合同会社の定款の作成方法をわかりやすく解説

会社設立
投稿日:2024.02.13
合同会社設立の定款の作成方法をわかりやすく解説

合同会社は設立・運営費用が安く、経営自由度も高いため、最近では選択されることが多い会社形態ですが、思い描いた通りに事業をスタートするには、会社運営ルールの基盤となる定款を会社設立時に正しく作成する必要があります。

定款の記載事項は法律で決まっており、一度決めると変更も難しいため、作成に当たっては合同会社の会社形態を前提に慎重に内容を考えることが重要です。

本記事では定款の概要から、合同会社の定款を作成する上での基本的なルールと注意事項も押さえた解説します。

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合同会社の定款とは?

定款は会社の事業内容や運営方法に関する重要なルールを取り決める重要書類です。法律で記載方法の決まりがあるため、正しく理解する必要があります。

定款は会社の憲法で、設立時に作成される

定款とは、会社設立において最も重要な書類のひとつであり、会社の根本原則・ルールが記載された「会社の憲法」とも呼ばれる書類です。合同会社に関わらず、会社設立時に必ず作成されます。

記載すべき事項は法律により予め定められており、会社の運営に関わる重要事項で構成されています。従って、憲法が内容を簡単に変えられないように定款も自由に内容を変更することはできません。

合同会社の定款と株式会社の定款の違い

会社設立時には合同会社や株式会社等の会社形態を問わず、定款を作成しなければいけませんが、会社形態により定款の作成手続や内容に違いがあります。

合同会社における定款作成に関しては、株式会社形態と比べて一般的に簡単かつ費用が安いというメリットがあります。具体的には以下の通りです。

定款の作成手続

会社設立時に作成される定款を「原始定款」と言いますが、株式会社の場合には原始定款を公証役場で公証人に正式な定款として認めてもらわないと、定款としての効力は持ちません。認証手数料は約5万円かかります。
公証人による認証は株式会社の定款には必要ですが、合同会社では定款の認証手続は不要であるため、費用と認証の手間がかからないというメリットがあります。

定款の内容

定款の内容としては、合同会社の定款には株式会社で必要とされる株式や株主総会などに関連する事項が記載されないため、比較的シンプルな内容となることが多いです。

定款は紙面による定款もしくは電子定款で作成する

従来、定款は紙で作成する必要がありましたが、現在は電子データ(PDFファイル)で作成する電子定款も定款として認められるようになりました。

電子定款のメリット・デメリットは以下の通りです。

  • メリット

電子定款では印紙代は不要(紙の場合には公証役場で保管用、法務局で登記申請用、会社で保存用の3通を作成し、収入印紙代4万円が必要)

  • デメリット

電子定款の作成は電子署名を付せるPDF作成機能のついた専用ソフト、電子証明書やマイナンバーカードなどの準備が必要で用意する手間やコストがある

定款の記載事項は3種類

定款の記載事項は「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の大きく3つに分かれています。以下ではその各々について解説します。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは「定款に必ず記載しないといけない内容」のことであり、該当項目の記載が無いと定款自体が無効になる内容です。絶対的記載事項としては6つあります。

①商号
合同会社は定款で商号(会社の名前)を記載します。商号の記載ルールは以下の通りであり、NGとされる商号になっていないか慎重に確認しましょう。

  • 最初か最後に「合同会社」の文字を用いる
  • 同一商号かつ同一本店所在場所の会社は不可
  • 不正目的で、既に存在する有名企業を連想させる商号はつけられない
  • 一定の単語は商号に使用できない(例:記号(「?」「!」)やローマ数字(例「Ⅰ」「Ⅱ」)
  • アンド(&)やコンマ(,)、ハイフン(-)、ピリオド(・)等の記号は字句を区切るためであれば使用可
  • 「〇〇支店」「〇〇部」などの部署名は不可


②目的
目的とは、会社が行う事業の内容を指します。定款で事業の内容を記載しておかないと、その会社の事業とはなり得ないため、今後行う予定のある事業について記載が必要となります。定款の変更にはさまざまな変更点がありますが、目的変更のことを「定款変更する」と表現する場合もあります。

特に、許認可が必要な事業(旅行代理店、リサイクルショップ、マッサージ店など)を行う場合には、許認可を得るためには定款の記載が必要とされることから、漏れなく記載されているか注意が必要です。

③本店の所在地
会社の本店所在地(住所)を記載します。本店の所在地は最小行政区画まで記載すれば足り、東京23区については区まで、23区外であれば市区町村まで記載になります。

詳細にビル名やマンション名まで記載することもできますが、例えば同一行政区画内で本店を移転した場合に、定款の記載を最小行政区画までの記載に留めておけば定款を変更する必要がなくなるため、手続の簡便さから最低限の記載に留めることが一般的です。

④社員(出資者)の氏名又は名称及び住所
合同会社では株主・株式という決まりが無い代わりに、出資者の情報を記載する必要があります。例えば以下のような形式で、出資した社員全員の氏名及び住所、出資の価額並びに責任(有限責任社員である旨)を記載します。

