【令和6年10月実施】代表取締役の住所非表示についてよくある質問

代表取締役の住所変更
投稿日:2024.10.23
【令和6年10月実施】代表取締役の住所非表示についてよくある質問

2024年10月1日から、法人代表者の住所を一部非表示にできる制度が施行されます。

この制度は、登記事項証明書に記載される代表者の住所情報を市区町村までにとどめ、番地や建物名などの詳細を非表示にすることで、プライバシー保護を強化します。本記事では、この制度に関する疑問や課題に対して、制度の概要、申請手続き、メリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。本制度の正確な理解、活用に役立てていただければ幸いです。

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目次

代表取締役の住所非表示とは?

2024年10月1日から、法人代表者の住所を登記事項証明書で一部非表示にできる措置が施行されます。まずはこの新たな措置の内容を確認していきましょう。

登記事項証明書内の法人代表者の住所の一部を非表示にできる措置

従来、法人の登記制度では、法人の代表者の住所は登記事項証明書や登記情報提供サービスで公開され、企業の信用調査や取引の安全性を担保する重要な役割を果たしてきました。しかし、一方では住所の公開によるプライバシー侵害や個人情報の不正利用のリスクが問題視もされていました。

こうした背景を踏まえ、2024年10月1日から代表者の住所の一部非表示措置が正式に施行されることになりました。これにより、登記事項証明書や登記情報提供サービスにおいて、代表者の住所は市区町村までの表示に留まり、番地や建物番号などの詳細な情報を表示させないようにすることができます。

この改正は、従来ではドメスティックバイオレンス(DV)被害者などの特定の理由がある場合にのみ適用されていた非表示措置を、適切な手続きを踏めば誰でも利用できるように拡大したものです。これにより、プライバシーが保護され、ストーカーや営業目的の不正利用リスクの軽減が期待されています。

代表者の住所非表示制度について疑問になりやすい点をまとめました

本制度は今回の実施までにも何度か議論がされてきました。中には以前議論されていた内容で認識していたり、「住所が非表示にできる」ということが独り歩きしてしまい、必要な手続きや非表示にすることによるリスクまで理解が及んでない可能性があります。

本記事では本制度に興味のある方、利用を検討している方向けにとって疑問になりやすい点をまとめました。具体的には、制度の開始時期や対象法人、申請方法や必要書類、さらには非表示措置のメリットとデメリットまで、利用者が注意すべき事項などを紹介します。

代表取締役の住所非表示措置に関するよくある質問

代表取締役の住所非表示措置に関するよくある質問について、施行時期や対象法人、申請手続きの詳細について解説します。

住所非表示の制度はいつから開始?

代表取締役等住所非表示措置は、商業登記規則等の一部を改正する省令(令和6年法務省令第28号)によって創設された制度であり、2024年10月1日から施行されます。

住所非表示の対象となる法人種類は?

代表取締役等の住所非表示措置の対象となる法人は、「株式会社」に限られます。合同会社やその他の持分会社、各種法人等は本措置の対象外です。また、会社法上は株式会社として扱われている特例有限会社も今回の対象外とされています。

住所非表示の対象となる役職は?

住所非表示措置の対象となる役職には、株式会社の代表取締役だけでなく、指名委員会等設置会社の代表執行役や、清算手続き中の代表清算人も含まれます。ただし、支配人の住所は今回の非表示措置の対象外であり、引き続き公開される点に注意しましょう。

非表示の対象となる住所の範囲は?

住所非表示措置は、国内の住所だけでなく、海外の住所も対象となります。つまり、代表取締役やその他の対象役職が国内外のどこに住所があっても、その情報は非表示にできるということです。

住所非表示のされ方は?

代表取締役の住所は、非表示措置を適用することで、市区町村までの表示にとどまり、番地や建物名などの詳細な情報は表示されなくなります。これは国内の住所だけでなく、外国の住所の場合でも同様の対応が取られ、これに準じた表記がされます。

引用(法務省Webサイトより)

住所の非表示への変更は単独で申請できる?

今回の住所非表示措置では、すでに登記されている住所を非表示にするためだけの申請はできません。

申請が認められるのは、新たに住所の登記を行うタイミングに限定されます。具体的には、代表者の住所登記が必要となる新たな登記申請に付随して、非表示の申出を同時に行うことで、初めて非表示措置が適用されます。つまり、住所を非表示にしたいのであれば、新たな法人を設立するか、代表者の住所変更など、関連する登記情報を変更する必要があるのです。

この点は十分に周知されていない可能性もあるので注意が必要です。

住所非表示の申し出ができる登記の種類は?

非表示措置の対象となるのは、原則として新たに登記される住所のみです。具体的には、会社設立の登記や代表取締役の就任、代表取締役の住所移転による変更の登記など、2024年10月1日以降に新たに登記される住所情報が非表示措置の対象となります。

住所情報が変わらない場合でも、代表取締役や代表執行役の重任の登記や、本店を他の登記所の管轄区域に移転などによって、新たな登記申請をするのであれば、同時に非表示措置の申請が可能です。ただし、非表示措置の申請のみを単独で提出することはできないので注意しましょう。

住所非表示の申請方法は?

非表示措置を申請するためには、上述した登記申請書に、住所を非表示にしたい旨を明記する必要があります。

以下は、申し出の記載例です。

例:代表取締役の住所移転の登記の申請と併せて申出をする場合


引用(法務省ウェブサイトより)

また、上記の該当する登記申請書に以下の情報を追加で記載する必要があります。

  • 代表取締役等住所非表示措置を希望する旨
  • 代表取締役等住所非表示措置の対象となる者の資格、氏名及び住所
  • 申出に当たって添付する書類(実質的支配者リストの保管の申出をしている場合は、その旨及び申出先)


さらに、申出には以下で述べる必要書類の添付が求められます。

住所非表示の申請の必要書類は?

