合同会社における資金調達方法を解説

合同会社の基礎知識
投稿日:2024.02.01
合同会社における資金調達方法を解説

合同会社の資金調達方法にはどのような方法があるかご存知でしょうか?

融資や出資といった一般的な資金調達方法が使えるのか、株式会社における資金調達方法と違いがあるのかなど、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。LLC(Limited Liability Company)とも呼ばれる合同会社の資金調達(LLC資金調達)には、合同会社特有の向き不向きがあります。

本記事では、会社全般の一般的な資金調達方法を紹介した上で、資金調達における合同会社特有の問題や、合同会社の具体的な資金調達方法について詳しく解説します。

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会社におけるおもな資金調達の方法

資金調達方法は、会社の種類や規模に応じてさまざまです。


合同会社の資金調達方法(LLC資金調達)を説明する前に、会社全般でよく行われる資金調達方法を紹介します。


最も一般的な「融資」

融資は、金融機関などから行う借金のことです。


出資とは異なり元本の返済が必要な負債であり、間接金融の一種とされています。合同会社や株式会社といった会社の種類を問わず、また個人事業主であっても利用できるため、最も一般的な資金調達方法といえるでしょう。


一口に融資といっても、資金使途や担保の有無に応じて複数の種類があります。

たとえば、設備投資やプロジェクト資金などの一定期間での返済を前提にした長期借入や、運転資金などの継続的な借入を想定した短期借入などです。


金融機関から借り入れる際は、一般的には不動産や保証人といった担保が必要になりますが、金融機関によっては無担保の融資も受けられるなど、ケースにより条件が変わることもあります。


株式会社で可能な増資(出資)

出資は、株式を発行し、発行した株式を投資家に購入してもらうことで資金調達を行う方法のことであり、「募集株式の発行」とも呼ばれます。融資と異なり借金ではないため会社に返済義務はなく、「直接金融」の一種とされています。


もっとも、返済不要とはいえ、株主からの会社の成長や企業価値向上への期待、要望といった目には見えないコストを抱えることになります。


増資は、株式を新たに発行するため資金のみならず、持株比率、すなわち会社のオーナーとしての立場に影響を及ぼす可能性があります。また、持株比率が3分の2や過半数といった決議に必要な割合を下回ると、円滑な会社経営に支障をきたしかねません。


増資の場合は、銀行や信用金庫など一般的な金融機関よりもエンジェル投資家やベンチャー・キャピタル(VC)が資金調達先になったり、企業価値向上への期待から、単純な飲食業など一般的な事業は対象になりづらいといった、融資にはない特徴があります。


社債の発行

社債は、会社が中期的または長期的な資金調達を行うために発行する債券のことをいいます。融資と同じく元本返済が必要な負債ではありますが、投資家から直接資金調達を行うため、株式発行と同じく直接金融の一種です。


社債は不特定多数人への流通を前提にした流動性ある有価証券であるため、融資と異なり多くの人から資金調達することができ、また一般的に資金調達の金額も多額になります。


社債の種類は、大きく分けて公募債と私募債の2種類に分けられます。公募債は金融機関を通じて広く一般の投資家から募集を行うものであり、私募債は限られた少数の投資家から募集を行うものです。


社債の返済(償還)は、利払日に利息を支払いながら、満期日に元本を償還する方法が一般的ですが、満期日より前の償還(途中償還)を認めるものもあります。発行企業側で返済方法を選択できるのは一般的な融資にはない魅力といえるでしょう。


また、金融機関を通じて社債を発行した場合は、社債を発行できる企業として社会的信用や知名度を高めることにもつながります。


資金調達に影響する合同会社の性質

資金調達に影響する合同会社の性質(すなわち、LLC資金調達に特有の問題)について、株式会社との違いを踏まえて具体的に解説します。


株式を発行できない

合同会社では株式が存在しないため、株式会社と異なり募集株式の発行による資金調達はできません。


株式会社では、会社の所有者である株主は経営権を持たないため、広く出資を募っても直ちに経営に影響することは少ないです。

しかし、合同会社では、出資により会社の所有者となる社員は同時に経営者にもなるため、広く出資を募ると経営にも直接影響してしまいます。


そのため、合同会社においては株式会社と異なり広く出資を募る方法では、経営権に影響を及ぼさず資金調達のみを実現することが難しくなります。


事業規模や資産が小さい

合同会社は、株式会社と比べて制度自体の歴史が浅く新しい会社も多いため、事業規模が小さく資産が少ないという会社が少なくありません。


そのため、融資を受けるための担保の用意が難しく、株式会社と比較して利用できる融資の種類が限られたり、融資の限度額が低かったりします。


これらの理由により、融資の際には株式会社以上に、会社のキャッシュフローや財務状況の健全性、経営者の個人保証が求められる可能性が高くなりがちです。


なお、経営者保証に関するガイドラインの改定により、2023年4月から金融機関には原則として経営者個人の保証に頼らない融資対応が求められるようになっています。しかし、合同会社では財務状況や資産基盤の弱さから、株式会社に比べれば今後も経営者保証を求められることが少なくないと考えられます。


