代表取締役等住所非表示措置とは?申出に必要な添付書類を解説

代表取締役の住所変更
投稿日:2026.08.04
代表取締役等住所非表示措置とは?申出の必要書類を解説


2024年10月1日から、登記事項証明書(会社の登記簿謄本)上の法人代表者の住所を一部非表示にできる「代表取締役等住所非表示措置」が施行されました。登記事項証明書に記載される代表者の住所情報は市区町村までにとどまり、番地や建物名などの詳細は非公開となります。

従来、法人代表者の住所は登記事項証明書や登記情報提供サービスで公開され、企業の信用調査や取引の安全性を担保する役割を果たしてきました。一方で、住所の公開によるプライバシー侵害や、SNSなどでの意図しない拡散・不正利用のリスクも問題視されていました。

2022年9月1日からは、DV・ストーカー被害者など特定の理由がある場合に限り、裁判所への申立てと厳格な審査を経て住所を非公開にできる制度がありましたが、2024年10月1日の改正により、この保護の対象が拡大され、要件を満たせば代表取締役であれば誰でも住所の一部非表示を申請できるようになりました。

この記事では、制度の対象・申請方法に加えて、実務で最も問い合わせの多い「申出に必要な添付書類」を、上場会社・非上場会社それぞれのケースで具体的に解説します。

住所非表示の対象となる法人・役職・住所

対象となる法人・会社種類

対象となる法人は「株式会社」に限られます。合同会社やその他の持分会社、各種法人等は対象外です。会社法上は株式会社として扱われる特例有限会社も、今回の対象外とされています。

対象となる役職

対象となる役職は、株式会社の代表取締役に加え、指名委員会等設置会社の代表執行役、清算手続き中の代表清算人も含まれます。支配人の住所は対象外で、引き続き公開されます。

対象となる住所

日本国内の住所だけでなく、海外の住所も対象です。代表取締役等の住所が国内外いずれであっても、非表示措置の対象にできます。

住所非表示の申出ができる登記の種類

非表示措置の対象となるのは、原則として新たに登記される住所のみです。具体的には以下の登記と同時に申出が可能です。

  • 会社設立時の登記
  • 新任の代表取締役等の就任登記
  • 代表取締役等の住所変更に伴う登記
  • 代表取締役等の重任時の登記
  • 本店を他の登記所管轄地域に移転する際の、新管轄(管轄外の本店移転)での登記


非表示措置の申出だけを単独で行うことはできません。 上記いずれかの登記申請に併せて申し出る必要があります。すでに登記されている住所を、後から単独で非表示にすることはできない点に注意しましょう。

登記事項証明書への記載のされ方

非表示措置を適用すると、代表取締役等の住所は市区町村までの表示にとどまり、番地や建物名などの詳細情報は表示されなくなります。これは国内の住所だけでなく、外国の住所でも同様です。履歴事項全部証明書などの登記事項証明書(登記簿謄本)上では、以下のように掲載されます。



引用(法務省Webサイトより)

代表取締役等住所非表示措置の申請方法

単独では申請できない

前述の通り、非表示措置は、代表者の住所登記が必要となる新たな登記申請に付随して、同時に申出を行うことで初めて適用されます。住所を非表示にしたい場合は、法人設立や代表者の住所変更など、関連する登記を行うタイミングを待つ必要があります。

申請書への記載事項

非表示措置を申請するには、該当する登記申請書に、以下の内容を追記する必要があります。以下は、代表取締役の住所移転の登記の申請と併せて申出をする場合の記載例です。

引用(法務省ウェブサイトより)

登記申請書には以下の情報を追加で記載する必要があります。

  • 代表取締役等住所非表示措置を希望する旨
  • 非表示措置の対象となる者の資格、氏名及び住所
  • 申出に当たって添付する書類(実質的支配者リストの保管の申出をしている場合は、その旨及び申出先)

代表取締役等住所非表示措置の申出に必要な添付書類

非表示措置の申出には、登記申請書のほかに追加の添付書類が必要です。必要な添付書類は、上場会社か非上場会社かによって異なります。

上場会社における添付書類

上場会社の場合、必要な添付書類は非常にシンプルです。以下の書類のみで申請できます。

区分

添付書類

備考

上場の証明

金融商品取引所のホームページの該当ページを印刷したもの

会社の商号・設立年月日・代表取締役の氏名など、登記事項と一致する基本情報が記載されていること

すでに住所非表示措置を受けている場合、上場証明書類の再提出は不要です。また、この書類に会社代表者の署名・押印は必要ありません。

非上場会社における添付書類

非上場会社の場合、以下の3区分の書類が必要です。それぞれ複数の選択肢があるため、自社の状況に応じて用意しやすいものを選べます。

区分

添付書類(いずれか)

