会社を経営していく中で、事業規模の拡大や経営方針の転換に伴い、「今の会社の形態が合わなくなってきたかもしれない」と感じることはありませんか?
そんな時に検討されるのが、会社法で定められている「組織変更」という手続きです。この記事では、組織変更の基本的な意味や、代表的なパターン、そして大まかな手続きの流れについて分かりやすく解説します。
会社法における組織変更について解説します
会社法における「組織変更」とは?
会社法における「組織変更」とは、会社の法人格(会社そのものの同一性)を保ったまま、会社の法的な種類(形態)を変更することを指します。
つまり、会社を一度解散して新しく設立し直すのではなく、現在の会社の権利義務(契約関係、財産、負債、許認可など)をそのまま引き継ぎながら、看板やルールだけを別の種類の会社に切り替えることができる制度です。
組織変更の代表的な2つのパターン
現在の会社法において、組織変更ができるのは「株式会社」と「持分会社(合同会社・合名会社・合資会社)」の間のみと規定されています。実務上、最もよく見られるのは以下の2つのパターンです。
1. 合同会社から株式会社への組織変更
設立時のコストが安く、手続きが簡単な合同会社としてスタートアップを立ち上げた後、事業が軌道に乗ってきたタイミングで株式会社へ変更するパターンです。
- 主なメリット: 社会的信用の向上、資金調達の選択肢の増加(株式の発行など)、優秀な人材の採用強化
- こんなケースにおすすめ: 今後IPO(株式公開)を目指したい、ベンチャーキャピタルから出資を受けたい
2. 株式会社から合同会社への組織変更
かつては株式会社として設立したものの、株主総会の開催義務や役員の任期ごとの登記変更が手間に感じられ、より自由度の高い合同会社へ変更するパターンです。
- 主なメリット: 意思決定の迅速化、役員の任期がなくなり重任登記のコストが削減できる、決算公告の義務がなくなる
- こんなケースにおすすめ: 家族経営や少人数で、外部からの資金調達を想定していないスモールビジネス
組織変更の基本的な手続きスケジュール
組織変更を行うには、会社法で定められた厳格な手続きを踏む必要があります。一般的には、手続き完了までに約1.5ヶ月〜2ヶ月程度の期間を要します。
以下は、合同会社から株式会社へ変更する場合の大まかな流れです。
- 組織変更計画の作成:
- 変更後の商号(会社名)、目的、役員、資本金などを定めた計画書を作成します。
- 事前開示書類の備置き:
- 本店に組織変更に関する書類を備え置き、株主や債権者が閲覧できるようにします。
- 総社員の同意(株式会社の場合は株主総会の特別決議):
- 原則として、すべての社員(出資者)の同意が必要です。
- 債権者保護手続き(重要):
- 会社の債権者に対して、「組織変更しますが異議はありませんか?」と官報に公告し、かつ分かっている債権者には個別に催告(通知)をします。この期間は最低でも1ヶ月間確保する必要があります。
- 登記申請:
- 効力発生日から2週間以内に、管轄の法務局へ「組織変更による株式会社の設立登記」と「合同会社の解散登記」を同時に申請します。
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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