株主総会の書面決議とは?株主総会の省略方法を解説

株式会社の基礎知識
投稿日:2022.04.14
株主総会の書面決議とは?株主総会の省略方法について解説

会社を設立すると、少なくとも1年に1回は株主総会を開催しなくてはなりません。きちんと株主総会を開くためには、どうしても手間やコストがかかってしまいます。こうした手間やコストはできれば避けたいところです。


株主総会の手続を省略する方法はあるのでしょうか。書面決議という言葉を聞いたことがあるけど、どのようにしたら良いのかわからないという方もいらっしゃるでしょう。


今回は、株主総会の書面決議など、株主総会の手続を省略するための方法について解説します。面倒な株主総会の手続を省略することで、より集中して本業に取り組みましょう。


【期間限定】GVA 法人登記の割引クーポン配布中

GVA 法人登記は、本店移転や役員変更など10種類以上の法人変更登記申請に対応したオンラインサービスです。必要な情報を入力することで最短7分で書類を自動作成。法務局に行かずに申請できる郵送申請もサポートしています。

ただいま期間限定で使える1,000円割引クーポンを配布中です。

会員登録後、書類購入時に【 Ug3JNAS7sB 】を入力ください。(会員登録はこちら)

株主総会を開催するために必要な手続き

株主総会の書面決議の説明の前に、株主総会を開催する為の手続きを簡単に説明します。


株主総会は、原則として取締役が招集を行いますが(会社法第296条第3項)、招集のためには、議決権を行使できる株主全員に対して招集通知を送らなくてはなりません(同法第299条第1項)。


そして、株主総会では、取締役や株主が提案した決議事項について、各株主が議決権を行使し、決議事項についての採否を決定する手続が行われることになります。


さらに、定時株主総会では、取締役は、計算書類や事業報告について提出し、事業報告の内容を株主総会で報告しなくてはなりません(同法第438条第3項)。


株主総会を省略するための方法

株主総会を開催するには多くの手続が必要となりますが、会社法には、株主総会の手続を省略するための規定もあります。ここでは、株主総会の手続を省略するための方法について解説します。


招集手続の省略

株主総会の招集には、議決権を行使できる株主全員に対する招集通知が必要でした。しかし、議決権を行使できる株主全員の同意がある場合には、招集の手続なしに株主総会を開催することができます。


(招集手続の省略)第300条
前条の規定にかかわらず、株主総会は、株主の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第298条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。


株主総会決議の省略

株主総会の書面決議を行うことで、株主総会の決議そのものを省略することも可能です。書面決議については、次の項目で詳しく説明します。


株主総会への報告の省略

取締役の株主総会での報告についても、取締役が株主全員に対して報告事項を通知し、株主総会での報告を要しないことについて株主全員の同意を得られたときには省略することができます。


(株主総会への報告の省略)第320条
取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。


株主総会の書面決議とは?

株主総会の書面決議とは、議決権を行使することのできる株主全員が株主総会の目的である決議事項について書面又は電磁的記録によって同意することで、この事項について株主総会決議があったものとみなす手続のことをいいます。


書面決議は、みなし決議とも言われています。


(株主総会の決議の省略)会社法第319条第1項
取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。


書面決議を行うためには株主全員の同意が必要です。そのため、上場企業など株主が多くいる会社では書面決議を行うのは難しいですが、株主が少数の会社では有用な方法と言えるでしょう。


株主総会の書面決議の手順

書面決議を行うためには、まず、取締役(取締役会)において、株主総会への報告事項と決議事項を決定します。


そのうえで、株主全員に対して、報告事項及び決議事項を添えた提案書を送付します。この提案書については、会社法では、書面や電磁的記録によることは要求されていません。


しかし、実際の運用では、株主の同意書面も添えて通知を行うことになるため、それに合わせて提案書も書面や電磁的記録により通知することになるでしょう。


会社が株主全員から同意書面もしくはメールなどの電磁的記録を受け取った段階で、株主総会決議があったものとみなされます。つまり、書面決議の成立日は、最後の株主からの同意書面を受け取った日ということになります。