備考

本店所在地の確認書類

①配達証明郵便の証明書(郵便物受領証及び配達証明書)※商号・本店所在地が登記と完全一致していること


②資格者代理人(司法書士等)による本店所在場所の実在性確認書

どちらか一方で可

代表者の住所証明書類

①住民票の写し

②戸籍の附票の写し


③印鑑証明書

いずれか一つ。登記申請時にすでに提出済みの場合は不要

実質的支配者の証明書類

①司法書士等の資格者代理人が確認した実質的支配者該当性の記録の写し

②公証人の認証を受けた実質的支配者に関する申述書(申請日の属する年度またはその前年度のものに限る)


③会社設立時に定款認証と同時に行った実質的支配者の申告受理及び認証に関する証明書(会社設立の日の属する年度またはその翌年度に行う場合に限る)

いずれか一つ。実質的支配者リスト(保管の申出をしているもの)を提出している場合は不要

すでに住所非表示措置を受けている会社が、新たに住所非表示を申出る場合は、代表者の住所証明書類(住民票の写し・戸籍の附票の写し・印鑑証明書のいずれか)のみの提出で手続きが可能です。本店所在地の確認書類や実質的支配者の証明書類は再提出不要です。

実務上の注意点

本店所在地の確認書類として配達証明郵便を利用する場合、郵送の往復に一定の日数がかかります。登記申請のスケジュールに余裕を持たせて準備することをおすすめします。また、実質的支配者の証明書類は3つの選択肢の中でも取得のしやすさが会社の状況によって異なるため、事前にどの方法が自社に適しているか確認しておくと手続きがスムーズです。

必要書類の詳細は、法務省のWebサイトにも案内がありますので、あわせてご確認ください。

代表取締役の住所非表示申出の申請書をダウンロード(無料)

代表取締役の住所変更の登記申請時に、住所非表示の申出をするための申請書を用意しました。こちのフォームから無料でダウンロードできます。
GVA 法人議事録

代表取締役の住所を非表示にするメリット・デメリット

メリット

最大のメリットはプライバシーの保護です。特に知名度の高い代表取締役にとっては、個人情報が守られることで、ストーカー被害や営業目的での利用(電話営業・ダイレクトメールなど)のリスク軽減が期待できます。

デメリット

一方で、金融機関や取引先が融資審査・信用チェックの際に代表取締役の住所を確認手段として利用してきた実務もあり、非表示措置を講じると登記事項証明書だけで住所を確認できなくなるため、別途書類の提出を求められる場合があります。結果として、融資や新規取引の手続きがスムーズに進まなくなるリスクも考えられます。

デメリットの詳細や注意点は、こちらの記事でさらに詳しく解説しています。 代表取締役の住所非表示措置のデメリット・注意点とは?

よくある質問

Q. 代表取締役の住所を非表示にするにはどうすればいいですか? A. 会社設立や代表取締役の住所変更・重任など、住所の登記が必要な登記申請と同時に、申請書に非表示を希望する旨と対象者の資格・氏名・住所を記載し、上場・非上場に応じた添付書類を提出します。非表示措置のみを単独で申請することはできません。

Q. 代表者の住所はどこまで非表示にできますか? A. 市区町村までは登記事項証明書に表示され、それ以降の番地や建物名などの詳細情報が非表示になります。国内・海外どちらの住所でも同様の扱いです。

Q. 住所非表示措置にデメリットはありますか? A. 金融機関や取引先が住所を確認手段として利用してきた場面で、登記事項証明書だけでは住所確認ができなくなり、別途の証明書類提出を求められる可能性があります。詳しくはこちらの記事で解説しています。

代表取締役の住所変更登記の必要書類はGVA 法人登記で自動作成|何が必要か調べず、入力するだけで最短7分

代表取締役の住所変更登記は必要書類が複数あり、何をどの書式で用意するか調べるだけでも手間がかかります。GVA 法人登記なら、画面の案内に沿って変更情報を入力するだけで必要書類一式を最短7分で自動作成。司法書士監修の様式なので、記載ミスや法務局での補正リスクも抑えられます。ひな形探しや書き方調べに時間をかけたくない方におすすめです。

GVA 法人登記

GVA 法人登記の詳細を見る →

【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!

クーポン利用手順

GVA 法人登記の会員登録(無料)
②購入前のクーポンコード入力画面で【 Ug3JNAS7sB 】を入力





\Webでカンタン自分で変更登記/

【本記事の内容は動画でも解説しています】

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなく法務オートメーション「OLGA」などのリーガルテックサービスを提供しています。

今すぐ変更登記手続きを始める