一般社団法人を運営する上で、役員の変更は避けて通れない手続きの1つです。任期満了・辞任・就任・死亡など、様々な理由で役員に変更が生じた場合、法務局への変更登記が必要になります。
また、役員変更に伴い、定款の変更が必要となるケースもあり、注意が必要です。しかし、「具体的にどのような手続きが必要なのか」「定款のどこを確認すれば良いのか」「必要書類は何を準備すれば良いのか」など、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、一般社団法人の役員変更登記と定款の変更について、具体的な手続き方法や必要書類、注意点などを解説します。この記事を読むことで、役員変更に関する一連の流れをスムーズに進められることでしょう。
一般社団法人の役員変更登記と定款の変更について解説

- 定款の確認方法
- 1)定款の確認方法
- 2)定款の記載内容
- 3)電子定款の確認方法
- 一般社団法人の定款の変更方法
- ■定款の変更方法
- 1)社員からの議決を得る方法
- 2)原始定款に変更を加えることはできない
- 3)社員総会等を開催し特別決議を行う方法
- 4)一般社団法人の役員変更登記の社員総会議事録テンプレート
- 5)決議後2週間以内に役員の変更登記が必要
- 一般社団法人の役員変更登記の手続き方法
- 1)基本的な役員変更登記の手続き方法・流れ
- 2)ケースごとの必要書類(理事会設置法人の場合)
- 役員変更登記を忘れた際の100万円以下の過料に要注意!
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定款の確認方法
定款とは、法人の組織や運営に関する根本的な規則を定めたものです。一般社団法人においても、定款は法人の運営を規律する最も重要な規則であり、役員変更登記を行う際には、まず定款の内容を確認する必要があります。定款には、役員の任期や選任方法、員数などが記載されており、これらの規定に基づいて手続きを進める必要があるからです。
1)定款の確認方法
定款は、一般社団法人の設立時に作成され、通常は法人内部で保管されています。もし、手元に定款が見当たらない場合は、設立時の社員や役員に確認するか、設立手続きを依頼した専門家(司法書士や行政書士など)に問い合わせてみましょう。
2)定款の記載内容
定款の記載事項は、絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項の3つに分類されます。
①絶対的記載事項
定款に必ず記載しなければならない事項で、1つでも欠けると定款自体が無効になります。一般社団法人においては、下記が該当します。
- 目的
- 名称
- 主たる事務所の所在地
- 設立時社員の氏名または名称および住所
- 社員の資格の得喪に関する規定
- 公告方法
- 事業年度
②相対的記載事項
定款に記載しなくても定款自体の効力には影響しませんが、記載しないとその事項の効力は生じない項目です。例えば、監事の任期を短縮する規定や、理事会の設置に関する規定などが該当します。
③任意的記載事項
定款に記載しなくても定款自体の効力には影響せず、また、定款以外に規定してもその事項の効力が生じる項目です。例えば、社員総会の議長や役員の報酬に関する規定などが該当します。
3)電子定款の確認方法
近年では、電子定款を作成するケースも増えています。電子定款の場合は紙の原本がなく、定款認証後に電子データなどで交付される「同一情報」が定款の謄本(正確なコピー)に当たります。もし、電子定款の確認方法が分からない場合は、設立手続きを依頼した専門家や、電子定款を作成したサービス提供事業者に問い合わせてみましょう。
4)法務局や公証役場で定款を確認する方法
設立時に認証を受けた公証役場で定款の謄本を取得でき、法務局でも閲覧だけなら可能です。ただし、これらの機関で確認できる定款は、必ずしも最新の定款(現行定款)とは限りません。
設立後に定款の変更が行われている場合、変更前の定款である可能性があるため、注意が必要です。現行定款を確認するには、法人内部で保管されている定款を見るか、関係者に聞いてみましょう。
5)定款のサンプル(記載例)
定款の記載例は、インターネット上や書籍などで多数公開されており、これらを参考にすることで、定款の構成や記載内容のイメージを掴むことができます。ただし、サンプルはあくまで参考であり、自身の法人の状況に合わせて適切な内容に修正する必要があります。
参考:法務局「理事会及び監事を設置する一般社団法人の設立(定款の記載例)」
一般社団法人の定款の変更方法
一般社団法人の定款を変更するには、法令に定められた手続きを経る必要があります。定款は法人の根本規則であるため、その変更は社員(株式会社でいう株主)の意思決定によって行われます。
基本的には、社員総会を開催し、特別決議によって定款変更の承認を得る必要があります。ここでは、定款変更の手続きの流れと注意点、さらに役員変更登記に必要な議事録のテンプレートについても解説します。
■定款の変更方法
定款の変更は、社員総会の決議によって行います。社員総会は、原則として、すべての社員によって構成され、法人の運営に関する重要事項を決定する機関です。
1)社員からの議決を得る方法
定款の変更は、社員の決議によって行われますが、必ずしも社員総会を開催する必要はありません。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第58条1項には、「社員総会の決議の省略」という規定があり、社員全員が書面または電磁的記録によって同意の意思表示をしたときは、社員総会の決議があったものとみなされます。つまり、社員全員の同意があれば、社員総会を開催せずに定款変更を行うことができます。
