株主総会の招集手続について解説します

株式会社の基礎知識
投稿日:2024.11.08
株主総会の招集手続について解説します

株主総会は株式会社における重要事項を決定する最高意思決定機関です。株主総会で重要事項を決定する前提としては、招集手続が適正に行われる必要があります。

決議が適正に行われたとしても、前提である招集手続に瑕疵がある場合には決議自体が取り消されることもありますので、招集手続のルールを押さえておくことは非常に重要です。

ここでは、株主総会の招集手続について会社法の規定を解説したうえで、招集手続に瑕疵があった場合の決議の効力はどうなるのかなど、株主総会の招集手続について押さえておくべきポイントについて解説します。

自分で変更登記をするなら司法書士監修のGVA 法人登記が便利です

必要情報をフォームに入力するだけでかんたん書類作成
費用と時間を抑えて変更登記申請したい方におススメです

【各リンクからお進みください】
①会員登録前に利用方法を確認できる無料体験実施中
②GVA 法人登記の料金案内(専門家に依頼する場合と比較できます)
③オンラインサービスを利用して登記手続きを検討されている方はこちら

株主総会の招集権者はだれ?

株主総会の招集は、取締役が行います(会社法296条3項)。

株主総会の招集は、次の事項を決定して行うことが必要です(同法298条1項)。

  • 株主総会の日時及び場所
  • 株主総会の目的である事項があるときは、当該事項
  • 株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使できることとするときは、その旨
  • 株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
  • その他、法務省令で定める事項


そして、取締役会設置会社では、株主総会の招集における各事項は、取締役会の決議で決定されます(同法298条4項)。

つまり、株主総会の招集を行うためには、日時及び場所などの事項を取締役会の決議で決定する必要があるため、株主総会は、取締役会で招集の決定を行います。

取締役会非設置会社においても、取締役が複数いる場合には、取締役の過半数の賛成により、株主総会の招集が決定されます。


取締役会の決議を経ないで招集された株主総会決議の効力はどうなる?

取締役会設置会社では、取締役会の決議で株主総会の招集が決定され、代表取締役が株主総会を招集します。

では、取締役会の決議を経ずに株主総会が招集された場合には、決議の効力はどうなるのでしょうか。代表取締役が招集した場合と、代表取締役以外の取締役が招集した場合に分けて解説します。

まず、取締役会の決議を経ずに代表取締役が招集した株主総会の決議は、決議の取消事由になり得るとされています(最判昭和46年3月18日)。

その理由としては、取締役会の決議がないため、会社法298条4項に違反していることは間違いありませんが、代表取締役が招集していることから、手続の瑕疵は大きなものではなく、決議の安定性にも配慮する必要があるためです。

つまり、代表取締役が招集したにもかかわらず、決議を当然に無効としてしまうと、決議を有効と信じた関係者に大きな不利益を与えてしまうため、当然に無効とはせず、取消事由にとどまるものとします。

次に、代表取締役以外の取締役が招集した場合については、その株主総会は、法律上の意義における株主総会ということができず、そこで決議がなされても株主総会の決議があったと解することはできないとされています(最判昭和45年8月20日)。

これは、取締役会の決議がないという法令違反にとどまらず、そもそも招集権限のない取締役が招集した株主総会であるため、決議の安定性に配慮するまでもないためです。


株主総会の招集通知はいつするの?



株主総会の招集は、招集権者が株主総会の日の2週間前までに、各株主に対して通知を発することによって行います(会社法299条1項)。

2週間前という期間については、公開会社を対象としたもので、非公開会社では、1週間前までに通知を発することで足ります。さらに、取締役会非設置会社においては、定款で1週間よりも短い期間とすることも可能です。


