商号変更(社名変更)の準備と変更時の注意点

商号変更
投稿日:2024.08.27
商号変更

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はじめに

この記事では、商号変更(社名変更)の準備と変更時の注意点について記載しています。説明するまでもなく、会社にとって社名はとても重要です。

見ただけで事業内容の想像がつくような社名や覚えやすい社名、一見事業内容が思い浮かばない社名や覚えやすい社名。世の中には色々な社名が存在します。

社名は会社を運営していく上で、未来を左右する大事なものですので、商号変更(社名変更)の際には十分に検討して下さい。この記事が商号変更の検討にお役に立てれば幸いです。

あなたが検討している商号変更は本当に必要ですか?

この記事をお読みになっている方の中には、自社の商号変更(社名変更)を検討されている方がいると思います。

会社の名前を変えようとしている訳ですから、様々な理由があることでしょう。
既に商号変更が決定している方も、検討段階の方も、今一度慎重に考えてみて下さい。
商号変更は本当に必要ですか?

社名は会社の未来を左右する重要な財産

社名は会社にとって重要で、会社の未来を左右する大切な財産となります。
創業時に悩みに悩んで社名を付け、これから変更しようと検討している方もいると思いますが、「商号変更(社名変更)は会社の業績に大きく関わる可能性がある」ということを念頭に入れておいて下さい。
安易な商号変更は会社を傾けてしまう可能性すら有ります。


商号変更(社名変更)を決意したら

商号変更(社名変更)に対するメリット・デメリットを熟考した結果、「商号変更(社名変更)がもたらす効果が大きい」と判断した場合は、会社の業績アップの為に商号変更を前向きに検討しましょう。
社名の変更が大きな成長に寄与したという会社は多く存在します。
あなたの会社の未来の為に商号変更(社名変更)を決断しましょう。

商号変更(社名変更)時に守らなければいけないルールとは?

商号変更(社名変更)の際には守らなければいけないルールが定められています。必ず守らなければいけないので、新たな社名を考える前に必ずご確認下さい。

・商号単一の原則

一人で複数の会社を経営し複数の商号を保有することは可能ですが、一つの会社では複数の商号を持つことはできません。分かりやすく言うと、「会社名は1つしか付けれない」と言うことです。

・会社の名称等に関する規制

会社は会社の種類に従って「株式会社」や「合同会社」などの文字を用いなければなりません(会社法6条2項)。
また、他の種類の会社と勘違いされる文字を用いることはできません(会社法6条3項)。

・他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止

不正目的で他の商人や他の会社であると勘違いされる可能性のある商号(社名)を付けることはできません(商法12条1項・会社法8条)。
また、「銀行」でないのに「〇〇銀行」のような名前を付けることができなかったり、業種によってはその業種を表す特定の名称を商号に使用することが義務付けられたりと、法令による制限もあります。

・商号に利用する文字の制約

現在では、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,)と限定された一部の記号(「・」「&」「 ’ 」「,」「-」「 .」)の使用が許されています。

余談ですが、以前はアルファベットの利用が認められておらず、「カタカナ」で登記していた会社が、2002年11月からアルファベットの使用が認められたことにより、以下のように登記上の商号を変更した例もあります。

変更後:TDK株式会社 → 変更前:ティーディーケイ株式会社
変更後:KDDI株式会社 → 変更前:ケイディーディーアイ株式会社
変更後:株式会社WOWOW → 変更前:株式会社ワウワウ

・有名企業の商号を利用しない

誰もが知っている有名企業の商号と同一、もしくは類似する商号を利用し、有名企業の商品やサービスなどと混同を生じさせようとする行為は、不正競争防止法上の「不正競争」となります(不正競争防止法第2条)。場合によっては損害賠償や差止請求がされる可能性もありますので十分にご注意下さい。

・「同一の所在場所」における「同一の商号」の利用禁止

利用しようと思っている商号がすでに同一の所在場所で使用されている場合、その名称を使用することはできません。以前は同一市町村内で同一商号の制限がありましたが、現在は本店所在場所が一致しない限り登記することは可能です。もっとも、混同を避けたいなどあれば、同一の市区町村内で既に使われている商号でないか確認した方がいいでしょう。

このように色々なルールを考慮し、商号を考える必要があります。時間を掛けて考えた名前が使用できなかったということが無いように、事前にルールを把握しておきましょう。

ルールを把握したら社名を考えましょう!

