会社の登記簿内の代表取締役の住所を省略して記載する方法

代表取締役の住所変更
会社の登記簿内の代表取締役の住所を省略して記載する方法

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、私たちの「働き方」も大きな変化を見せ始めています。そんな中、本業とは別に副業を始めたという方もいるのではないでしょうか。また、最初は個人事業主として副業を始められた方の中には、事業規模の拡大に伴って、法人への転換を考えている方もいるかもしれません。

会社を設立するには様々な手続きが必要ですが、法務局で登記(商業登記)を行うことが必須となっています。登記の際には、代表取締役の氏名と住所を登記簿に記載する決まりになっていますが、これに多少なりとも抵抗を感じる方も少なくありません。

法律で規定されていますので、虚偽の住所や居住実態のない住所を記載することはもちろん許されませんが、マンションに住んでいる方については、マンション名や部屋番号など、できるだけ住所を省略した形での記載をすることが可能な場合もあります。

本記事では、会社の登記簿に代表取締役の住所をなるべく省略して記載する方法をご紹介したいと思います。

法律ではどう定められているのか?

会社法第911条第3項では、「登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない」と規定されており、「目的」や「商号」、「資本金の額」などと併せて、「代表取締役の氏名及び住所」が登記事項として挙げられています。

ここで言う「住所」とは、代表取締役となる方が居住している場所の住所で、基本的に住民票のある住所を指します。しかし、先にも述べたように、氏名と住所の両方を登記簿に載せることに不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。

登記簿謄本は、法務局で数百円の手数料を払いさえすれば誰でも閲覧することができ、特に資格なども必要ありません。プライバシーを守りたいという思いから、わざわざ賃貸物件を借りて住民票を移し、その物件の住所で登記を行う、という方法をとる経営者もいますが、手間も費用も余計にかかってしまいます。

なぜ代表取締役の住所を記載するのか?

個人情報の取り扱い方法が重要視される昨今の社会情勢下で、なぜ代表者の氏名や住所を登記簿に記載する決まりになっているのでしょうか?主な理由として、

・代表者を特定するための情報として重要である
・会社に対して訴訟を起こす際、その法人に営業所がない場合、代表者の住所を元に裁判管轄の決定・送達を行なう

などといった点が挙げられます。

そもそも商業登記制度とは、「商号・会社等に係る信用の維持を図り、かつ取引の安全と円滑に資することを目的とする」とされています(商業登記法第1条)。つまり、会社に関する事項のうち、重要な情報を登記簿に記載した上で広く公示し、取引の相手を保護するとともに、迅速に取引が行われるようにするという目的があります。さらには、法律関係の形成を適法に行ない、後に混乱が生じるのを防ぐという目的もあります。

そのため、例えば会社名や役員に変更があった場合などは、「2週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない」(会社法第915条第1項)と定められており、仮にこれを怠った場合、100万円以下の過料が科される可能性もあるのです。(土地の)所有権移転登記が法律で義務付けられておらず、過料も存在しないことを考えれば、その重要性がわかります。

詳細な住所を省略して登記できる場合とは?

それではここから、代表取締役の住所をなるべく省略した形で登記できる場合について見ていきます。

冒頭でも少し申し上げた通り、詳細な住所を省略して記載できる可能性があるのは、「マンションに居住」の代表取締役の方です。残念ながら、戸建てにお住いの方は難しい場合がほとんどです。

郵便物を送ったり、インターネットで商品を購入したりする際、普段私たちが何気なく書いている自宅の住所。住民票や印鑑証明書に記載されている、“正確な”住所をご存じでしょうか?

あなたが仮に、〇〇県△△市□□町1-2-3にあるABCマンション456号室に住んでいるとした場合、住民票や印鑑証明書に記載されている住所は、以下のようなパターンが挙げられます。

①〇〇県△△市□□町1丁目2番3号 GVAマンション456
②〇〇県△△市□□町1丁目2番3-456号 GVAマンション
③〇〇県△△市□□町1丁目2番3号
④〇〇県△△市□□町1丁目2番3-456号

実は代表取締役の住所として、登記簿に記載せねばならないと法律で定められているのは「号」(住居番号)までの部分。つまり、①や③の場合、マンション名や部屋番号(方書;かたがき、と言います)を登記簿に載せる必要が必ずしもあるわけではなく、省略することも可能なのです。②の場合は、部屋番号を省略することはできませんが、マンション名の記載は省略することができます。

上記①~④のような住所の表記方法(これ以外の表記方法も多数存在します)は、自治体や地域によって異なり、場合によっては同じマンション内でも異なっている場合があります。

さらに、その地域が「住居表示実施地域」なのか「住居表示未実施地域」なのかによっても異なってくるため、「この市町村はこの方式で記載されています」と一概に言うこともできません。

会社設立をお考えの方で、住所表記がどうなのか気になる方は、住民票をとったり、居住の自治体に問い合わせるなどして確認してみるのも一つの手です。

さらに、自治体によっては住民票や印鑑登録証明書の住所表記から、方書を省略するよう申請を行うことができるところもあります。こちらについても、詳しくは自治体に問い合わせたり、ホームページを確認したりして調べてみるのも良いでしょう。

詳細な住所を記載しないことで想定されるデメリット

これまで述べてきたように、代表取締役の住所を登記簿に詳細に記載せずに済む場合、プライバシーの保護を図ることは可能です。その一方で、詳細な住所を記載しないことで、何らかのデメリットが生じることはあるのでしょうか?

想定されるデメリットとして、郵便物がきちんと届くかどうかわからない、という点が挙げられるでしょう。

特に会社の本店住所と代表取締役の居住住所が同一の場合、両方の住所を登記簿に詳細に記載しなければ、郵便物が届かない可能性もあることは考慮せねばなりません。

会社設立前後に届く郵送物は重要な内容のものも少なくなく、公的機関や金融機関が、登記簿に記載されている情報をもとに郵便物を送付することもあります。建物によってはエントランス付近に全居住者のポストが設置されていたり、氏名の掲示がなかったりすると、郵便物がきちんと届かないというケースも十分に想定されます。

まずは自宅の“正確な”住所表記を知ることから

これまでご紹介してきたように、会社を設立する市町村によっては、「自宅の住所を知られないよう」、マンション名や部屋番号を記載せずに商業登記を行うことは可能です。しかし、住所表記の方法は、居住している市町村や地域によって千差万別です。まずは自宅の“正確な”住所を調べるところから始めるのをおすすめします。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)

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