能性があるため、注意が必要です。

定款変更による登記が必要となる場合

定款変更によって登記申請が必要となる代表例は、次の場合です。これらはどれも「定款変更」に該当しますが、以下のうち「目的変更」のことを定款変更と呼ぶこともあります。文脈によって何を指しているか注意しましょう。

具体的な例

誰もが確実に読める社名に変更して、サービスやブランド名を成長させたい
→商号変更登記

許認可を取得するために定款の事業目的を追加したい
→目的変更登記

会社の本店を移動させたい
→本店移転登記

取締役の任期が迫ってきたので、交代したい
→役員変更登記

資本金を増やしたい
→募集株式の発行(増資)登記

融資を有利に進めるために資本金額を増やしたい
→募集株式の発行(増資)登記

代表例の他にも株券不発行や取締役会の設置などの変更を行う場合にも、登記申請が必要となるため、変更の際には登記申請が必要かどうか確認することが必要です。

登記申請が不要な定款記載事項には、決算月などがあり、決算月変更の場合は税務署へ異動届出書を提出します。
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変更定款と株主総会議事録の保管

登記申請が不要な場合は、株主総会で定款変更の決議を行い、議事録を作成して手続きは終了となり、変更前の原始定款と変更決議が行われた株主総会議事録を併せたものが変更後の定款である現行定款になります。

現行定款は、会社設立時の原始定款のような公証人による認証は不要であるため、会社は現行定款を保管すれば足ります。

ただし実際の運用を考慮すると、変更内容を反映した新たな定款を作成し、併せて保管しておくことが必要となるでしょう。

定款変更にかかる費用とは?

定款変更には費用がかかる、と認識している方が多いようですが、実際には定款変更に費用はかかりません。ただし、定款記載内容の一部には、変更するために変更登記申請が必要な項目があります。例えば本店移転や役員変更などが変更登記申請が必要な項目に該当し、一定の変更登記費用(依頼費用・登録免許税)が発生します。

定款変更に必要な書類

定款変更自体には必要な書類はありませんが、定款記載内容の一部には、変更するために変更登記申請が必要な項目があり、「変更登記申請書」「株主総会議事録」「株主リスト」などの書類が必要になります。変更登記申請に必要な書類がまた、司法書士へ依頼する場合は委任状も必要となります。

まとめ

当記事では、定款の基本的な知識や定款変更に必要となる手続きや必要書類などを解説しました。

定款は、会社の根本規則を定めた重要な書類であり、変更には知識が必要となってきます。しかし知識を身に付ければ、司法書士などの専門家に頼ることなく、定款変更を行うことも可能です。

自分で定款変更を行おうと考えている方は、ぜひ当記事を参考に正しい知識を身に付けてください。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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