一般社団法人の役員報酬(理事・監事)の相場とは? 決め方や注意点を解説

一般社団法人
投稿日:2025.02.25
一般社団法人の役員報酬(理事・監事)の相場とは? 決め方や注意点を解説

一般社団法人は、同じ非営利法人でもNPO法人と比べて設立手続きが簡単で事業活動の自由度が高いなどのメリットが多いため、近年の新設法人の中で「株式会社」「合同会社」に次いで3番目に多い法人格(※)となっています。そこで、一般社団法人の役員報酬の相場や決め方、役員報酬が発生するケースとしないケース、非営利型と営利型の違い、税務面や関係法令における注意点などを分かりやすく解説します。
※東京商工リサーチ調査 2019年「一般社団法人」の新設法人調査

自分で変更登記をするなら司法書士監修のGVA 法人登記が便利です

必要情報をフォームに入力するだけでかんたん書類作成
費用と時間を抑えて変更登記申請したい方におススメです

【各リンクからお進みください】
①会員登録前に利用方法を確認できる無料体験実施中
②GVA 法人登記の料金案内(専門家に依頼する場合と比較できます)
③オンラインサービスを利用して登記手続きを検討されている方はこちら

一般社団法人の役員とは?

一般社団法人にも株式会社における取締役や監査役に相当する「理事」「監事」というポジションがありますが、これらを総称して「役員」と呼びます。本項では、役員それぞれの代表権や役割について説明します。
 

一般社団法人の役員とは誰を指すのか

法律で一般社団法人には理事を1名以上置くことが定められています。理事の仕事は、株式会社における取締役のように一般社団法人の運営に関する業務の執行です。理事が2名以上の場合には、定款で特に定めがなければ理事の過半数で業務執行を決定します。また、3名以上の理事がいれば理事会を設置することも可能です。
 
理事が1名の場合はその理事が一般社団法人を代表し、2名以上いる場合には原則としてそれぞれの理事が一般社団法人を代表します。また、理事の互選などで代表理事を選出した場合には、その代表理事のみが業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を持ちます。
 
一般社団法人の監事は理事と異なり設置義務はありませんが、理事会及び会計監査人を設置する場合には必ず監事を置かなければなりません。監事の仕事は、理事の職務執行をチェックし法令で定める監査報告書を作成します。また、理事が不正行為や定款に違反する行為をする、あるいは、同行為をするおそれがあると認めたときには理事会に報告しなければなりません。

一般社団法人の役員報酬の相場

一般社団法人の場合、役員報酬を算定する規定や調査データがないため役員報酬の相場を明示することはできません。しかし、一般企業の役員報酬や業務負担などに対し過度に高額と判断されると損金算入や税務上の優遇措置を受けられなくなる場合があるので、役員報酬を決定する際の目安は必要です。
 

役員報酬が発生するケースとしないケース

一般社団法人には、被災者支援や障害者支援などのボランティア的要素の強い事業を行う法人や1〜2名の理事のみからなる小規模法人もあります。このような一般社団法人の中には、十分な事業収益を見込めず役員を無報酬としているケースも少なくありません。逆に、一般の株式会社と変わらない規模で役員の業務負担が大きく、事業収益のある一般社団法人の場合には、相応の役員報酬を支払うケースもあります。
 

役員報酬の相場

前述したように、一般社団法人の役員報酬の相場は明示できませんが、一般企業の規模や役職に応じた役員報酬を目安に、財源、業務負担の大きさ、出勤頻度などの要素を考慮し決定することは可能です。そこで、企業の規模別、役職別の平均年間報酬をまとめた人事院が作成した調査データを紹介します。

2023年度 企業規模別、役名別平均年間報酬(抜粋)

企業規模

500〜1,000人未満

1,000〜3,000人未満

3,000人以上

社長

4,225万円

5,275万円

8,602万円

専務

2,543万円

3,343万円

4,545万円

取締役

1,836万円

2,100万円

2,990万円

監査役

1,326万円

1,657万円

2,692万円

出典:人事院 令和5年民間企業における役員報酬(給与)調査

役員報酬の決め方とルールを解説

一般社団法人の役員報酬を決定する場合、法令で定められた決定手続に従うことは当然ですが、報酬額を決定する際にはさまざまな要素を総合的に判断し決定する必要があるため、手続き面と適正額の判断基準について解説します。
 

役員報酬の決定方法

一般社団法人の役員報酬を決定するには次の2つの手続きがあります。

1. 定款で報酬額を定める

2. 社員※総会で報酬額を決定する

※一般社団法人における「社員」は従業員ではなく株式会社の「株主」のようなポジションで、最重要機関である社員総会に参加し運営に関する事項について議決権を行使します。但し、事業で得た利益を社員に分配することはありません。
 
理事の報酬と監事の報酬は別々に決定しなければなりませんが、どちらも個別の報酬額ではなく全員の報酬総額のみを決定し、個別の報酬額は理事会や監事の協議などで別途決定する方法が広く採用されています。
 

適正な役員報酬とは?

