一般社団法人とは?株式会社との違いやメリット・デメリットを解説

会社設立
投稿日:2025.06.10
一般社団法人とは?株式会社との違いやメリット・デメリットを解説

「法人」といえば、株式会社を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。確かに株式会社や合同会社、有限会社のような営利法人は、法人の代表例です。しかし、営利法人の他にも一般社団法人や一般財団法人のような営利を目的としない非営利法人が存在します。

本記事では、非営利法人のひとつである一般社団法人について、その概要や株式会社などとの違い、設立のメリット・デメリットなどについて解説します。設立を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

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一般社団法人とは?

一般社団法人とは、どのような特徴を持った法人なのでしょうか。まず一般社団法人の特徴について解説します。

一般社団法人は非営利の活動を目的とした法人

一般社団法人は、2008年12月に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立される比較的新しい法人形態です。特徴としては、営利活動を目的としない点が挙げられます。また、設立は1人では認められず、最低でも2名以上の社員が必要となります。なお、社員は自然人に限定されず、法人を社員とすることも可能です。

一般社団法人の形態が用いられる法人格としては学術団体や業界団体、職能団体などで一般社団法人があります。次のような団体が一般社団法人の具体例として挙げられます。

  • 一般社団法人全国銀行協会
  • 一般社団法人日本自動車工業会
  • 一般社団法人日本損害保険協会


また、上記のような業界団体の他に、我々にとって身近な同窓会や町内会なども一般社団法人の形態を取る場合があります。

一般社団法人のおもな特徴

既に述べた通り、一般社団法人は営利を目的としないことが特徴となっています。しかし、営業・営利的な活動がまったく行えないわけではなく、商品やサービスを販売する活動によって利益を上げることも可能です。ただし、株式会社の配当のような余剰利益の分配は認められていません。

一般社団法人に余剰利益の分配は認められませんが、役員報酬や活動費として利益を処分することは認められています。また、事業の内容にも制限がなく、公益事業であることが求められているわけではありません。従業員を雇用することも可能です。

一般社団法人の設立には、理事と社員の双方が必要です。社員は2名以上必要となりますが、理事と兼ねることも可能なため、設立にあたっての最低員数は2名となります。なお、設立後に社員が1名となっても解散しませんが、社員が1人もいなくなった場合には、解散することになります。

公益社団法人や一般財団法人との混同に注意

一般社団法人と混同しやすい法人として、公益社団法人や一般財団法人などがあります。公益社団法人及び一般財団法人の特徴と、一般社団法人との違いは次の通りです。

公益社団法人

一般社団法人は、設立にあたって主務官庁の許可を受けることを要しません。しかし、公益社団法人は、公益認定等委員会によって公益性の認定を受けることが必要です。また、公益社団法人は税制上の優遇措置を受けることが出来ます。

一般財団法人

一般社団法人は、運営基盤を「人」に置き、人の集まりに法人格を付与しています。一方で一般財団法人は、「財」の集まりに対して、法人格が付与された法人です。そのため、一般財団法人では、財産を重要視しており、設立にあたって300万円以上を拠出することが必要となります。

一般社団法人と株式会社などの違い・共通点

一般社団法人は非営利法人であり、会社は営利法人です。明確がありますが共通点も存在します。本項では会社との共通点や違いについて解説します。

一般社団法人と会社には共通点も多い

一般社団法人と会社には、共通点も多くなっており、おもな共通点は次の通りです。

定款の作成および認証が必要

定款は会社に関する根本規則を定めた「会社の憲法」とも呼ばれる重要な書類です。定款は、株式会社や合同会社など会社の種類を問わず、作成することが必要なります。一般社団法人も設立にあたって、根本規則を定めた定款を作成することが求められています。また、株式会社は設立にあたって作成した定款に公証人の認証を受けなくてはなりませんが、一般社団法人の定款も同様に公証人の認証が必要となります。

設立の登記申請によって設立される

会社の場合、飲食業や建設業など、事業を行うにあたっての許認可が必要となることがあります。しかし、会社設立自体に許認可は不要であり、法務局において設立登記申請を行うことで設立されます。設立登記によって設立する点は一般社団法人においても同様です。

このように法人設立にあたって、許認可を要せず、一定の要件を満たせば法人格を付与することを準則主義と呼びます。

役員の任期がある

会社の取締役や監査役といった役員には、2年や4年などの任期が定められています。一般社団法人の役員である理事にも、原則として「選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時社員総会終結の時まで」という任期が定められています。両者は無制限の役員任期が許されないという点でも共通しているといえるでしょう。

法人の目的が異なる

一般社団法人と会社は共通点も多いですが、活動目的が根本的に異なっています。一般社団法人は非営利を目的とし、会社は営利を目的とする法人です。この両者の違いは、利益の分配という点で区別されます。

営利を目的とする会社では、事業活動を通じて上げた利益を配当などで分配することが可能です。一方で、非営利法人である一般社団法人の社員(従業員ではなく株主に相当)に利益を分配することは認められません。ただし、社員が理事に選任されている場合には、定款の定めや社員総会の決議をもって、役員報酬という形で受け取ることが可能ですし、従業員に給与を支払うことも可能です。

会社は集めた資本を事業を通じて増やすことが目的ですが、一般社団法人はその活動の継続を目的とした組織であるといえます。

株式会社における社員とは位置づけが異なる

株式会社における社員は、従業員のことを指します。これに対して、一般社団法人の社員は、従業員ではなく、株式会社における株主に近い存在です。株式会社の株主は、株主総会において議題の提案や議題に対する議決権の行使を行い、一般社団法人の社員も社員総会で議決権の行使などを行います。この点は合同会社における社員の扱いと近いといえます。