「金100万円 東京都〇区〇番〇号 有限責任社員 氏名」
氏名や住所は印鑑証明書通りに記載する必要があります。

⑤社員全員が有限責任社員である旨
合同会社の社員(出資者)は全員が「有限責任社員」であり、定款に当該旨を記載します。合同会社における「社員」とは株式会社等における従業員という意味ではなく、株式会社の株主に相当する、会社に出資をしている者を意味します。

有限責任とは、出資の範囲でのみ責任を取ることを意味し、事業が失敗して負債を抱えたとしても、出資以上の債務を負うことはありません(≒出資した金額のみ失う)。
一方で無限責任とは、会社が倒産して負債を抱えてしまった場合は、その全額について責任を取ることを意味します。

⑥社員の出資する目的及びその価額又は評価の基準
出資金額は1円から可能であり、一般的には金銭をもって出資を行いますが、土地等の現物をもって出資することも可能です。現物で出資する場合には、現物を適正に評価して価額を算出する必要があります。

相対的記載事項

相対的記載事項は、定款に記載しないと効力を発揮しない事項のことです。会社のルールとして定めておきたいことがある場合に記載するもので、仮に定款に記載せずとも定款自体は有効に成立します。

相対的記載事項に該当する事項としては例えば以下です。

  • 業務を実際に行う社員の定め
  • 代表社員の定め(社員が複数名いる場合)
  • 利益の配当に関する事項
  • 社員の退社に関する定め(出資金額の払い戻しルール)
  • 持分の相続に関する定め(社員が亡くなった場合のルール等)
  • 解散の事由
  • 残余財産の分配の割合(解散時の残存財産をどう配分するか)


例えば、合同会社の代表社員は、株式会社における代表取締役に該当しますが、社員(出資者)が複数人いる合同会社で各々に代表権があると、会社の意思決定に支障が出る場合があります。その状況を避けるため、定款で一定の社員のみが代表権を行使できるように、代表社員を定めておくことができます。

このように、相対的記載事項は、実際の会社運営に係る重要事項をルールとして定めて、効力を発生させるために考慮すべき事項となります。とくに事業承継や利益の配当、財産分配に関するルールは後になって問題になる可能性もあります。合同会社は定款の自由度が高い反面、将来を見越して定めておきましょう。

任意的記載事項

任意的記載事項は、定款以外の方法でルールとして定めることもできるが、定款に書いても良い事項のことです。定款にあえて記載することで、会社の期限やルールを明確化できるメリットがあります。

任意的記載事項として定められることが多い事項は例えば以下の通りです。

  • 事業年度に関する定め

任意的記載事項も一度定款に定めると容易に変更することができなくなる点では絶対的記載事項、相対的記載事項と変わりはありません。

このように定款の記載事項は3種類に分かれており、設立後に想定する事業内容、事業の運営方法、社員間の取り決め等に応じて設けるべき規則をカスタマイズする必要があります。一度決めると容易に変更ができず、定款に会社を縛られてしまう可能性もあるため、専門家のサポートを受けながら作成していくことがおすすめです。

合同会社の定款を作成する際の注意点

定款は会社の基本的なルールであるため、言葉の表現方法については細部まで気を配ることが重要です。以下では記載上の注意点を詳細に解説します。

言葉の表現の仕方を注意する

定款を作成する際には、細部の文言まで正しく記載し、解釈に誤りがでないような表現方法を用いる必要があります。解釈に誤りが出ると当初意図した効力を発揮できない事態になりかねません。

例えば、「または」、「および」は注意すべき文言の代表例で、以下の通り使い分けます。

  • 「または」はどちらか、という意味で使う
  • 「および」は同じ種類の2つ以上の物事がある場合にどちらもという意味で使う


定款の変更は簡単にできない

合同会社が定款を変更するためには、所定の手続を行う必要があり簡単にはできません。以下では定款の変更方法を解説します。

定款の変更手続き

合同会社が定款を変更するためには、原則として社員全員の決議と承認が必要になります。定款の変更対象が登記事項と関わる場合には、「総社員の同意書」を作成して、登記事項に変更が生じた日から2週間以内に本店所在地における法務局に届出が必要となります。

登記変更には、登録免許税が数万円かかってしまうため、定款の変更には手間とコストがかかる場合があることを覚えておきましょう。

合同会社特有のポイントを押さえて正しく定款を作成しましょう

合同会社は設立費用や会社運営コストが安いため最近では選択されることも多い会社形態です。定款の作成にあたっては、絶対的記載事項や言葉の使い方といった会社形態に関わらず注意すべき点を押さえることはもちろん、「社員」制度による出資・持分形態といった合同会社特有のポイントを押さえて定款に反映する必要があります。

合同会社の魅力である経営の自由度を最大限活かせるよう、最低限のポイントを押さえつつ、思い描く事業内容や運営形態を意識した定款作りが会社の基盤となるため、本記事がその一助となれば幸いです。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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