非表示措置の申請には、申請書のほかにも、住民票などの追加書類が必要となる点に注意が必要です。追加書類は申請者の状況によって異なるので、以下を参考にしてみてください。

1.上場会社の場合
株式会社の株式が上場されていることを証明する書類が必要です。

2.上場会社以外の場合
以下の書類が必要です。

・株式会社が受取人として記載された書類が本店の所在場所に宛てて配達証明郵便で送付さ
 れたことを証明する書類等(例:郵便物受領証及び郵便物配達証明書)または司法書士な
 ど専門家に依頼する場合、登記申請を受任した資格者代理人が株式会社の本店所在場所の
 実在性を確認した書類

・代表取締役などの氏名および住所が記載された市町村長等による証明書(例:住民票の
 写し、戸籍の附票の写し、印鑑証明書など)

・株式会社の実質的支配者の本人特定事項を証する書類

必要な書類については、法務省のWebサイトにも詳細な案内がありますので、そちらを参照するとともに、具体的な状況に応じて専門家に相談することをおすすめします。自社の状況によっては、必要書類が異なる場合があるため、事前に確認して手続きを進めることが大切です。

住所非表示が終了する条件は?

一度非表示措置を行った住所も、永続的に非表示となるわけではありません。以下の条件に該当する場合、住所が再び登記事項証明書などに表示されるようになります。

1.非表示終了の申し出があった場合
会社から「住所非表示を希望しない」との申出があれば、非表示措置は終了します。申出申出時には、申出書のテンプレートを参考にしてください。

終了した後に非表示を希望する場合には、再度申出を行う必要があります。非表示措置の終了申請は単独で行うことが可能です。

2.本店所在地における実在性がないと確認された場合
登記官が、株式会社の本店所在地が実在しないと判断した場合、非表示措置は終了となります。ただし、登記記録が閉鎖されている場合は、この限りではありません。

3.上場会社でなくなった場合
上場会社として登録されている企業が、上場会社でなくなったと認められた場合、非表示措置は終了します。再度非表示を希望する際には、上場会社以外の会社として必要書類を添付した申出手続きが必要となります。

4.閉鎖された登録記録が復活すべき事由がある場合
清算結了後に不動産などの新たな財産が見つかるなど、閉鎖された登記記録を復活すべき事由があると認められた場合も、非表示措置は終了します。

住所非表示後、申出をしなくても継続されることはある?

一度非表示措置を受けた住所は、登記情報に変更があっても、自動的に非表示措置が適用されます。たとえば、役員の重任などで住所に変更がない場合、非表示措置がそのまま適用されます。

ただし、住所が変更となった際には、再度非表示措置の申出を行う必要があります。転居などで住所が変わった場合には、新たな住所に対して非表示措置の申出をし直さなければ、非表示措置は適用されないので注意しましょう。

非表示措置を利用するにあたっての注意事項は?

非表示措置を利用する上での最大の注意点は、申請のタイミングです。

先述の通り、非表示措置は単独での申請はできません。そのため住所の非表示を希望している場合は、登記申請や変更申請の際に、忘れずに申し出るようにしましょう。

また、申請には必要書類の準備が求められ、その手続きには一定の手間がかかります。さらに、非表示措置の継続や終了に関するルールも複雑です。そのため、利用を検討する際には、必ず法務省のWebサイトで最新の情報を確認し、適切な手続きを進めることをおすすめします。

代表取締役の住所の登記自体が不要になるということ?

今回の住所非表示措置が導入されたからといって、代表取締役の住所の登記自体が不要になるわけではありません。代表取締役の住所は、引き続き法律に基づいて登記が必要です。特に、住所の変更があった際には、これまで通り速やかに変更登記を行う義務があります。

また、住所を非表示にした場合、登記事項証明書からは住所情報が確認できなくなるため、申請者自身が登記上の住所がわからなくなってしまうことも考えられます。そのため、非表示措置を適用した後も、どの住所で登記が行われたかを把握できるように、登記申請書の控えをしっかりと保管しておくことが重要です。これにより、将来的な手続きに備えて、必要な情報をいつでも確認できるようにしておくと良いでしょう。

住所非表示のメリットとデメリットは?

住所非表示のメリット

非表示措置の最大のメリットは、プライバシーの保護にあります。特に、知名度の高い代表取締役にとっては、個人情報が守られることでストーカー被害や営業目的での悪用といったリスクの減少が期待できます。

住所非表示のデメリット

一方で、非表示措置にはデメリットも存在します。これまでは、金融機関や取引先が融資審査や取引の信用チェックの際に、代表取締役の住所を重要な確認手段として利用していました。また、裁判時の資格証明などにも住所の記載が必要とされることが多くありました。しかし、非表示措置を講じると、登記事項証明書だけで住所を確認できなくなり、これらの場面で別途書類の提出が必要になる場合があります。

そのため、取引先や金融機関から追加の書類を要求されることや、厳格な審査を受けることが増える可能性があり、結果として融資や契約手続き、新規取引がスムーズに進まなくなるリスクもあります。こうしたデメリットを踏まえた上で、住所非表示措置を利用するかどうかを慎重に検討することが重要です。

住所の非表示は有用な制度ですが手続きやリスクに注意

2024年10月1日から開始される代表取締役の住所非表示措置は、法人代表者の住所情報を一部非表示にすることでプライバシー保護を強化する制度です。この措置により、登記事項証明書では市区町村までの表示にとどまり、番地などの詳細情報は非表示となります。

利便性が向上する一方で、取引時に追加書類の提出が求められたり、将来的に不都合が生じる可能性もあります。利用した場合に問題が生じないか慎重な検討が必要であることに十分留意しましょう。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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