一般社団法人の役員報酬は法人ごとにことなりますが、適正な役員報酬を判断する要素として、次の4つがあげられます。

① 法人の収益状況
一般社団法人の収入源は、事業収益、寄付、会費、講演会収入など多様です。収益が多ければ②〜④の要素によって役員報酬を判断できますが、収益が少ない場合には無報酬も選択肢になります。

② 役員の責務や業務負担
役員の責務や業務負担は法人の規模や事業内容などによって異なるため、役員の責務や業務負担の大きさに応じた役員報酬が求められます。

③ 目安となる他企業の役員報酬
役員報酬の相場の項で紹介した調査データなどを参考に、法人の規模や役職に応じた役員報酬を目安とします。

④ 役員の勤務形態
常勤役員の場合には①〜③の要素をもとに報酬を判断すれば良いですが、理事会のときだけ出勤するような非常勤役員の場合には、出勤日数に応じた報酬とすることも可能です。 

役員報酬に関する税務・法的注意点

一般社団法人は「非営利型法人」または「非営利型法人以外の法人」に区分されます。非営利型法人には税法上の優遇措置がありますが、役員報酬の金額によっては非営利型法人に該当しなくなる場合があります。また、要件を満たせば役員報酬を損金算入し法人税を軽減することも可能になるため、報酬額だけではなく支払方法にも注意が必要です。
 

役員報酬の税務上の扱い

法人税法では、役員報酬の支払方法について次のいずれかに該当すれば、役員報酬を損金算入し課税所得から差し引けるため法人税の節約が可能になります。

l 定期同額給与
役員に対し1ヶ月以下の一定期間で報酬を支払い、事業年度内の報酬が毎回同じ金額である給与

l 事前確定届出給与
役員に対し所定の時期に確定額を支給する旨を定め、事前に税務署に届け出た給与

l 業績連動給与
役員に対し一定の要件のもとで業績に連動して支払う給与
 
但し、上記のいずれかに該当しても、役員報酬が不当に高額であると判断された場合には損金算入が認められない可能性があるので注意が必要です。
 

非営利型法人における役員報酬の税務リスク

一般社団法人の中で、非営利性が徹底された法人、または共益的活動を目的とする法人は「非営利型法人」として収益事業以外の事業から生じた所得は法人税の課税対象外となります。しかし、役員報酬が高額すぎると損益算入が認められないだけではなく、将来に渡り非営利型法人から除外され、その結果全ての所得が課税対象となるリスクがあります。

一般社団法人の役員報酬は法人運営に大きな影響を与える

一般社団法人の役員報酬の決め方を整理すると、非営利型法人に該当するかどうか、目安となる一般企業の役員報酬に対し著しく高額でないか、法人の収益状況や役員の責務・業務負担・勤務形態に応じた報酬となっているか、支払方法は損金算入の条件を満たしているかなどを総合的に検討する必要があります。また、役員報酬の相場としては、一般に非営利型法人はその目的などから非営利型法人以外の法人よりも役員報酬が低くなる傾向があります。
 
一般社団法人の役員報酬は法人運営に大きな影響を与えるため、本記事で解説した適正額の判断基準や税務・法務リスクを十分理解したうえで決定することが非常に重要です。
 

【最短7分5000円~】法人の変更登記の必要書類をカンタン作成できます

法人の変更登記は、手続きごとに必要書類が異なるため、どの申請に何の書類が必要なのかを探すだけでも多くの時間が取られてしまいます。GVA 法人登記なら、変更情報を入力するだけで最短7分・5000円から、オンラインで変更登記に必要な書類の作成ができます。

GVA 法人登記は、株式、合同、有限会社の役員変更や本店移転登記など、10種類以上の変更登記に対応しており、複数の書類作成も可能です。



GVA 法人登記が対応している登記種類

・本店移転(管轄内移転・管轄外移転)
・役員変更(新任、辞任、重任、退任)
・役員の住所変更
・募集株式の発行
・商号変更
・目的変更
・株式分割
・剰余金等の資本組入れ
・ストックオプション

各登記種類の料金は、以下で説明しています。

\ 最短7分5000円~必要書類を作成 /





ステップに沿って入力するだけで必要書類の作成ができます

登記書類を作成する為には、現在の登記情報を確認し正確に入力する必要があります。

本来であれば、法務局にて有料で書類を取得し確認する必要がありますが、GVA 法人登記の、「登記情報自動反映サービス」をご利用いただきますと、システム内で現在の登記情報を無料で取得し、会社基本情報が書類作成画面に自動反映されます。登記知識のない方でもステップに沿って変更情報を入力するだけで簡単に登記書類の作成ができます。



GVA 法人登記で作成できる変更登記書類(例)

・登記申請書
・株主総会議事録
・株主リスト
・印鑑届出書
・就任承諾書(役員就任・重任)
・辞任届(役員辞任)
・準備金・剰余金の額に関する証明書(剰余金の資本組み入れ)
・総社員の同意書(合同会社)
・業務執行社員の同意書(合同会社)

さらにGVA 法人登記で登記書類を作成していただいた方全員に「登記申請手続きマニュアル」をお渡ししております。作成した登記書類の製版方法や、押印する場所についてすべてまとめておりますので、流れの通りに進めるだけで手続きを終えることができます。

オプションのかんたん郵送パックを利用すれば、書類作成後、押印し郵送するだけで登記申請ができるため、法務局に行かずに登記申請が可能です。仕事が忙しく法務局に行く時間がない方や、効率的に手続きを進めたい方におすすめです。

【期間限定】1,000円OFFクーポン配布中!

クーポン利用手順

GVA 法人登記の会員登録(無料)
②購入前のクーポンコード入力画面で【 Ug3JNAS7sB 】を入力





\Webでカンタン自分で変更登記/

執筆者

執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

本Webサイト内のコンテンツはGVA 法律事務所の監修のもと、BtoBマーケティングおよび司法書士事務所勤務経験者が所属する編集部が企画・制作しています。

GVA TECH株式会社では、「GVA 法人登記」だけでなくAI契約書レビュー支援クラウド「GVA assist」などのリーガルテックサービスを提供しています。

サービス詳細を見る