新しくビジネスを始める時には、店舗を準備したり備品を購入したりと開業資金が必要になります。日本政策金融公庫が公表している「2021年度新規開業実態調査」によれば開業費用の平均は941万円となっています。
このような開業資金の調達方法の一つとして、金融機関や公庫などから受ける創業融資があります。創業融資とは起業・創業などをサポートする融資制度のことです。
そこで疑問に思われるのが「創業融資と一般的な融資との違い」「創業融資の審査における注意点」などではないでしょうか。本記事ではこれらに加えて「創業融資のメリットや手続き方法」などについて解説します。
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創業融資とは?
起業時の開業資金について、インターネットなどで調べると必ず目にするのが「創業融資」というキーワードです。
創業融資とは?
創業融資とは言葉どおり起業、開業、創業などをサポートするための融資制度です。融資元としては金融機関や公庫、自治体などになります。
融資元にもよりますが、「新たに事業を始める方」または「事業開始後税務申告を2期終えていない方(事業開始2年未満)」を対象としていることが多くなります。
一般的な融資との違い
「創業融資」は「一般的な融資」と比べて、利用できるタイミングが限られていますが、非常に有利な条件で融資を受けることが可能です。
大きな違いは主に次の3点になります。
- 利用できるタイミングが限られている(事業開始2年未満など)
- 条件や手続きを簡略化していることが多い
- 金利や返済期間が優遇され無担保が前提
創業融資のメリット
創業融資以外の「起業・創業時の主要な資金調達方法」についての概要と「創業融資ならではのメリット」について説明します。
起業・創業時の主要な資金調達方法
①自己資金
開業資金を自己資金で準備できれば、返済や金利・保証料なども不要でリスクを最小限に抑えることができます。
しかし、前述した平均開業資金941万円全額を自己資金で準備することは簡単ではありません。高額な開業資金が必要な場合、自己資金が貯まるまで開業を先延ばししていてはビジネスチャンスを逃してしまうこともあります。
ただし、一部でも自己資金があれば、創業融資などを受ける場合にも融資通過率が高まります。その他にも開業にあたって様々なメリットがありますので、頑張って貯めておくことをおすすめします。
②外部からの出資を受ける
出資は融資と違い返済する必要がありません。返済がないことは、事業運営上で大きなメリットと言えます。
一方、返済が不要な代わりに株式譲渡などの何らかの利益提供をする必要があります。過度に経営に関与されることもありますので、条件面では注意が必要です。
③融資(創業融資ではない一般的な融資)
金融機関からの一般的な融資を、何の実績もない起業したばかりの会社が受けることは非常に困難です。仮に借りられたとしても、創業融資ほど金利や返済期間で優遇されることはないでしょう。創業融資が利用できる期間内であれば、利用するメリットは少ないと言えます。
ただし、開業資金全額を創業融資で借りることが難しい場合には、足りない部分を一般的な融資で補うことはあり得ます。創業融資との併用ということでは視野に入れておくと良いでしょう。
創業融資制度のメリット
創業融資は創業・起業をサポートするための制度となります。法人だけでなく個人事業主に対しても積極的に融資を検討していただけるのは、非常に大きなメリットと言えます。創業・起業の大きなハードルである開業資金の問題を解決する融資制度と言えます。
一般的な融資と違い売上実績がないことを前提としており、事業計画などの将来への期待に対して融資を検討して貰えます。
申し込み手続きも簡略化されており、実際に融資されるまでの期間も短くなっています。起業前から申し込み準備ができ、起業と同時に融資可能なので非常に助かります。
ただし、融資なので負債にはなってしまいますが、創業・起業時の資金調達方法としてはメリットも多く、デメリットは少ない制度と言えます。
創業融資に必要な手続き
創業融資元で最も一般的なのは日本政策金融公庫です。そこで、日本政策金融公庫の創業融資に必要な手続きの流れを説明します。
創業融資に必要な手続き(日本政策金融公庫の例)
①相談
まずは融資窓口で融資手続きや必要書類などの相談をします。簡単な相談なら電話ですることもできます。相談や申し込みを窓口でする場合には、法人は本店所在地、個人は創業予定地近くの支店が担当になります。
設備投資の見積書や、自己資金を証明する預金通帳など細かいルールなども含めて、詳しく教えて貰えます。
最終段階では具体的な融資可能額なども、相談の中でおおまかに決まってきますので、しっかりと準備した上で相談しましょう。
②申し込み
申し込みは窓口または郵送、インターネットで行います。郵送またはインターネットで申し込みした場合には、融資担当者などから確認の電話などがありますので心構えをしておきましょう。
③書類提出
申し込みと共に必要書類を提出します。インターネット申し込みの場合には、電子データ化して添付します。電子データ化できない場合には、窓口または郵送で提出します。
