増資とは会社の資本金を増やすために行われる手続きです。増資には「有償増資」と「無償増資」の2つの方法があります。
また有償増資には公募増資・第三者割当増資・株主割当増資があります。これらはどのように違うのでしょうか。またそれぞれどのように仕訳を切るのでしょうか。
本記事では増資したときの仕訳の方法について解説します。なお、増資の手続きを予定されている方向けに、ネット上で登記申請書類を作成できるサービスも紹介しておりますので合わせてご参考ください。
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そもそも資本金とは?資本金が発生するタイミングは?
資本金とは会社設立の際の出資あるいは増資によって出資者から払い込みを受けた返済不要の資金のことで、いわゆる元手です。
以前は会社形態によって資本金の下限額が定められていました。しかし、2006年に会社法が改正され、資本金の最低金額に関しての規定は無くなることになりました。そのため、現在は資本金が1円でも法的な問題はありません。
ただし、資本金の額は会社の規模を表すひとつの指標ですので、その金額については慎重な判断が求められます。資本金の金額が大きければ、第三者から財務的な体力がある会社だと評価されやすいと言えます。
なお、会社設立の時点では会社の口座は開設されていない状態です。そのため払い込みは発起人の口座に対してなされます。発起人とは資本金の出資などの会社設立の手続きを行う人のことです。
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有償増資と無償増資の違い
増資には「有償増資」と「無償増資」の2つの方法があります。このうち有償増資は株式会社における資金調達方法で、「募集株式の発行」ともいいます。出資者が払い込みを行いその金額に対応して、新株発行を行うことでなされます。
そして有償増資の方法には「公募増資」「株主割当増資」「第三者割当増資」があり、それぞれ以下のような違いがあります。
- 公募増資:新株を取得できる権利を不特定多数の投資家に対して与えて行う増資
- 株主割当増資:既存株主に対して新株を取得できる権利を与えて行う増資
- 第三者割当増資:取引先や自社の役員・従業員など特定の第三者に株式を引き受ける権利を与えて行う増資
一方、無償増資とは会社の他の純資産項目を資本金に振り替えることをいいます。無償増資の目的は会社の純資産の構成を変更することです。無償増資においては株主からの払込みを受けることはありません。
なお純資産項目については後ほど詳しく説明します。
有償増資の仕訳
払込期間を設ける場合)
全株新株を発行する場合
新株を発行することにより出資を受けその資金を資本金に組み入れる場合です。この場合には出資してもらう上で、払込期日等を決めて出資者からの払い込みを受けることになります。
<例>新たに新株を200万円分発行し、200万円の出資を受ける場合
仕訳【新株申込時~払込期日の前】
(借方)別段預金 2,000,000 (貸方)新株式申込証拠金 2,000,000
払込期日の到来前に払い込まれた資金は株式を割り当てる数の調整等を理由に、後になって返還するケースがあります。そのため、会社の資金としては使用することができない状態です。この理由から現金預金勘定ではなく、別段預金勘定を利用することになります。
貸方の勘定科目は新株式申込証拠金を利用します。払込期日が来る前の払込金を会社の資本として扱うのは適当ではないためです。
【払込期日】
まずは別段預金を現金預金に振り替えます。
(借方)現金預金 2,000,000 (貸方)別段預金 2,000,000
そして仮にそのまま払込金額の全額について、資本金として計上を行う場合は以下の通りに仕訳を行います。
(借方)新株式申込証拠金 2,000,000 (貸方)資本金 2,000,000
ちなみに、出資金の半分までは資本金に組み入れしないことが可能です。払込金額の半分を資本金とせずに資本準備金として計上を行う場合は、貸方には出資金の半額を「資本金」、半額を「資本準備金」として以下のように仕訳します。
(借方)新株式申込証拠金 2,000,000(貸方) 資本金 1,000,000
資本準備金 1,000,000
払込期日に貸方に計上していた新株式申込証拠金が借方へ移動することがポイントです。
新株発行と自己株式の処分を併用する場合で自己株式処分差益が生じる場合
