スタートアップ企業で資金調達を経験された方、これから予定されている方であれば「J-KISS」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「J-KISS」は投資契約の手法の一つで、とくに資金需要の高い、シード期のスタートアップ・ベンチャー企業が迅速に資金調達するために適した設計となっています。ジェイキスと
スタートアップ企業の資金調達というと、第三者割当増資(募集株式の発行)や金融機関からの融資などが一般的ですが、「J-KISS」は新株予約権を用いることでこれら既存の方法と比較して迅速な資金調達を実現できます。
本記事では、資金調達を検討している、もしくは他の資金調達方法と比較検討しているスタートアップ・ベンチャー企業の経営者向けに、J-KISSの概要やメリットなどについて解説します。
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J-KISS(J-KISS型新株予約権)とは?
「J-KISS」はシリコンバレーで活用されていた「Keep It Simple Security(KISS)」の日本版として、ベンチャーキャピタルの500 Startups Japan(現在のCoral Capital)が2016年にその手法や必要書類などテンプレートを無償公開したコンバーティブルエクイティ(有償の新株予約権)による資金調達の方法です。「J-KISS型新株予約権」と呼ばれることもあります。
資金調達するスタートアップ企業が新株予約権を発行し、これを投資会社が有償で引き受けることで投資が実行されます。将来、企業価値が上がったタイミングなどでこの新株予約権を行使することで株式に転換されることで投資家は株式を手に入れることになります。
他の資金調達方法との違い
スタートアップ・ベンチャー企業の資金調達方法でポピュラーなのが、融資と増資です。ではJ-KISSにはこれらと比較してどんな違いがあるのでしょうか?
融資との違い
融資は借金なので返還義務があり、会社のバランスシート上負債に計上されることが大きな違いです。J-KISSで資金調達を検討するようなシード期のスタートアップ企業はまだ規模も小さく、これから製品・サービスを拡販していくことをふまえると安定したキャッシュフローがまだない可能性があります。
融資の審査や返済余力を考えるとこの段階での融資は現実的でないと判断される可能性があります。なお、社債を発行して資金調達し将来株式に転換する調達方法もあり、これは「コンバーティブルボンド(新株予約権付社債)」と呼ばれます。
増資(第三者割当増資)との違い
スタートアップの資金調達方法として最もよく用いられるのが増資(募集株式の発行)です。増資の方法としては第三者割当増資が中心になります。
投資実行の段階で企業価値が算出され、投資元も実際の株式を引き受け、資本金額も増えるのがJ-KISSとの大きな違いです。
J-KISS型新株予約権による資金調達のメリット
一般的にJ-KISSでは他の資金調達方法と比較して以下のようなメリットがあります。
投資の条件決定(企業価値の決定)を先送りできる
J-KISSは、第三者割当増資などと異なり、投資した時点では会社の企業価値や株式数を確定しません。投資時点ではあくまで新株予約権であり、実際の株式数はその後のラウンド(シリーズA)でのバリュエーションに基づき、株式に転換されます。なお、新株発行までの期間やシリーズA時点での評価額はおおよそ決まっているため、先送りにするといってもある程度の合意をした上で投資することになります。
つまり、資金需要の高いシリーズAより前のシード期では投資の実行を最優先させ、プロダクトや顧客の反応が見えてきたシリーズAラウンドでの増資の際にバリュエーションを決定しましょう、ということになります。これは投資の実行が早くできるのはもちろん、企業価値算出が難しいシード期だからこそのメリットといえるでしょう。
投資の実行がスピーディにできる
まだキャッシュフローの乏しいシード期だからこそできるだけ早く資金調達したいと考える経営者は多いでしょう。前述したとおり、企業価値の確定を先送りでき、また契約書などのフォーマットも公表されているため、交渉の簡略化により投資実行までの時間が短くなります。
J-KISS型新株予約権による資金調達のデメリット
スキームを十分に理解する必要がある
経営者自身がJ-KISSのスキームを十分に理解する必要があります。企業価値の確定を先送りできるといっても、ある程度の条件交渉は必要で、十分に理解しておかないと今後の資本政策に影響する可能性があります。
株式の希釈化が高まる可能性がある
J-KISSは、次回資金調達時のバリュエーションに基づき、株式に転換されますが、一般的には、その基準となるバリュエーションには上限やディスカウントが定められます。そのため、次回資金調達時のバリュエーションが低額だった場合、そこからさらにディスカウントされますので、想定よりも多くの株式比率を放出してしまう可能性があります。
J-KISS型新株予約権の発行に必要な手続き
J-KISSは新株予約権の形式の一つでもあり、発行には新株予約権発行と同じ手続きが必要です。大きく分けると以下の手続きが必要になります。
- 株主総会での決議、株主総会議事録の作成
- 投資家との契約締結、払い込み
- 登記申請書や添付書類の作成、法務局への申請
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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