会社の創業直後や事業が成長しているタイミングというのは資金需要も大きくなりますよね。そういった資金需要に対応するために金融機関の融資や口座開設、クレジットカードといった手段があります。事業内容によっては第三者の出資による資金調達という方法もあります。
資金調達の手続きにおいて、ほぼ確実に行われるのが審査です。損益計算書(P/L)や貸借対照表(B/S)、残高証明書、会社登記簿や定款を提出し、基準をクリアしているかチェックするというフローです。
数字系の書類はわかりやすいですが、定款や登記簿は「何のチェックしているんだろう?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。本記事では定款や登記簿に記載される「目的」について金融機関が何をチェックしているか解説します。
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会社の目的について金融機関がチェックしているポイント
①融資対象となる事業が目的に記載されているか
「○○の事業を拡大するために融資を受けたい」はずなのにその事業が目的に記載されていないケースです。金融機関からすると「本当にそれが目的なのか?何か他に説明できない目的があるのでないか?」と勘ぐられる可能性があります。これは融資だけでなく、出資を受ける際にもチェックされることが多いポイントです。
②公序良俗に反する目的がないか
こちらはほぼ論外ですが、まず公序良俗に反する目的はNGです。ただし、融資の前にそもそも会社設立時の定款認証もできないはずなのでここで心配する必要はないかもしれません。
③金融機関の基準に抵触する目的がないか
法律上は問題なくても、金融機関内で自主的に設けている基準に抵触する可能性があります。
例えば日本政策金融公庫には「融資非対象業種」が設定されていて、金融業やパチンコ、風俗業の一部などは融資を受けることができません。
④売上の入金頻度を把握できるか
業種によって、売上が実際に入金されるタイミングはまちまちです。
法人向けの掛売りが中心なら入金タイミングは遅くなりますし、小売業や飲食業であれば毎日入金が見込めます。特に融資の場合はこれらタイミングによって返済原資に影響が出るため審査に影響する可能性があります。入金が一時的だったり、投機的、単価が非常に高額な商材などは注意が必要です。
⑤在庫がある事業なのかどうか
少し古い考え方ですが、在庫がある事業 = 実態のある事業、とみなされる時代がありました。この基準がまだ残っている可能性があります。近年はインターネットを活用した事業やコンサルティングなど在庫がない事業も一般的になりましたが、このような観点でチェックされる可能性もあります。
目的変更したら必ず登記申請も行いましょう
金融機関が登記簿や定款に記載される会社の目的についてどんな点をチェックしているかを解説しました。
もし変更が必要になった場合は定款および登記簿の両方を変更する必要があります。
目的変更の登記の流れやオンラインで簡単に申請する方法については以下の記事もご参考ください。
関連記事:株式会社(法人)の目的変更に必要な準備から書類申請までをご紹介
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執筆者:GVA 法人登記 編集部(GVA TECH株式会社)/ 監修:GVA 法律事務所 コーポレートチーム
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