代表取締役の住所変更登記申請の方法と引越し前後に必要な手続き

代表取締役の住所変更
投稿日:2024.10.23
代表取締役の住所変更登記申請をする方法と引越し前後に必要な手続き

この記事では代表取締役(法人の代表者)の住所変更登記を法務局へ申請する方法と引越し前後に必要となる手続きを紹介しています。引越し前後はバタバタしますので、役所への手続き等忘れがちになることがあります。後から焦ることのないように、この記事を参考に自分に必要な申請をリストアップして頂ければと思います。

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目次

代表取締役(法人の代表者)の住所変更は登記簿謄本(履歴事項全部証明書など)に記載される

代表取締役の住所は登記事項となっており、履歴事項全部証明書などの登記簿謄本(登記事項証明書)に記載されます。そのため、代表取締役の引っ越しなどによる住所変更後は住所変更登記の申請を経て、履歴事項全部証明書内に記載される住所の変更が反映されます。

他にも様々な手続きが必要ですが、変更登記は2週間の期限もあり、一番大事な手続きといえます。書類作成を含めると1日で終わらない可能性もありますので、引越しをした際には、「まずは変更登記申請をする」と覚えておきましょう。

代表者の住所変更前に必要な手続き

変更登記申請が特に大事だとお話しましたが、それよりも先に済ませておかなければいけないのが引越し前の手続きです。公的機関への手続きは引越し後に行いますので、引越し前に必要な手続きはサービスの契約解除などが主となります。ここに記載するものは代表的なものですので、それ以外でサービスの解約等必要な手続きがあるかご確認下さい。

<引越し前の手続き>

  • 現在住んでいる住居の解約
  • 電話回線の移転・解約
  • インターネット回線の移転・解約
  • インターネットプロバイダの移転・解約
  • セキュリティーサービスの移転・解約
  • 電気・ガス・水道の解約
  • 新聞の契約解除
  • 郵便局への転送届

現在住んでいる住居の解約

これは当たり前のことですが、現在住んでいる住居の解約手続きが必要です。契約期間満了による退去の場合は問題ありませんが、契約期間中の解約は違約金が発生する可能性がありますので注意が必要です。途中解約による違約金の発生は契約内容によって異なりますので、賃貸契約書を確認し不動産会社に相談しましょう。急な引越しを要する場合は仕方ありませんが、できれば契約満了のタイミングに合わせた引越しがベストです。

電話回線の移転又は解約

現在は少なくなってきましたが、自宅に電話回線を引いている場合は移転又は解約手続きが必要です。引越しを機に解約する方が多いですが、引越し先でも自宅に電話回線を引く場合は移転手続きが必要になります。引越しの2週間前までに連絡をするとスムーズに手続きができるようです。移転や解約の他に利用休止や一時中断なども可能ですので、詳しくはNTTホームページでご確認下さい。

NTT東日本ホームページはこちら

NTT西日本ホームページはこちら

インターネット回線の移転・解約

インターネット回線は電話回線とは逆にどの家でも引いていることが多いと思います。こちらも引越しに伴う移転または解約が必要です。移転を希望する場合は移転先で同じサービスを利用できるかを事前にご確認下さい。

主なインターネット回線サービス

  • NURO光
  • auひかり
  • ドコモ光
  • ソフトバンク光
  • So-net光プラス


インターネットプロバイダの移転・解約

こちらも移転または解約の手続きが必要となります。移転を希望する場合は移転先で同じサービスを利用できるかを事前にご確認下さい。プロバイダはインターネット回線と紐づいていることがほとんどですので、移転・解約の際には合わせてご確認下さい。引越しを機に新しいプロバイダに乗り換えるのも一つの手です。

セキュリティサービスの移転・解約

現在の住居でセキュリティーサービスを契約している場合は移転または解約が必要です。引越し先でも同じセキュリティサービスを利用する場合は事前にサービス業者へお問い合わせ下さい。

電気・ガス・水道の解約

電気・ガス・水道は旧住居での解約と新住居での契約が必要です。引越しが決まったら2週間前までに連絡することでスムーズに手続きができるようです。年末年始や引越しシーズンなどは混み合いますので、余裕をもって手続きをしましょう。新住居への引越し後すぐ電気・ガス・水道を利用したい場合は新住居分の契約も事前に済ませましょう。

新聞の解約

こちらも電話回線同様少なくなってきていますが、家で新聞を契約している際には解約手続きが必要です。私は以前引越しを機に新聞を解約しましたが、特に不便を感じたことはありませんでした。今は最新のニュースやテレビ番組などの情報はインターネットで簡単に入手できますので、費用削減を考えた場合は解約するのも一つの手です。

郵便局への転送届

意外と便利なのが郵便局の転送サービスです。転送サービスを申し込んでおけば、引越し後に旧住所に届いた郵便物を新住所に届けてくれます。引越しをした場合、どうしても細かい部分で住所変更届を出し忘れることがありますので、転送届は必ず申し込んでおくことをお勧めします。