株主総会の決議を書面決議で行った場合であっても、株主総会議事録は作成しなくてはなりません(会社法第318条第1項)。議事録の記載事項については、会社法施行規則第72条第4項第1号に規定があります。


(議事録)会社法施行規則第72条第4項
次の各号に掲げる場合には、株主総会の議事録は、当該各号に定める事項を内容とするものとする。
1 法第319条第1項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
イ 株主総会の決議があったものとみなされた事項の内容
ロ イの事項の提案をした者の氏名又は名称
ハ 株主総会の決議があったものとみなされた日
ニ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名
2 法第320条の規定により株主総会への報告があったものとみなされた場合 次に掲げる事項
イ 株主総会への報告があったものとみなされた事項の内容
ロ 株主総会への報告があったものとみなされた日
ハ 議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名


議事録については、記載事項についての規定はありますが、押印を要求する規定はありません。しかし、議事録が株主総会実施の確実な証拠として保管されるということからすると、会社の実印を押印して保管するべきでしょう。


また、定款に規定のある場合や代表取締役を選定する決議を行った場合には取締役の実印などの押印が必要となりますので注意するようにしましょう(商業登記規則第61条第6項第1号参照)。


議事録については、株主総会の日から10年間、本店に備え置かなくてはなりません(会社法第318条第2項)。また、支店がある場合には、支店にも5年間備え置く必要があります(同条第3項)。


さらに、株主全員の同意書面についても、株主総会の日から10年間、本店に備え置かなければなりません(同法第319条第2項)。


書面決議で注意すべきことは

ここでは、書面決議を行う場合に注意が必要な事項について何点か解説します。


書面決議を行うための株主総会の種類に制限はあるのか

書面決議を行うための株主総会の種類に制限はありません。定時株主総会であっても、臨時株主総会であっても書面決議は可能です。


株主による同意の意思表示はどのような形式で行われるべきか

書面決議の際の、株主の同意書面について押印をすることは法律上の要件ではありません。また、書面だけでなく、PDFファイル等で作成した電磁的記録についても同意の意思表示をすることができます。


しかし、実際上の運用では、株主の同意については確実な証拠を残しておくべきであり、書面による場合には押印を求めるべきでしょう。また、電磁的記録による場合にも、なりすましが無いように電子署名などの処理を行うことも検証が必要です。


GVA 法人登記なら、会社変更登記に必要な書類を自動作成、郵送で申請できます


変更する情報を入力することで、会社変更登記の申請書類を最短7分で自動作成。
印刷して押印や収入印紙を貼れば、法務局に行かずに郵送で申請できます。

  • 本店移転や役員変更など10種類以上の申請に対応。複数種類の組み合わせも可能
  • 変更登記書類が※10,000円(税別)から作成できる
  • 登記反映後の登記簿謄本や収入印紙など多彩なオプション


※役員の氏名変更・代表取締役の住所変更は5,000円(税別)、ストックオプションは30,000円(税別)です。

GVA 法人登記では、期間限定で使える1,000円の割引クーポンを配布中!
書類購入時に【 Ug3JNAS7sB 】を入力ください(会員登録はこちら

リーズナブルかつスピーディーに登記申請をしましょう(サービス詳細はこちら

まとめ

株主総会の書面決議を中心に株主総会の手続を省略する方法について解説しました。

書面決議は、株主全員の同意が必要という点で、会社の規模によってはハードルの高い手続になります。


しかし、それをクリアできる会社にとっては、株主総会の負担を大きく減らすことのできる有用な制度です。


近年では、コロナウィルスの影響もあり、人が集まることなく株主総会を行うことのできる書面決議の利用は広まっていくことでしょう。


株主全員の同意を得ることができるような場合には、株主総会の書面決議を導入することを検討してみてください。


執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。 GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。

サービス詳細を見る