雇用保険など、社員から役員に就任したら必要な社会保険関連手続き

株式会社の基礎知識
投稿日:2024.04.01
社員から役員に就任したら必要な社会保険関連手続き

会社の役員は、新たに外部から就任する場合と、会社内部の社員から昇進や昇格して就任する場合があります。

当記事では、会社内部から社員が役員に昇進した場合の「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「労災保険」「雇用保険」などの社会保険手続きや兼務役員、役員と執行役員の違い等について解説しています。ぜひ参考にしてください。

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社会保険とは

社会保険とは、疾病や負傷、老齢、障害、死亡、失業等に対して、必要な保険給付を行う公的な保険制度です。社会保険には、広義と狭義の社会保険があり、狭義の社会保険は健康保険と厚生年金保険、介護保険の3つを指します。

一方で、広義の社会保険は、狭義の社会保険に加えて、労働保険である労災保険と雇用保険を含むことになります。以下、当記事では、社会保険を広義の社会保険の意味で使用します

社員と役員の社会保険適用における違い

原則として、社員も役員も健康保険と厚生年金保険の適用を受けることに違いはありません。しかし労働者を対象としている労災保険と雇用保険では、取扱いが異なっています。

会社と委任の関係に立つ取締役等の役員は、雇用契約を締結した労働者ではないため、後に解説する兼務役員である場合を除いて、雇用保険の適用を受けません。また労災保険についても特別加入をするのでなければ、適用を受けることはありません。

役員就任に伴う社会保険手続き

既に解説したとおり、社員も役員も健康保険と厚生年金保険の適用を受けるため、昇進して役員に就任した場合であっても、後述する随時改定に該当するのでなければ、健康保険と厚生年金保険における手続きは不要です。

しかし昇進により役員に就任すると、労働者でなくなるため、雇用保険における資格喪失手続きが必要となります。

また社会保険に加入すべき役員が、新たに外部から就任した場合には、健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届等を管轄年金事務所に提出することが必要です。

随時改定

継続した3月間に受けた報酬の総額を3で除して得た額が、標準報酬月額の基礎となった報酬月額に比べて、2等級以上の差を生じた場合には、標準報酬月額の随時改定手続きの対象となります。

役員就任に伴い報酬の額が大きく上がり、2等級以上の差が生じた場合には、随時改定の対象となるため、管轄年金事務所に月額変更届を提出することが必要です。

雇用保険被保険者資格喪失届

昇進して役員に就任した場合には、原則として雇用保険の被保険者でなくなるため、雇用保険被保険者資格喪失届を管轄のハローワークに提出する必要があります。

この場合に資格喪失日として記載するのは、役員就任日や翌日ではなく、役員就任の前日であることに注意が必要です。

また雇用保険の資格喪失手続きを行うことで、労災保険も同時に手続きが行われるため、労災保険については、特別の手続きは不要です。

兼務役員の例外

原則として役員は、雇用保険の適用を受けず、被保険者とはなりません。

しかし取締役工場長や取締役総務部長等の労働者としての身分を併せ持つ役員の場合には、役員と労働者を兼ねる兼務役員として、雇用保険の被保険者となり、兼務役員雇用実態証明書を管轄のハローワークに提出する必要があります。

兼務役員となるか否かは、工場長や部長等の肩書ではなく、労働者性を持った実態があるかどうかで判断されます。労働者性があると判断され、兼務役員となるには、次の条件を満たす必要があります。

業務執行権や代表権を持たない役員であること

業務執行権や代表権を持った役員は、会社と指揮命令の関係に立たないことから、肩書がどのようなものであれ、労働者としては扱われません。また業務執行権や代表権は、肩書ではなく、実態で判断されることに注意してください。


役員報酬より労働者としての給与の方が高いこと

収入の主たる部分が役員報酬によるもので、労働者としての給与より高い場合には、労働者性が弱いと判断されます。一方で労働時間に応じて、給与が支払われている場合や、欠勤控除の対象となっているのであれば、労働者性が高いと判断を受けます。


業務遂行の拘束性が認められること

会社と委任の関係に立ち、自由な裁量権を持っている役員に対して、労働者は会社からの指揮命令を受けて労働を提供します。そのため、労働者性が認められるためには、仕事の進め方や出退勤の時間等を会社に管理され、労働者として拘束されていることが必要となります。


他の労働者と同様に就業規則の適用を受けること

役員は労働者と異なり、就業規則の適用がありません。そのため、他の労働者と同様に就業規則の適用を受け、労務を提供しているのであれば、労働者性が高いと判断されます。


役員と執行役員の社会保険適用における違い

会社における役員に類似した役職として、執行役員があります。

役員が会社法で、取締役、会計参与、監査役と定められているのに対して、執行役員は会社法上の定義が存在せず、設置も義務付けられてはいないため、会社は自由に執行役員を設置できます。

そのため、執行役員の地位や職責、待遇等は会社によってさまざまであり、委任契約であるか、雇用契約であるかによって社会保険の取り扱いが異なっています。

執行役員就任に伴う社会保険手続き

既に解説した通り、執行役員に関する会社法上の定めはなく、会社が取り扱いを自由に決定することが可能で、契約形態も自由です。

そのため、社員が昇進して、執行役員に就任した場合に必要となる社会保険の手続きは、執行役員が会社と委任契約を結んでいるか、雇用契約を結んでいるかで異なります。

社員が委任契約によって執行役員に就任する場合には、一度会社を退職する形になるため、社会保険の資格喪失手続きが必要となります。

ただし取締役等の会社法上の役員を兼ねているような場合であれば、健康保険と厚生年金保険の適用を受けることになります。

また社員としての雇用契約を会社と結んだまま、執行役員に就任するのであれば、随時改定に該当するような場合を除いて特別な手続きは不要です。

まとめ

社員が昇進し、内部から役員に就任する際には、雇用保険被保険者資格喪失届の提出等、外部から新たに役員が就任する場合とは、異なった手続きが必要です。

また兼務役員に該当するか否かも労働者性等の実態を見て判断する必要があり、慎重に検討を行う必要があります。

執行役員に関しては、会社法上の定めもなく、待遇等も自由に決定できることから、会社が執行役員をどのような位置づけにしたいのか明確にすることが必要です。

当記事では、役員就任に際して必要な社会保険手続きや兼務役員、執行役員について解説をしてきました。役員就任に関しての手続きに疑問がある場合には、当記事を参考にして正しい手続きを行ってください。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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