(社員総会の決議の省略) 第五十八条 理事又は社員が社員総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき社員の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の社員総会の決議があったものとみなす。 |
参考:e-Gov法令検索「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」
2)原始定款に変更を加えることはできない
原始定款とは、法人設立時に作成された最初の定款のことです。原始定款は、公証人の認証を受けており、その内容を直接書き換えることはできません。法人設立時に定款を変更する場合は、原始定款に新たな条文を追加したり、既存の条文を修正したして、アップデートしていく形で変更を行います。
3)社員総会等を開催し特別決議を行う方法
定款変更を行うには、前述のとおり基本的には、社員総会の「特別決議」が必要となります。特別決議とは、議決権を行使できる社員の過半数が出席し(定款で別段の定めがある場合を除く)、出席した社員の、議決権の2/3以上の賛成で決議するものです。
4)一般社団法人の役員変更登記の社員総会議事録テンプレート
参考:法務局「一般社団法人の役員変更(社員総会議事録の例:代表理事を変更する場合)」
5)決議後2週間以内に役員の変更登記が必要
役員変更の効力が発生した日から2週間以内に、管轄の法務局に変更登記を申請する必要があります。必要な登記を怠った代表者等は、100万円以下の過料に処される可能性がありますので、十分にご注意ください。
一般社団法人の役員変更登記の手続き方法
一般社団法人の役員に変更が生じた場合、法務局への変更登記手続きが必要となります。これは、法人の登記事項に変更があったことを公示し、法人運営の透明性を確保するための重要な手続きです。
ここでは、一般社団法人の役員変更登記について、基本的な手続きの流れやケースごとの必要書類、さらには管轄法務局の調べ方や収入印紙の購入方法といった初歩的な疑問まで詳しく解説します。
1)基本的な役員変更登記の手続き方法・流れ
①必要書類の準備
変更内容に応じた必要書類を準備します。詳細は後述の「2)ケースごとの必要書類」をご
参照ください。
②変更登記申請書の作成
法務局のウェブサイトからダウンロードできる「一般社団法人 変更登記申請書」に必要事
項を記入します。
③登録免許税の納付
登録免許税として1万円分の収入印紙を購入し、変更登記申請書に貼付して納付します。
④管轄法務局への申請
準備した書類一式を、管轄の法務局に提出します。
⑤管轄法務局の調べ方
法務局のウェブサイトの「管轄のご案内」ページで、法人の主たる事務所の所在地から管
轄法務局を検索できます。
参考:法務局「管轄のご案内」
⑥収入印紙の貼り方と購入方法
1万円の収入印紙は、郵便局、法務局内の印紙売り場などで購入できます。購入した収入印紙は、変更登記申請書の所定の欄に、剥がれないようにしっかりと貼り付けてください。消印は法務局で行いますので、ご自身では行わないように、ご注意ください。
2)ケースごとの必要書類(理事会設置法人の場合)
①役員の任期が満了(重任)した場合の必要書類
- 変更登記申請書
- 社員総会議事録
- 理事会議事録(代表理事を選任する場合)
- 就任承諾書
- 委任状(専門家へ依頼する場合)
②役員が新たに就任した場合の必要書類
- 変更登記申請書
- 社員総会議事録
- 理事会議事録(代表理事を選任する場合)
- 就任承諾書
- 委任状(専門家へ依頼する場合)
- 印鑑証明書
- 印鑑届書(代表理事変更時)
- 本人確認証明書
③役員が辞任した場合の必要書類
- 変更登記申請書
- 辞任届(辞任する役員分)
- 委任状(専門家へ依頼する場合)
④役員が死亡した場合の必要書類
- 変更登記申請書
- 死亡届または死亡の記載のある戸籍謄本(除籍謄本)等
- 委任状(専門家へ依頼する場合)
⑤代表理事が変わった場合の必要書類
- 変更登記申請書
- 理事会議事録(代表理事選定に関する決議)
- 辞任届(旧代表理事分)
- 就任承諾書(新代表理事分)
- 印鑑証明書(旧代表理事分・新代表理事分)
- 印鑑届書(代表理事変更時)
- 委任状(専門家へ依頼する場合)
役員変更登記を忘れた際の100万円以下の過料に要注意!
一般社団法人における役員変更は、法人の運営上、避けては通れない重要な手続きです。役員の任期満了・辞任・就任、そして不幸にも役員が亡くなられた場合など、様々な状況に応じて、法務局への変更登記が義務付けられています。これらの手続きを怠ると、100万円の過料(罰則)に処される可能性があるため、十分にご注意ください。
本記事では、役員変更に伴う定款の確認方法から、変更手続き、そして変更登記申請までの一連の流れを詳細に解説しました。特に定款の「絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項」の違いや、電子定款の確認方法、さらには現行定款と設立時の定款が異なる場合の注意点など、実務上見落としがちなポイントについても言及しました。
また、社員総会の特別決議や電磁的記録による同意の取得方法、代表理事変更時の議事録テンプレートなど、具体的な手続きをイメージしやすいように、実践的な情報も盛り込みました。変更パターンごとの必要書類リストも、手続きをスムーズに進める上で役立つはずです。
役員変更登記は、単なる事務手続きではなく、法人としての信頼性を維持するための重要なプロセスです。本記事が、一般社団法人の適切な運営の一助となり、円滑な役員変更手続きの実現に貢献できれば幸いです。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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