合同会社の配当や損益分配の方法を解説

合同会社の基礎知識
投稿日:2024.04.11
合同会社の配当や損益分配の方法を解説

株式会社では、株主は剰余金の配当を受けることができます。株式会社の場合と同様に、合同会社においても配当というものがあります。

しかし、合同会社では株式や株主という概念がありません。そのため、合同会社における配当と株式会社の配当とでは考え方や制度が異なっています。

本記事では、合同会社における配当や損益の分配について、その内容や制度を株式会社との比較をしながら、解説をしていきます。

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それでは次章より合同会社の配当や損益分配について解説します。

会社における配当や損益分配とは?

そもそも会社における配当や損益分配とは何でしょうか。まず株式会社の場合における配当を確認したうえで、合同会社の場合における配当をみていきましょう。

株式会社における配当とは?

株式会社は、事業活動により利益をあげてそれを株主に対して分配することを目的としています。この株主に対する分配の方法として最も基本的なものが剰余金の配当です。
投資家である株主としては、配当性向や配当利回りなどが会社を評価する指標となります。

剰余金の配当は、保有する株式数(出資割合)に比例して行われ、主に利益剰余金が配当の原資となりますが、資本金や資本準備金を減額して剰余金に組み入れることで原資とする場合もあります。

配当することができる金額は、決算時の剰余金の状況によって計算される分配可能額を上限とされ、これを超えて配当することはできません。無制限に株主に対する配当を認めてしまうと、会社の財産が不当に減少してしまい、会社の債権者が債権を回収することができなくなる恐れがあるからです。また、純資産の額が300万円以下の場合、分配可能額がゼロとなり、配当をすることはできません。

なお、決算の内容や会社の成長方針によっては、配当をしない、いわゆる無配とするケースもあります。(配当を再開することを復配、増やすことを増配と呼びます。)

合同会社における配当とは?

合同会社などの持分会社は株式を発行しません。そのため、合同会社では、株式会社における配当とは考え方が異なります。

合同会社の場合、資本剰余金は原資とならず利益のみが配当の原資となるため、剰余金の配当ではなく、利益の配当といいます。

合同会社の構成員は株主ではなく社員です。この社員は、原則として、いつでも合同会社に対して利益の配当を請求することができることになっています(会社法第621条第1項)。ただし、定款で利益の配当を請求する方法や時期などを定めることができるとされており(会社法第621条第2項)、株式会社と比較すると、合同会社の利益の配当の方法やタイミングなどについて定款でカスタマイズすることができる自由度が高くなっています。

たとえば、社員の持分の過半数により利益の配当をすることを決定した場合のみ配当を請求することができると定款で定めることなどができます。

合同会社では社員ごとの持分管理が重要

株式会社では株主名簿というものがあり、これに基づいて資本関係を管理します。それでは、合同会社においてどのように管理をすればよいのか、確認しましょう。

社員ごとの持分管理が必要

合同会社の構成員は株主ではなく社員です。株式会社では一つ一つの株式は(同じ種類の株式であれば)すべて同価値なので、それぞれの株主がいくつの株式を持っているかを管理します。その際に株主名簿が用いられます。

他方、合同会社においては株式という概念はなく代わりに持分があります。持分は株式と異なり、それぞれの社員によって価値が異なります。そのため、社員ごとに持分を管理する必要があります。もちろん、社員が1人の場合は持分管理をする必要はないですが、複数の社員がいる場合は持分管理を行う必要があります。

出資した金額の一部を資本剰余金にする場合、資本金と分けて管理しましょう。
社員の持分の増減を記録して管理しておき、実際の支払いは退社時や会社の清算時に行うという運用を行う場合もあります。

以下に、社員2名で持分割合2対1の場合の持分管理表をサンプルとして掲載します。

〈持分管理表〉


合同会社において配当・損益分配する方法

では、実際に合同会社において利益の配当、損失の分配をする方法を確認しましょう。

利益が出た場合の配当

合同会社では利益を原資として配当を行います。株式会社のように、資本剰余金を原資とすることはありません。

配当することができるのは、利益の額が上限となりこれを超えて配当することはできません(会社法第628条)。これを超えて配当をした場合は、違法配当として、当該配当を行った業務執行社員やそれを受け取った社員は連帯して責任を負うことになります(会社法第623条第1項、第629条第1項)。

会社から社員に配当を支払う際には、20.42%(所得税等)の源泉徴収をし、支払った月の翌月10日までに納付をすることが必要です。

なお、利益が出たとしても、配当を実施しないで利益剰余金として留保しておくもできます。また、株式会社では純資産の額が300万円以下の場合には配当ができませんが、合同会社ではこのような制限はありません。

損失が発生する場合の分配

合同会社において損失が発生した場合は、利益剰余金がマイナスとなります。

この場合、損失も分配の対象となります。ただし、損失が生じたからといって、都度社員が追加の出資をしなければならないわけではなく、定款に特段の定めがなければ損失額につき持分割合に応じて、それぞれの社員の持分が減少することにより損失が分配されます。

最終的には退社時や会社の清算の際の払い戻しに反映されることになります。

配当や損益分配のルールを定款で設定できる

株式会社の場合、一つ一つの株式の価値は平等であり、配当について柔軟にカスタマイズする余地はあまりありません。

他方、合同会社では、たとえば配当を持分割合に比例させないようにすることを定款に定めることもでき、定款自治の裁量が大きくなっています。

そのため、出資額・持分割合が同じ複数の社員がいる場合でも、社員の持つノウハウや能力に応じて、利益分配の額に差をつけることも可能です。

また、定款では利益の分配の割合と損失の分配の割合をそれぞれことなる割合とすることもできます。ただし、利益また損失の片方のみの割合が定められている場合には、もう片方の損失または利益の分配と同一の割合であるものと推定されます。

ただし、一部の社員について配当をしないなどとする定款の定めは、合同会社の出資の目的に反するため認められません。

合同会社の配当は柔軟に設計できるので、目的に応じて活用しましょう

本記事では、合同会社における配当を株式会社の場合と比較しながら解説しました。
さまざまな観点で指摘したとおり、合同会社における配当は株式会社の場合と比較して、自由度高く柔軟に設計をすることができます。

また、実際に運用をしていく際には、それぞれの社員について持分管理を実施していくことが必要です。

順調に期を重ねて最終的に持分を払い出す際に適切な処理をすることができるように、日ごろから正確な管理をしましょう。

このような配当に関する合同会社と株式会社との違いを理解していただくことで、適切な合同会社の資本管理に役立てていただければ幸いです。

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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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