引越し後に法務局へ代表取締役の住所変更登記を申請する

引越しが済んだら一段落したいところですが、代表取締役の住所変更は早急に済ませる必要があります。何故かと言いますと、変更登記には移転日から2週間以内という期限が設けられているからです。この期限を守らないと「登記懈怠」となり、代表者個人が100万円以下の過料の制裁を受けてしまう可能性がありますのでご注意下さい。
登記懈怠について詳しくはこちら

また、引越し後には公的機関への手続きが必要となり、その際の提出書類として登記簿棒本(履歴事項全部証明書)の提出が必要となります。最新の登記簿謄本が必要となりますので、まずは変更登記申請を先に行いましょう。


代表取締役の住所変更登記を法務局へ申請する方法

変更登記を法務局へ申請する方法は、主に「司法書士に依頼する」「自分で申請する」「オンラインサービスを利用する」の3つになります。

司法書士に依頼する

変更登記申請の一般的な方法として司法書士への依頼があり、面倒な書類作成から登記申請まで全て任せることができるメリットがあります。ただし、ある程度の時間と費用が掛かりますので、登記期限までに時間が無い、専門家報酬(手数料)を支払う余裕がない、などの場合はお勧めしません。代表取締役の住所変更登記の必要書類は「変更登記申請書」だけですので、書類に必要事項を正確に記載できるのであれば司法書士に依頼するまでもないでしょう。

自分で申請する

その名の通り自分で申請する方法です。代表取締役の住所変更登記は他の変更登記に比べ必要書類が少なく、「変更登記申請書」だけ準備すれば申請することができます。ただし、記載事項に間違いがある場合は申請が通りませんので、引越し後の住民票を手元に準備するなど、正確な移転日や新住所を確認しながら書類を作成する必要があります。

オンラインサービスを利用する

司法書士に依頼する時間や予算はないけど、自分で書類を作成する自信もない…という方にはオンラインサービスを利用する方法があります。登記=机上での書類作成というイメージがありますが、現在はオンラインで書類を作成することが可能です。

住所変更の登記申請が終わったら他の公的機関への手続きも忘れずに

代表取締役が引越した場合は、変更登記申請後の他にも公的機関への手続きが必要になります。こちらは明確な期限はありませんが、必ず必要な手続きですので速やかに済ませましょう。最新の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)をお手元に準備してから下記の手続きを行って下さい。

<引越し後の手続き>

公的機関への手続き

  • 税務署へ異動届出書(法人)の提出
  • 都道府県税事務所へ異動届出書(法人)の提出
  • 市区町村へ異動届出書(法人)の提出
  • 年金事務所へ変更届の提出


その他の手続き

  • 金融機関(法人・個人口座)への住所変更届け
  • 保険関連などへの住所変更届け
  • その他法人・個人としての契約の確認
  • 新住居での諸手続きの確認


税務署へ異動届出書(法人)の提出

変更登記の完了後、次は税務署への届出を行いましょう。手続きの際には登記変更後の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を準備して下さい。

提出書類

  • 異動届出書
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)※コピー可


都道府県税事務所へ異動届出書(法人)の提出

こちらも税務署と同様に異動届出書・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出が必要です。

提出書類

  • 異動届出書
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)※コピー可


市区町村へ異動届出書(法人)の提出

こちらは本店住所が東京23区外のみの場合に必要な手続きです。異動届出書・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)をご提出下さい。

提出書類

  • 異動届出書
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)※コピー可


年金事務所へ変更届の提出

社会保険・厚生年金に加入している場合は、年金事務所への変更届が必要です。引越しに伴い事業所情報が変更になりますので、会社としての変更届と個人として保険証の差し替え手続きが必要となりますのでご注意下さい。

提出書類

  • 健康保険・厚生年金保険事業所関係変更(訂正)届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者住所変更届
  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)※コピー可


金融機関(法人・個人口座)への住所変更届出

会社として開設している口座の住所変更届出と個人口座の住所変更届出の手続きが必要です。提出書類は金融機関によって異なりますので、各金融機関へお問い合わせ下さい。

保険関連などへの住所変更届け

こちらも金融機関同様に会社として契約している保険、個人で契約している保険への住所変更届が必要です。提出書類は保険会社によって異なりますので、各保険会社へお問い合わせください。

その他法人・個人としての契約の確認

法人で契約しているサービスを確認し、代表取締役の住所を届け出ている場合は変更の手続きが必要です。小さなものまでを含めると大変ですが、必ず確認しておきましょう。また、個人として契約しているサービスに対しても同様の確認をしましょう。

新住居での諸手続きの確認

引越しが済みましたら、新住居での電話・インターネット回線、電気、ガス、水道やその他必要な契約の手続きを確認しましょう。引越しをしてから契約をするのでは遅いので、引越し前に手続きを済ませておきましょう。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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