招集通知の方法

株主総会の招集通知は、取締役会設置会社では、書面によって通知するのが原則です(会社法299条2項)。

株主の承諾がある場合には、メールなどの電磁的方法によって通知を発することも可能で、近年ではメールによる招集通知も多く利用されています(同法299条3項)。

株主総会の目的事項の記載

株主総会の招集通知には、株主総会の日時及び場所、株主総会の目的など、招集決定の際に決められた事項を記載する必要があります(会社法299条4項)。

招集通知に株主総会の目的事項を記載するのは、総会で決議される事項を知ることで、議決権を行使する株主に十分な準備の機会を与えるためです。

そのため、目的事項の記載は、総会で決議される事項は何かを知ることができる程度の記載が必要であり、かつ、それで足ります。

たとえば、取締役の解任を目的とする場合には、解任の対象となる取締役の氏名を記載することが必要です(名古屋高決平成25年6月10日)。

招集手続の省略

株主全員の同意があるときには、招集手続を省略して株主総会を開催することができます(会社法300条)。

実際、親族経営で株主の数が少ない株式会社では、招集手続を省略しているところも多いです。

参考書類

株主総会の招集を決定する際に、書面又は電磁的方法による議決権行使を認める株主総会を開催することを決定した場合には、招集通知の際に、参考書類を添付することが必要です(会社法301条1項、同法302条1項)。

株主総会議事録などの登記に必要な書類をWebで自動作成

会社の登記簿謄本に記載される事項の変更手続きには本店移転や役員変更など様々な種類がありますが、社内での決議に加えて、登記申請の手続きが必要という特徴があります。GVA 法人登記などのサービスを利用すれば、Webサイトから必要な情報を入力することで登記申請書のほか、株主総会議事録や株主リストなどの変更登記の申請に必要な書類を自動作成し、自分で申請できます。
GVA 法人登記の詳細はこちら

株主による株主総会の招集請求

総株主の議決権の100分の3以上の議決権を有する株主は、代表取締役(取締役会非設置会社では取締役)に対して、株主総会の目的である事項及び招集の理由を示して、株主総会の招集を請求することができます(会社法297条1項)。

そして、請求があったにもかかわらず、遅滞なく招集の手続が行われない場合などは、裁判所の許可を得て株主自身が株主総会を招集することが可能です(同法297条4項)。


株主総会の招集手続の瑕疵と決議の効力

株主総会の招集手続において、一部の株主への招集通知漏れや、目的事項の記載不備、通知期間の不足などがあった場合には、株主総会決議の取消事由となります(会社法831条1項1号前段)。

ただし、瑕疵が重大でなく、決議に影響を及ぼさないものであるときには、裁判所は裁量で取消しの請求を棄却することが可能です(同条2項)。

一方、大多数の株主への招集通知を欠くなど瑕疵が重大な場合には、決議がそもそも不存在と判断されることもあります。

まとめ

株主総会の招集手続について解説しました。

株主総会は、会社の最高の意思決定機関であり、招集手続は適正に行われる必要があります。

親族経営などで株主の数が少なく、株主自身が経営に参加しているような会社では、招集手続の省略なども多く行われています。

一方、それ以外の会社では、株主総会は株主が会社の意思決定に関わる数少ない機会であるため、招集漏れなどがないよう十分な注意が必要です。

株主総会の招集通知におけるポイントを押さえて、適正に株主総会を開催するようにしましょう。

【最短7分5000円~】法人の変更登記の必要書類をカンタン作成できます

法人の変更登記は、手続きごとに必要書類が異なるため、どの申請に何の書類が必要なのかを探すだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分・5000円から、オンラインで変更登記に必要な書類の作成ができます。

GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。



GVA 法人登記が対応している登記種類

・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

各登記種類の料金は、以下で説明しています。

\ 最短7分5000円~必要書類を作成 /





ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。



GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(例)

・登記申請書
・株主総会議事録
・株主リスト
・印鑑届出書
・就任承諾書(役員就任・重任)
・辞任届(役員辞任)
・準備金・剰余金の額に関する証明書(剰余金の資本組み入れ)
・総社員の同意書(合同会社)
・業務執行社員の同意書(合同会社)

さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。

【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!

クーポン利用手順

GVA 法人登記の会員登録(無料)
②購入前のクーポンコード入力画面で【 Ug3JNAS7sB 】を入力





\Webでカンタン自分で変更登記/

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。

サービス詳細を見る