参考:経営者保証に関するガイドライン


合同会社自体の認知・信用度が低い

合同会社はアメリカのLLC(Limited Liability Company)をモデルにして、2006年の会社法施行によってはじめて認められた制度です。


すでに述べたとおり制度自体の歴史が浅く、社会的な認知度や信用度は株式会社に比べて低いといえるでしょう。


そのため、金融機関の融資の審査基準が株式会社とは異なる可能性があり、同じような事業規模、財務状態であっても審査が厳しくなる場合があります。


また、社債の発行による資金調達も、社会的な認知度や信用度が低いため株式会社の場合と比べて引受先を見つけにくい可能性があります。


合同会社における資金調達方法

上記のような合同会社の特徴をふまえ、現実的に取り得る資金調達の方法を具体的に5つ紹介します。


融資

融資は会社の資金調達方法の中で最も一般的な方法ですが、合同会社における資金調達においても依然として同じことがいえます。


ただし、融資と一言でいっても銀行や信用金庫が提供する一般的な融資のほかにも多数の種類があります。金融機関や信用保証協会、地方自治体が連携して行う制度融資、日本政策金融公庫が提供する新創業融資制度などです。


制度融資や日本政策金融公庫の融資では、原則として保証人や担保が不要となっており、合同会社でも利用しやすい制度といえるでしょう。


参考:東京都中小企業制度融資


補助金・助成金

国や地方自治体が提供する補助金や助成金には、分野ごとにさまざまな制度が準備されています。代表的な補助金・助成金は以下のとおりです。補助や助成といった性質から設立年数が浅かったり規模の小さい会社を対象にしているものが大半になります。


  • 事業再構築補助金(企業の新規事業や業態転換を支援するもの。)
  • IT導入補助金(ITツールの導入を促し、業務の効率化をサポートするもの)
  • キャリアアップ助成金(非正規雇用のキャリアアップ促進を支援するもの)


一例として以上があげられます。


これらを利用する場合、自力で各制度の内容を把握し申請手続きを行うことは難しいこともあります。行政書士や金融機関などの支援を受けることも合わせて検討しましょう。


参考:ミラサボplus(経済産業省の中小企業向け補助金総合支援サイト)


社債(少人数私募債)

引受先を確保できれば、合同会社においても社債(少人数私募債)を発行して資金調達を行うことが可能です。


少人数私募債とは、会社の関係者や取引先といった特定の少人数(50人未満)の投資家に対して発行する私募債のことをいいます。


発行会社側で発行金額や金利などの借入内容を決められる点や、金融機関を通じた社債発行に比べて低コストである点が少人数私募債のメリットです。


他方で、償還日には元本を返済する必要があるため、現実的な返済計画のもと償還日を見据えて返済資金を準備することが重要になります。また、社債の総額を1億円未満にしないと、金融商品取引法の適用を受ける可能性があるため、注意が必要です。自社のみで検討せず、専門家のアドバイスを受けながら検討しましょう。


事業譲渡

事業譲渡は株式売却に代わる有効な資金調達方法の一つです。新規事業の資金を調達するために、既存事業を譲渡するなどのケースが考えられます。


社員の持分自体(=会社そのもの)を譲渡する場合は全社員の同意が必要となるため、実際に譲渡するのは難しいことが多いでしょう。他方で、事業譲渡の場合は会社の資産の一部売却として位置付けられ、社員の過半数の同意で実施できることから、比較的容易に実現可能です。


なお、事業譲渡の際に行う事業価値の算定手続きなどは株式会社の場合とほとんど変わりありません。


クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、インターネットなどを通じて不特定多数の人から広く資金調達を行う仕組みのことをいいます。


一般的に会社の製品やサービスに賛同、共感した人が会社の支援者となって先行予約のようなかたちで資金を出すことが大半です。そのため、クラウドファンディングによる資金調達を実現するには、製品やサービスの新規性や独自性が求めらることが多くなります。


また、クラウドファンディングでは、特定の製品の開発などに使用目的を限定して資金調達することが一般的であるため、会社の運転資金などの調達には適していないことに注意しましょう。


合同会社の性質を踏まえた資金調達方法の検討を

会社全般の代表的な資金調達方法には、融資や出資(増資)、社債の発行といった手段があります。


合同会社は、会社の所有者と経営者が同じ(いずれも社員)であることから出資(増資)による資金調達ができません。


また、事業規模が小さい、信用度が低いといった合同会社の性質から、融資が受けにくかったり、社債の引受先が見つかりにくいことが想定されますが、その反面、補助金や制度融資といった、利用できる支援策が見つかることもあります。


本記事を、合同会社の特性を理解した上で自社のビジネスモデルの特性に合わせた資金調達方法の検討に役立てていただければ幸いです。


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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム

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