取締役は、会社の経営者として経営に関する事項の決定など様々な業務を行います。そのため、取締役は会社の形態や担当する業務にもよりますが、日常的に出社して業務を行う、いわゆる常勤での形態が通常です。
しかし、社外取締役に見られるように、取締役会のある日にはその会社の業務を行うものの、それ以外の日は本業を行うなど、会社からの要請があるときにのみ、出社する非常勤で業務を行う非常勤取締役もいます。
そこで、本記事では非常勤取締役について常勤取締役や社外取締役との違いについて触れつつ解説します。
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非常勤取締役と社外取締役とは?
1.1非常勤取締役とは
取締役のうち社外取締役については、定義について会社法上に定めがありますが、これに対して非常勤取締役は会社法では特に定義が置かれていません(会社法(以下「法」)第2条第15号参照)。
非常勤取締役とは、一般的には勤務形態が常勤ではなく、会社から要請があった時に出社するという形態で業務を行う取締役のことをいいます。
非常勤取締役として選任されるのは、一般的には以下のような人です。
・優れた経営スキルなどを有しているが別に本業を持っている人
・経営者の家族
前者は次で解説するような社外取締役に該当するケースが多いのに対して、後者は税務上の対策から置かれるケースが多く見られます。非常勤取締役を置くことの税務上のメリットなどについては、後ほど詳しく解説いたします。
また、前述のとおり非常勤取締役であっても会社法上は取締役です。そのため、非常勤取締役であっても取締役として会社法上有する権限を全て有しています(法第348条、第349条参照)。
したがって、役職名などによっては、非常勤取締役が独断で行った行為についても表見代表取締役の成立によって、こうした行為が会社に帰属することを否定できないケースが生じる場合もあります。
非常勤取締役を置く場合には、非常勤取締役に副社長などのような代表権を有しているかのような肩書きを付すのは避ける方が良いでしょう。
1.2社外取締役とは?
社外取締役とは、会社法に定義がありますが、会社法上の定義は次のようなものになります。
- 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の会社法363条第1項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
- その就任の前10年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
- 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
- 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
- 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
以上の条件を満たす者が社外取締役に該当します。つまり一言でまとめると、社内から取締役へ昇格した人ではなく、親会社や子会社を含まない、完全な社外から迎えられた取締役のことといえるでしょう。
また、⑤でその会社の代表取締役などの業務執行取締役の配偶者などは社外取締役として認められないため、先ほどの非常勤取締役として起用されることの多い、社長の配偶者や家族などは社外取締役にはなれません。
社外取締役についてはこちらの記事もご参考ください。
1.3常勤取締役とは?
これに対して常勤取締役は、日常的に会社の業務を行う取締役のことをいいます。非常勤取締役と同様に会社法上の定義はありません。
非常勤取締役と社外取締役を設置するメリット
では、業務を行う機会や時間が限定される非常勤取締役や社外取締役を設置するメリットはどういった点にあるのでしょうか。
2.1非常勤取締役を設置するメリット
非常勤取締役を置くメリットは主に税務面から以下のメリットが挙げられます。
・家族を非常勤取締役にして収入を分散させることで所得税額を抑える
所得税については累進課税となっていることから、一人が代表取締役として多額の収入を得るよりも、複数の家族を取締役にして、それぞれに役員報酬を支払う方が家族全体での所得税の負担を抑えることができます。
・退職金などで法人税を抑える
役員の退職金は損金処理が可能となっているため、非常勤取締役への適正な退職金を支払うことで、法人税の対象となる金額を下げ、法人税を抑えることが可能です。なお、退職金は役員報酬と同様に定款で定めを置いている場合を除いて株主総会決議を経る必要があるとされています(最判昭和39年12月11日)。そのため、後述する役員報酬と同様の手続きが必要な点は注意が必要です。
2.2社外取締役を設置するメリット
社外取締役は、上場会社等の会社については会社法上設置が義務となっています(法第327条の2)。こうした義務を課される会社については検討の余地はありませんが、社外取締役は、外部の人間のため会社からは独立した立場から経営に関する意見を述べることができます。
そのため、経営の意思決定に客観的な意見を反映させることができるというのが社外取締役を置くことのメリットといえるでしょう。
非常勤取締役の報酬の相場と決め方
非常勤取締役の報酬の相場については月額5万円~15万円ほどと言われています。
役員報酬は、税務上は給与所得して扱われ、給与所得のみが収入の場合、年間103万円以下であれば、所得税が非課税となります。そのため、月額8万円前後に設定しているケースも多いでしょう。
なお、取締役の報酬は株主総会決議(法第361条第1項)によって決定される必要があります。そのため、株主総会決議を経ていない場合には、役員報酬として認められず課税の際に不利益となる可能性があります。
株主総会決議を経て決定されたものである事を株主総会議事録などにより証明できるようにしておくことが重要です。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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