株主総会は、株式会社の最高意思決定機関です。社員総会も同様に一般社団法人の定款変更や、社員の退社などを決議する重要な機関です。社員総会で議決権を行使する社員は、株式会社の株主と同様に会社のオーナーともいえる立場になります。

【比較表】一般社団法人と株式会社の主な違い

一般社団法人

株式会社

事業の目的

非営利 (配当などで剰余金の分配を目的としない)
※収益事業を行うことは可能

営利 (利益を上げて株主に分配する)

利益の分配

できない(役員報酬や給与の支払いは可能)

できる(株主へ剰余金を配当)

設立時の資本金

0円(資本金の概念なし)
※活動の元手として「基金」制度を利用可能(任意)

1円以上

設立に必要な人数

最低2名(社員2名以上、理事1名以上)
※社員と理事は兼任できるため

最低1名(発起人・株主・取締役が同一人物でも可)

意思決定機関

社員総会
・議決権は原則「1人1票」

株主総会
・議決権は原則「1株1票」

役員の任期

理事は原則2年
(短縮は可能だが伸長は不可)

取締役は原則2年
(非公開会社は最長10年まで伸長可能)

法人税の課税対象

【非営利型法人(※1)の場合】
法人税法上の収益事業から生じた所得のみ課税

【営利型法人の場合】
全ての所得が課税対象

全ての所得が課税対象

社会的信用度

公益性の高い事業との親和性が高い

一般的な事業活動において最も認知度が高い

一般社団法人のメリット

一般社団法人を設立する目的はどのような点にあるのでしょうか。本項では、一般社団法人のメリットを解説します。

活動の自由度が高い

一般社団法人は、事業活動の自由が広く認められています。例えば、NPO法人では社会教育推進や保健医療など、20の限定された目的に活動が制限されています。これに対して、一般社団法人では、法律に抵触するような事業でなければ事業活動に制限はなく、会社同様に営利活動も行えます。また、非営利型の要件を満たせば、NPO法人と同様に税制上の優遇措置を受けることも可能です。

設立費用が安い

一般社団法人には、活動の自由以外にも設立費用が低額で済むというメリットがあります。株式会社の設立であれば、最低でも202,000円必要ですが、一般社団法人であれば、最低112,000円で設立可能です。費用の内訳は、次の通りとなります。

  • 定款認証手数料:50,000円
  • 定款謄本取得手数料:2,000円
  • 登録免許税:60,000円


もちろんこれは最低費用であり、登記申請などの手続きを司法書士といった専門家に依頼した場合には、別途費用がかかります。また、会社であれば特定の事業を行う場合に許認可が必要となるためその費用もかかりますが、一般社団法人では許認可の費用も不要となります。

一般社団法人のデメリット

一般社団法人には、活動の自由や設立費用といったメリットがある一方で、デメリットも存在します。

余剰利益が出ても利益分配ができない

株式会社は、配当という形で出資者である株主に余剰利益を分配することが可能です。これに対して、非営利法人である一般社団法人では、余剰利益の分配が出来ないため、資金を拠出するメリットも薄くなるといえます。

一般社団法人では、仮に定款で余剰利益の分配について定めても無効となります。そのため、利益分配を考えるのであれば、株式会社など営利法人の形態で設立した方が良いでしょう。一般社団法人は安定的な活動の継続を重視する場合に向いている法人です。

譲渡や相続が難しい

株式会社は、所有と経営が分離していることが特徴です。株式会社において、経営は取締役をはじめとした役員が行い、所有者は出資者である株主です。株式は原則として自由に譲渡可能であり、相続の対象ともなります。

一般社団法人も所有と経営は分離していますが、所有者である社員の地位は一身専属的な権利であるとして相続の対象とはされていません。また、社員の地位を譲渡することもできません。一般社団法人の社員が亡くなると、その社員は退社する扱いとなってしまいますので、前もって相続人を新たに社員として追加するなどの手続きが必要となります。

一般社団法人と株式会社どちらを選ぶべきか

以下は一例ですが、これから法人の設立を検討する上で一般社団法人と株式会社のどちらを選べばいいか、ケース別に解説します。

一般社団法人がおすすめなケース

  • 同窓会、学会、地域のボランティア団体など、社会貢献や共通の目的を持つ人の集まりを法人化したい場合
  • 利益の分配を目的とせず、活動で得た利益は内部に留め、今後の活動に充てたい場合


株式会社がおすすめなケース

  • 事業を大きく成長させ、利益を出資者に還元(配当)することを目指す場合
  • 外部からの資金調達(出資)を積極的に行いたい場合
  • 事業成長したらIPO(上場)やM&Aなども選択肢にしたい場合

一般社団法人のメリット・デメリットを理解して活用しましょう

法人には様々な種類があり、各々にメリット・デメリットが存在します。もちろん一般社団法人も、その例に漏れるものではなく、メリット・デメリットの双方が存在します。

どのような法人形態で設立するにせよ、対象となる法人の特徴を理解することが必要となります。また、メリットのみに目を向けるのではなく、デメリットも併せて検討することが必要です。一般社団法人の設立を検討する際には、当記事を参考に一般社団法人への理解を深めてください。

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執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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