株式会社は自社が既に発行した株式を自己株式として取得することができます。取得した自己株式は増資の際に処分を行い、資金調達に用いることが可能です。
<例>自己株式5,000株を1株200円で取得した
(借方)自己株式 1,000,000 (貸方)現金預金 1,000,000
<例>募集株式20,000株のうち、16,000株は新株を発行し、残り4,000株は自己株式の処分を行うこととした。
払込金額:5,000,000円、処分する自己株式の帳簿価額:800,000円とすると
(借方)現金預金 5,000,000 (貸方)資本金 4,000,000
自己株式 800.000
その他資本剰余金 200,000
新株発行と自己株式の処分を併用する場合で自己株式処分差損が生じる場合
自己株式の処分において、自己株式処分差損が発生したケースにおいては、増加する資本金の金額を減らした上で計上を行います。先述した例で、自己株式の帳簿価額が1,200,000円だった場合の仕訳は次のとおりです。
(借方)現金預金 5,000,000 (貸方)資本金 3,800,000
自己株式 1,200,000
無償増資の仕訳
無償増資は株主となる人からの払い込みを受け取ることなく、他の純資産項目の振替を行って資本金を増加させる方法です。その他資本剰余金やその他利益剰余金を資本金に振り替えることで行われます。
<例>その他資本剰余金200,000円の資本金への組み入れを行った。
(借方)その他資本剰余金 200,000 (貸方)資本金 200,000
<例>その他利益剰余金400,000円の資本金への組み入れを行った。
(借方)その他利益剰余金 400,000 (貸方)資本金 400,000
資本金を変動させる場合の注意点
会社が増資や減資を行なうためには、事前に株主総会を開催し、議事録などを作成して保管しておかなければなりません。
特に資本金を減少させる際は、株主総会の特別決議が必要です。特別決議を取るには、株主の過半数が出席しなければならないなどの決まり事が多いため、適切な手順に従って準備を進める必要があります。
増資を行った後に必要な手続き
登記事項の変更
会社の資本金は登記を行う必要がある事項です。そのため、増資を行った場合は変更登記を行わなければなりません。資本金の金額の変更登記には、株主総会議事録・株式の引受書・払込証明書などの書類が必要です。
また、変更登記には登録免許税が必要です。登録免許税の金額は3万円、もしくは増加した資本金額×0.7%のいずれか高い方です。そのため、たとえば払込金額が約428万円より小さい増資であれば、税額は3万円になります。
株主資本等変動計算書の作成
株主資本等変動計算書は、一会計年度における純資産の変動を表示するための計算書類で、決算書の一つです。増資がなされた場合には、仕訳に沿って株主資本等変動計算書にその増減を記録する必要があります。
法人税申告書別表5への記入
増資については会計処理を行うだけではなく、法人税申告書の別表5「資本金等の額の計算に関する明細書」「利益積立金の計算に関する明細書」にて、株主資本の増減に関して所定欄に記載しなければなりません。
純資産とは
純資産とは貸借対照表上の貸方に表示される区分です。総資産の金額-総負債の金額=純資産の金額です。以下で純資産に該当する資本金以外の項目を説明します。
資本剰余金
資本剰余金は剰余金のうち新たに株式を発行する等の資本取引から発生した剰余金のことです。資本剰余金はさらに「その他資本剰余金」と「資本準備金」に区分されます。
自己株式
自己株式は自社が保有する自社の株式です。新規発行した株式を金融市場や自社以外の株主などから買戻しを行なって取得します。
自己株式の取得は資本の払い戻しの性格を持っています。そのため、自己株式は貸借対照表上の純資産の部において、マイナス表記されます。
任意積立金
任意積立金は利益剰余金など配当可能利益の中から、定款または株主総会の決議により会社が任意に積み立てを行うお金です。任意積立金としては、役員退職積立金・配当積立金など特定の目的がある目的積立金と特定の目的がない別途積立金などの無目的積立金があります。
繰越利益剰余金
繰越利益剰余金も利益剰余金を構成する純資産項の一つ目です。イメージとしては、毎年の損益計算書の「当期純利益」の累積に近い純資産項目であると理解しておけば良いでしょう。
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