商号変更をする理由とは?5タイプの社名変更の事例から目的を紹介

商号変更
商号変更

「商号変更」、一般的には「社名変更」という言葉のほうがしっくりくるかもしれません。

社名変更するときは、ただ名乗ったり名刺を変更すればいいのではなく、「商号変更登記」を法務局に申請する必要があります。実は「社名変更」でも「会社名変更」でも「企業名変更」でもなく「商号変更」が正式名称だったんですね。

この商号変更、企業の一生の中でも1回やるかやらないかくらいの頻度で、1回も変更しないという会社もたくさんあります。逆に、複数回やる会社も中にはあったりします。

本店移転や役員変更といった会社の変更登記に比較すると、会社の業績や体制の変化との関係が薄いので、義務としてやるというよりは、やりたくなったときにやる、という性格が強い登記ともいえます。反面、会社の規模が大きくなりM&Aなどの機会が増えると必要に応じて商号変更の機会が増える場合があるのも特徴です。

商号変更自体はニュースにもなりやすいので、意外によくある印象を持たれるかもしれませんがニュースになるのはその一部で、実はその理由にはいくつかの種類があります。本記事ではそんな商号変更の理由について5つに分けて紹介します。

01.
商号変更の5つの理由

①社名を、サービス名や知名度の高いブランド名に統一する

設立当初は、現在は提供していないサービスを社名にしていたり、とりあえず会社設立登記のためにつけた社名で設立されることは意外と多いです。社名が変更できることはたいていの人は知っているので、何かあればあとで変えればいいや、という人もいるかもしれません。

そこから意図せずに新しいサービスやブランド名が成長したり知名度を獲得した場合など、せっかくなら社名もそれに合わせることでPRや採用面に活かそうという趣旨で統一されるというケースです。

成長中の企業において行われたり、BtoC事業ですでに愛称としてブランド名が浸透しているなど、比較的ポジティブな理由で行われることが多いのが特徴です。

このタイプの商号変更事例

松下電器産業株式会社→パナソニック株式会社

株式会社スタートトゥデイ→株式会社ZOZO

健康コーポレーション株式会社→RIZAPグループ株式会社

株式会社バルス→株式会社Francfranc

株式会社KUFU→株式会社SmartHR

NHN Japan株式会社→LINE株式会社

②会社合併や分社化による商号変更

複数の会社が合併したり、一つの会社の一部事業を切り出して分社化するケースです。

会社の数が変わるタイミングなので、社名変更というより新しい会社ができたというようなイメージもあるかもしれません。わかりやすいのがメガバンクなど金融機関の合併で、合併前の社名をそのままつなげたような、ある意味わかりやすい社名になることも多いのが特徴です。

このタイプの商号変更事例

東京三菱銀行+UFJ銀行→三菱UFJ銀行

株式会社三越+株式会社伊勢丹→株式会社三越伊勢丹ホールディングス

マルハ株式会社+株式会社ニチロ→マルハニチロ株式会社

ヤフー株式会社→Zホールディングス株式会社

株式会社ナムコ+株式会社バンダイ(のゲーム部門)→株式会社バンダイナムコエンターテインメント

③事業内容の変化に伴う商号変更

設立時にメインだった事業ドメインが、時代の変化を経て変わってきていたり、多角化が進んで様変わりしているケースです。

比較的社歴が長い企業に多いタイプの商号変更といえます。かつては「〇〇工業」「〇〇商事」「〇〇産業」といった企業名は多かったですが、最近はブランド名だけを冠する社名も増えており、ひとことでいうと「今風の社名に変更する」印象を持たれるケースが多いですね。

珍しいケースでは、事例にある富士フイルムのように商材に対するニーズや競争環境が変わったことをきっかけにした変更もあります。

このタイプの商号変更事例

富士写真フイルム株式会社→富士フイルムホールディングス株式会社

サミー工業株式会社→サミー株式会社→セガサミーホールディングス株式会社

コナミ工業株式会社→株式会社コナミデジタルエンタテインメント

④新しいブランド確立に伴う商号変更

これは「ザ・社名変更」ともいうべきパターンで、社長がずっと温めていたり、ブランド変更プロジェクトの結果、新しい社名がつけられるようなケースです。このケースでは社名変更に合わせて大掛かりなプロモーションを行うことが多いのも特徴です。

会社の新しいビジョンやミッションを体現する社名も多く、かけられるリソースが大きい反面、変更後はゼロから知名度を獲得しなくてはならないというデメリットもあります。

このタイプの商号変更事例

テンプホールディングス株式会社→パーソルホールディングス株式会社

株式会社ガリバーインターナショナル→株式会社IDOM

株式会社福武書店→株式会社ベネッセホールディングス

株式会社HDE→HENNGE株式会社

⑤長い社名の省略や読みやすさの向上

こちらは数としては少なめですが、やはり社歴が長い企業や、BtoB中心でやってきた企業が認知度アップや採用目的、グローバル展開の強化やメインとなるマーケットの変更を機会として行うことが多いです。漢字だけの表記をカタカナやアルファベットにしたり略称にするといった方法があります。

このタイプの商号変更事例

日本電装株式会社→株式会社デンソー

東京電気化学工業株式会社→TDK株式会社

京都セラミック株式会社→京セラ株式会社

以上、商号変更の代表的な理由5つと事例をピックアップしました。

実は上記以外にも理由はあり、珍しいケースでは、買収した会社のほうが知名度が高いのでそれをそのまま利用して社名変更こともありました。(オン・ザ・エッヂ株式会社→株式会社ライブドア、の例)一言で「社名変更」といってもその理由や背景を知ると様々な意図が見えてくるので興味深いですね。

もし自社で社名変更を検討するときは、思い入れや呼びやすさや文字数などはもちろんですが、上記に挙げたような様々な観点でも効果があるのか、意図しない結果となってしまわないかなど十分に確認することをおすすめします。

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