④面談
事業計画を詳しく確認されます。計画について詳しく分かる書類や資産・負債などの書類も必要になります。会社設立などが伴う場合には、更に確認事項が増える場合があります。
上記の確認が終われば、後日店舗などの実地調査も行われます。
事前相談で事業内容や必要書類を詳しく打ち合わせしていない場合は、事業計画や提出書類の修正や追加書類を求められることがあります。
⑤審査
面談による事前確認で全ての条件が揃えば、融資担当者から上司である融資課長などに書類がまわり審査スタートとなります。
⑥結果鑑定
融資担当者が融資課長に事業計画を説明して問題なければ融資決定となります。
言い換えれば融資担当者が融資課長などに説明がしやすいように、分かりやすい事業計画書や書類を作成すれば、融資を通過する可能性を高めることができます。
⑦融資実行
融資実行は申し込みが完了してから最短で約1ヶ月後になります。融資を受けるのが初めての方は、何かと時間がかかりますので相談から2~3ヶ月くらいかかるものと考えてスケジュールを立てておきましょう。
自分で手続きする他に、士業など専門家に依頼や相談できる場合もある
創業融資は税理士などの専門家に代行や支援を依頼できる場合もあります。融資の申請代行サポートを行う専門家は主に、国から「認定支援機関」に認定された税理士、公認会計士、中小企業診断士、商工会議所、金融機関などになります。
はじめて融資の手続きをする場合は分からないことが多く、必要書類の作成などに時間がかかり審査通過率も低くなります。一度融資の審査に落ちると半年から1年くらい再度申し込みが出来なくなりますので注意しましょう。
専門家は融資を通すためのコツやポイントを熟知しており経験豊富です。審査通過率も大きく向上します。
融資申請は自分で手続きすることも十分可能ですが、書類作成が苦手など不安のある方は、専門家への相談も検討してみると良いでしょう。
創業融資の審査における注意点
創業融資には申込みの条件を満たしておく以外にも注意点が多々あります。融資したお金が約束通り返済されるか色々なポイントで確認されていると言えます。
申込みの条件を満たしておく以外にも注意点がある
①会社の登記簿に不備がないか確認
法人の場合には、会社の登記簿に不備がないか確認されます。
まずは会社情報が融資申し込みや面談時の内容と相違ないかを見られます。変更などがある場合には、事前に融資担当者に報告しておきましょう。
また融資の目的となる事業が、登記簿に記載されているかは事前に確認しておきましょう。もし記載されていない場合には、登記簿の変更が必要です。
その他、会社の実情と登記情報に相違がないか確認し、相違がある場合には登記簿の変更などを行いましょう。
②過去にクレジットカードやローン支払いで滞納などないか確認
過去にクレジットカードやローン支払い、公共料金や税金などの滞納がないかも確認されます。滞納がある場合は「信用情報機関」に滞納記録が5年から10年記録されており、融資を受けることは困難になります。
滞納などに心当たりがある場合には、信用情報機関に確認しておきましょう。
③返済の根拠となる事業計画を用意しておく
創業融資の申し込みには事業計画書が必要です。これから起業するので売上が実際に上がっている訳ではありませんが、その分事業計画が重視されます。
しっかりとした事業計画があり、実行が無理なく可能であり、創業融資の返済が出来るかを確認されます。
また事業計画について詳しく説明を求められ質問されますので、しっかりと準備しておきましょう。
④調達した資金の使途や計画を立てておく
事業計画と関連しますが、店舗に関する設備投資資金や、開業後の人件費や家賃などの運転資金などの内訳なども明確にしておきましょう。この金額が融資希望額の根拠となります。
また返済計画など開業後のお金の流れも明確にして、融資返済を計画的に行えることをアピールしましょう。
しっかりとした準備が創業融資を成功させる
開業資金の調達元は、「自己資金」と「金融機関等からの借入」を合わせると約9割を占めます。自己資金のみで開業することが理想ですが、現実的には「自己資金と創業融資」の併用が多くなっています。
創業融資は負債とはなりますが、創業・起業をサポートするための制度で金利や返済期間など優遇されています。融資の中では非常にメリットが多く、起業の大きな支えとなります。
創業融資は注意点を把握し、事業計画をしっかりと立てて、入念な準備をすれば審査通過率を高めることができます。
最も大切なポイントは分かりやすく実現可能な「事業計画の作成」です。融資担当者が理解しやすいよう説明資料も含めて作成しましょう。事業計画書など書類作成が不安な方は、認定支援機関など専門家の代行・支援サポートも検討してみると良いでしょう。
しっかりとした準備が創業融資を成功させてくれますので、計画を立てて準備を行いましょう。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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