ルールを把握したら早速社名を考えたいところですが、何のために商号変更(社名変更)が必要なのかをもう一度振り返って考えてみましょう。せっかく商号(社名)をしても会社にとって効果がなければ意味がありません。今の会社の問題点をまとめ、商号(社名)を変更することによりどのように改善されるかを考えた上で新しい社名を考えましょう。


商号(社名)を考える際のコツとは?

先程もお話しましたが、会社にとって意味のある商号変更(社名変更)を検討しましょう。分かりやすく言えば「社名を変更したことによりどれだけ業績がアップするか」が大事になります。以下の点を注意しましょう。

  • 事業内容と合わない社名にしない
  • 覚えづらい社名にしない
  • 自社ブランド名やサービス名が有名になったら社名をブランド名と同一にする
  • イメージアップの為にカタカナやアルファベットを使用する
  • 海外進出を考慮し、覚えやすいアルファベットを使用する


商号変更時のコツとポイントは以下の記事でも紹介していますので参考にして下さい。

参考記事:商号変更(社名変更)のリスクとは?商号変更時のコツとポイントを紹介

株主総会を開き定款の変更と議事録を作成する

新たな社名が決まったら、まずは株主総会を開き定款の変更を行います。
定款の変更は特別決議事項となり、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した株主の議決権数の3分の2以上に賛成が必要となります。商号変更が決議され定款の変更が決まったら定款を変更し、株主総会議事録を作成します。株主総会議事録は商号変更登記の際に必要となりますので必ず準備して下さい。

商号変更の際には変更登記申請が必要です

新たな社名が決まり、定款を変更が完了しても、それで終わりではありません。商号は登記事項となっているので、商号を変更した際には変更登記の申請が必要になります。商号変更時の変更登記の申請には「商号変更の効力が発生する日から2週間以内」という期限が設けられています(会社法第915条第1項)。期限を過ぎてからも変更登記の申請は可能ですが「登記懈怠」となり過料の制裁を受ける可能性がありますのでご注意下さい(会社法第976条1号)。


面倒な変更登記申請を全て任せたい場合は司法書士へ依頼しましょう

今まで会社の登記申請や変更登記なんてしたことがなくて大変そう…。と思っている方も多いでしょう。
実際に知識ゼロから自分で申請するのは大変なので、面倒な変更登記の申請を全て任せたい場合は司法書士へ依頼しましょう。

司法書士は「登記のプロ」ですので、依頼してしまえば、自分で色々調べて変更登記申請をする必要がありません。ただし、便利な反面以下の点に注意が必要です。

  • 専門家報酬が掛かる(数万円程度が一般的)
  • 場合により申請までに時間が掛かる
  • 場合により数回の打ち合わせが必要


費用も時間も特に制限のない場合は司法書士へ依頼すれば安心です。ただし、登記懈怠にならないよう2週間以内で申請できるかの確認が必要です。

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会社名を変更した際に必要になる商号変更登記では、自分で手続きするにも、

「どの書類を用意したらいいのかわからない」
「書類にどの印鑑を押印をしたら良いのかわからなかない」

など登記手続きに関する知識がないと調べるだけでも何時間もかかってしまうものです。

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ステップに沿って入力するだけで株式・合同会社の商号変更登記に必要な書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。

商号変更登記についての詳細はこちら



GVA 法人登記で作成できる株式・合同会社の商号変更登記の書類

※申請状況により、一部作成されない書類がございます。
〈株式会社〉

  • 登記申請書
  • 株主総会議事録
  • 株主リスト
  • 印鑑届書


〈合同会社〉

  • 登記申請書
  • 総社員の同意書
  • 印鑑届書


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変更登記以外にも必要な手続きがあります

商号を変更することにより付随する変更手続きは多岐にわたります。今回の記事はここまでとし、他の必要な手続きはまた別の記事で書きたいと思います。

先程お話したように変更登記の申請には期限があり、守らないと罰則を受けてしまう可能性があります。また、他の手続きの際に「登記簿謄本(原本又はコピー)」が必要になることがありますので、まずは変更登記の申請をお早めにお済ませ下さい。

まとめ

今回は商号変更(社名変更)の必要性、商号変更の際のルール、商号変更の為の手続きについて書かせて頂きました。あなたの社名変更の決断があなたの会社にとって良い方向へいくことを祈っております。最後までお読みいただきありがとうございました。

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

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